◇ ◇ 拠点 錬金工房 ◇ ◇
奇妙な少女を連れて帰ってきて一日が経過した。
まだ少女は目覚めてない。
気になりはするけど私は私のやるべきことをしよう。
ダイアルと契約までしたんだ。
錬金術を磨かないとね。
「さて、貰った錬金釜で色々とやっていこう」
数冊の錬金術の本は元々あった錬金術の本よりも結構詳細な内容だった。
あやふやだったところが明確になり錬金技術の技術力が向上した。
ついでに同時に三つの錬金技術の講師も可能になった。
と言ってもこれの恩恵はまだ無いけどね。
切断術が同時に三回使えるようになったくらいだ。
わざわざそんなことしなくても連続で使えば良いだけだから同時に使うメリットは感じられないんだけどね。
でも、今後同時に使う必要がある錬金技術の取得には役に立つはずだ。
ちなみに私はまだ錬金釜を使ってない。
最優先で治療薬を調合する必要があるフィルが使っているからだ。
いつ調合を始めないといけないか分からないから今は迂闊に使えないんだよ。
フィル曰く、今では普通に調薬するより錬金術で調薬する方が早いとのことだからね。
「さて、とりあえず錬金釜に付けられた付与文字と錬成回路は覚えた・・・・・・けど・・・・・・・」
観察して使っている動作を見て付与文字の用途や錬成回路がどういう風に動いているかを確認してようやく理解した。
本にも錬成陣の製作方法は書かれていたしばっちり・・・・・・何だけどね。
予想はしてたけど材料がネックになってくる。
「やっぱり既存の材料じゃ作れないよね。魔力石を手に入れないと駄目ってどうしようもないよ」
これも錬金術騒動のせいで禄に手に入らないしね。
冒険して手に入れるしかないけど街の近場にある魔力石はあらかた取り尽くされてるとのことらしい。
本当にめんどくさいね。
「近場なら拙者が取りに行けたんでござるが・・・・・・」
「そうだよね・・・・・・ところで、なんでオボロさんはここに居るの?」
別に私が拠点内に居るなら工房だろうがプライベートルーム以外ならどこに居てもいいんだけどさ。
「拙者、冒険者の適性の中に錬金術があるんでござるよ」
「あ~自分も使えるかも知れないから一応見ておこうってことね」
「そういうことでござる。最も拙者は鍛冶系にも適性が割り振られている故に錬金術の全ての才能があるわけではないでござるが・・・・・・」
なるほどね。
細かく潜在能力解放が割り振られてるから錬金術が使えると言っても全てを使えるわけじゃないんだね。
適性不足だから潜在能力解放させないと使えない技術もある訳か。
「試しにやってみる?」
「出来そうにないからやめておくでござる。変形術と切断術は軽くではござるが使えるようになっているでござるからな」
そう言ってシステムウィンドウを私にも見えるようにして表示した。
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戦闘動作
振り 60
突き 60
防御 30
回避 60
跳躍 60
切断 60
武器
刀剣 60
錬金術
変形術 40
切断術 60
掘削術 50
硬化術 50
切削術 60
鍛冶
研磨 50
鍛造 30
全製作系技能 5
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「これが拙者の使える錬金技術でござる。合成術の適性はほぼないでござるからどれだけ頑張っても無駄でござるからな。潜在能力解放しないと無理でござる」
本当に細かいんだね。
というか跳躍だのに適性があったんだね。
にしても、これって振り、刀剣、切断全部含めてようやく剣の力を百パーセント引き出せるとかそういう仕様だったりするのかな?
だとすると確実に100まで振り切ってから別のにするのではなくある程度使えるレベルまで割り振ったら別の適性を確保するのはそういうことだったりするんだろうね。
私のステータスは見るまでもないか。
生産は全て100で戦闘関係は全て0だもんね。
戦闘適性を獲得しないと意味ないでしょ。
「にしても、鍛冶系の適性は自分の武器をメンテナンス出来るレベルでしか適性が無いのね」
他のは5%しか適性が無いみたいだしね。
これじゃあまともに製造が出来るとは思えない。
とことんメンテナンスの為だけのものなんだろうね。
でも、適性があったところで出来るかどうかは話は別なんだけど。
あくまでも許可証みたいなものだしね。
その技術が扱えるか否かは本人の技術力の問題だ。
適性値が100%でも20%に負ける可能性があるからね。
本人の素の実力を示しているステータスじゃないから当然なんだけど。
むしろ低適正値で高適性に勝ってるのなら同じ適性値なら圧倒してた事になり得るからね。
ダイアルが50%にこだわってるのはそこまで来れば大きな差が生まれることはないからなんじゃないかな?
せいぜい二倍だしね。
「にしても切削術は持ってるんだね」
掘削術に硬化術。
基本刀剣関係に適性が割り振られてることも考えるとこの二つも関係あるのかも知れない。
私もこの二つの獲得を目指すのは良いかもしれないね。
剣を扱ってるわけだしね。
「そうでござるな。流石に一度も披露されたことのない技術を真似ることは出来ないでござるよ」
真似できるだけでも凄いんだけどね。
私は何も教えてないわけだし。
「所詮はまねごとでござるからな。ホムラ殿みたいには扱えないでござるよ。何も無い状態から手探りでなんで無理でござるよ」
普通はそうだよね。
でも、こう言うのって楽しいと思うけど。
手探りでやってる感じが良い。
車輪の再発明みたいな感じになったとしても無駄ではないしね。
探ると言う行為を鍛えることに繋がるから。
「あ、そんなこと出来るなら一つでもその場に魔力石があれば作り出せるんじゃないでござるか?」
「魔力石を作る!?」
その考えはなかった。
いや、でも確かに・・・・・・作れないことはないんだよね。
時間を掛けて石に魔力が宿ったのが魔力石だからね。
純度の低い物ならごろごろ転がってたらしいしね。
魔力石から魔力結晶を抽出して扱うからね。
魔力結晶そのものを作り出せれば話は別だけどそんなことはすぐには出来ないだろう。
自然界にも魔力結晶そのままで手に入ることなんてそうそう無いらしいしね。
でも純度の低い魔力石を作り出すことなら出来るだろう。
「試してみようか」
私は石を錬金釜に放り込む。
・・・・・・あ! 使ってしまった。
フィルが使うかも知れないのに。
急いで終わらせないと不味い。
とりあえずイメージは魔力を注ぎ込むのをイメージする。
錬金釜の性能も相まってやりやすいね。
思い通りに錬金技術が扱える。
そして今使っているのは恐らく錬金技術だ。
名付けるなら充填術って所かな?
魔力が充填されていく。
私の中の魔力が勝手に操作されるから次からどうすれば良いのか分かるね。
「よし、完成!」
「早いでござるな!?」
急いで作ったからね。
でも急いで作った割にはかなりの品質の魔力石だ。
初回なのにここまで良く作れる当たり流石錬金釜ってところだね。
・・・・・・・フィルが来る前に魔力結晶の抽出の方法も学んじゃおう。
魔力石を再び錬金釜に放り込みかき混ぜる。
そしてイメージを固める。
魔力結晶となった部分だけを魔力石から抽出するイメージを。
そしてすぐに出来上がった。
これに関しては基本だしね。
かなりの高品質の魔力結晶だ。
「探しにいく必要無くなったでござるな」
「だね。とりあえず、充填術と抽出術を完全に扱えるようにトレーニングしていこうと思う」
魔力結晶が出来たはいいもののこれじゃ全然足りないしね。
付与文字と錬成回路を作るにはもう少し量がないとね。
とりあえず大鍋で挑戦してみた。
案の定品質は低かった。
数をこなして品質を上げていこうか。
そのうち大釜なしでもやっていこう。
ホムラ「錬金釜、便利だけどこれだけに頼ってたら錬金術の腕が鈍りそうだ。地味に恐ろしい代物だよ」