宿儺にぶっ殺されたワイ、何故か子供になる   作:富竹14号

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 なんか最近ケンガンの黒木を見てしまったせいで最後の方がアレなことになっているかもしれない…でも黒木はカッコいいと思う。


人外魔境 デザート

 

 

 燃えた花弁が落ちてくる、紫に燃えた花弁がまるで雪のように空から下へと落ちてくる。

 

 宿儺と廻…互いに獲物をその手に持ち、眼前の宿敵をただ静かに睨みつける。

 

 『黄泉國』が崩壊していく、領域を維持するだけのリソースが無くなった…或いは維持するだけの余裕が無くなったことで影の園はその姿を霞へと変貌させようとしていた…最早、影の権能は使用出来ないと思っても良いだろう。

 

 

 

 そして、それは宿儺もまた同じである。

 

 

 

 宿儺の術式は既に焼き切れている…元々の縛りによる『函』解除時に術式が領域同様に焼き切れる縛り、それに加えて『白』の発動間も無く『函』を無理矢理駆動させたことによってその代償はより重く宿儺の身体に伸し掛かっていた…最早、この戦闘中に於いて宿儺の術式が回復することはないだろう。

 

 互いに術式は使えない…『黄泉國』の内側でしか影を使用出来ない廻と無茶を重ねた結果として術式の使用が極めて困難な状態となった宿儺…両者の状況は極めて似通っており、であるが故に両者の至る結論もまた同様のモノと化す。

 

 

 つまり、ここから始まるのは極めて単純明快で分かりやすい…シンプルなド突き合いである。

 

 

 

 

 

 

 

 二振りの大鉈と黒い戟が激突する、火花を散らして鉄の音を響かせながら鍔迫り合い、押し込んで相手の急所を抉ってやろうと攻め立てる。

 

 弾いて吹き飛ばして距離を取る、鍔迫り合いの最中に伸ばされた二本の腕を避けるようにして宿儺の肉体を弾き飛ばした廻はその瞳を鋭く細めながら獣のような疾走を開始する。

 

 地面に触れるか触れないか…限界まで姿勢を下げた状態での疾走、右から左へと動きながら迫る廻へと宿儺は戟を突き立てるが容易く躱され、一息に懐へと潜り込まれる。

 

 超近接戦、戟の間合いの更に内側にまで潜り込まれたことで長物の抗力は失われる。

 

 大鉈と言えどもその間合いは長物よりも短い、懐に潜り込んだ所で困ることなぞ一つも無かった。

 

 

「ッッ…!!」

 

 

 ギリッと歯を噛み締める音、力強く気合を入れるように噛み締められたその音と共にまるで熊の爪のような豪快な大鉈による一撃が宿儺へと振るわれる。

 

 柄を砕けんばかりに握り締め、腕の血管が太く浮かび上がる程に強く込められた万力の力、そうして振るわれた大鉈に対して宿儺は咄嗟に戟を手放し二本の両腕を盾に大鉈を防ぐ…が───

 

 

「───っ…!」

 

 

 メギョ、バリバリッ…そんな音と一緒に宿儺の腕に大鉈の刃は食い込んだ。

 

 骨の軋む音と食い込んだ感触、盾にした腕の片割れを呆気なく通過した大鉈は二つ目の腕の真ん中辺りでその動きを止めた…グググッと僅かに揺れ動く大鉈の存在がまだ宿儺の腕を諦めていないと主張しているかのように感じた。

 

 

「───良い武器だな! 俺にも寄越せッ!!」

 

「───お前もう俺の黒丸盗っていったろうがッ!!!」

 

 

 腕の一つ失おうが何のその、食い込んだ刃をそのままに互いに世間話でもするかのように言葉を交わす両名。

 

 血が流れだし、激痛に身を苛まれているはずなのにその表情は何ま変わらない、何処までも余裕そうにしている宿敵に対して、ならばくれてやると言わんばかりに廻は獲物から手を離した。

 

 瞬間、そこから始まるのは純粋な殴り合い…手を離した瞬間、そうするだろうことが分かっていたと言わんばかりに廻の顎へと肘打ちが突き刺さる。

 

 下から上へとカチ上げるように振るわれた肘打ちがダイレクトに廻の脳を揺さぶる、グワングワンと視界が揺れ動く…そこへと振るわれる大鉈、腕へと食い込んでいた物を抜き取ってそのまま振るわれたそれが廻の身体を上斜めから斬りつける。

 

 奔る鮮血、斬撃傷が廻の身体へと刻み込まれる…腕から半ば無理矢理大鉈を抜き取った宿儺はその振り心地の感触に満足したかのように笑みを零す。

 

 

「うん、良い───」

 

「───良いじゃねぇよ返せボケ!!!」

 

 

 そこへと、廻の頭突きが突き刺さる。

 

 何処か満足そうにしていた宿儺の顔面へと叩き込まれる頭突き、傷も痛いのもなんぼのもんじゃいと放たれたソレは宿儺の鼻を圧し折り叩き潰す。

 

 たたらを踏んだ宿儺へと大鉈を投げつける、欲しいならやるよと言わんばかりの雑な投擲、どう考えても投げるよりも斬った方が良いだろう距離感での投擲は宿儺の千切れかけの左腕を切断した。

 

 破砕音が響く…宿儺の左腕の一本を切断した投擲された大鉈が、その雑さからか大きく音を立てながら地面へと激突する…ガゴンッと音を立てて跳ね上がるその様子からは何処かもっと大事に扱ってくれと訴えかける何かを感じた…が、そんなこと知ったことではない。

 

 アッパーカット、さっきのお返しと言わんばかりに宿儺の顎へと突き刺さる硬い拳の一撃が宿儺の脳を揺らす…が、宿儺もまた直感的に廻の頬へと拳を突き刺していた。

 

 

 

「そういう貴様とて俺の『神武解』を壊しているだろうがっ!! 相子というやつだろうこれは!!!」

 

「盗るのと壊すのとでは意味が違うだろうが馬鹿たれッ!! そんなに言うならお前の『飛天』寄越せよバァァカッッ!!!」

 

「無いっ!!! 『飛天』は貴様が壊したのだろうがぁッ!!!!」

 

「そうだっけっ!!? そうだったかもなぁぁぁぁッッッ!!!!」

 

 

 

 

 言い合いながら殴りつける、何処かガキ臭い言い回しと言葉の羅列に死闘を見守っていたはずの観客達は何処かポカンとしたような様子で中継を観ていた。

 

 殴り蹴る、防ぎ躱しまた殴る…互いに文句を吐き出しながらもその手と足は休むことを知らず、的確に敵手へとそのダメージを蓄積させていく。

 

 宿儺の頬へと拳が突き刺さる、ぐにゃりと歪んだ頬から奇妙な声が漏れ出る、吹き出すように飛び出た宿儺の血と唾が地面へと落ちていく。

 

 廻の頬へと拳が突き刺さる、殴り抜かれたそこから歯が飛び出て地面へと落ち、それとほぼ同時に宿儺の顎ヘと再び拳を叩きつける。

 

 泥臭い殴り合い…最早そうとしか思えない光景が広がっている。

 

 どうしてだろう、交わっている技と力は何処までも行ってもどう見ても一級品を超えたものであるはずなのに、それを上回るレベルで泥臭い男同士の喧嘩としか思えない、死闘であるはずのそれが夕焼けの河川敷で繰り広げられる喧嘩にしか思えない…そんな矛盾した光景が広がっていると、東堂は錯覚した。

 

 飛び膝蹴りが宿儺の顔面へと突き刺さり、それと同時にクロスカウンター気味に廻の腹部へと宿儺の拳が抉り込む…急所へと突き刺さる両者の打撃、互いに無遠慮に食い込んだそれら一撃が同時に黒い火花を発生させる。

 

 突き刺さる2.5乗の一撃、互いに血を吐き出し地面へと転がるように逃げる両名、引き絞られるように鮮明となっていく意識と感覚とは裏腹に廻と宿儺の動きは揃って鈍重だった。

 

 

 宿儺にはまだ呪力があるが、先の『函』の使用によりその出力を大幅に低下させていた、『白』を使用した直後の『函』の使用はそれほどまでの重荷を宿儺へと与えていたのだ。

 

 よって、現在の宿儺の反転術式では傷の完治までに時間が掛かる、少なくとも直ぐにとはいかず最低でも数分程度の時間が必要だった…要するに隙だらけになるということである。

 

 逆に廻は出力は問題無い、使えば直ぐ様完治まで持っていけるだろう程度の出力はある…が、代わりに呪力が無い。

 

 元来、廻の呪力量はそこまで多くは無い、あったとしてもその量は確実に五条悟よりも下の部類であり、下手をすれば伏黒恵程度にしか無いかもしれない。

 

 それでも廻の呪力が簡単に底を見せなかったのは当の本人の呪力操作の技量もあったのかもしれないが、それ以上に魔虚羅の存在が大きい。

 

 千年前、召喚され自我を与えられた魔虚羅が平安の廻の亡骸を抱えて逃げた後に真っ先に適応したのは自身の呪力に関しての問題だった。

 

 呪力切れ…廻が千年前の猛者達に残した弱点、呪力さえ切れればその活動を停止するという弱点になっているのか良く分からないソレに魔虚羅は真っ先に適応した。

 

 一度目の適応は呪力の蓄積と貯蔵、活動を最小限とすることで呪力を貯蔵し、二度目の適応で大気中に漂っていた僅かな呪力を吸収し蓄積することで前回の問題を解決し、三度目の適応でパンダ同様に呪力の補完と循環を始めた。

 

 補完と循環を始めたことで貯蔵の必要性は無くなった…しかし魔虚羅は止めなかった、必要の無くなった貯蔵を止めず、活動しない日は自身の補完の範囲内の呪力すら貯蔵した。

 

 そうしてコツコツと溜め込んだ大凡千年分の呪力…それが、禪院廻がこと此処に至るまで呪力切れを起こさなかった理由だった。

 

 魔虚羅の内から呪力を引き出し自身の内へと注ぎ込む…乙骨のソレとは違い、外付けではなく内付けの貯蔵庫であったが為にその事実に気付いたものは五条悟を除いて存在しなかった。

 

 そして今、『白』を防ぐ為に適応を速めたことに加えて溜め込んだ呪力を全ての吐き出してしまった為、廻の呪力は遂に底を見せ始めた。

 

 使える反転術式は精々が一回と半分…使えば呪力は空となり、そうして出来た強化の隙間を縫って宿儺に殺されるだろうことを廻は予感していた、だから廻は反転を使わず強化のみに趣を置いている。

 

 

 何ということはない…要するに現在の両名には最早反転術式を使うだけの余裕が無いと、ただそれだけのことなのである。

 

 

 

 立ち上がる、震える膝を叩き無理矢理止めて、何処かダル気な声を出しながら禪院廻は立ち上がる。

 

 立ち上がる…失った片方の両腕から血を垂れ流しながら、揺れる頭をダンダンッと叩いて治しながらゆらりと幽鬼のように宿儺は立ち上がる…その口元は、弧を描いていた。

 

 

 視線が合う…黄金と紅の瞳がバチリと噛み合った。

 

 

 瞬間…両者同時に弾けるように飛び出した。

 

 先程までの馬鹿なやり取りは一体何だったのか、そう思わせる程に冷たく殺伐とした気配、あまりの温度差に風邪でも引いてしまいそうな空間にしかし、ソレを気にするな者なぞ端からこの場には存在していない。

 

 飛び出し踏み込む、拳を砕けんばかりに握り締め相手の脳髄を爆散させてやろうと振り被る。

 

 両者射程圏内、振るえば届き直撃するような位置、ほんの少しでも手を伸ばせば届いてしまいそうな距離感…そんな場所で、廻と宿儺は同時に地面を踏み締めた。

 

 互いに最大呪力出力、小細工も小賢しいのも全て無し、何処までも純粋で分かりやすくて単純な真正面からの一撃、騙し合いもクソも無い何処までも明快な激突勝負。

 

 打つ、必ず打てる…そう確信させる何か、自身の掌から送られる感覚が廻と宿儺に黒い火花の到来を確信させた…であるが故の、真っ向勝負。

 

 

「───さぁ…火力勝負といこうッ…!!」

 

 

 誰が呟いたのか、誰が口を開いたのか…最早誰にも分からないその言葉と共に、黒い火花は周囲へとその威容を撒き散らす。

 

 

 

───『黒閃』

 

 

 両者の拳に黒い火花が発現する、まるで花火のように周囲の空間を歪ませ捻じ曲げ、拳と拳が衝突する。

 

 弾けて混ざり合う呪力と呪力、衝突した打撃と打撃のぶつかり合い、衝撃によって地面が砕け空気が揺れる、雷が如き爆音を響かせながら黒い火花は強くその存在を主張する。

 

 拮抗は僅か一瞬、ほんの僅かな拳と拳の衝突による拮抗の後に現れた結果が、その全てを物語っていた。

 

 

 

 

 宿儺の拳が、砕けた。

 

 衝突した宿儺の拳と廻の拳、一瞬の拮抗の後に砕けた己の拳に宿儺はその瞳を見開いた。

 

 

 

「───ァァァッッッ!!!!」

 

 

 そして、その好機を見逃す禪院廻ではない。

 

 裂帛…とは言えない、噛み殺したかのような叫び声と共に砕いた拳ごと己の拳を突き通す。

 

 拳を砕き、肉を裂き血管を破り骨を砕き、両面宿儺の腕を穿つ。

 

 突き進んだ拳、突き進ませた一撃、原初の赤をバラ撒きながら突き進み怪物の腕すら穿ち抜いたその一撃は、今尚もその勢いを衰えさせず宿儺の顔面へと到達する。

 

 

 

───『黒閃』

 

 

 黒い火花が、また散った。

 

 宿儺の拳を穿った一撃とはまた別の黒閃、周囲の空気を揺らすその一撃を今度は何に阻まれることも無く廻は呪いの王へと叩きつける。

 

 顔面へと打ち込まれた黒い火花、顔面の骨を砕くような感触を拳から感じながらも廻はその手を緩めなかった。

 

 

───『黒閃』

 

 もう一発、更に火花が散る。

 

 逆の手による顔面の殴打、真正面からの一撃によって後方へ行きそうになっていた宿儺の身体を抉り掴んでからの更なる一撃、顔面横面への強烈な拳が突き刺さる。

 

 

 

───『黒閃』

 

 

 更にもう一撃、火花が散る。

 

 蹴りの一撃、横に傾いた宿儺の腹部へと放たれた回し蹴りが宿儺へと直撃しその身体をくの字へと折り曲げる。

 

 吹き飛ぶ…そう思わせられたのも束の間、即座にその足を掴み取り身体ごと回転させながらその足をへし折らんと宿儺は行動を開始する…が───

 

 

───『黒閃』

 

 

 叩き潰される…片足のみでの踏み込みによる黒閃の発現、2.5乗の加速がその身体を一気に建物の壁にまで足を押し付け、その壁へと向けて廻は自らの足を叩きつけた。

 

 

───『黒閃』

 

 壁に叩きつけたと同時に発現する黒い火花、2.5乗の衝撃が壁へと伝わる前にまず宿儺へと伝わり、その肉体に大きな負荷を与えた。

 

 吐き出される血液、緩む力…万力の力を込めていた腕の力が緩み、その手が足から離れる。

 

 

───『黒閃』

 

 

 すかさず叩き込まれる踵落とし、宿儺が離れたことで自由となった右足を地面へと押し付け、回転を加えながらの左踵落としを宿儺の身体へと叩きつける。

 

 黒閃の衝撃により地面へと亀裂が奔る、叩きつけられたことで吐き出された血液が空中を漂い、更にあまりに強すぎる一撃であったが故かバウンドするように宿儺の身体が更に宙に浮く。

 

 

───『黒閃』

 

 

 浮き上がった宿儺へと拳が襲いかかる、真っ直ぐと態勢を整えた上で放たれた正拳突きが浮かび上がった宿儺の背中を穿ち抜く。

 

 バキリッと骨にヒビの入ったような感覚、口から声にならない声を上げながら込み上げてきたモノを吐き出すように宿儺が息を吐き出す。

 

 正拳突きによって吹き飛ばされた宿儺、土煙を上げながら地面を転がり、背中からやってくる痛みと無数の黒閃によるダメージに荒く息を吐き出す。

 

 動く度に痛みが奔る、動く度に身体が軋む…反転術式があれば即座に治せていただろう傷が今や癒せぬソレとなって宿儺を苦しめる。

 

 

 ……だから何だ。

 

 

───まだだッ…!!

 

 

 止まらない、両面宿儺は止まらない。

 

 足を踏み締めて駆け出す、構えて疾走を開始した宿敵目掛けて宿儺は再び駆け出した。

 

 残った腕は左腕一本だけ、二本の足は未だ健在…ならばやれる、まだ食える、まだまだ楽しめる。

 

 

───まだだ…もっと……もっと……!!!

 

 

 痛みだけで止まるには勿体ない、腕の欠損だけで止まるほど軟じゃない、この一度あるか無いかの食卓で一滴でも残すはあまりに口惜しい。

 

 

 拳を振り被る、残った左腕に万力の力を込めて。

 

 踏み締めた足を動かし、前へ前へと突き進み、求めた食卓へと未だ渇かぬ渇望を見い出しながらその拳を振り抜き───

 

 

───『黒閃』

 

 

 そして、黒い火花が飛び散った。

 

 クロスカウンター…掠めるように廻の顔面の直ぐ側を横切って行った宿儺の拳…それに合わせるように放たれた廻の拳が宿儺の顔面を撃ち抜いた。

 

 黒閃によるカウンターの一撃、真っ向からソレを食らった宿儺の動きが、明確に停止する。

 

 

 

 廻が地面を、踏み締めた。

  

 握り込まれた逆の拳、カウンターの一撃を叩き込んだ体勢を崩し、そこから更に拳を大きく振り被る。

 

 最大呪力出力…動きの停止した宿儺目掛けて禪院廻は何の躊躇も容赦も無く、その拳を宿儺へと叩きつけた。

 

 

───『黒閃』

 

 

 黒い火花が咲いた。

 

 鳩尾への正確無比な正拳突き、今の状態で出せる全てを賭した最大の一撃が宿儺の鳩尾…心臓の部分へと無抵抗に突き刺さった。

 

 揺れる視界、動かない身体に迸る激痛…そしてそんな状態でも視界の中に浮かび上がる黒い火花の存在に両面宿儺は何処か残念そうに、口惜しそうに声にならない声を呟いた。

 

 

───もう…終わりか。

 

 

 

 まだ食べていたかった…そんな言葉にならない言葉と共に宿儺の肉体は近場の建物を貫通して地面へと叩きつけられた。

 

 

 バチリと雷が鳴り響く…未だに腕に纏わりつく黒い火花を祓うように、まるで血を払うかのようにブンッと腕を振り被りながら、廻はそっと息を吐き出した…そんな姿を、モニターから観ていた誰かが、呟いた。

 

 

 

「───これって…」

 

「…あぁ───」

 

 

 

───廻の勝ちだ。

 

 

 

 

 

 

 呟かれたその言葉が、ただ静かに響き渡った。

 

 





 次話、宿儺戦終了。
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