親友ちゃんのイメージ
容姿:背の小さい(150cm)五条悟の女体化、声がフリーレンみたいなダウナー? みたいな感じで喋る。
実質フリーレン見て思いついたキャラクター、ヤンデレは趣味。
揺れる、揺れる、揺れる。
地面が…いやそんな生易しい規模じゃない。
海が、全てが、空間が揺れる、揺れ動き遍く全てをひたりと壊していく。
隣から悲鳴が聞こえる…天内ちゃんの悲鳴とソレを落ち着かせようとする黒井さんの声、それを見て冷や汗を流すサマーオイルの姿が見えた。
そして、その当の俺は今、ベッドの上で寝転がったままだった。
振動で目が覚めた、何処からか漏れ出してくる極大の呪力を感じ取ってその意識を目覚めさせた…懐かしい感じがする。
まるで…そう、まるで何年も前に生き別れた友達に出逢ったみたいな…そんな感覚がした。
身体を起こし、ベッドから降りて怯えて泣く天内ちゃんの身体をそっと抱きしめた。
特に理由とかは無い、ただ雷の時とか地震の時とかで泣く弟にこうしてやると何時も泣き止んだから、こうしただけ。
抱きしめられてたことに気づいた天内ちゃんに見られている気がするが、そんなことは無視していた俺の目は、窓の外側を睨むようにして見つめていた。
黒い円状の帳、それらにヒビが入り中から白い光のようなものが溢れ出しそうになっている光景に、ふと昔を思い出す。
そう、アレは昔、俺の親友がある実験を行った時に偶然見つけたとある事象が切っ掛けとして起こったあの事件のことを。
何秒経ったろうか、次第に白は帳の中から弱ったように消えていく、ゆっくりと緩やかに悠然と、まるで蛍の死に際のように。
それと同時に揺れも収まっていく、地鳴りを鳴らして唐突にやってきていたあの『白』の余波は、白とは別で唐突に消え去るように収まっていった。
「…廻?」
天内ちゃんの消え入りそうな声が聞こえる、視線を向けてみれば涙目の天内ちゃんが何が何だか分からないと言ったような顔をしている。
そんな天内ちゃんに大丈夫と言って立ち上がり、窓の外へと改めて目を向ける。
静かだ、何もない…さっきまでの地震が嘘みたいに何もない…そう、
さっきまであんな地震が起きていたのに傷跡らしい傷跡が何も無い、窓の外に出て確認してみても地面に亀裂が入ってるなんてこともない、家が割れてるなんてこともない。
よしんば被害があったとしても、それは精々揺れで割れた硝子が落ちてきた、花瓶が落ちてきた、店の看板が落ちてきたと言った先程の規模の地震にしては比較的軽い被害だけだった。
津波が来る気配もない、海は今も変わらずその静けさを保っている……あの時と同じだ。
「…廻、今のは───」
「分からない」
サマーオイルの疑問に、半ば切り捨てるように答える。
なんか凄く感じ悪いけど…ごめん、本当にこうとしか答えられないのだ。
昔、千年前のことだ、一度だけこれと同じ現象を目にしたことがある。
それは、親友の実験によって始まり、目にすることが出来た文字通り奇跡にも近いものだった。
虚式と虚式をぶつけ合わせれば一体どうなるのか…その一言から始まったその実験は、何が起こるか分からないその危険性を考慮して、とある無人の小島で行われた。
方法自体は簡単だった、小島の開けた場所に指向性を付与されていない虚式を設置し、そこに虚式を撃ち込むという方法だ。
未来で五条悟がやったように、蒼を設置してそこに赫を撃ち込み、虚式になったタイミングで更にそこに虚式を撃ち込む…どう考えても高難度を飛び越えた難易度のはずなんだが、親友は一発で成功させていた…やっぱり頭おかしい六眼。
話を戻して…どんな形であれ虚式と虚式をぶつけるわけなんだからその威力は限りなく低い状態で行われた。
結果としてどうなったか…虚式と虚式がぶつかり合った直後、島の半分が文字通り消し飛んだ。
地震も起きた、今回よりは弱いけどそれでも大きな地震だった。
その時もそうだった、強い地震が起きた癖に津波も何もなかった、あったのは強さにしては軽度な被害だけ。
分からない、分からないから親友には使用を禁止した…冗談抜きで何が起こるか分からなかったから、使わないように頼み込んだ。
そして…それが今、使われた。
「……あんのバカ……」
呟くと共に、ギリッと歯を噛みしめる。
使ったのは悟じゃない、なんとなくではあるがそう確信していた。
アイツは白を知らない、それ以前にリスキー過ぎて使いやしないだろう、ましてやこんな場所で使うことは流石のアイツもしない……はずだ…………そう思いたい。
となると…使ったのは恐らくアイツだろう…それかそういう状況になるように持ち込んだか。
あり得ない仮説ではあるだろう、あのメロンパンがあいつを呪物化するとは思えない、何せ六眼持ちだからな。
…しかし俺という前例が居てしまう、生まれ変わりを二度も経験したという特大のイレギュラーが存在してしまっているのだ、だったら殊更あり得ない話というわけでもないのである。
「そこにいるのか…
呟く、千年前に死別した親友の名を、最後の最後まで…涙目で俺のことを嫌いだと言って去っていった親友の名前を。
ふと帳へと視線を向ける…そこにあるのはヒビ割れた帳だけだ、ここからじゃ何も見えないし感じもしない。
「…………………」
ガゴンッと、聞き慣れた音が耳に届いた。
呪力が、黒く染まる。
ぶつかる、拳と拳、足と足が絡み合うように痛みを介してぶつかり合う。
衝撃…互いに黒い呪力が迸り、それがぶつかり合った互いの一撃を容赦無く引き分けの形へと持っていってしまう。
弾かれる、まるで磁石のように弾かれる…砂浜を踏んづけて勢いを殺し、眼前の敵へと視線を向ける。
「…っ!?」
視線を向けた…その時点で既にヤツは私の目の前にいた…どうしてどうやってとは問うまい、何せ廻にも同じようなことをされた。
繰り出される一撃、鋭く重くそれでいて刃物のような鋭利さを持った手刀が首置いてけと言わんばかりに私の首筋へと振るわれる。
「チィッ…!!」
手刀を身体を屈ませて躱しながら、思わず舌打ちする。
…強い、べらぼうに強い、流石に廻に何度も組手していただけはあると内心褒めてしまう…こんな状況でもなければ部下に誘っていたな。
屈んだ状態から前方の男…五条悟の足の間を通って後ろへと回り込み、そのまま男の象徴を狙って拳を放つ。
それを五条悟は足を軸に回転しながら屈み込むことで防ぎ、その勢いのままに再び首筋目掛けて手刀を振るってくる。
それを手で受け止め、もう片方の手を二本指にして眼球を寄越せと突き入れる。
それを顔を逸らして躱し、更にもう片方の手で私のワンピースを掴んで自分の方へと引き寄せ、思い切り頭突きを見舞ってくる。
ゴンッと頭に走る痛みに思わずよろめく、頭がグワングワンと揺れて気持ち悪いし普通に痛い。
そんな私へと向けて、五条悟は右腕を引き絞って掌底を放つ。
それに対して私は両腕をクロスすることで防ぐ…が、流石に勢いまでは殺しきれず、更に言えば屈んだ状態であった為か踏ん張ることも出来ずに吹き飛ばされる。
砂浜を転がり、ズゾゾーと音を立てながら滑るように引きずられていく、直ぐ様体勢を整えて起き上がり、五条悟へと向かっていこうとする。
そんな私の視界に、拳を引き絞った五条悟の姿が映った。
何をしている…そう脳内が疑問に思う前に、五条悟はその拳を虚空へと振り抜いた。
悪寒が背筋を走る…しかし、既に遅かった。
鳩尾に走る痛みと衝撃、カハッと息を吐き出し何をされたのかと思考するも、何をされたのか分からず混乱してしまう。
そしてその僅かな隙を、ヤツは見逃さない。
爆音が前方から響く、砂浜が吹き飛んだような音と共に私の顔面へと蹴りが叩き込まれる。
サンダルの感触が頬を通して脳内へと伝わり、そのザラザラとした感触が余計に頬の痛みを助長する。
よろめき一歩二歩と後方へと下がる私に、五条悟は笑みを浮かべて拳を放つ。
放たれた拳によろめいて隙だらけの私……当たると思ったろう?
放たれた拳を身体をずらして躱し、その男の腕に触れ…それを軸にして身体全体を使って回転し、ネジ回しのように腕を捻じ曲げ、更にその回転の勢いを利用して五条悟の顔面へと蹴りを叩き込む。
今度は五条悟がよろめき二歩下がる、そこへ私は飛び込み膝蹴りを顔面に打ち嚙ます…五条悟の鼻が折れた感触がした。
それと同時にワンピースの裾を掴まれ、そのまま砂浜へと二度三度と叩きつけられ、更にそこから蹴り飛ばされる。
砂浜をゴロゴロと転がりながらバク宙して体勢を整え、そのまま後方へと飛び退き、着地した瞬間に自身へと反転術式を行使する。
ふと前方へと視線を向ければ、そこには私と同じように腕と鼻を反転術式で治した五条悟がいる、その瞳は殺意に濡れていた。
「………」
プッと血を吐き出す…やはり強いな、流石に廻が認めるだけはあると褒めてやりたくなる…二度目になるが、こんな状況で且つコソ泥でさえなければ部下に誘っていたかもしれない。
一体何度殺されかけただろうか、術式無しとはいえこれほどまでに追い詰められるのは流石に予想していなかった、分かってはいたがどうにも術式頼りではないらしい………分かっていたが……。
ポリポリと頬を掻く…世の中というのは本当に思惑通りにならないことばかりだ、コイツ然り予定然り…様々なことが思惑通りに動いてくれない。
本来の予定では、もう廻と会って告白してそのまま子作りするか襲うかして既成事実作って事実婚の状況にしているはずだったんたが…いやはや大変だな。
…………………。
……………………………。
…………………………………………。
………あれ…? ……ふと冷静になって考えてみたら、別にここで戦わなくても普通に会いに行けば良かったのでは?
星漿体周りの件で警戒こそされているだろうが、それならそれで盤星教の情報を売るなり私が叩き潰すなりしていれば今頃廻に出会えて且つそういった状況にまで持ち込めたのでは?
………もしかして、私が一時のテンションに身を任せなければ私の目的の大半は叶っていたのか?
ふと、五条悟へと視線を向ける…なんだそのムカツク顔は。
馬鹿にしたように舌を出して、クイクイと手の来いよ言わんばかりに動かしている…いや、乗っても良いが今はちょっととんでもないことに気がついてしまったせいでテンションが───
「どうしたクソ女!? ビビってんのか!? そんなんだから俺に廻取られんだよバァァーーカッ!!!」
…………よし、殺そう。
親友ちゃんはテンションが振り切れると何をするか分からないだけで比較的マトモな子です(ただし廻に対する認識に関しては誰が何と言おうと頭東堂)
白はコイツ絶対初手『茈』で来るからこっちも撃って衝突させて白にしちゃろ程度のノリで撃った、分かってて撃っているので確信犯である、しかも反省しない。