破壊と輪廻の巫女   作:シュオウ・麗翅

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カリ・ユガ「ユウは私が育てました」

SEEDFREEDOM見てきた後スパロボT買いました。

そういやアナザーセンチュリーエピソードRもプレイしてたのでいつかやりたいですね。シーズンが出てくるやつ。
UX原作終了後の時空の仕事人も連れてきたいとか思ってたり思ってなかったり。

ちなみに無印Z編はある程度は構想は考えてたりします。


伊豆基地での会話

『ユウ……ユウ……!!』

 

ユウはカリ・ユガの8本の腕にがっちりと抱きつかれ、頬擦りをされていた。

ユウの身体能力は超人と言っても過言では無いレベルだが、カリ・ユガはそれ以上だ。人間サイズでもリヴァルナやグラビリオン程度なら軽く捻れる程度のパワーを持っている。

そんなカリ・ユガが自身の巫女とはいえ、人間相手に全力で抱きついているのだ。力の差がありすぎる。現にユウは声を上げるだけで苦しそうな表情をしている。

 

『大丈夫でしたか!?怪我はありませんか!?あの女に酷いことされませんでしたか!?』

 

「ぐ……ぐるぢぃ……」

 

カリ・ユガは本気でユウの事を心配している。

カリ・ユガにとってユウは恩人であり、弟子のようなものであり、自身の巫女であり、依り代であり、娘であり、母のようなものである。

常に共に過ごしてきた仲だ。たかが数年。神にとっては一瞬の出来事位の時間とはいえ、永い時間を宇宙の守護と維持という使命の元、独りで過ごしてきたカリ・ユガにはとても濃厚な時間だったと言えよう。

星を眺めて一緒に唄った事もあった。食べたい料理やおやつで悩んだ事もあったし、何度も何度も共に一夜を過ごした仲だ。

 

この世界に流れ着いたばかりの頃は、融合の影響で常にユウの中に居たから心配は無かった。

ユウの事は自分が守ればいい。24時間常に共に居て力を使えるのだから、心配する必要が無かったのだ。最早最強のセコムである。

唯一の例外はネオ・グランゾンとの戦いの時のみだ。死の危険があったのは本当にアレくらいである。

 

だが、融合が強制解除された今ではそうはいかない。

勿論、ユウの実力はカリ・ユガが1番知っている。人間の枠組みにいる存在ではユウには敵わない事を。

生身で正面からユウに勝ちうるのは超人や人外と呼ばれる者位のものだ。OG世界ならば、リシュウ・トウゴウやゼンガー・ゾンボルト等が該当するだろう。ガンダム世界ならばガンダムファイターが該当する。

 

そういった超人や人外はそうそういない。だが、ゼロではない。現にこの世界には少なからず存在しているのだから。

 

超人や人外を抜きにしても、銃弾が直撃すれば普通にやられるし、高いところから落ちて打ち所が悪ければ骨折もする。コスモリヴァルナにしてもそうだ。当たりどころが悪ければ普通に爆発するし、敵の攻撃が直撃すれば普通にやられる。もしかしたら墜落して爆死するかもしれない。

その上、サブパイロットはリリー・ユンカース……DCの同盟相手であるコロニー統合軍の副官だ。いつ背後から撃たれるか分かったものでは無い。

ユウは信じているが、リリーは欠片も信用していないのだ。

 

ーーーユウは……私が守らなければ……!!

 

カリ・ユガにとって、ユウは少し強いだけの人間でしかない。

仮に人間サイズのカリ・ユガとユウが戦えば、まず間違いなくカリ・ユガが勝つ。勿論、ユウは万全でカリ・ユガが手加減した状態でもだ。

守らなければならないか弱い存在として見ているからこそ、気が気でないし、心配も強い。過保護と言っていい程に。もしかしたら守護する宇宙よりも優先度は高いかもしれない。

 

「か……カリ・ユガ!!そこまでにしなさい!あの子が苦しんでるじゃない!」

 

ふと、ガーネットと呼ばれた赤髪の女の叫びにも似た声が聞こえてきた。

かつて世話になったハガネ隊の一員で、あの時は青い戦闘機のパイロットだった女だ。

 

「ああっ!!ユウッ!!」

 

その声を聞き、ユウの方を見てみると、白目を向く寸前の状態であった。

瞳孔はもうすぐで見えない位置にまで移動している。

 

『ユウ!しっかりしてください!誰がこんな事を……!!』

 

「いやアンタでしょうが!早く離しなさい!間に合わなくなっても知らないわよ!!」

 

ガーネットに叱責され、カリ・ユガは慌ててユウから手を離した。

 

「し……死ぬかと思った……」

 

解放されたユウは息を息を切らし、思いっきり咳き込んでしまう。

力の差も当然ながら、体格差もある。ましてやユウの年齢はまだ10にも達していないのだから、手加減なしのカリ・ユガの抱擁に耐え切れる身体ではなかった。

 

『ご……ごめんなさい、ユウ……』

 

弱々しい声でしょんぼりしながらカリ・ユガは謝罪する。

か弱い存在だと理解していながら、神としての身体能力で全力で抱擁をかましていたのだから。例えるならば、一般人がプロの格闘選手の絞め技を食らっているようなものだ。

もし抱擁している相手がユウ等の超人でなければ、間違いなく死んでいただろう。アレ?ピンクのクマの幻影が見えるぞ……。

 

「……うん。抱っこして、カリ・ユガ」

 

なんとか息を整えたユウがカリ・ユガに抱っこをせがんだ。

ユウはカリ・ユガが心配してくれていることを知ってるし、そもそも邪心という物が無いということを知っている。

何より、数年間一緒に過ごしてきた仲だ。信頼関係はとても強い。

 

『ユウーーーーーッ!!』

 

「ちょっ!?強っ……!!強い……!!もうちょっと緩めて……!!折れる!折れるからーーーーーッ!!」

 

格納庫中に、ユウの叫び声が響き渡る。

カリ・ユガが加減してユウを抱っこするのに数分かかった。ガーネットの叱責がなければもっとかかっていただろう。

そしてカリ・ユガとユウはガーネット達と一緒に伊豆基地へと足を進めた。

 

 

ーーーーーー

 

 

「クソっ!まさかこの基地にスパイが紛れ込んでいたなんてよ!!」

 

基地の格納庫で怒りの声を上げている緑髪の少年、マサキ・アンドーだ。

人一倍正義感の強い彼はシャイン・ハウゼン王女を拐った裏切り者に対して怒りを顕にしている。それを証明するかのように壁を思いっきり殴りつけた。

 

ハンス・ヴィーバー。連邦軍の中佐であり、伊豆基地におけるリーダー……支部長と言っていいポジションに居た男だ。

ハンスはその立場を利用し、伊豆基地の警戒網に穴を開けてDCを招待した。その上、シャイン王女の身柄を手土産にDCの指揮官と共に離脱した……という経緯である。

 

「……だが、この戦争じゃあ珍しくもない話だ。そもそも、DCが勢いづいたのは連邦軍から続々と裏切り者が出てきたって言うくらいだからな……!!」

 

「いえ。裏切り者……というよりは、ビアン総帥やマイヤー総司令の考えに賛同した人が多かったんだと思います」

 

「ゼンガー・ゾンボルト少佐やエルザム・V・ブランシュタイン少佐のようにか?」

 

「え……ええ」

 

ゼンガーはヒリュウ隊と戦う時、度々〝試練〟という言葉を使っていた。いずれ来る脅威に対抗する為の試練だと。

その言葉はマイヤー総司令も言っていた。ハガネ隊の面々もビアン総帥から同じ単語を聞いたらしい。

 

マサキはゼンガーという人物が気になるのか、「誰なんだ?」と金髪の少年、ブリットに質問した。

ブリットは急に話題を振られたせいか、一瞬硬直した後しどろもどろになってしまった。

 

「はいはーい、新入生のマーサちゃん。ここは皆の頼れるエクセレン先生が教えてしんぜよう!」

 

「ま……マーサ!?」

 

ここで飛び出して来たのは、オレンジ色の髪をポニーテールに纏めたお茶目なお姉さん、エクセレン・ブロウニングだ。

いきなりアダ名で呼ばれたからか、硬直しているマサキを見て少しだけからかいながら軽く説明を始めた。

 

ゼンガー・ゾンボルト。ATXチームの元隊長で、キョウスケやエクセレンの指導教官だった男。

主に剣を使った近接攻撃のスペシャリストで、生身での戦闘力も相当な物。また、同じ教導隊であるギリアム・イェーガーからは〝信念の男〟と称され、1度やると決めた事は断固としてやり遂げる芯の強さを持つ。まさに武人と呼ぶに相応しい男だ。

 

「……という訳なの。わかった?マーサ」

「変なアダ名つけんな!」

 

「うわぁ……ペースに巻き込まれてるなぁ……」

 

エクセレン特有の緩い空気に飲まれてしまう。それを見たブリットは一瞬呆けてしまった。

大抵の場合今回のマサキのようにツッコミに回るか、同じように緩くなってしまう傾向にある。ブリットが知っている中でエクセレン特有のグダグダな空気が通用しないのは、キョウスケとゼンガー位のものだ。

 

「……俺達の場合、身内が裏切らなかっただけでもラッキーだった訳か」

 

ブリット達の上官であるゼンガー・ゾンボルトは、最初はヒリュウ隊に就いていたが後にコロニー統合軍に寝返ったと聞いた。

最初から敵だったエルザムとは違い、途中から裏切った者がハガネ隊から出なかったのはある意味幸運だったと言えよう。

 

だが、ブリットはゼンガーが裏切ったわけではなく、あくまでも自分達の為に立ち塞がる壁となってくれたのだと主張した。

敢えて敵として現れる事で、自分達に試練を与えたのだと。新兵時代に味わった教官の扱きのように。

 

「試練か。そういや、ユミ・キサラギが気になる事言ってたな……」

 

「気になる事?」

 

イルムが思い出すのは、アイドネウス島での戦いの時だ。

要塞内に侵入する為にハガネを護衛しながら敵を撃破していた途中、クロガネとグラビリオンが現れた。

グラビリオンのパイロットであり、スクールのリーダーであるマッドサイエンティストのアードラー・コッホ。彼の言葉を遮る為にユウが放った解説……の後の独り言にも似た言葉だ。

 

『……ビアンってなんでこんな奴入れたんだろ?わかりやすい悪党でも入れる事で〝倒すべき敵〟だって分かりやすくしてるのか?』

 

DCの目的は世界征服。それはあの演説を見た者たちの共通認識だ。

マサキやリュウセイを初めとして、ハガネ隊の面々だって例外ではない。精々がビアンの目的と行動の矛盾に疑問を持っているくらいだ。ハガネ隊で理解しているのは、ダイテツ艦長とイングラム少佐位のものだろう。

それなのに、部外者であり子どもであるユウはビアンの事を理解している節があった。世界征服では無く、それとは別に真の目的があるという風に聞こえたのだ。

 

倒すべき敵。試練。立ち塞がる壁。決戦の時のビアンの言葉ーーー。

 

イルムがキーワードを頭の中で思い浮かべ、考えを纏めていると、格納庫の自動ドアが開いた音が聞こえた。

『ハガネの格納庫とそこまで変わりませんね』

 

「……大きな基地だから、もっと豪華だと思ってた」

 

「あなた達、格納庫に何を求めてるのよ……」

 

入って来たのは8本腕の金髪の長身女性、カリ・ユガと、抱っこされているユウ。そして、ガーネットとジャーダ、ラトゥーニといういつものトリオだ。ちなみにリュウセイとライはイングラムに招集をかけられ、リリーはダイテツ艦長とレフィーナ艦長に呼び出された。

一応ユウはダイテツ艦長から「少し話を聞くだけ」とは聞いている。ユウ……というよりカリ・ユガは一応地球の守護女神と呼ばれているとはいえ、あくまでもマサキと同じく民間の協力者。つまりはほぼ部外者だ。出来ることは無い。祈るしか無いだろう。というか実際に祈った。ユガの加護がありますように……。

 

『この機体がユウと一緒に戦っている時の私の大きさですか……。人間の大きさで見ると凄まじいですね……』

 

「グルンガストの全長は約50メートル……。特機だから機動力にちょっとだけ難があるけど、それを補うように火力と防御力が高い。武装も豊富だし、状況や場所に応じて変形して色々な事に対応出来る。計都羅喉剣の斬れ味は見事の一言……!!まさにパワーに程よく振ったバランス型。理想の1つ……!!」

 

カリ・ユガの腕の中で目をキラキラさせて手を伸ばし、早口で感想を発するユウ。

あの時はバタバタしていてまともに見ることが出来なかったが、こうして冷静に見てみると感動すら覚える。流石にリュウセイの領域までは行けないのだが。

いつかカリ・ユガも、〝硬い!避ける!一撃必殺!〟の三拍子揃った最強になれるだろうか。そんな事を考えながら他の機体も見ていた。

 

ゲシュペンスト、ヴァイスリッター、サイバスター、アルトアイゼン……その他、ヒリュウ隊とハガネ隊の機体達がズラリと並んでいるのは圧巻の一言だ。

 

『ユウ?どうしたのですか?赤い角付きと白い羽付きを交互に見て』

 

「カリ・ユガの戦法を無理矢理当てはめるなら、アルトアイゼンのような被弾前提の戦い方。アルトアイゼンはそれを出来るだけの防御力と攻撃力がある。防御力を高めて更に推進力を上げたらもっと無茶な戦い方が出来る……。逆にヴァイスリッターは防御力は貧弱だけどそれを補う機動力がある〝当たらなければどうということはない〟の典型のような機体。理想の1つ……!!更にアルトとヴァイスのコンビネーションは……待てよ?カリ・ユガはサイズ変更自由だから、アルトとヴァイス両方のいいとこ取りが出来るのでは……?でも機動力ならサイバスターが1番だし……」

 

OSを変えながら戦闘をしているキラのような早口で新しい戦法を考える。

カリ・ユガの戦法とユウの戦法の2つを上手い感じに組み合わせれば、更に戦術の幅が広がるだろう。そう考えて。

 

「あー、ユウ。悪い。ちょっといいか?」

 

考え事を纏めようとブツブツと呟いていると、ふと後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「考えてるとこ悪いんだけどよ。聞きたい事があるんだ」

 

「……?」

 

後ろを見ると、マサキが真剣な表情で此方を見ていた。

マサキはシュウと深い因縁がある。亜空間での戦いの過程でも聞きに来たのだろうか?

 

「ビアンの奴がDCなんて組織を立ち上げた目的、分かるか?」

 

「DCを異星人と仮定した実戦形式のシミュレーションだと思う」

 

息継ぎの無い綺麗な即答だった。もしユウが言ったことが本当ならば、ビアンの矛盾した行動やブリットの〝試練〟という単語や、ユウが言った〝倒すべき悪〟と言った辻褄が合う。

仮にDCが勝てばアードラーのような悪党を何とかした上で地球の防衛力になる。負けてもDCの試練を乗り越えた者に地球を託せる……ということだろうか。

 

「じゃあ、ユウ。なんでそんな事が分かるんだ?ヴァイスリッターとアルトアイゼンの事を言ったことといい、あの時アードラーの奴の事を詳しく言った事といい……」

 

「あら、それは気になるわね。実際、私の熱心なファンだったりしちゃうのかしら?」

 

だからこそ疑問だった。あの時はDCとのゴタゴタやエアロゲイターの襲撃のせいで詳しく聞けなかったが、今は次の指令があるまで待機を命じられている。今ダイテツ艦長達は第1ブリーフィングルームで作戦会議。イングラム少佐は第2ブリーフィングルームでSRXチームに今後の予定を話している。つまり、聞く時間はあるという事だ。

 

それを聞いたユウは周囲を見渡した後に少し考える素振りを見せ、口を開いた。

 

「……ユガの神託」




ユウ→タイマンならリヴァルナをなんとか倒せる。虹は無理。

カリ・ユガ→1対複数でもリヴァルナを軽く捻れる。虹も同様。
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