青(魔導具)のすみか   作:タンペペン

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後半は術式説明なんで読みたい方だけどうぞ

他人視点難しいっすね

タイトル適当すぎる……




青の衝撃~5ターン目五条視点~

 

 

 

 

 

「転入生ぃ?」

 

朝のホームルーム中に夜蛾センから聞き慣れない単語が飛び出してきた。

 

「そうだ。今こちらに向かってきている。」

 

馴染みのない転入生という言葉に、硝子も傑も狐につままれたような顔をして困惑している。それもその筈、転入生というのは大体新学期の初めにやってくるモノ。こんな中途半端な時期に、しかも呪術高専に転入してくる奴なんてそれこそはぐれメタル並みにレアじゃねえか。

 

「この時期にですか?」

 

傑が首を傾げながら夜蛾センに聞くと、目を閉じて少し溜め息を吐きながら口を開いた。

 

「……本当はお前らと一緒に入学する筈だったのだが、諸々の事情で遅れが生じてしまったのだ。」

 

事情って何だよと思いつつ、いつも通りつまんねー授業が始まると思っていた俺にとって、その情報は微かな期待と共に受け取められた。

 

「……責めて夏油くらい強くねぇとなぁ」

 

ボソリと呟いた一言に、夏油がおや、とこちらに向いてきた。

 

「私程度で良いのかい?」

 

夏油のすっとぼけた言葉に苦笑する。呪霊操術なんて成長が青天井なんだからチートに決まってんだろ。

 

「バーカ、お前レベルの強者なんてほぼ居ねーよ」

 

その時、夜蛾センの懐からヴヴヴと振動するような音が聞こえた。ケータイの着信のようだ。夜蛾センが懐からそれを取り出し、耳に当てる。それにしても随分ボロくさいケータイだ。一体何時から使っているのだろう。

 

「せんせー、そのケータイ買い換えた方がいいっすよ。現代にタイムスリップしてきた織田信長でももうちょいマシなの持つからww」

 

「余計なお世話だ。」

 

顔をムッとさせながら夜蛾センがそう言うと、途端に慌てた顔になった。どうやらその言葉が転入生の方に伝わってしまったらしく、慌てて転入生に謝罪している。

 

「い、いや、君の事ではないのだ……すまない」

 

「おやおやおや~?夜蛾せんせー?転入生にそんな事言っちゃいけませんよ~?」

 

そうやってせんせーを煽りながら、取り敢えず期待はせずに転入生とやらを待つ事に決めてみた。

 

 

それから、数分後。

 

 

「転入生がもう教室の廊下に来ている。もう入ってきて良いぞ」

夜蛾センが廊下に呼び掛けると、教室のドアがガラガラと音を立てて開いた。六眼を発動させてドアの方を凝視する。

 

 

さぁて、どんな奴が来るのかーーー

 

 

 

 

 

 

 

ーーーは?

 

 

 

 

何だよこれ

 

いや、勿論高校生の癖に身長が中学一年生なのもそうだが、それより驚いのは奴の術式。

 

(玩具みてーなカードが術式……?)

 

いや、それよりも、コイツの術式はーーー何の効果も無いただ呪力を消費するだけの……ゴミ術式じゃねーか!!!

 

(そもそも術式なのか……?)

 

これまで凡人どものゴミみてーな術式は何度か見てきたが、少なくとも何かしら術式の効果はあった。それがコイツの術式はほぼ無いに等しい。クリーチャーとか手札とか謎の単語が並べられているが、多分意味を為さないだろう。よっぽど頭が柔軟ならこじつけて解釈することで多少は何かしらできるかも知れないが、効果は薄いだろう。

 

(呪力も縛り込みで中の上だし)

 

コイツは雑魚だ。雑魚の中でも救いようが無いほどの雑魚。軽く同情してしまう程に意味を成さないゴミ術式しか持ってない。

 

 

ーーーだが。

 

 

(コイツ……何か、ある)

 

 

六眼でさえ捉え切れない何か。それが何なのかは分からないが、雑魚と一括りにするにはまだ早い気がする。

 

(ーーー見たい)

 

底知れない何かを見てみたい。もしかしたらとんでもねー能力を発揮するかも知れない。そんな好奇心と強者である事への期待が、心を染めてゆく。

 

 

だからーーー怒らせてみることにした。

 

 

「は?何コイツ?雑魚じゃん」

 

 

「悟!?転入生に向かって何を」

 

 

さて、どんな怒り方をするかなーーー

 

 

 

「ヒュッ」

 

 

ーーーは?何でドア閉めんだよ。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

どうやらコイツ、チビをメチャクチャ気にしてたらしい。

 

「グラウンドに行こうぜ……久々にキレちまったよ……」

 

いくら術式を馬鹿にしても怒らなかった癖に身長を煽ったらマジギレしてやんのwwまぁブチギレさせようと煽りに煽ったからではあるけれど、それにしたって怒り過ぎでしょww

てか迫力ありすぎでしょ

 

と、言うわけで

 

 

 

 

蒼真とオレでグラウンドに出て模擬戦する事になった。

 

 

「一瞬で終わっちゃうけど、良い?最悪お前入院しちゃうかもww」

 

「……来いよ」

 

「……ほーん、言ったな?」

 

オレの呪力の量を見てなお冷静な顔をしているのは、奥の手があるからか、それとも単に隠しているだけか。試させてもらおうじゃねーか。

 

 

指先に虚構が生まれ、呪力は収束する。放たれたるは、蒼色の極光。

 

 

「術式順転:蒼」

 

 

さて、奴はどう動ーーー

 

 

 

「シールドトリガー発動。堕呪·カージグリ」

 

 

 

ーーーは?

 

 

おい、待て。ちょっ、何だそれ。え、いや、は?

 

何で『蒼』が消えーーー

 

 

 

 

 

「呪骸憑依『堕無限魔:ヴォゲンム』」

 

 

 

(ッ~~!!!何だよコイツ!?)

 

 

呪骸っつったか!?呪骸を作る術式じゃねーだろお前!!それにさっきの蒼を無効にした術式だってそうだ!!お前の術式はそんな事が出来る術式じゃねー!!六眼で得られる情報は間違いなく正確だ!!

 

 

(アブねッ!!)

 

 

ああクソ、この呪骸一撃一撃のパワーが並みの呪霊じゃねぇ!!等級でいったら一級かそれ以上まである!!一撃でももらったらクソ痛ぇ!!

 

(だが!!)

 

動く速さは鈍い!!!

何か変なビームぽいのを避けながらヒットアンドアウェイを繰り返していれば何とかなる!!

 

(だが……多分コイツは奴の本気じゃねえ)

戦闘中奴を六眼で分析して分かった事がある。てっきりあの情報は何かの間違いだと考えたが……

 

 

アイツの術式は……『何も』変わっちゃいない

 

 

つまりアイツは、黒染蒼真はーーー術式の『解釈』を広げた、ただそれだけ。ただそれだけで一級の呪骸を生み出し、『蒼』を無効化した。

 

ならば、あの玩具みてーなカードの文章を一枚一枚をそれ自体が一つの術式と比べ遜色ない程に『解釈』を広げているのだろう。

 

(何なんだよ、コイツはーーー)

 

六眼をして底が見えぬ、奴の術式の深淵。

……今まで、この眼で分からない事など無かった。いつも己が圧倒的強者だと、挑戦される側だと疑いもしなかった。

だがーーー奴に本気すら出させていない。

今、俺は……『挑戦者』だ。

 

(ーーー興奮するじゃねぇか!!!)

 

「ハッ!!ハハハッ!!中々やるじゃねえか黒染ぇ!!」

 

 

『蒼』で呪骸をぶっとばす。こんな奴じゃあ物足りねぇ!!!!

 

「もっとだ!!もっと魅せてみろ!!」

 

この声に答えるように、黒染は軽く舌打ちをしながら何かを呟いた。

何を魅せてくれるのか、そう期待を膨らませた刹那。

 

 

 

「ーーーッ!?おい黒染!!これはなんだ!!」

 

 

突如、虚空に二つの法陣が構築された。

おぞましいまでの呪力が、中から溢れだしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーそして、それらは顕現した。

 

その姿は、或いは闇の朱雀、或いは堕ちた不死鳥。

 

片方の式神の紫色の双翼は、まるで揺らめく焔のように静かに羽ばたき、そしてその羽ばたきはこの場に満ちている呪力を嵐のように掻き乱す。

 

もう一匹。

 

並みの人間ならば崇拝の対象にさえなり得る暴力的なまでの神威を纏う神鳥。穢れ一つ無い純白の羽毛と、頭の上に浮かぶ冠の五色の水晶は、理外の存在である事を象徴するかの如く輝いている。

 

 

「……ハッ、ハハハッ」

 

その時、オレの中で湧き出てきた何か。

 

それは、今までの『強者』という安寧の中で忘れていた、原初の闘争本能。

 

人が文明の中で無理矢理押し込んだ狂暴性。

 

全てがあらゆるしがらみから解放され、魂が震え、鼓動が叫ぶ。

 

それは、心ノ臓の奥底から熱望していた、強者との戦いへの歓喜の歌。

 

「最ッッ高ッッッ!!!!!!」

 

 

もう出し惜しみするかよ!!蒼の最大出力で歓迎してやるよ!!

 

 

「位相、黄昏、智恵のーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーパァンッ!!!

 

 

 

「両者そこまでだよ」

 

 

 

(……ふっっっっっざけんな!!!!)

 

 

 

 

 

 

 

~~以下術式説明~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

「ったくよぉいい所だったのに邪魔するとかマジであり得ねー」

 

あの後夜蛾センに拳骨でぶん殴られて口煩く説教されたしホントあり得ねー。

 

「ごめんね黒染君……悟のバカがあんな……」

 

誰がバカだ。あんなん熱くならない訳ねーだろ。

 

「いえ……こちらこそごめんなさい……身長煽られてカッとなって……危うく校舎をぶっ飛ばす所だった……」

 

「……え。」

 

まぁあの式神、呪力量は特級で間違いねーからな。というか下手な特級の何倍もつえーぞあれ。

 

「……君の術式って、どんなものか詳しく聞いてなかったね……」

 

「あ"ー、そういやそうだな」

 

「これから一緒に任務に行く事もあるだろうからさ、教えてくれるかな」

 

「うーん、少し説明が難しいんだけど……大雑把に言ってしまうと、僕の青魔導具は『儀式』の呪術だ。」

 

「儀式……?さっきの特級の式神を出すための?」

 

「はい。僕の青魔導具は『堕呪』という四十の使い捨ての術式で構成されていて、それを一定数使用すると儀式が行える。」

 

「使い捨ての術式なんて初めて聞いたな」

 

「使い終わった術式が六つ、軽いコストの式神なら四つで一回儀式が行える。」

 

「中々お手軽だね……恐ろしい」

 

「……ん?でもお前術式一回しか使ってなくね?」

 

「確かに、見ていた限りでは一回だった。どういうことだい?」

 

「……あの呪骸、ヴォゲンムって言うんだけど……アイツは無条件で術式を十三、使用済みの状態にできる。」

 

「……やベーなそれ」

 

「使うと頭が焼き切れるように痛いんだよ……」

 

「痛そ……」

 

というかあの呪骸、儀式の準備用の呪骸だったのかよ……それであの強さとかイカれてら

 

「あと、堕呪も術式だから一つ一つに効果がある。流石に多くて全部は話せないけど、僕がよく使うカージグリ、ギャプドゥについて話す。」

 

「カージグリ……蒼を無効化したヤツか」

 

マジであの時意味わかんなかったからなぁ……

 

「まず、カージグリは呪力を持った物体、または呪霊、或いは術式による攻撃を対象の呪力の量に関わらず『還す』事ができる。簡単に言えば無かった事にする術式。無効とはすこし違う。」

 

……チートじゃね?

 

「さらにコイツはシールドトリ……攻撃に対し誘発して呪力消費ゼロで発動します。」

 

「……何を言っているんだい?消費ゼロ?」

 

「次に、ギャプドゥ。ギャプドゥはスーパーシールd……特殊な誘発術式で、僕が瀕死になると一定期間呪力による防壁が作られる。破ることは術式無効とかされない限りないよ。そういう呪具や術式には弱いけど」

 

……訳わかんね~

 

「そーいやお前って領域使えんの~?」

 

「使えるよ」

 

 

「へ~……は?」

 

「……君ホントに一般人の家系?」

 

「いや夏油もパンピー出身やろg……だよね?」

 

「パンピー……?」

 

「まー取り敢えず、領域使うとあの特級式神が四体ほど出せる。切り札と言って遜色ないよ。」

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

「……その式神はどんな……?」

 

「相手の術式を破壊する奴や場の呪力がほぼ使い物にならなくなるレベルまで掻き乱す奴、相手の呪力総量以上の術式の使用を禁止する奴、相手の行動を常時ワンステップ遅延させる奴がいるよ」

 

 

「……まぁ取り敢えずこれからよろしく、蒼真」

 

「あっ考えるの止めてる」

 

 

 

 

 




書いててチート過ぎると思ったんですけどすくにゃんとか高羽とかまこーらとか居るんでいいかなって……
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