破壊と輪廻の巫女   作:シュオウ・麗翅

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エルザム艦長の「突撃ィィィィ!!」ほんと好き。

次回戦闘再開かなぁ。スパロボの戦場での会話って、全員戦闘行為一旦中断してるんだろうか?

難しい……(´・ω・`)


戦艦クロガネ

ハガネ隊の面々は、増援に出てきたDCの戦艦に驚いていた。

 

自分達の旗艦の同型艦である造形になっている、赤と黒と金のカラーリングをしている戦艦だ。名を〝クロガネ〟といい、シロガネやハガネと同じ、〝スペースノア級万能戦闘母艦〟である。

 

無論、同型艦と言うからには、ハガネの最終兵器である〝トロニウムバスターキャノン〟の有無を確認、警戒するのは当然と言えた。

〝そんなのを撃たれたら一溜りもない!〟ガーネットのその言葉は、ハガネ隊全員の意見だ。

 

「でも、艦首部分が違うわ……。アレは、超大型の回転衝角……!!」

 

『後転開脚ですか……?』

 

「回転衝角!体育のマット運動は関係ないから!」

 

「要は〝ドリル〟って訳かい!妙なものつけやがって!」

 

バスターキャノンを搭載していない可能性は高くなったが、艦首のドリルが曲者と言えた。

もし、クロガネがハガネに近接戦闘に持ち込めば、有利なのはクロガネの方だ。幾らハガネといえど、アレに貫かれたら一溜りもない。

 

「アレが、3番艦のクロガネ……!!」

 

「一体誰が乗っているというのだ……?」

 

ハガネの艦長のダイテツと副艦長のテツヤは、クロガネの存在を知っているが故に、パイロット以上に驚いている。

「フヒヒ……。さしものハガネも、同型艦を向けられたらタダでは済むまい……!!」

 

「嘘…!あの男は……!!」

 

突如、戦場に老人の声が響き渡る。オープン通信を使っているのか、全機にこの通信が届いているようだ。あ、オレグの舌打ちの声が聞こえてきた。

そんな老人の声に、ビルトラプターのパイロット、ラトゥーニ・スゥボータは聞き覚えがあった。トラウマを抱えているのか、怯えているように見える。

 

『ユウ?誰ですか?この老人は』

 

カリ・ユガが不機嫌そうに質問した事により、ユウは答える。

 

アードラー・コッホ。DCの副総帥であり、かつて〝スクール〟という人体実験施設に所属していた科学者のリーダーだ。

全国各地から身寄りのない子どもを引き取り、記憶を抹消して機動兵器に乗るために最適な身体になるように調整する。要は生体CPUの製造工場のようなものである。

スクールの人体実験は大量の死傷者を出し、ラトゥーニが過去に精神崩壊をしてしまったほどのトラウマを生み出すレベルの凄絶さだと、ユウは説明する。

 

「他には他人の研究や実験に妨害工作を仕掛けたり、ロクでも無いシステムを開発して無断搭載したりと、ホントに典型的な悪の科学者と言っていい……マジでロクな事しないなコイツ……。ビアンってなんでこんな奴入れたんだろ?わかりやすい悪党でも入れる事で〝倒すべき敵〟だって分かりやすくしてるのか?」

 

まぁ、ODEシステムは誰が見ても不良品以外の何物でもなかったけど……。と呟いた。

アードラーが妨害工作を行った理由は、〝自分の地位が脅かされると思ったから〟という一点に尽きる。ODEシステムはともかく、妨害工作を行った研究の中には真っ当な物もあったのだろうか。

 

「人の命をなんとも思ってねぇような奴が、ここにもいたか!」

 

「クソジジイ!テメェだけは絶対に許せねぇ!!」

 

「テメェの研究データごと、ぶん殴りに行ってやるぜ!覚悟しやがれ!!」

 

「ラトゥーニがあなたに受けた仕打ち、倍にして返してあげるんだから!!」

 

マサキとガーネットとジャーダ。そしてリュウセイがアードラーに怒りを露わにするも、本人は何処吹く風だ。

研究の成果のためならば、文字通り何でもやるのがアードラー・コッホという男だ。命など気にするわけが無い。実験体として扱った人間など、換えの効く部品でしかないのだから。

 

「おうおう。威勢のいい奴らじゃの。まあ良い。どちらにせよ、お前らの敗北は既に決まっておる事じゃ!」

 

「ちなみにアードラーの顔についてる金属片は、変形した顔を矯正するものなんだってさ」

 

「……!!」

 

先程までの嘲りから一転、アードラーは怒りのあまり歯ぎしりをした。

実験体とアードラー・コッホ。例えるならば、道具と持ち主。飼い犬と飼い主といった関係だ。

自分こそが上の立場という、アードラーにとっては当たり前に感じていたもの。それなのに、道具による反逆を受けてこんな顔になってしまったのだ。

 

「き……貴様……!!」

 

「〝ブーステッド・チルドレン〟の大脱走を許してしまった時に〝銀の狂犬〟によってボッコボコにされた名残なんだと。恨まれてる証拠だよ。うん」

 

「……」

 

金属片をつけなければならない程に顔が変形してしまうほどの重症。「前が見えねぇ……」が話にならない程酷いものだった。

アードラーにとって、最大の屈辱がこの場にいる全員にバラされた。自尊心が高いアードラーにとって、怒りのスイッチが入るのは当然と言えよう。

 

「……アードラー。私は、あなたを倒す……!!そして、忌まわしい過去と決別する……!!」

 

「ほざくな!不良品めが!!貴様ら全員、ここで皆殺しにしてくれるわ!!」

 

ユウの解説によって思い出した屈辱。自分が作り出した作品が……道具が逆らう。その事実が、アードラーの逆鱗に触れた。

今もラトゥーニが……作品として最底辺クラスの人間が創造主に逆らっている。それが許せない。

 

「よいか、エルザムよ!クロガネでハガネの推進装置を破壊するのじゃ!」

 

「…………………………了解です」

唾を出す勢いでアードラーはエルザムに命令を下す。

敵の作戦の要はハガネのバスターキャノン。ならば、それを撃たせなければ……狙いをつけられなくすればいい。

 

決してバスターキャノンを司令部に撃たせてはならない。故に、敵の気が緩むギリギリのライン。即ち、狙うべきは発射のタイミングだ。失敗は許されない。

 

「アスラよ!貴様はこのワシが直々に始末してくれるわ!貴様対策に開発した、このグラビリオンでな!!」

 

「お生憎様!ウチの女神様相手に、ヴァルシオンの劣化品じゃあぜんっぜん釣り合わないんだよねぇ!!新たなユガで出直してこい、アードラー・コッホ!!」

 

『……』

 

カリ・ユガの白蛇が雄叫びをあげ、グラビリオンのツインアイが妖しく光る。

そして、1匹の蛇がビームを放ち、グラビリオンの胸部からもビームが放たれる。

 

衝突した2つのビームが、ハガネ隊とDCの戦闘再開の合図となった。




ユウ「あの爺、生理的に無理……。ラトゥーニへの興味を何とか削げないかな?せや、顔の金属片について解説をするとしよう!」

アードラー「何すんねんおどれは!!」

ユウ「え?なんで怒ってんの……?(´・ω・`)」
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