◇ ◇ Sideオボロ 幻想迷宮 ◇ ◇
気が付けば私は奇妙な場所に居た。
訓練室で訓練していたらこんな事になったんだけど・・・・・・
ここに居るのは私、オルファンさん、レクト兄、ドルフィスさんの四人だけ。
他の皆は誰も居ない。
ホムラちゃんも例外じゃ無い。
「ふむ・・・・・・妙な事態だな。
「ダイアル殿ってそこまで出来るんでござるか?」
でも、第猿さんの強さなら確かにどんな事態でも解決する気がする。
なんか何でも出来る万能感みたいなのがあるからね。
「だが、十中八九街には居ないだろう。この事態を起こした奴はダイアルを警戒しているが故にな。前回やってきたあの捕縛が失敗した地点で関わらない方が良いと考えておるだろうし・・・・・・」
「ってことは、錬金狩りの仕業なんでござるな」
ダイアルさんを警戒しているなら、街からダイアルさんが居なくなったのを確認してから事をおこした可能性は十分あり得るよね。
私だったらそうするだろうし・・・・・・
「ダイアル殿が街に居ない理由は?」
「素材集めだ。其方の訓練のために儂だけはここに残っておるが、他のメンバーも同様に居ないだろうな。迷宮を破壊するならクラフターという名のブレイカーの彼奴が居れば良かったのだがな」
クラフターという名のブレイカーって・・・・・・
ダイアルさんのメンバーって結構戦闘系に尖ったメンバーが多いのかな?
・・・・・・いや、ホムラちゃんの地点であれだし人のこと言えないか。
「しかし、訓練部屋に居たメンバー全員ここに居ますね。ホムラさんは間違いなく単独で飛ばされているでしょう」
「肝心の守るべきクラフターをここで一人にするのは不味いな。俺達も動くぞ」
レクト兄とドルフィスさんがそう言う。
確かに、ホムラちゃんをこのまま一人にしておくわけにはいかないよね。
急いで探した方が・・・・・・
「む? 誰かがやってきたぞ。警戒しろ」
そう思っていたらオルファンが警戒を促した。
私達はその言葉を聞いて武器を構えた。
そして、奥からやってきたのは・・・・・・
「キヒヒヒヒ、なんだ? 誰かと思ったら泣き虫小僧じゃねえか。元気でやってたみたいだなぁ」
「馬鹿な・・・・・・グルディスだと・・・・・・何故だ。貴様は確かに儂が殺したはず」
どうやら、オルファンさんと因縁がある相手みたいだ。
しかも、オルファンさん曰く殺害したのに生きているらしい。
「そりゃそうさ。俺は主さえ生きていれば不死身だからな。何度だって蘇るさ。バグキャラって知ってるだろ?」
「バグキャラ・・・・・つまり、天使騙りにその身を捧げたわけだな。道理で生きているわけだ」
天使騙りって何?
でも、復活のからくりが分かっているって事ね。
「オルファン殿、どうやれば彼奴を倒せるんでござるか?」
「・・・・・・倒せたとしても元を倒さぬ限り何度でも復活する。バグキャラと呼ばれているが厳密には一度に一体しか出せないが何人でも召喚出来る契約モンスターとなっているのがコイツだ。倒しても大本から復活する」
無限に蘇生できますって狡くない?
いや、私達も無限に復活出来るしどっちもどっちか。
私達もプレイヤーの専属冒険者として活動している間は死んでも生き返るようになっているからね。
「即時復活するわけではないが、召喚主が迷宮の核となっているが故に迷宮を自在に操作して即座に目的の場所に向かわせることが出来るから、倒したところで意味など無いだろう」
「キヒヒヒ、そうさ。俺を倒したところで意味など無い。そして、俺はお前達が遭遇したであろう三下戦闘者共とは訳が違う」
三下戦闘者って典型的な戦闘者達の事ね。
オルファンさんが険しい顔しているからそれとは比べものにならないだろうとは思ってたけどね。
「強いんでござるか?」
「強い。ダイアルこそ高みの見物をしていたが、当時の他のメンバーと共にかかってようやく倒せる程の強さだった」
ダイアルさん抜きで戦ったダイアルさんパーティのメンバーがギリギリ勝てたって相当やばい強さだね。
少なくともその地点で典型的な戦闘者達とは比べものにならい程の戦闘能力があることは確定している。
「当時っていつ?」
「半年前だ。当時はパーティを結成して間もなかったというのもあり今と比べればかなり弱かったが、それでも今の君達よりかは強いメンバーだった」
ダイアルさんのパーティの結成って半年前だったんだね。
もっと長いかとおもってた。
「じゃあ、当時のダイアルさんは強かったの?」
「ああ、その時の儂は知らなかったがな」
「巫山戯てるよな。まさか、守られてるクラフターが強かったとか想定してなかったんだよ俺は。強いと分かってたらオルファンで遊ばずにさっさと本気だしてたのにな」
グルディスはどうやら戦闘狂気質があるみたいだ。
だからこそ強いんだろうね。
正直厄介だ。
「しかも、ようやくあの時のクラフターと戦えると思ったらなんだ? オルファンとクソ雑魚冒険者共しかいねぇ。こんなのと戦うために俺はやってきたんじゃねえって奴に言いたい」
クソ雑魚冒険者・・・・・・
そう言われても仕方ないかも知れない。
武技もようやく一つ覚えられた程度だしね。
レクト兄やドルフィスさんもそこまで強い冒険者ってわけじゃないからね。
「まあいい。仕事は仕事だ。これが終わればまた強い奴と戦える危害あるかも知れないからな!」
そう言って、グルディスが消える。
瞬間オルファンさんも消える。
両者が再び現れたとき、刀を抜いたオルファンさんと手から謎の刃を出しているグルディスが居た。
今の攻防が全然見えなかった。
「キヒヒ、強くなったなぁ。あの時みたいに不意を突いて倒すみたいなことはしなくても単体で俺と互角にやり合えるんじゃないか?」
「儂も半年者間ダラダラしていた訳では無い。試練場で何度も何度も死闘を繰り広げこの力を手にしたのだ」
「キヒヒ、たったの半年でその強さに至れるわけがねえ。試練場の時間加速踏まえて相当な年月を戦いに費やしているんだろ。最高だね。俺が強くなるための踏み台になってくれよ」
「誰がなるか」
キィンキィンと攻防を繰り広げるオルファンさん達。
敵であるグルディスと互角にやり合ってる。
かつてはギリギリだったけど今はやり合えているって事は、オルファンさんも成長しているってことなんだろうね。
「これ、援護とか出来そうに無いな」
「ですね。僕達は完全に役立たずです。矢を放ったら間違えてオルファンさんに当てて仕舞う可能性が極めて高いですしね」
確かに、完全に役立たずだけど本当に何も出来ないのかな?
目を閉じて手札を確認する。
オルファンさんに教えてもらった【居合一閃】それと【闘気活性】くらいだね。
あとは錬金技術の【切断術】位だろうか?
援護出来そうな手札がない。
可能性としては、未だに扱えない陽光の力だね。
得た事による再生能力の向上くらいしか未だに役に立ってない。
その再生能力にしてもホムラちゃん程では無いしね。
・・・・・・この機会に陽光の力に目を向けよう。
使えない使えないと思ってたらいつまで経っても使えないよね。
陽光の力に意識を向ける。
相当深く意識を沈め込む。
そして、目を開けると周囲は一変していた。
真っ暗だけど自分の姿ははっきりと見えるよく分からない世界。
そこに、見覚えのある姿があった。
何か異様に幼い姿だけどフレイフィルさんだ。
しかもその姿は目の色以外はどう見ても・・・・・・
そんなことを考えていたらフレイフィルさんが襲い掛かってきた。
オボロ「え!? なんで襲ってくるんでござるか!?」