ヨンの被ダメボイスはなんか生々しくて好き。機械担当だからかやたらどこがどうダメージ受けたのか詳しく解説してるし。
インスペクターとガーディムってなんか親近感ある。
アギーハは怒っていた。それは、目の前にいる巨大女の巫女にシカログだけ言えなかったからだ。
シカログは無口なスキンヘッドの大男である。シカログはアギーハの恋人である。
シカログは常に無口だ。だからこそ何を考えているのか分からない。同僚であるヴィガジからも「伝えたいことがあるならちゃんと喋れ!!」と怒鳴られる程に。
そんなよく分からないシカログも、アギーハにかかれば何を考えてるのか丸わかりだ。ぶっちゃけると、アギーハの通訳で成り立っている関係である。
「……」
「アンタがシカログの事を答えられなかったから、シカログが落ち込んでるじゃないか!どうしてくれるんだあ゛あ゛ん!?」
だからこそ、アギーハはシカログの事が絡むと周りが見えなくなる欠点を抱えている。
ほかのメンバーやカリ・ユガ、ユウから見てみれば「なんか喋れや!」となるような状況でも、アギーハにかかればこの通り。
「シカログ……?あっ!思い出した……!!」
「……!!」
名前を聞いたことで思い出したのかユウはポン!と手を叩いた。
思い出したのをいい事に、シカログが乗る重装甲の機体に指を指す。そんな様子にシカログは反応した。アギーハには分かる。シカログは嬉しそうなのだと。今か今かと自分の事を答えてくれるのではないかとソワソワしている。
「ヴィガジの2Pカラー!」
「……!!」
「テメェ……!!シカログが1番気にしてるところを……!!」
そんなアギーハとシカログの期待は虚しく砕け散った。
確かにユウは思い出したのだろうが、その思い出し方が不味かった。
チームを組んで1、2を争う程デリケートな問題。それがキャラ被りである。
それはシカログとヴィガジにもあるのは言うまでもない。
両方ともスキンヘッドの大男だ。見た目で違いをあげるならば、瞳が見えるかほぼ白目か。口元に線があるかどうか……と言ったところだろうか。
それを踏まえた上で2人を比べると、ヴィガジは激情家で頭に血が上りやすく、ハゲなのを気にしている。剃っているだけとは言っているが、実際の所はどうなのか……。
シカログの方は無口だ。確かに、スキンヘッドの大男は目立つ。だが、そこに同じ属性かつインパクトが強い存在がいればそっちの方が印象に残るのは当然と言えよう。漫才コンビの片方が目立ちすぎる現象と同じようなものなのだろうか。
「……」
「テメェらの心無い一言がシカログを傷つけたんだ!見てみろ!この泣きそうな表情を!!」
『……?何も変わってないように見えるのですが……』
「俺ら、シカログガチ勢じゃないんで……」
アギーハがユウ達に本気で怒鳴りつける。さながら日常系アニメで子供を叱るオカンのように。
「目ん玉かっぽじってよく見ろ!口元が若干震えてるし、目元もコンマ2ミリ閉じてんだろうが!!」
『「……?」』
「だぁぁっ!!なんで分からねぇんだお前らー!!」
「いや……アギーハ……。ソレ、俺とヴィガジもわかんねぇから……」
頭を掻きむしる勢いで怒鳴り散らすアギーハにドン引きしているメキボスとヴィガジは声を震わせている。
メキボスとヴィガジという、長年一緒にいるという2人でもシカログが何を考えているのかさっぱり分からない。それなのに、アギーハは毎回正確に読み取っている事から、「コイツ超能力者かなにか?」とか毎回心の中で呟いている程だ。コミュ障の翻訳家になったらどうだろうか。
「ていうか、アンタはなんでシカログ知らなかった癖にメキボスの幼なじみの方は知ってんだよ!おかしいだろ!」
ガヤットーバ・スチェカ。近い将来、ヨン・ジェバナと名乗る真面目な委員長のような風貌の眼鏡の女性は、現在インスペクターの母星で待機している。
当然、メキボス達はガヤットーバを連れてきていない。ガヤットーバの仕事は主にテストパイロットや機体のデータ取り、管制やオペレーター業等の裏方の役割が多い。その為に基本的に前線に出る事は無いのだ。
反対にシカログの方はメキボス達と組んで前線に赴くタイプだ。裏方と実戦部隊なら後者が目立つはずなのに、目の前の巫女は何故か裏方を知っていて前線部隊の方を知らないという。普通逆だろ!
「えーっと……シカログよりもヨン……ガヤットーバの方が目立ってるから……かなぁ?」
「……おい。まさかとは思うが、俺達のこと全て知ってるんじゃねぇだろうな?ガヤトの情報を知っている事といい、俺達の事を正確に答えられた事といい……」
『と、グレイターキンとやらのパイロットに言われてますが、実際の所どうなのですか?』
メキボスが警戒心をMAXにしたのか、直ぐに動けるように構えを取った。それに続くように3人も同じように構えを取る。
宇宙進出が進んでおらず、同族同士で戦争をしている野蛮人。それでいて兵器のレベルは凄まじい勢いで上がってきているというのがメキボス達が地球に対する評価だ。
今はまだ自分達の技術力が上だと確信している。現に戦闘機やゲシュペンスト、リオン系などの性能は自分達の機体の足元にも及ばない。唯一の例外はグランゾンだけかと思っていた。
別派閥の者が巻き込まれた南極事件に突如として出現した、グランゾンに匹敵するとされる多腕の女神。DCという組織の象徴の機体、究極ロボヴァルシオン。そのヴァルシオンを討ち取った機動兵器部隊。どれもこれも脅威足り得るものだった。
そんな脅威の1つがこの多腕の女神。その巫女を名乗る少女は自分たちについて詳しく知っている。それが不気味でならなかった。
もし、自分達の情報が地球全土に渡ってしまえば野蛮人に侵略されるかもしれない。警戒するのは当然と言えた。
「えーっと……インスペクターって呼称した方がいいか?」
「はぁ?〝監査官〟って……どんなネーミングセンスしてんだい?」
「ほう?我々が〝文明監査官〟という事を知っている……ということか。地球人にしては中々のセンスではないか」
アギーハが呆れるように吐き捨てる中、ヴィガジは腕を組んで「分かってるじゃないか」と言わんばかりに頷いている。とても嬉しそうだ。
地球人は分からないものにはコードネームをつけて判別するという性質がある。なるほど、確かに合理的だ。
なるほど。恐らく、ガヤットーバを知っているのは以前に彼女を見たことがあるからなのだろう。だとすればそんなドンピシャで正解を引き当てられる事に合点が行く。
「ゾヴォーク……ゾガルだっけ?それともヴォルガ?……ゴライクンルの方が……」
「フォトンビームを喰らいな!!」
「ちょっ!?いきなり!?」
前言撤回。コイツ、マジで俺らの事知り尽くしてやがる……!!
NGシーン
カリ・ユガ『……!!(ポン)』
浄化の槍<ヒューーン
カリ・ユガ、ユウ「「あっ……」」
デーンッ!
デッデッデッデッデッデデデッデッデッデデデッデッデッデデデンッ!
デッデッデッデッデッデデデッデッデッデデデッデッデッデデデンッ!
デッデデッデデッデン!(ブーブーブブーブブ)
デッデデッデデッデン!(ブーブーブブーブブ)
騒音トランペット・カリ・ユガ