宿儺にぶっ殺されたワイ、何故か子供になる   作:富竹14号

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 交流戦が終わらせたくて終わらせられない、だって自分でも想定してないレベルで規模が跳ね上がったから。

 …このまま行ってしまえば、最悪渋谷で完結することになりそうだぜ(汗汗)

 …因みに、メカ丸は別にメロンパンに情報を流していませんし、ある方法で天与呪縛の一部解呪することに成功しています。

 ヒントは赤い鋏。




三者三様?

 

 

 

 パァンッと、風船が弾けるような音が耳に届いた。

 

 視界の先に映るのは拳を突き出した獅子王と、その拳によって風船が割れるみたいに弾け飛ぶつい先程まで鎧であったはずの男の姿。

 

 内臓だったものが飛び散り、腸やら何やら人間の臓器と呼ばれるであろう部分であった物の残骸があちらこちらにビチャビチャと気持ちの悪い音を立てながら地面に落ちていく。

 

 最早原型を留めてないとかそういうレベルの話じゃない、あまりにスプラッタ過ぎて最早グロテスクとすら感じられない程に、男の身体は弾け飛んでいた。

 

 それを見て思う、やっぱりこうなったと。

 

 獅子王は加減が下手だ、具体的に言うと指示した出力の30%は必ず上回るレベルで加減が下手だ。

 

 だから、俺が加減してくれとかそんなことを言おうが言うまいが、ほぼ必ずと言って良いほど死体はこんな感じにぐちゃぐちゃになる。

 

 今回みたいにぶち殺すこと前提での召喚なら大した問題ではないけど、アレを捕まえてとかアイツは生かしたままにしてよとか、そういう関連のことになると…まぁ、駄目になる。

 

 因みに、何故今になってこんなことを言ったのかと言うとだ…その当の獅子王が何やらもう終わりとでも言いたげな顔して男の死体をツンツンと指で突いているからだ。

 

 まだ遊び足りない…その顔と仕草がそう物語っていた。

 

 

「……獅子王」

 

 呼びかける、とりあえず何をするにしても呼ばなきゃ始まらんだろうと、獅子王の名を呼んだ。

 

 特に意味は無かった、本当に名前を呼んだだけだった、具体的に言えば影の中に戻ってもらおうと思っていた。

 

 だがしかし、その当の獅子王は俺に名前を呼ばれた途端、バッと俺の方へと振り向いて、ニカリと笑顔を浮かべた…それはもう、キラキラとした笑顔を浮かべて。

 

 それこそ…そう、まるで遊び足りずにつまらなそうにしていた子供が、親に期待の目を向けているかのような、そんな目で俺のことを見ているのだ。

 

 

「…いや、影の中に戻って欲しいんだけど」

 

 これから帳の所に急がきゃならんし、生徒もまだいるはずだからお前を暴れさせる訳にもいかんし、何より花御は確実に祓っておきたいから白叡使おうと思ってるしで、ぶっちゃけ獅子王を召喚したままにしておく理由が俺にはもう無いのだ

 

 …しかし、そんなこと自我を持った獅子王には関係無いわけで。

 

 

「───!?」

 

 

 俺の言葉を聞いた獅子王は、露骨にガーンッ! としたような顔を全面に押し出して、その後は床に蹲ってこれまた露骨に落ち込み始めた。

 

 まぁ…久しぶりに呼び出されて、しかもその当の相手はつまらない相手とかだったら、まぁそうなるよなと溜息を吐き出し…プランを変更することに決めた。

 

 

「嘘だよ…ほら、帳の方行くぞ」

 

 

 そんな俺の言葉を聞いた獅子王の反応は、最早語るべくもないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───ッッ!!!」

 

 

 轟音、破砕音、斬撃音、呪力の弾ける音。

 

 それらが耳に届くと、手が重く強く震える。

 

 歯を食いしばって、刀に指を食い込ませるように握り込んで、対象へと向けて私は刀を振るう。

 

 無数の樹木に大きな種、どれもこれにも呪力が籠もっていて、当たれば恐らく死ぬこと間違い無しのそれに、けれど私は逃げられずにいる。

 

 だって───

 

 

「突っ込みすぎだ三輪!!」

 

 

───赤血操術『百斂・穿血』

 

 

 私達は今、その逃げている人達の代わりなんだから。

 

 加茂先輩の声と一緒になって、血液の弾丸が呪霊の腕を抉る。

 

 吹き飛び散らし、千切れて落ちそうになる呪霊の腕…そこへ私は一つ息を吸って一気に斬りかかる。

 

 狙いは千切れかけの腕、そこ目掛けて横薙ぎに刀を振るう。

 

 私の刀はそこまで頑丈でもなければ切れ味も良くない、実際に私の刀は何度もこの呪霊の身体に弾かれた。

 

 だけど…千切れかけの腕とかなら話は別だ。

 

 斬り落とす、千切れかけだった腕が宙を舞い、ぼとりと地面に落ちる。

 

 やったと内心喜んで、だけどそれを顔に出すことなんて許されなくて、腕を斬った私目掛けて一斉に樹木が襲いかかり、それを私はまた刀を駆使して防いでいく。

 

 

 真依は逃がした、メカ丸は腕が壊れてたから引いてもらった、桃には色々とやってもらうことがあるらしかったから引いてもらった…らしい。

 

 他のさっきまで戦ってた人達…主に茶髪の人とパンダさんも引いている…つまり残ったのは───

 

 

「『動くな』!」

 

 呪言使いの狗巻さんと加茂先輩と私の三人だけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんだこいつは?

 

 少なくとも、俺がそいつを見た時に思ったことはそれだ。

 

 

 

「まったく…あの男にも困ったものです、まさか私をこんな下賤な者達相手に差し向けるなど」

 

 

 そう言いながら、そいつは頭に手を置いてガシャガシャと音を立てながら俺達の前に姿を現した。

 

 …えっと……なんだろ、バトルドレス? って言うんだっけあれ?

 

 それを着込んだ仮面を付けた女が、如何にもやれやれと言った風に俺達の方へとそれはもうダルそうな感じで歩いてくる。

 

 敵意や殺意、悪意みたいなものを感じ取れない、真人みたいな感じがしない…その事実に割と本気でどうすれば良いのか分からなくなっていた俺の肩が、唐突に叩かれた。

 

 

「東堂?」

 

 東堂…俺に呪力操作やら何やらを教えてくれた……まぁ、良い奴だと思う。

 

 そんな東堂が、その瞳を鋭くして女の人を睨みつけて、静かに構えを取った。

 

「構えろ親友───」

 

 

───死ぬぞ

 

 

 そう言葉を吐く東堂の気配に、俺は咄嗟に構えを取っていた。

 

 東堂に怯えたわけじゃない…だけど、その言葉から発せられる何かに反応して、俺の身体は気づかぬ間に動いていた。

 

 

「まぁ、良いでしょう…受肉の肩慣らしには丁度良い、あの方に会った際に不様を晒すわけにはいきませんからね」

 

 瞬間…呪力と殺意が膨れ上がった。

 

 圧倒的なまでの圧力と呪力、肩に重く伸し掛かるように俺の身体に降り掛かるプレッシャー、まるで凍えるような殺意。

 

 真人とは違う、アイツよりも数段上のソレ、圧倒的な格上。

 

 何故東堂が警告したのかが分かった、これは駄目だ。

 

 一瞬でも気を抜けば、その瞬間には持っていかれる…!

 

 

「さて…では来なさい下郎共」

 

 

───出来る限り、綺麗に殺してあげましょう

 

 

 その言葉を最後に、風景が一変する。

 

 木々が、地面が、花や草が一瞬にして凍っていく。

 

 まだ冬には遠い季節、草花どころか水すら凍ることは無い季節なのに、俺の視界に映る全てが一斉に凍っていく。

 

 寒い、冷たい…まだまだ距離は離れているのに、それでも感じ取れる程の冷気、それを間近で受ければどうなるかを想像し、身体が身震いした。

 

 パキリと音を鳴らして女が歩く、ゆったりとした足取りで確かに此方へと歩を進めてくる。

 

 女が足を進める度にパキリパキリと音は鳴る、踏みしめた足から氷が湧き出しそれを女が砕くことで鳴っているその音は、何れ俺達へと訪れるであろう結末を予想させた。

 

 

「…すまんな親友、先程の言を少し訂正する」

 

 

───死ぬ気で行け、殺されるぞ

 

 

 その一言と同時に、俺は拳を全力で握りしめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…嫌な予感がするからと来てみたら、これまたエライことになっていることで」

 

 

 空中から見下ろす景色に、ふと言葉が漏れた。

 

 降ろされた帳にその中で暴れまわろうとしている見覚えのある女の姿、ついでに随分久しぶりに見た気がする獅子王の姿。

 

 最近目隠しをし始めた自称廻の親友にその廻の先輩を名乗る飲んだくれ女…後はそれに囲まれた不憫なご老人。

 

 気持ちの悪い金髪の男とハゲで変なファッションしてて目元になんか変な黒いのが付いているヘンテコリンなハゲつるぴっか…いやいや、これまた非常に混沌としていると言うか何と言うか。

 

 

「さてと…ボクはどうしようかな?」

 

 廻の生徒達が特級相手に立ち回っている所を見ながら、どうしようかなと考える。

 

 普通にするならさっさと帳を壊してクソガキと廻の手伝いをするべきなんだろうけど…廻はともかくあのクソガキの役に立つことなんてしたくない…でも無関係な生徒もいるからどうにかしてあげたいとも思う。

 

 しかしそれをしたらしたらで何となくでこそあるが成長の兆しを潰してしまいそうで嫌だし、このまま放っておいたらどうなるのかを見てみたいという気持ちもまぁまぁある。

 

 よしんば先に助けるとしたら宿儺の器の方なんだけど、その宿儺の器をその場のテンションに任せて殺さない自信がボクには無い。

 

 ……どうしようかなぁ〜。

 

 

「…まぁ、危なくなったその時に助ければいいか」

 

 そんな割とクソのような考えを採用して、ボクは空の上から廻とクソガキの生徒達を観察することにした。

 

 危なくなったら助ける、ボクは反転も使えるから重傷負ってすぐなら普通に治せるし、まぁ大丈夫だろう。

 

 …あぁでも、即死しちゃったなら、その時はまぁ、ごめんね?

 

 





 メロンパンが下ろした帳は二つ、五条悟を通さない帳と禪院廻を通さない帳。

 アニメ見ててこいつなら二つくらいは普通に下ろすだろうと思った。
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