クラフティング・オンライン   作:スタック000

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第二十話 レイムチェラビドラゴン

 ◇ ◇ 試練の場 ◇ ◇

 

 ようやく戦いの場が整い短い休息を取る。

 休息が終わってそろそろカウントがゼロになる。

 

「準備はいい?」

 

「ばっちりでござる」

 

「私もトラップも問題無いよ」

 

 コクウがリーダーみたいになってるけど今更だ。

 実戦経験豊富みたいだしね。

 オボロって実戦経験はそんなに無いから指示できないし、私も記憶失っててそういうのは出来ないからね。

 

「それじゃあ備えて。そろそろ始まるよ」

 

 空中に浮かんだBOSSレイムチェラビドラゴンの文字が書かれてカウント団されている数値が徐々に減っていく。

 ついに残りカウントが00:01になった。

 残り一分だ。

 トラップを起動できるように構えておこう。

 

 構えてしばらくするとカウントがついにゼロになった。

 第二の試練が始まる。

 

 瞬間カウントがされていたシステムウィンドウが消えそれがあった場所が光に包まれた。

 そして出てきたのは爬虫類のような兎。

 翼も生えていてさながら兎のようなドラゴンと言ったところだろうか?

 

「トラップ作動!」

 

 私が錬金技術を用いて起動させる。

 トラップと紐で繋がれていれば変形術で干渉ができるからね。

 変形術の精度はおちるけど起動させるだけなら強引にいける。

 

 コクウが予想した位置に出現してくれたので天井から大量の金塊が詰まった鉄の塊が降ってくる。

 金は柔らかいけど凄く重量があるからね。硬い物で覆ってやればその重さが武器になる。

 ・・・・・・天井に取り付けるのにはその重量のせいで地味に苦労したけどね。

 

 そして周囲に取り付けられた単発の銃がドラゴンに向かって発射される。

 まあ、あのウロコじゃ効きそうにないけど、準備したし戦闘中に暴発されても困るから今発射しておく。

 

 そして地面に埋められた地雷を爆発させる。

 ドゴドゴドゴと大量に火薬を使っただけあって派手に爆発する。

 

 さて、初回のトラップの猛攻の結果は果たして・・・・・・

 

「ラビビ・・・・・・」

 

 殆どダメージが無い。

 あれだけ準備したのに・・・・・・

 

「軽傷・・・・・・あの程度じゃ無傷かも知れないと思ってたから結構良い戦果だね」

 

「良い戦果なの!?」

 

「出現でダメージを与えられる程甘いとは考えてなかったからね。でも、可能性として通用するかも知れないから用意しないという選択はないからね」

 

 あれだけ徹底的に準備したのに通用するか怪しいと考えてたんだ。

 まあ、所詮は黒色火薬だしね。

 単純に作れる分威力は控えめだし仕方ない。

 

「流石は金の重量だね。アレには兎竜には通用しないみたいだ」

 

「あれ!? 効いたのそっち!? いや、そっちの方が苦労したけども・・・・・・」

 

 時間掛けて火薬用意した意味とは・・・・・・

 いや、まだ他のトラップとか兵器があるから無意味だったと判断するのは早いよね。

 

「火薬は通用しなかったと言うことでござるか?」

 

「兎みたいな形をしているといえどドラゴンだしね。重量物の落下にはそれほど耐性は無いけど、ブレスとか吐くから爆発とか熱に関係する耐性は大きいんだろう。水竜とかだと話は変わってきたんだけどね。色合い的にどう見ても火竜系統だし、耐性は万全でしょ」

 

 火竜か。

 確かにイメージとしては爆発には強そうだよね。

 地雷には火薬を山程使ったけど通用しなかったのは、熱系統の爆発だからなんだろうね。

 エネルギーの放出が爆発が起こる原因だから、熱を別の物にすれば通用するんだろうけどそんなものの作り方なんて知らないからね。

 

 というかゲームでしか見たこと無いよ。雷系の爆弾とかなんて。

 ああいうのって大抵未来感溢れる爆弾だし、機械でそういう風に作らないと出来ないような代物だったりするんだろうね。

 そう考えると仮にコクウさんが知っていたとしても私が作るのは無理か。

 機械系の構造をこの場で速攻で組み立てるのは無理だし、そもそも爆弾に詰めるエネルギーをどこから持ってくるのかというね。

 

「というかレイムチェラビドラゴンってフレイムをフレイムと何かとラビットドラゴンをくっつけて適当に略した名前なんじゃ無いかな?」

 

「たしかにそんな感じの名前でござるな。って事はチェが付く何かがまだ残ってるって事でござるか?」

 

 うわ、って事は何かあるって事!?

 外見では分からない追加要素を警戒しておかないと不味いね。

 

「ラビビビ!」

 

「散開! ホムラはアレの前に移動! オボロは背後に回って攻撃を仕掛けて!」

 

 私はコクウさんに言われた場所に移動する。

 目線のおかげでアレがなんなのかがわかりやすくて助かる。

 名称まで言わないのはドラゴンの知能を警戒しているって事なのかな?

 対処されたら厄介だしね。

 

「ラビビビビ!」

 

「こっちでござるよ。ところで自慢の尻尾は何処にあるんでござるか? ドラゴンなのにまん丸でかわいい尻尾でござるね」

 

「ラビ? ラビビビビビビビ!? ラビス!」

 

 何言ってるのか分からないけどラビスがなんなのかが分かるね。

 でも、はっきりした。

 オボロの挑発を理解出来る程の知能がある。

 コクウさんがあえて兵器の名を言わなかったのは正解だったのかも知れない。

 

 しかし、オボロの挑発は言われてみればそうだよね。

 兎というモチーフのドラゴンだからか、尻尾がまん丸なんだよね。

 兎って厳密には尻尾が丸いわけじゃくて毛のせいでそう見えるだけらしいけど、このドラゴンは表面がウロコで覆われているにもかかわらず丸いんだよね。

 完全に兎の外見をイメージして作られたドラゴンってことなんだろう。

 明確な意識があるなら本気で気にしているんだろうね。

 トカゲどかに求愛行動で尻尾を使うとかいう種類も居たしそれが無いなら本気で気にするだろう。

 

「オボロ! 挑発しすぎだよ! こっちに攻撃を向けられない!」

 

「いや、まさかここまで怒るとは思わなかったでござるし!」

 

「そりゃ尻尾のことで馬鹿にされたら怒るよ! ドラゴンにとっては尻尾は何よりも重要なんだから」

 

 やっぱり重要なんだね。

 なら怒るのも無理ないか。

 

「う~ん、これが効くか分からないけどやって見るか!」

 

 そう言ってコクウさんは、ドラゴンの背後に回って尻尾を切り落とした。

 丸いからくっついてるのはちょっとだから切り落としやすかったのかな?

 

「ラビォ!?」

 

「あれ、あっさり斬り落とせたね。こんなものドラゴンにとっては恥同然だし切り落として正解でしょ?」

 

 そう言ってコクウさんは地面に転がった尻尾に座った。

 槍でペチペチ叩いてる。

 

「ラビビラビ! ラビビチェララビビビビ!」

 

「あれ? 何怒ってるの? ひょっとしてこんなのでも誇りだったの? 笑えるね」

 

 作った表情で笑う。

 元々全ての表情が作り物だからかコクウの表情は本当に笑っているようにしか見えないんだよね。

 オボロですら普段の表情が作り物だって気がついてないんだ。

 このドラゴンが気がつけるわけが無い。

 そうなると必然的に・・・・・・

 

「ラビス! ラビスラビスラビスラビスゥゥゥゥ!」

 

 ラビスを連呼するドラゴンが生まれた。

 執拗に前足でコクウさんを攻撃する。

 

「よく見たら足も短いよね。短足かな? ドラゴンに短足という概念があるのか知らないけどね。でも強そうに見えない足ってどうなの?」

 

「ラビビビビビビビビ!」

 

 まだ挑発してるよ。

 でも、この兎ドラゴンよりも強そうに見えない前足を持つドラゴンって結構いる気がするけどね。

 ティラノサウルスとか前足、というか手が貧弱だしその類いのドラゴンはいっぱい居るでしょ。

 挑発だからその辺は関係ないんだろうけどね。

 

「ラビチェーン! ラビビット!」

 

 そしてドラゴンが絶叫を上げたと思ったら、コクウさんの居た位置に無数の何かが突き刺さった。




兎竜「ラッビビン!」
コクウ「兎竜がホテルにチェックインした?」
ホムラ「まさか、チェってチェックインのチェだったの?」
オボロ「違うでござろう! というか本編でバリバリ殺意まみれなのになんで仲良くしているんでござるか!」
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