宿儺にぶっ殺されたワイ、何故か子供になる   作:富竹14号

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 あるキャラを出したかったけど、よくよく考えてみたら先の展開からして出せない可能性の方が高かったから出します。

 ヒントは『十分』


往来でトラックはやめましょう。

 

 

 走る、走る、走る、展開されている帳へと向けて真っ直ぐに走る。

  

 走っている最中に先程の強い揺れに困惑と恐怖を感じたのか、何人もの人が窓を開けて外の様子を確認している、中には家から外に出て直接確認しようとしている人もいるくらいだ。

 

 それらの人間を走りながらも触れないように避けて、俺は真っ直ぐに帳へと向かっていく。

 

 頭の中は文句で一杯だ、何やってんだとか馬鹿なんじゃないかとか言いたいことは色々ある…あるけど、それ以上に───

 

「死ぬなよなぁどっちも…!!」

 

 死んでほしくない、どっちにも死んでほしくない。

 

 菫に関しては言うまでもなく、俺の中では既に悟も対象の一人だ、アイツが勝手に親友と呼ぶだけだったその関係は、今や互いに合意のものへと変わっているのだ…というかあんな親友親友言われて子猫みたいに懐かれたら誰だって陥落するわアホ。

 

 だから死んでほしくない、どっちも俺の親友なんだ、どうか死なないでいてほしい。

 

 幸いと言うべきか、白による被害はほぼ皆無と言ってもいい、だったら菫はまだ呪詛師ではなく資格を持っていないだけの術師で通せる……と思いたい。

 

 帳が近づいてきた…のと同時に感じる馬鹿みたいな圧力と呪力同士の衝突。

 

 まるで引き寄せられてからいきなり吹き飛ばされるような不思議な感覚だ…急いだ方が良さそうだ。

 

 走るスピードを上げる…今は一分一秒が惜しい、今の悟と菫のどっちかが勝つかは流石に分からないけど…時間を掛けたら絶対にロクなことにならない。

 

 だってアイツら、二人揃ってどうしようもないくらいの負けず嫌いなんだもの、よしんば…いやもう絶対会ってるだろうけど、そうなっていた場合、絶対に意地になる。

 

 どっちが強いのか、どっちが上手く無下限を扱えるのか…そんな感じでギャーギャーとやりあっているのが簡単に想像出来る。

 

 んでもって、一回追い抜かれたらもう一回、やられたらもう一回、自分が勝つまでもう一回というのをやりかねないのだ…主に菫のやつが。

 

 いや、やる分には問題ないがアイツそもそも場所を選ばないから基本的に人的被害+物的被害が馬鹿にならないというあんまりにもあんまりな理由があるのだ…いや本当にアイツマジで何時まで経っても加減というものを憶えないから───

 

 

 そんな尽きることのない愚痴を延々と脳内で垂れ流していたのがいけなかったのだろうか…唐突に、頭上に大きな影が見えた。

 

 それが、大型トラックのものである…ということには、直ぐに気がついた…そして、それが俺の所に急速に落ちてきているということにも。

 

「ちょっ…!?」

 

 トラックがこちらへと落ちてくる、全体的に新品ピカピカっぽいトラックがその質量を全面に押し出しながら落ちてくる。

 

 迎撃は…可能だ、なんだったら殴って吹っ飛ばせるし呪具を使って真っ二つにも出来る…出来るんだけどさぁ…。

 

「おまっ、こんな往来でんなもんっ…!?」

 

 右見りゃ民家、左見りゃ民家、後ろにはさっき俺が通った道…要するに民家やら商店街…ふっ飛ばすのも避けんのも駄目。

 

 …いや、そもそも中に何が入ってるのか分からん以上壊すのは駄目だろ常識的に考えて…!!

 

 身体を呪力で強化し飛んできたトラックを受け止める。

 

 身体に重量が伸し掛かる、重いし強いしこれまた重いしでロクなことがない…というかふざけんなまだ人乗ってんじゃねぇか!?

 

 ガタガタと震える作業着姿の青年が運転席に乗っているのが見えた、その顔面は青くなっていて今にも吐き出しそうだ……ふざけんなお前乱暴に扱えないじゃないか!?

 

 

「ぐぎぎ…!!」

 

 うめき声のような声を上げながらなるべく揺らさないようにトラックをゆっくりと地面に降ろしていく、顔面蒼白な作業着の男性が何か化物でも見るような目で見てきているが知ったことではない、こちとら呪術師やぞ。

 

 ズシッと音を立ててトラックが地面に降り立つ、特段傷も無ければガソリンが漏れてるなんてこともない、運転手も無傷…うん、良いんじゃないかな?

 

 ふぃーっと息をついて汗を拭う、ついでに横合いからハッハァッ!!と笑いながら突っ込んできた変な男を何気なしに蹴り飛ばす。

 

 突っ込んできた所に蹴りを叩き込んだせいか、半ばカウンターのような形で蹴りが男の脇腹に抉りこむように入り、そのまま近くにあった居酒屋を突き抜けて森の中へと突っ込んでいった。

 

 

 ………あ、やっべ…折角無傷で済むようにしてたのに自分で壊してもうた…どうしよう…。

 

 コツリコツリと靴音を響かせて、その最中にどうするどうすると頭をポリポリと引っ掻きながら、俺は男が突き抜けたせいで穴の空いた店の中に入った。

 

 店の惨状はそれはもう酷いもので、吹っ飛んできた影響でガラスは辺りに飛び散り、直線上にあったテーブルや椅子と言った器具がバキバキに壊れてしまっている。

 

 周囲を見渡してみれば、そこには箸や酒瓶、コップを持った客が愕然とした瞳で俺のことを見つめていた…いやまぁそりゃそうなるわな。

 

 それらの視線を無視…というわけにもいかず、一先ず店に入って直ぐ近くにいた店員さんに弁償は後日にしますと一言言って頭を下げてから、俺は男が突っ込んだであろう穴の先へと足を踏み入れた。

 

 穴の先には折れた木々が複数本、それらが一直線に折れている光景…それを見てから俺は森へと足を踏み入れる…のと同時に森から何かが飛んでくる。

 

 反射的にそれらを素手で弾き落とす、硬質な音を鳴らしながら地面へと落ちたソレは、鋭い鉄の突起物…暗器というやつなのだろうか、平安には使ってくるやつそんなに居ないから分からん。

 

 暗器らしきものを拾い上げてほんの少し観察し…唐突に先程飛んできた方向からほんの少し右手側に向けて暗器を投げつける。

 

 勢い良く飛んでいった暗器は樹木を貫通して悠々とその方向へと突き進み…数秒後にガサリという音が耳に届いた。

 

「見つけた」

 

 そう呟いたと同時にその方向へと突っ込む、呪力を流し込んで身体能力を強化し、それによって強化された脚力を思う存分使って、弾けるようにその方向へと猛スピードで突っ込む。

 

 木々を縫い、時には足場にして宛ら猿か何かのように自由自在に森の中を駆け抜ける……見えた。

 

 森を駆け抜ける男の後ろ姿、白い服に白い帽子、褐色の肌に後ろ姿からじゃよく分からないけど多分サングラスを掛けていて手になんか何処かで見たような黒い縄を………あれ? これミゲルさんなのでは?

 

 あ、こっちの方を振り向いた……あぁ、これミゲルさんですね間違いない、だってサングラスかけてるもん。

 

 あぁなるほどミゲルさんかぁ…さっきの男とは多分違うよなぁ、だってあのミゲルさんがあの程度で吹き飛ぶ訳がないもんなぁ、何だったら体型からして違ったもんなぁ。

 

 そうかそうか、ミゲルさんかぁ…黒縄持ってたにしても未来の悟の本気に十分以上耐えてたあのミゲルさんかぁ。

 

 凄く印象に残ってるんだよなぁミゲルさんって…だって未来の悟にあんなにバカスカ殴られてたのに普通に生きてるし、パチンカスと純愛シンジくんが吐いたって言った悟の一撃喰らったのに吐いてないし、しかも術式らしい術式も使ってなかったしでこいつ強すぎない? って前世では思ってたんだよなぁ。

  

 引き込みたいなぁ、こいつが味方に居るだけで絶対に未来が良い方向に変わるってことが確信出来るくらいには強そうなんだもんなぁ、宿儺相手に十分以上持ちそうだもんなぁ、味方に引き込みたいなぁ、どうやったら味方になってくれるかなぁ。

 

 金かな? 呪具かな? それともサマーオイルに会わせてそのカリスマ性(胡散臭い)で仲間に引き込む?

 

 あぁ、高専側に引き込みたいなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「死ね」

 

 

 まぁ、とりあえず邪魔だから死んでくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 菫ちゃんが廻かサマーオイル足止めの為に呼びました、多分その内本気デ呪ウゾ菫ッ!! とか言い出すと思う。

 廻くんはミゲルが天内ちゃん狙いだと思ってるので割りとガチで殺しにかかっています…タイミングが悪すぎたね仕方ないね(夜じゃなければ見逃されていた可用性はあったり)
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