結構後に出す予定だったけど何を血迷ったのか先出ししちゃいましたし開き直ります。絶対相性いいやろの精神。
自信ないけど、吐き出さないとね……頭痛ガヤバイ……(´・ω・`)
これはカリ・ユガがユウと出会う遥か昔。UX世界が無限ループの呪いにかけられるより遥か昔。
破壊と輪廻の女神、カリ・ユガが神としてまだ幼かった頃の話。その時の戦いの話である。
『神は永遠の夢を見た』
星々の輝きを一望できる絶景スポットとも言える幻想的な空間。
水面に浮かぶ歯車や時計、そして三日月を思わせるような地面。地平線の彼方には別世界に行く為の丸い門のような穴が空いており、そこに向かって強いエネルギーが流れ込んでいる。
宇宙創造を司る場所。〝聖誕宮・コスモジェネシス〟と呼ばれる神聖な空間にて、2柱の神が戦っていた。
否、戦いと言っていいのだろうか。女神は険しい表情でカラクリ天使の軍勢を率いて戦いの場に立っているが、男神の方は単体で片膝を立てて座っており、まるで挑戦者を待ち構える試練の主のような余裕のある構えをしている。
『この宇宙が、永遠に続く事を望んだ。この宇宙に、終末をもたらす者と戦った……』
絢爛豪華。そんな言葉が真っ先に思い浮かぶ、所々に金の装飾を織り交ぜている純白の鎧を身にまとっている男神。
対するは、獅子の兜を被り、白と青を主体としたカラーリングの鎧を身にまとっている8本腕の金髪の女神。
『けれど、神の夢に反して、宇宙は滅亡を迎える……』
男神は漆黒の手に持っている、黒の悪魔と白の女神の顔が浮かんでいる双刃の大鎌を投擲する。
くるくると回転する大鎌は女神とともに戦っているカラクリ天使の群れを次々と斬り裂いていく。
『母なる女神ムインの呪いが溢れ、この宇宙を覆い……全てが、狂った……』
女神が大槍で鎌を弾き飛ばす。弾かれた鎌は回転しながら男神の手元に戻る。
『だから、神は今度こそムインを滅ぼし、この呪いを破壊することに決めた』
追放だけでは生温かった。徹底的に滅ぼさないとダメだ。そう言った男神は手元に戻った鎌をくるりと回し、純白のビームを放つと女神も同じく大槍からビームを放った。
互いのビームはぶつかり合い、やがて中心部で爆発を起こして相殺される。
『ブーニベルゼェェェェェェッ!!』
女神は男神の名前を叫びながら、怒りのままに大槍をぶん回す。
『この宇宙はもう救いようが無くなったから、神はやり直す事に決めた』
破壊と輪廻の女神カリ・ユガとは対極の神である、輝ける創造神ブーニベルゼ。彼はその気になれば宇宙を1つポンっと創造する事も可能だ。形あるもの一切を、思うがまま創造できる万能にして全能の神。彼に創れないものは殆ど無い。そんな神が、この世界を死に追いやった原因であり、宇宙崩壊の元凶。故にカリ・ユガは問い詰めた。
〝外なる宇宙〟の危機に真の意味で対抗出来る女神。宇宙の均衡を守護する存在にしてブーニベルゼとカリ・ユガの母。名をムインといい、カリ・ユガも、ムインの元で宇宙の守護女神になる為の修行に励んでいた。自分もいずれはムインのように宇宙を守護すると夢見て。
だが、その夢は無情にも潰える事となった。ムインが不可視世界へと追放されたからだ。
不可視世界。またの名を〝ヴァルハラ〟と呼び、〝外なる宇宙〟の狭間にあると言われている全く別の世界。カリ・ユガも、ヴァルハラの影しか見た事がないという、全くもって未知数な危険な空間である。
ーーー〝何故ムインを追放したのですか!?〟怒り狂いそうな感情をギリギリのところで抑え、ブーニベルゼを問い詰めた。
ーーー〝広大で美しい宇宙。それは輝ける神にこそ相応しい。だから奪った〟
その言葉にカリ・ユガはブチギレた。救いを無くしたのはお前じゃないか。滅ぼしたのはお前じゃないか。
宇宙が有限になったのは、お前がムインを追放したからだ。それなのに、目の前にいる神はそれを〝呪い〟だと称し、『救いようが無くなった』と宣い、この宇宙を見捨てようとしている。
ーーー許せるはずがない。
『裁きを与えなさい!意志を持つ遣い達!!』
カリ・ユガは少なくなったカラクリ天使、リヴァルナを補充するように大量に召喚し、総攻撃の号令をかけた。
この神を何がなんでも叩き潰す。絶対に許さない。屈服させて宇宙を崩壊に導いた責任を取らせる。それが表情にも声にも表れていた。
『天地よ、咆哮せよ』
カリ・ユガが生み出す量産型のファルシであるリヴァルナ達の一斉攻撃。
赤の個体が炎の戦輪を投擲し、青の個体が氷の槌をぶん投げた。黄の個体が雷の矢を撃ち、黒の個体が重力弾を。白の個体が不可視の光弾をブーニベルゼに放っていく。
緑の個体が変形して仲間と共に突撃し、紫の個体が合体してブーニベルゼに襲いかかる。虹の個体もそれぞれのリヴァルナを指揮するように動いているようだ。
だが、その程度ではブーニベルゼには届かない。
ブーニベルゼは双神儀と呼ばれる鎌をくるりと回した後、純白に輝くビーム、〝アルマゲスト〟を発射。〝無〟の力を凝縮させたビームに呑まれたリヴァルナ達は次々と消滅していった。
数というのはそれだけで優位に立てる。1対1と1対多では、多の方が勝てる可能性が高いのは誰でも知っていることだ。ほぼ無尽蔵に戦力を生み出せるカリ・ユガならば尚のこと。
だが、行き過ぎた質というのは数という優位を一気に覆すものだ。例えば、カリ・ユガ単体に大量の量産機をぶつけた所で弾除けにすらならないだろう。浄化の槍や白蛇達のビームだけで簡単に殲滅できるのだから。
そして、それはブーニベルゼとて同じ事。カリ・ユガと同じく1999m以上の巨体を持ち、正真正銘の神であるブーニベルゼに、量産型のファルシを幾らぶつけたとて盾にもならない。武器である双神儀も、ブーニベルゼと同じ位の大きさを誇る神器である。
『くっ……!貴方の価値観で、宇宙を壊さないで下さい!!』
『否。神が壊したのではない。全ては呪いをかけたムインが原因だ』
『まだ言いますか……!!』
リヴァルナ達の大爆発により発生した煙の中から現れたカリ・ユガは、神器である浄化の槍を振り下ろし、ブーニベルゼは大鎌で受け止める。
カリ・ユガは歯を食いしばっているような必死な表情だが、ブーニベルゼは余裕の表情だ。
金属が擦れるような嫌な音がコスモジェネシスに鳴り響く。神器同士の摩擦が原因で火が飛び散っている。
そんな最中、カリ・ユガは目からビームを放ち、浄化の槍と双神儀の隙間を掻い潜ってブーニベルゼの額に直撃させた。
『……ほう?』
ブーニベルゼは関心したような声を出してカリ・ユガを見据える。
双神儀で浄化の槍の振り下ろしを防いでいながらも、攻撃を受けたのだから。
その要因は、カリ・ユガの残りの腕である。ブーニベルゼの腕は2本なのに対し、カリ・ユガは8本。そのうちの2本は浄化の槍を振り下ろしており、内4本は回復用の杯と、魔法用の杖を装備している。
そして残り2本の手に持っている剣でブーニベルゼの腹を突き刺した。そしてダメ押しに再度目からビームを発射してブーニベルゼに直撃させる。
〝神性の流出〟という、神だけが使用出来る気功波のようなものだ。それに加え、蛇達の口から炎を纏ったビームも念入りに撃ち込んでいく。
『……っ!?』
カリ・ユガの顔が驚愕に染まった。
目から放ったビームも、白蛇達のビームも、相当力を込めて放った上で直撃したのだ。
ましてや相手は余裕を持っている……悪く言えば油断している状態だ。立ち上がらずに片膝を立てて座っている事からそれも明らかだ。
『だが、神には届かぬ』
カリ・ユガの目に映ったのは、ほんの少しだけ損傷しているブーニベルゼの姿。
ゲームで当てはめるならば、クリティカル込みで1000程度のダメージだろう。人間で当てはめるならば、砂場で転んでちょっと擦りむいたかどうか……といった傷でしかない。
ブーニベルゼは双神儀で硬直しているカリ・ユガをはじき飛ばす。
地に脚を着き、引き摺られるように後退しながらも体勢を整えるカリ・ユガの前に、複数の黒と白の魔法球が接近していく。
カリ・ユガは浄化の槍をラケットのように振りかぶり、白と黒の球を弾き飛ばした。
『なっ……!?』
だが、白と黒の球の2つだけがカリ・ユガが振りかぶる槍の先端の前で停止した。そして、白の球が風船のように膨らむと大爆発を起こしてカリ・ユガを打ち上げ、黒の球が大爆発を起こすと地面に叩きつけられる。
『ガハッ……!?』
受け身も取れず地面に叩きつけられたカリ・ユガの口から鮮血が溢れた。
そこに畳み掛けるようにブーニベルゼは双神儀を投擲する。切り裂かれそうになった直前、カリ・ユガは虹色の翼を展開し、宙に逃げるように回避することで難を逃れた。
『ぐっ……!!浄化の光……展開……!!』
コイツに勝つ為には全ての力を一撃に込めるしかない。そう考えたカリ・ユガは全力で浄化の槍にユガの力を込めていく。
槍の先端が光り輝き、純白の球が浮かび上がる。そこに4匹の白蛇がエネルギーを注ぎ込み、更に力を上昇させていく。その様子を見たブーニベルゼは少しだけ驚いたような表情になった。
『ほう?神と对となる女神に相応しい力だ……』
更に杖を使用して神力を上げ、魔法陣を2門展開。それに応えるように、ブーニベルゼも大鎌を回転させる。
『真理を恐れよ。星の産声を聴くがいい』
『崩壊するユガの光に沈みなさい!ブーニベルゼェェェェェェッ!!』
カリ・ユガの浄化の光と、ブーニベルゼのアルマゲストが同時に発射され、ぶつかり合う。
コスモジェネシス以外の場所であれば、銀河が軽く吹き飛んでいるであろう一撃のぶつかり合い。その威力の凄まじさを証明するかのように、周囲の惑星が綺麗さっぱり消し飛んでいく。
破壊の女神と創造の神。相反する性質を持つ神々のエネルギーが、相手を押し返さんと前へ前へと突き進もうとしている。
『……む?』
互いのビームがぶつかり合って数十秒後、徐々に天秤がカリ・ユガの方に傾いていっている。
そしてブーニベルゼのアルマゲストを押しのけた浄化の光は、一気にブーニベルゼの元へと向かっていった。
ーーーそして、大爆発。
全力全開、フルパワーで放った浄化の光は、アルマゲストを押し返してブーニベルゼに直撃した。
『はぁ……はぁ……て……手応えあり……ですね……』
全ての力を出し尽くしたカリ・ユガは地面に膝を着き、息を切らしながら前方に視線を向ける。
自身が持ちうる力……超新星爆発にも匹敵する一撃を相手に与えたのだ。大ダメージは免れないだろう。油断しきっているのならば尚更だ。
カリ・ユガは息を整えてゆっくりと立ち上がる。
そうだ。宇宙を崩壊へと導いた愚兄に責任を取らせなければ。不可視世界の門を探させ、〝外なる宇宙〟の脅威に対抗する為に出来うる手を打って、それからーーー
『ククク……一切が念に……神もまた変貌を遂げる……』
そう考えながら歩いていると、爆発で発生した煙が勢いよく此方に飛んできた。
カリ・ユガは思わず手で煙と風圧をガードする。
『な……何故……!?どうして……!?』
煙が消え、風が止んだ先に見えたのは、ブーニベルゼの背中だ。
否、背中ではない。もう1つの顔というべき物。
絢爛豪華で神々しかった正面と比べ、何処か禍々しさを感じてしまう。
鬼の面のような頭部。そこから生えている金の装飾が入っている漆黒の翼。
だが、それはそこまで重要じゃない。確かに、ブーニベルゼの背中にも顔があったのは驚きだが……
『何故……何故、何一つとして傷が無いのですか……!?』
カリ・ユガが与えた渾身の力を受けて、埃すらついている様子が無かったのだから。
・カリ・ユガとブーニベルゼの力の差
約4倍をイメージしています。カリ・ユガの強さを1億2000万だとするならばブーニベルゼ(HARD)は4億7000万。NORMALなら1億5000万。
・ブーニベルゼ第1形態
片膝を上げて座っている状態。NORMALで60万。HARDで210万。実に3.5倍の差がある。ちなみにEASYは48万。
『試練を乗り越えて見せよ』と言わんばかりに余裕と威厳を以てライトニングの前に立ちはだかることから相当手加減しているものと思われる。
初っ端から死の宣告を使用し、以降復活する度にかけ直してくる、デブレイ(物理攻撃力低下魔法)等のジャマー系魔法も使用してくるという嫌がらせも完備。双神儀のなぎ払いやブーメラン等の強烈な物理攻撃。ルイン系とグラビトン系の魔法攻撃もしてくる上、時折放ってくるアルマゲストが結構痛い。
HPが半分以下になるとヘイストを使用してくるが、ぶんどることも消える事も無い永続効果なので攻撃がより苛烈になる。ぶっちゃけ死の宣告が切れる前にコイツを倒さないと後の形態ではほぼ確実にジリ貧になるだろう。セリフも何処か余裕があるものとなっている。
『死にゆく時の試しを越え、新しき女神となれ……』
・ブーニベルゼ第2形態
座った状態から立ち上がって後ろを振り向いた後、一対の翼を生やしてパワーアップ。ライトニング曰く、「神様の裏の姿」との事。ここからが本番と言わんばかりの猛攻を繰り広げてくる。
HPはNORMALで70万。HARDで245万。こちらも同じく3.5倍。尚EASYだと56万。
(属性)の御霊を一定周期で使用し、耐性と属性をコロコロと変えながらその属性に応じたラ系魔法とガ系魔法を織り交ぜながら攻撃し、時折纏っている属性に応じた最上位魔法も使用してくる。
更にモナド創造からの一定時間後に使用する破壊の翼のコンボは即死級のダメージであり、初見プレイヤーはほぼ確実に引っかかるだろう。ちなみに、モナドのHPはNORMALで6000、HARDで1万2000。
声はくぐもっていて何を言ってるか聞き取れない。……聞き取れる?
・ブーニベルゼ
分かりやすく言うならば、自分の不始末を創造した部下に全部丸投げしてせっせと眠りについたクソニート。
長男パルスには世界の開拓と不可視世界の捜索を。末妹リンゼには自身の守護とムインを見つけたら自分を起こす事を使命として与えた。長女エトロはムインそっくりに創ってしまった為ネグレクト状態。
・ブーニベルゼの大きさと一人称
ムービー中のセリフや戦闘セリフから、第一印象は『神』でほぼ確定。二人称は心無い天使のセリフなどから『其方』、三人称は作中のセリフから恐らく『彼、彼女』だと思われる。
大きさに関してはエンディングムービーで戦闘時以上の巨体を誇り、単なる熱線でその辺の惑星を燃やし尽くしている。その為このSSではカリ・ユガと同じ1999mオーバーとする。
・このSSのカリ・ユガ
原作の某邪神の尻拭いに加え、このSSでは輝ける神の尻拭いまでさせられる羽目に。引き継ぎ不足の状態で試行錯誤しながら宇宙を何とかしようと奮闘するも、引き寄せられるように出会ったユウに触れた瞬間正史世界の末路を見せられて発狂。精神崩壊寸前の状態にまで陥った。
実は本編の異世界渡来は本来はユウの修行の他にカリ・ユガの慰安旅行という面もあったりする。もういい、休め……。