宿儺にぶっ殺されたワイ、何故か子供になる   作:富竹14号

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 そろそろ真面目に詳細設定書きたい、というかいい加減に区切りたい、護衛が終われば区切りなのに区切れない…悲しい。


極ノ番

 

 

 さて…どうしようか?

 

 極ノ番を撃つことは決めた、決めたは良いけどどうやって撃つかが問題だ…今のアイツはともかくとして玉犬の方は見逃してくれないだろうし…うん、やっぱり手っ取り早く行こう。

 

 ポンッと手を叩いて、唐突に赫を玉犬達に向けて放つ。

 

 距離が離れていたということもあっていとも容易く赫は躱されるが、そこは別に問題じゃないのだ。

 

 二匹は左右に分かれるようにして避けた、今はボクを挟み込むようにして駆けている…挟み撃ちにでもする気かな?

 

 普通なら危ないんだろうけど…まぁ、そっちの方が都合が良いから別に良いか。

 

 何もしない、挟み込むように動かれても今まさにボクを殺そうと爪を、牙を突き立てようとしていようと何もしない、ただ瞳を閉じてふんふんと鼻歌を歌って如何にも隙だらけですよ〜と言った風に無防備を貫く。

 

 規則の良い砂の音が耳に届く、速く疾く動く足の音、それが急速にボクの方へと近づいてくる、ボクの元へと駆け出してくる。

 

 ぷらりぷらりと腕を垂らし、隙だらけな格好のまま、何をするでもなく瞳を開いて夜空を見つめる…綺麗だなぁ。

 

 星が瞬いて星が落ちて、月が優しくボク達を照らしている…ここに廻が居てくれれば最高だったんだけど…どうして居ないんだろうなぁ。

 

 ザクリザクリと身体に何かが突き刺さる、首筋と腹部へそれぞれ一つずつ、首筋からは血が垂れ落ち、腹部からは洪水のように血が流れ出る。

 

 痛い、寒い、頭がクラクラとして今にも崩れ落ちてしまいそうになる…それでも、ボクは何もしなかった。

 

 噛みついているであろう玉犬達のことなんて気にもせず、両手を広げて瞳を閉じる…あぁ…ようやく───

 

「止まってくれたね?」

 

 不思議と笑みが溢れた、言葉の端々から喜色を隠しきれなかった。

 

 玉犬達のことを見てみれば、何故だかとても驚いたような顔をしている、まるで化物でも見るかのような目…酷いよね、化物具合で言うなら君達の方が上なのに。

 

 牙と爪が引き抜かれ大きく距離を取られる…強引に引き抜かれたせいなのか、傷口からは先程までの比ではないほどの量の血液が流れ落ちる、流石に危ないので反転で治し、そして視線を魔虚羅へと向ける。

 

 

「ねぇ…ボクの極ノ番がどういうものか知ってる?」

 

 そして…ボクは魔虚羅に何でもないように話しかけた。

 

「多分知らないよね、知ってるわけないよね…だって君が居なくなった後に作った技だから」

 

 なんでないように砂浜を歩く、ざりざりとサンダルが砂を踏む音が、静かに静かにボクの耳に届く。

 

「ボクの極ノ番はさ、言ってしまえば順転を突き詰めた…突き詰めたのかな? まぁ、そういうものでさ、自分で言うのもなんだけど結構自信作なんだ」

 

 なんてことなく、自分の自信のある技について話しながら、ざりざりと魔虚羅の前まで歩いていく、手を後ろ手に組んでゆったりゆったりと歩いていく。

 

 その間に玉犬の邪魔が入るかなと思いこそしたが、玉犬はなにもしてこず寧ろこちらのことをどういう訳か静観していた。

 

 それを不思議に思いつつも、ボクはゆったりと魔虚羅の方へと歩いていき───

 

 

 

「無下限呪術 極ノ番」

 

 

 

 

 

───『黎』

 

 

 唐突に、魔虚羅の目の前で、極ノ番を発動した。

 

 

 

 

 瞬間、ボクを…正確にはボクの目の前に出現した黒い球体を中心として、周囲一体の物体全てが黒い球体へと収束していく。

 

 砂が、海が、空気が、玉犬が、空間が…文字通りボクが知覚する全て、及び設定した物体に至る文字通り全てを収束し始める。

 

 

 

 

 

 ボクの極ノ番『黎』は、簡潔に言ってしまえばブラックホールみたいなものだ。

 

 蒼による収束を極限まで行い、文字通り対象の存在が0になるまで空間ごと収束し続ける…そんな技だ、それだけの技だ。

 

 通常のブラックホールと違うのは重力が絡まないこと、空間ごと周囲一帯を収束しているだけだから重力関係の術式じゃ防げないこと、そして空間操作系の術式でもない限りは基本防ぎようがないことだろう。

 

 因みに空間操作系と言っても最低でも無下限以上のそれという前提が存在する、つまり実質的に防ぎようがない。

 

 

「…あっ…」

 

 玉犬・白が『黎』へと吸い寄せられ、そのまま球体に触れてジュッと消えた、音もなく悲鳴もクソもなくそれはもうパソコンで文字を消すレベルで瞬間的に消えた。

 

 ボクの目の前を勢いよく過ぎ去っていった白の姿に、ボクは思わず微妙な顔をしてしまう…いやだってさっきまであんなに苦戦してたのにあんな風に死ぬとは思わないじゃないか…もう少し抵抗してくれると思ってたのに。

 

 収束は続く、砂浜はもはや砂浜のすの字すら残らない程に消え去り、海も海で底こそ見えないものの次第に本来の量よりも減っているような気がする。

 

 クソガキはなんとか蒼の引力を利用してなんとかその場に踏みとどまっている、その手には何故か玉犬・黒が抱えられていた。

 

 今にも崩れそうな足場の上にでもいるかのような必死な顔をしながら、地面を踏みしめ手に持つ存在を意地でも離さないと言わんばかりに強め、歯を食いしばりながらも必死に『黎』の収束に耐えている。

 

 その姿を冷めた瞳で見つめながら、そういえばとふと思い出す…あれ、魔虚羅は? と。

 

 つい先程まで魔虚羅が居た場所に視線を向ける…何もいない、影も形もない…本当に誰も居ない。

 

 気配は無い、足跡も無い、呪力の気配すらもない。

 

 何処に行った? 何処に消えたと周囲を見渡す…あれで死んでるなんてことは絶対に無い、よしんば黎に飲み込まれていたのだとしても絶対にその前に何か一悶着起こすはずだから絶対にまだ飲み込まれてない…ボクはそう確信していた。

 

 探す、探す…右にも左にも前にも後ろにも、ましてや上にもいない…何処に行った?

 

 クソガキの方へと視線を移す…相も変わらず必死そうにその場に留まっている、玉犬・黒がボクのことを睨みつけているがボクからしてみればそれは単なる負け犬の遠吠え───

 

 

 

───ガコンッッッ!!!

 

 

 

 …唐突に背後から歯車の回る音が、強く耳に届いた。

 

 咄嗟に背後に振り返り…その瞬間にザンッと袈裟懸けに胴体を斬り裂かれた。

 

 振り返った視線の先には、剣を袈裟懸けに振り抜いた姿勢の魔虚羅の姿が見えた。

 

 何故…と思考が疑問を吐き出す、この距離まで近づいたなら『黎』が対象を収束するはずと、ふと黎の中心となっている黒い球体へと目を向ける。

 

 

「……ハハッ」

 

 黎へと視線を向けて、思わず乾いた笑いが口から漏れる…だってそうだろう? あまりにもズルい光景が目の前にあるのだから。

 

 視線の先では、ボクと同じように袈裟懸けに斬り裂かれた黒い球体がふよふよと浮いていた…それは最早、黎としての機能を持っていない、ただの黒い球だこれは。

 

 乾いた笑い声が夜闇に響く…いや、これはズルいよ。

 

 だって、黎の球体が斬れるってことはつまり、()()()()()()()()()()ってことだ、そんなのもうどうしようもない。

 

 ボクの極ノ番は、『黎』はそういう相手との戦いを想定していない、何せ縛りとして何かしらの要素が少しでも欠けたら発動を停止するように設定してるからな、当然球体が破壊されてもその活動を停止する。

 

 意識が遠のく、身体が動かない…致命傷だ、意識を失う前に反転を…ってやろうとしたところで反転も間に合いそうにないし……詰みかなこれは。

 

 視界が狭まる…視線の先では魔虚羅がジッとボクへ視線を向けている姿が見えた…いや、そもそも見てるのかこいつ?

 

 

 

 

 ………………。

 

 …………………だぁ〜! くっそ〜〜! まぁぁた負けたぁぁ〜!!

 

 

 ズルいよ! なんだよ空間ごと斬るって!? ゲームのキャラじゃないんだぞチクショーっ!!

 

 脳内で駄々を捏ねるようにして文句を吐き出す、実際問題幾ら何でもズルいとボクは思う…なんだよこちとら空間ごと圧縮してんのにそれ諸共斬るってさ、そんなのされたらボク達お手上げだよ。

 

 あぁぁぁぁぉ〜〜、結構自信満々な技だったのにこうも簡単に攻略されると凄くショックだぁ〜!!

 

 

 そんな文句に近い駄々を脳内で垂れ流していると…視界が暗くなっていく、次第に意識が保てなくなっていく、身体に力が入らず立つことすらままならなくなり、膝を落とす。

 

 …あ〜、そろそろ限界かな。

 

 あーあ…会いたかったなぁ。

 

 

 

 そんな最後と言うにはあんまりにもあんまりな言葉を最後に、ボクの思考はそこで途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次に目が覚めた時、目の前には廻が居たから抱き着こうと思ったら魔虚羅に殴られた……殺す。

 

 

 

 




 菫の極ノ番をサラッと終わらせた理由

A:菫のキャラが膨れ上がりすぎて書くのが面倒になった(飽きた)から…何時の間にか万みたいになってたのは流石に笑えんよ……おら、笑えよ(地獄兄弟)
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