宿儺にぶっ殺されたワイ、何故か子供になる   作:富竹14号

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 今日、何故か花御が黒閃でメタメタにされている夢を見た…これはまさか、花御を黒閃でロードローラーしろという掲示?(意味不明な発言)


交流戦③

 

 

 

「ハハハハッ…! 凄いな恵くん、もう領域使えるんだ?」

 

 

 そう言って、廻は手を叩いて笑った、それはもう楽しそうで嬉しそうな満面の笑みでだ。

 

 普通、相手校の人間が領域なんて使ってきたらびっくりするか生徒の心配をするところだろう。

 

 ましてや廻本人が手塩をかけて育てた生徒達だ、心配とかしそうなものだけど……まぁ、その当の領域を発動した恵は廻の甥っ子みたいなもんらしいし、そこら辺は贔屓しないってことなのかな?

 

 画面の向こうでは、恵が領域を発動し、廻の生徒の赤血操術使いがそれに反応して簡易領域を展開している。

 

 簡易領域はその名の通り簡易的な領域、当然必中効果は無効化される…だけど───

 

 

「多分意味無いんだよねぇ、それ」

 

 

 恵の蝦蟇が加茂の足元に湧き、足をよじ登ってくる。

 

 簡易領域の必中無効をガン無視、何それ美味しいのとでも言わんばかりにワラワラと群がり、次から次へと加茂の足をペタペタとよじ登っている。

 

 流石に異常に気がついたのか、加茂が即座に蝦蟇達を作り出した血の刃で斬り落とし、その場から離れようと足に力を入れる…その直後に恵が加茂に突撃、渾身と言えるレベルの飛び膝蹴りを叩き込んだ。

 

 ほんの一瞬、僅かな隙、そこに刃物でも差し込むようにして放たれた飛び膝蹴りが加茂の顔面へと直撃する。

 

 鼻血を吹き出す加茂へ、更に何時の間にか呼び出されていた鵺二体が一斉に加茂へと襲いかかる。

 

 紫電を纏った怪鳥二体が、何度も何度も加茂へと体当たりを繰り返し、その度に紫電が周囲に舞う。

 

 

「おぉ、良い勝負」

 

 思わず声が漏れる、流石に加茂相手じゃ恵も負けるかなぁとか思ってたけど、随分粘ってる。

 

 これは面白くなりそうだと、思わず口角が吊り上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 攻めろ、攻めろ攻めろ攻めろ攻めろ攻めろ攻めろ!!!

 

 

 先輩を殴り飛ばし、直ぐ様そこへ玉犬・渾を突っ込ませる。

 

 殴り飛ばされた先輩は足で地面を踏みしめて勢いを殺す、踏みしめた影に満たされた地面は、まるで海か川のように飛沫を上げながら飛び散っていく。

 

 そこへ飛びかかる渾、当然先輩も迎撃しようとするが、それを影から現れた無数の蝦蟇が邪魔をする。

 

 影から頭だけを出し、舌を腕に絡ませて身動きが取れないようにする、一体だけなら先程の不知井底のように舌ごと何処かに叩きつけられて終わりだが、今回は複数体だ、簡単には振りほどけない。

 

 ほんの僅かに先輩の意識が蝦蟇に向いたところを、渾が思い切り殴り切る。

 

 顔面、蝦蟇に意識が向いた先輩の横っ面へ拳が突き刺さり、更にそこへ俺自身の飛び蹴りが炸裂する。

 

 足から感じる肉を打つ感覚、半ばスローモーションのように流れる先輩の顔…そして唐突に、俺の足を何かが掴み、そして勢い良く俺は地面に叩きつけられた。

 

 息を吐き出す、背中につい先程感じたような痛みが走る…しかしそんなの知ったことかと俺は反射的に先輩の足を払った。

 

 足を払われて転び掛ける先輩に、鵺を突っ込ませて無理矢理距離を取らせ、その先に渾を設置して背後から殴らせる。

 

 しかし流石に一級、背後からの渾の一撃を身体を密着している鵺ごと後方に大きく回転させ、渾の攻撃を鵺に誤爆させた。

 

 バキリと鵺の翼の折れる音が耳に届く…が、それすら気にせず俺は影から取り出した青竜刀で先輩へと斬りかかった。

 

 

 

 青竜刀と言っても刃は潰してある、規定的には何ら問題は無い。

 

 

 そんなある意味無駄なことを考えながら振るわれた俺の青竜刀を、加茂先輩は片腕を翳して防いだ。

 

 生身の腕に鉄の塊、当たれば何方が傷つくかは自明の理であり、それはこと呪術師に於いても変わらない。

 

 しかしそんな当たり前に反して、俺の青竜刀が加茂先輩の腕に当たった瞬間、ガキンと金属音が鳴り響いた。

 

「はぁっ!?」

 

 ご丁寧に火花まで散らして防がれた青竜刀、そしてそれを防いだ先輩の腕…服に隠れていて見えなかったが、よくよく見てみれば何やら赤黒く染まっているようにも見える。

 

 それを見た瞬間、俺は察してしまった…あ、血液固めて防いだパターンだ…と。  

 

 原理も理論も分からないけど、とりあえず血液固めて防いだんだなと、なんとなくで頭がそう理解した。

 

 

「それちょっとズルくないですか!?」

 

「君の方が余程ズルだろうっ!!」

 

 

 青竜刀が弾かれる、反響する心地の良い鉄の音が耳を辿り、身体の芯にまで響いてくる。

 

 先輩が弾いた腕で此方へと掌底を放とうとし、そして俺は弾かれた青竜刀を身体を回転させて再び振るう。

 

 式神を使う余裕は無い、呼び出す合間が無い、それをするよりも先に先輩の拳が俺に届く。

 

 今頼れるのは自分だけ、やることは変わらない攻めろ攻めろ攻めまくれ。

 

 向こうは加減をしてくれている、最初の時から血の弾丸やチャクラムを使ってこないのがその証拠だ、あれを使われてたら俺はとっくに負けている。

 

 明らかな手加減、明らかな制限、そこに不満なんてありはしない、何故なら俺はそれほどまでに弱いから。

 

 だから、今の貴方に勝てないようじゃ、強くなるなんて夢のまた夢だと言うことも分かっている。

 

 

 

 だから…絶対に勝つ。

 

 

 振り抜かれた青竜刀、俺へと真っ直ぐに向かってくる先輩の掌底。

 

 タイミングは同じ、速さもほぼ互角、威力はあちらが上で俺が不利。

 

 先輩の一撃は恐らく本命、俺のは何方かというと式神の為の隙作り。

 

 領域を展開しているから印はいらない、だけど意識は向けなきゃいけないから何方にせよそこの隙を突かれたらどうしようもない…今はこれがベスト。

 

 視界がスローモーションに流れる、ゆっくりと近づいていく俺の青竜刀と先輩の掌底。

 

 そして、其々の一撃が、自ずと互いに命中───

 

 

 

「ウヒャァァァッッ!!!?」

 

 

 瞬間、横合いから何かが奇声を発しながら俺へと突っ込んできた。

 

 いや、突っ込んできたというよりも投げ飛ばされてきたというのが正しいのか、背中から俺の視界へと迫ってくるその何かに、加茂先輩へと意識を集中させていた俺は躱し切ることが出来ず、そのまま激突した。

 

 へぶっという間抜けなうめき声を晒しながら俺はその何かと一緒に吹き飛ばされ、ぐるぐるとギャグ漫画か何かのように回転しながら地面へと叩きつけられた。

 

 

「あいたたた…」

 

 身体に伸し掛かる重み、身体の上に何かが乗っかっている感覚とそこから聞こえてくる痛みに悶える高い声、そして視界に映り込む青い髪。

 

 頭を擦りながら手に刀を握り込むその姿には見覚えがある、京都校の生徒の人だ、何か普通っぽい人が混じってるなと記憶していたから良く覚えている。

 

 傍から見たら俺は彼女に押し倒されているような状況に見えているのだろうか…いや、だから何だと言う話ではあるのだが。

 

 痛みに悶えていた青髪の女…確か三輪さんだったはずのその女性は、ふとした折に俺の存在に気づき、すいませんとペコリと謝るな否や急いで俺の上から退こうとする。

 

 いや、敵なんだから殴るなりなんなりしろよと言いたくなるが、まぁそこら辺は俺にとって都合が良いから別にいいかと、そんなことを思っていた時だ。

 

 唐突に、背筋に悪寒が奔った。

 

 

 俺の上から退こうとする三輪さんごと俺はその場から転がるようにして離脱する。

 

 離れなければ死ぬと本能が囁いた…そしてそれは正しかった。

 

 次の瞬間、つい先程まで俺が居た場所にまるで流れ星か何かのような勢いで武器が突き刺さる。

 

 地面に大きな亀裂を入れながら突き刺さったそれは、赤い柄に紫色の布が特徴的な見覚えのある薙刀だった…あぁ、それはもうどうしようもなく見覚えしかない薙刀が、そこには突き刺さっていた。

 

「お? 恵じゃねぇか」

 

 頭上から声がした、見上げてみればそこにはやはり見覚えのある顔が満面の笑みを携えて立っていた。

 

 

「真希さ───」

 

 名前を呼び終わる前に森の奥から弓矢が飛んでくる、不規則な軌道を描きながら俺達の方へと向かってくるそれに、俺は咄嗟に蝦蟇を呼び出して防…ごうとして、呼び出せないことに気づいた。

 

 視界を足元へと向けてみれば、そこにはさっきまであったはずの影が何処にも無い。

 

 それを認識し、自覚した瞬間に襲い来る強烈な疲労感。

 

 身体が重く、足がガクリと下がる、まるで全身が水に浸かっているかのように身体が言うことを聞かない。

 

 時間切れ…脳内にそんな言葉が浮かび上がった。

 

 

「グッ…!」

 

 咄嗟に柄で足を殴って無理矢理反応させて矢を躱す、真希さんも真希さんで視界の端でいとも容易く全ての矢に対処していた、しかも素手で。

 

 全ての矢に対処し終えた真希さんは、するりと木から薙刀の元へと飛び降りて、そして無造作に薙刀を地面から引き抜き───

 

 

「たまにはチーム戦と行くか、恵」

 

 何処か楽しそうな笑顔で、俺へとそう言葉を投げかけた。

 

 

「はいっ!!」

 

 

 断る理由は、何処にも無かった。

 

 




 因みに、釘崎・パンダ・狗巻はメカ真依桃の三名と絶賛三対三をしています。
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