宿儺にぶっ殺されたワイ、何故か子供になる   作:富竹14号

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 メロンパンは多分ハッチャケたらこうなるんじゃないかと思いながら書いた、書いてたらなんか花御が恋しくなった…退場を早まったかなと後悔する今日この頃。


気持ち悪さと悍ましさの塊

 

 

「計画を一部変更する」

 

 そんな言葉が、クソ脳味噌の口から飛び出した。

 

 あまりに唐突に吐き出されたその言葉に、私は戸惑い怪訝な目をしてクソ脳味噌に視線を向け、思わずと言ったように顔をしかめた。

 

 クソ脳味噌は笑っていた、それはもう気色が悪いくらいには笑っていた、具体的には言うならそう…まるで面白いモノを見つけたみたいに笑っていた…気持ち悪い。

 

 それは他の者達も同じだったのだろう…ある者は珍しいものを見る目で、ある呪霊は薄気味悪いモノを見たような目で、またある呪霊はへ〜とでも言いたげな目でクソ脳味噌を見つめていた。

 

「…具体的には、何をどう変更する?」

 

 そんなクソ脳味噌に頭富士の山な呪霊…『漏瑚(じょうご)』が胡乱げそうな瞳でクソ脳味噌に問いかける。

 

 訝しげに細められた一つ目からは変なことを言ったら燃やしてやるという殺意に似た感情が感じ取れ、その何処か疲労を感じさせる気配からは、こいつが苦労人か何かのように感じた。

 

 そんな漏瑚の姿に、クソ脳味噌はクスクスとこれまた気持ち悪く笑うと、その一つ目の視線に目を合わせて、口を開いた。

 

 

「宿儺の復活、これをメインプランにまで押し上げる、要するに───」

 

 君の願いを優先するということだよ…そう締め括って、クソ脳味噌はニタリと笑みを浮かべた、どうしようもなく胡散臭い笑顔に思わずと言ったように、私はまた顔を顰めた。

 

 

「えぇ〜!? それじゃあ虎杖殺しちゃ───」

 

「駄目に決まっているだろう、今回ばかりは本当に駄目だよ真人?」

 

 

 何処か呆然としたように、唖然としたように一つ目を見開いている漏瑚を尻目に、真人が子供が駄々を捏ねるような声で抗議の声を上げ、それをクソ脳味噌はバッサリと切って捨てた。

 

 宿儺の復活…それは確かに元々計画の一部に存在した項目だ。

 

 呪いの世の到来…それこそが漏瑚や真人達の目的であり目標、その為にこんな死ぬほど胡散臭いクソ脳味噌と協力しているのだ。

 

 そして、そんな呪霊達の中でも特に漏瑚は呪いの世の到来の為には宿儺の復活が必要だと幾度と無く口にしていた。

 

 そんなことを言っているのだから当然と言うべきか、度々虎杖悠仁を殺したいと何度も何度も口にする真人を諌め、ついこの間の交流会の時も度々虎杖悠仁は殺すなと何度も念押ししてきた。

 

 百年後の荒野に立っているのが自分でなくてもいい…そう言った奴の瞳が、何処か人間のように見えたのは私の気のせいだと思いたい。

 

 

「ふーん…で? 僕は何をすればいい?」

 

 

 そんな感傷にも近い何かを抱えそうになった私の耳に、これまた非常に聞きたくない声が届いてくる。

 

 視線の先には、白い髪を片目が隠れる程に伸ばした男がそこにはいた。

 

 白いワイシャツを軽く着こなすその男は一言で言うなら美形であり、そのワイシャツの隙間からチラホラと除く白い肌がこれまた妙な色気を誘う…私からすれば気持ち悪い限りなのだが。

 

 

三途(みと)、君には夏油傑を抑えておいてほしい、彼に来られると私達としては厄介なことこの上ない」

 

 

 呪詛師『三途』…私達がそう呼ぶその男は、クソ脳味噌からの言葉に了解と一言言うと、ひらひらと手を振って懐から取り出した本へと視線を落とす。

 

 その顔は、クソ脳味噌の話に一欠片も興味が無いとそう暗に言っているように感じる…いや、感じる云々ではなく事実興味が無いのだろう、元々誰かの言うことを聞くような人間ではない。

 

 交流会の時にしてもそうだ、こいつが夏油傑の所に居たのはクソ脳味噌がそう指示を出したからではない、こいつが勝手に乱入してきただけなのだ。

 

 結果としてその乱入に真人は助けられ、キッチリその役目を全うしてきたのだから尚のこと質が悪い、ハッキリ言ってあの場にこいつさえ居なければ真人は祓われていたはずだからな。

 

 そしてその独断専行をこのクソ脳味噌は決して咎めない、何せ此方側の得にしかなっていないし、何よりこのクソ脳味噌からすれば都合の良いことこの上ないだろうからな。

 

 

「それと雪姫、君には一番大事な役をやってもらおうと思う」

 

 クソ脳味噌がさも今思い出したかのように私へと話を振る、当然その表情は気持ち悪いくらいニタニタとしている。

 

 思わずと舌打ちしてしまう、あまりにも気持ち悪いしそもそもお前に振られた仕事なぞやりたくないのだ私は。

 

 

「…なんだ?」

 

 しかし、縛りを結んだ手前、こいつの言うことを聞かないわけにはいかない。

 

 言うことを聞かないとなれば、待っているのはこの場にいる私以外対私の圧倒的不利な状況での戦いだ、そんなものは御免被る。

 

 そんな私の態度にやれやれと言ったように肩を竦めたクソ脳味噌は、ゆったりと勿体ぶるように、その口を開いた。

 

「君には宿儺が覚醒するまでの間、禪院廻の足止めを───」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………禪院…廻…?」

 

 

 パタンっと本が閉じられる音と共に、三途は静かにその言葉を呟いた。

 

 呆然としたように、唖然としたように、まるでこの先一生聞くことは無いと思っていた名を聞いたかのように、その瞳は大きく見開かれていた。

 

 普段とはあまりに違う三途の様子に、私を含めた呪霊達は何処か訝しげに三途に視線を向けるが、そんなこと知ったことかと言わんばかりにクソ脳味噌は言葉を続ける。

 

「雪姫、話を戻すが君には禪院廻の足止めをしてもらう…あぁ、分かっているとは思うが足止めするだけで良いよ」

 

 どうせ君じゃ勝てないからねと、クソ脳味噌はそう締め括り、続けて真人と漏瑚へ指示を投げかけていく。

 

「漏瑚と真人、陀艮は獄門疆が開門するまでの時間稼ぎをしてもらう、ある程度やってくれたら後は私が引き継ごう」

 

 様子のおかしい三途を無視して、トントン拍子で話が決まっていく。

 

 私はアイツ…じゃなくて禪院廻の足止めを、呪霊達は五条悟を封印する為の時間稼ぎを、そして三途は夏油傑の足止めないし排除…少なくとも私達はそういう体で話を進めていた。

 

 虎杖悠仁を殺したいと言う真人も、この時ばかりは笑みを浮かべてこそいたが何処か真剣そうにクソ脳味噌の話を聞いていた…というより呪霊達は皆クソ脳味噌の話を真面目に聞いていた。

 

 

「……さっきから気になってたんだけどさ…」

 

 そんな中で、唐突に真人が不思議気に言葉を発した、まるでふと不思議なことに気がついた子供のような気楽さで、クソ脳味噌に疑問の言葉を投げかける。

 

「なんで急に宿儺復活を優先する方向に舵切ったの? 前までは計画のサブプランだとか言ってたのに」

 

 それはきっと真人にとっては些細な疑問だったのだろう、特段何か考えて放たれた言葉ではなく、ただふと気になった程度のソレだったのだろう。

 

 だからなのだろうか、クソ脳味噌はその言葉にポリポリと頭を掻いて、何気無しにその言葉を放った。

 

 

「…今回の件で、花御が死んだだろう? その花御を殺したアレを見て確信したんだが…高専の中に───」

 

 

 

───千年前、宿儺と互角に渡り合った術師がいる。

 

 

 

「…………はっ?」

 

 まるで意味が分からないとでも言うように、真人の口から声が漏れる。

 

 そしてそんな反応を曝け出したのは真人だけではない、漏瑚もまた同じようにその一つ目を見開き、クソ脳味噌へあり得ないモノを見るかのような視線を送っている。

 

 斯く言う私も、きっとその一人だったのだろう、あまりにあり得ないその言葉に開いた口が塞がらない。

 

 …いや、違うな…本当は分かっているのだ、獅子王が現れたという時点で答えは既に出ていたのだ。

 

 しかしそれを何処かで認めたくないと思う私が居た…何せアイツは私の知る限り最強の術師であり、それと同時にもっとも敵に回したくない術師でもあるのだから。

 

 

「最初はね、私も単なる偶然だと思ってたんだ、ただ名前と戦い方が同じなだけの人間だってね」

 

 術式も使えない様子だったし…と、クソ脳味噌は何処か言い訳でもするように言葉を紡いでいく、その表情は何処までも楽しげに歪み切っていた。

 

 

「情けない話だけどね、私は心の何処かでそうであると決めつけていたんだよ、あり得ないことだと決めつけていたんだ」

 

 

 楽しげに愉しげにクソ脳味噌が言葉を紡ぐ、気色の悪い笑顔を浮かべてクスリクスリと声を漏らしながらもその言葉を決して止めようとしない。

 

 

「だけど違った、あり得ていたんだ、千年前に死んだはずの人間がさ、確かに今この世で生を謳歌していたんだ…()()()()()()()()()()、その名の通りにね」

 

 これがどういうことか分かるかい? と興奮したように私達へと視線を投げかけるクソ脳味噌の姿に、私達は何も言えない…あの魂を穢し弄くり回す真人でさえ、クソ脳味噌の言葉に絶句しているようだった。

 

 

「つまりは輪廻の証明だ、彼の存在がそれを証明している、魂は何時か廻り、何れは再び現世に生を受けるという事実の証明…それこそが彼だ…!!」

 

 最早隠すことさえしない狂気、何処までも悍ましく緩み歪み染まったその笑顔に、私は鳥肌を隠せなかった。

 

 悍ましいのだ、何よりも、誰よりも、私が知る全ての人間に於いても、こいつの悍ましさを超える存在はきっとこの先現れないと、そう確信してしまう程に。

 

 

「あぁ済まない、話が脱線してしまったね…なんてことはない、とてもシンプルな話なんだ」

 

 興奮を収めるように謝罪の言葉を口にしたクソ脳味噌は、しかしその興奮を抑えきれぬままに歪んだ笑みを携えたまま、その口からその言葉を発する。

 

 

「最強には最強を…虎杖悠仁に全ての指を取り込ませた上で宿儺を覚醒させ、それを禪院廻にぶつける…私がやろうとしているのはそれだ」

 

 実にシンプルな話だろう? と、クソ脳味噌はさも至極簡単なことのように、その言葉を容易く放ってみせた。

 

 絶句する私達の姿なんてまるで目に入っていないとでも言うように、愉しげな様子で私達へと視線を向けるその姿に、私は最早何も言えなかった。

 

 後に会議は再開した…真人も何時もの調子を取り戻し、漏瑚は漏瑚で宿儺復活を後押しされた影響なのか、何処か浮足立っているように感じた。

 

 そしてその当のクソ脳味噌本人は、最後の最後まで愉しげな笑顔を浮かべていた。

 

 

 まるで、生をこれでもかと謳歌する、子供のように。

 

 

 





メロンパン(???)

 実は魔虚羅の登場回数があまりに少なすぎて廻の正体に気づいていなかった人、獅子王が現れたことでようやく気づいた…逆に獅子王が現れなければ多分気づかずに終わってたかもしれない人。

 あまりに想定外の事態につい楽しくなって色々とハッチャケかけた人、多分人生一番楽しんでる、頼むから死んでくれ。




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