宿儺にぶっ殺されたワイ、何故か子供になる   作:富竹14号

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 四つ巴がやりたくなったから書いた、ひとまずは導入。


女の子とのバッタリを許されるのは、恋愛漫画だけ

 

 

 運が悪い…ふとしたように、烏鷺はそう愚痴を溢した。

 

 バチリバチリと眼前で弾ける呪力、電気の性質を帯びた呪力をその身に纏い、獣のような笑みを浮かべた男は…鹿紫雲一は烏鷺へと突撃を開始する。

 

 手に携えた如意を手玉でも回す様にくるりと勢い良く回転させ、その勢いのままに烏鷺へと如意を振り下ろす。

 

 振り下ろされた如意、空気を引き裂いて迫って来るその一撃に対して烏鷺は術式を使用、虚空へと手を伸ばしてそのままギシリと空間を掴み取り、そのまま一気に引き伸ばした。

 

 ぐにゃりと空間が歪む、振り下ろされた如意の輪郭がぐにゃりぐにゃりと水面に映った物体か何かのように歪み、その勢いを殺される。

 

 奇っ怪な現象、見たことも聞いたことも無い術式効果、ぐにゃりと歪み、その勢いを失った如意の姿に鹿紫雲は即座に如意を手放し、そこから流れように徒手空拳へと移行する。

 

「───チィッ…!!」

 

 大きく響く烏鷺の舌打ち、徒手へと移行した鹿紫雲が自身の懐へと潜り込もうとしてくる、そこへとさせるかと言わんばかりに烏鷺は蹴りを叩き込んだ。

 

 響く肉と肉の衝突音、繰り出された蹴りに対して鹿紫雲は防御ではなく攻めを選択、放たれたその一撃へと合わせるように鹿紫雲は呪力を纏わせた蹴りを放った。

 

 バチリと轟く呪力の音、電気と同質の性質を持つ鹿紫雲の呪力は当たれば並大抵の呪力出力など容易に貫通してしまう。

 

 接触した蹴りと蹴り、打撃が互いに衝突したその瞬間、烏鷺の肉体へと電流は走り、肉体的な動きを僅かにではあるが阻害する。

 

 烏鷺の口から舌打ちが飛び出る…よりも更に早く、その僅かな隙間へと鹿紫雲は素早く手早く拳を一撃差し込んだ。

 

 術式を発動されるよりも速く、烏鷺の手が動くよりも疾く、突き動かされるように突き込まれたその鋭い一撃は、情け容赦無く烏鷺の鳩尾へと突き刺さる。

 

 

 

───黒閃

 

 

 黒い、火花が散る。

 

 肉を抉り、突き出された槍のように深く食い込んだ拳による一撃、防御が間に合わなかったが故に半ばモロに喰らったその一撃は烏鷺の体内に存在する空気という空気を吐き出させるに至る。

 

 意識が加速する、約四百と数年にも及ぶ久方振りの黒閃、懐かしくも心地良い万能感に包まれた鹿紫雲の全身を研ぎ澄まされた呪力が巡り、肉体の内側が熱に浮かされたように熱くなる。

 

 不味い…鹿紫雲はそう直感した。

 

 

 約束したのだ、約束しているのだ、出来うる限り人を殺さないようにと。

 

 無理には止められなかった、鹿紫雲一という人間の欲求と目的を知っていたこともあったのだろうが、そもそもからしてこの結界内で人を殺さないということ自体が前提からして不可能であることを廻は理解していた。

 

 過去の古強者共が結界という密閉された空間内で一斉に動き出しているのが死滅回游というゲームである、そんな中で絶対に人を殺すなと言える程、廻の人格は傾いてはいなかった…出来うる限りとは、即ちそういう意味なのだ。

 

 

 だからこそ、鹿紫雲は今の状況は不味いと悟っていた。

 

 鹿紫雲は約束を守る気で居た、少なくとも目の前の術師を適当に伸して点を奪おう程度にしか考えていなかった…結果として、鹿紫雲の意識はノリにノッた。

 

 黒閃による全能感に加えて内から溢れてくる闘いへの欲求、内側から浮かされたように充満する熱が鹿紫雲の肉体をどうしようもない程に疼かせる。

 

 四百年振りというのも悪かった、久方振りの黒閃は現在の鹿紫雲からしてみれば劇物以外の何者でもなく、更に言えば鹿紫雲の中には禪院廻との戦闘の余韻が未だに残っていた。

 

 

 結果としてどうなるか…鹿紫雲一は、自身の欲求を抑え込みきれなかった…その一言に尽きる。

 

 鹿紫雲の内側でナニカが弾け飛ぶ、眼前の面白そうな獲物へと飛び付きたいという衝動を抑えることもなく、鹿紫雲は半ば本能的に烏鷺へと飛びかかった。

 

 先程よりも明らかに洗練された動きと呪力の流れ、纏う雷がより一層の殺意を漲らせる中で、烏鷺は赤く染まった口元を拭いながら徐ろに両手を前に突き出す、同時に術式を発動。

 

 イメージするのは円形の形、空間を掴み取り面にて捉える烏鷺の術式、その転用。

 

 両手を前に突き出した姿勢で動きを止めた烏鷺の姿に鹿紫雲は術式の効果を予測、先の腕を引き伸ばされた感覚からして空間に作用する術式であろうと予想する。

 

 構えからして真正面から突っ込むの得策ではない、俊敏に動き回った上で錯乱し、側面から攻めることが最適であると鹿紫雲は冷静に判断する…しかし───

 

 

───それは雑魚の思考だ。

 

 

 黒閃の熱に浮かされた鹿紫雲はそれを容易く切って捨てる。

 

 カウンターか純粋な防御か…何方にせよそうして構えている時点で鹿紫雲の突撃に合わせて放たれた技であることには変わりない。

 

 ならば、ならば…そうして引き合いに出されたその盾を、自身の矛にて穿ち抜きたいと考えてしまうのは、果たして間違いであろうか…十中八九間違いであろう。

 

 

 呪力出力を最大にまで引き上げる、突撃による加速を維持した状態で且つ飛びかかりの姿勢すら崩さず、鹿紫雲は自身の瞬間最大火力を烏鷺へと叩き込んでやろうと右足一点に呪力を集中させた。

 

 そんな鹿紫雲の姿に烏鷺は顔を顰めさせた、予想通り過ぎる展開にまたこのタイプかと嫌気が差したかのような表情を浮かべて見せる。

 

 激突する、雷を纏った飛び蹴り対烏鷺の盾、爆音を奏でて互いに衝突した両者の攻と守…その決着は、思いの外早くついた。

 

 拮抗…していたわけではない、衝突したその瞬間から鹿紫雲の一撃は既に烏鷺の盾の中枢にまで食い込んでいた。

 

 グググッと緩やかに突き進んだ鹿紫雲の飛び蹴り、何処か柔らかな感触を醸し出すその盾に鹿紫雲は僅かな疑問を覚え、次いで悟った、負けた…と。

 

 

「───吹っ飛べ」

 

 瞬間、鹿紫雲の肉体は後方へと大きく大きく弾かれた。

 

 蹴りが食い込んだ盾、空間そのものを転用して作り出したその盾から押し出されるように、片側へと伸ばしたゴムが元の形へと戻るように、自身の一撃の強さをそのまま跳ね返されたかのように鹿紫雲の肉体は大きく吹き飛ばされる。

 

 後方に存在した建物を一つ突き破り、そこから更にゴロンゴロンっ二転三転繰り返した後に別の建物へと身体ごと突っ込む。

 

 勢いが止まらない、建物へと突っ込んでもなお、まるで止まる気配の見えない自身の肉体に痺れを切らしたのか、鹿紫雲は自身の腕を地面へと突き入れ半ば無理矢理に肉体の動きを塞ぎ止めた。

 

 ガリガリと突き入れた先から削れていくタイル張りの地面、徐々に徐々に減速していく勢いに更に駄目押しと言わんばかりに全力で足を踏み締める。

 

 動きが完全に止まる、建物一つ二つ突き抜けてようやく止まったその事実が鹿紫雲の放った一撃の威力を物語り、それと同時に烏鷺の見せた盾の厄介さを鹿紫雲へと突きつける。

 

「………」

 

 厄介…あぁ、とても厄介だと鹿紫雲は考える。

 

 術式を使用していないとは言え、最大出力の一撃をそのまま勢いにして返された…ダメージこそ大したものではないが、それを補って余りある程の防御性が存在する。

 

 文字通りの盾、相手の攻撃を受け止め反射する宛らゲームに於ける絶対防御、それの具現したかのような存在に鹿紫雲は思わずと言ったように笑みを溢す…なんて、面白いのだろうか…と。

 

「さて、どうするか」

 

 ならばと鹿紫雲は考える、あの盾を如何にして破ろうものかと。

 

 殺すだけならばまだ簡単だろう、適度に打撃を叩き込み続けた後に得意の帰還電撃や電荷分離にて一撃で葬れば良い。

 

 しかし殺さないという前提がある、キチンと約束したからには破るということなど鹿紫雲は許さない、一度殺されかけた上で生かされたことに対する恩義もある。

 

 故に、破るという選択肢は端から鹿紫雲の中には存在しない…だからこそ鹿紫雲は考える、如何にしてあの強敵相手に自身の十八番を封じた上で勝つかを、じっくりと。

 

 

 じっくり…と一言で言っていたとしても、それは精々が数秒程度の出来事でしかなく、実際に端から見てみればじっくり考えているようにはとても見えない。

 

 しかし、こと殺し合いの世界に於いて、数秒とは途方も無い程に長く、途方も無い程に短いという矛盾した性質を持ち合わせている。

 

 僅か数秒、されど数秒…その数秒にて幾らの行動を起こせようものかはその人間の技量に寄り、その者が強者であればある程にその僅かな時間は長大なソレへと変化する。

 

 とどのつまり、簡潔に言ってしまえば…鹿紫雲はその場に長居しすぎた。

 

 ズガンッと後方の壁が砕け散る、呪力の波と衝突音、突如としてやってきたソレに鹿紫雲の意識は引っ張られた。

 

 ぶつかり合う鉈と鎚、鍔迫り合いながら突っ込んできたのであろう両者の姿に鹿紫雲の意識は完全に引っ張られ…だからこそ、その奇襲を容易く許す。

 

 

 

───『宇守羅彈』ッ!!!

 

 

 意識外からの攻撃、何時の間にそこに居たのかと問いただしたくなる程に唐突に現れた烏鷺による奇襲を鹿紫雲はモロに食らった。

 

 血を吐き出す、内側から込み上げてくる嘔吐感と濁流のようにやってくる激痛に身体が悲鳴を上げる…それら全てを無視して、鹿紫雲は半ば反射的に烏鷺の髪を掴み取った。

 

「ッ!? お前───」

 

 

 頭突きを見舞う、何かを喋ろうとした烏鷺へ二度三度と頭突きを噛ます、ガンッガンッと重い音を鳴らして何度も何度も叩き付ける。

 

 激痛、嘔吐感に肉体から上がる悲鳴、どれもこれもが自身へと警報を鳴らしてくる…だからどうした、屁でも無い、少なくとも───

 

 

「───温いんだよっ…!!」

 

 

 

───最強(アイツ)に比べたらなぁッッ…!!!

 

 

 

 

 以前に食らったソレよりかは、遥かに貧弱であった。

 

 

 

 

 

 

 





鹿紫雲

 律儀に約束を守ってる人、別に破った所で大したデメリットとか無いのに律儀に守ってくれる人…鹿紫雲はこういうのは律儀に守ってくれると思うんです(by.作者)

 因みに、後に魔虚羅を出されたことないとある二人に対して意訳:良いだろう(ドヤァ)することになる、両名はピキッた。

 
烏鷺さん

 ブチギレ、お前のせいで取ってきた食料全部どっかに行っちゃったじゃないかと怒るとこそこなんだ的な怒り方してる、殺る気スイッチ満々。

七海&日車

 大人故の相容れなさ、三十分感くらい話し合った後に勝った方の言うことを聞こうで戦闘を開始した。


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