ちなみにFF13はウェルキンゲトリクスとロングイ撃破まで。13ー2はフラグメントコンプ。ライトニングリターンズはアイロネート撃破を残すのみ位までやり込んでます。やった順番は2→1→3。
「こ……これは悪い夢か……?」
目の前に繰り広げられている惨劇を見て、ジーベルは思わず戦いてしまった。
自信満々に出した全戦力は、マイヤーがヒリュウ隊と戦った時より1〜2歩劣る程度ではあるが、それでも破格なのは間違いない。
勿論、ジーベルが総力戦を選ぶ程の……自身の戦艦の中で増援を多くの投入できる程の戦力を手に入れた理由は、現在コスモリヴァルナのサブパイロットを務めているリリー・ユンカースだ。
正史の世界にて、ここに降下して部隊を率いているのはゼンガーではなくリリーだ。ゼンガーはそのサポートに徹しており、確実に撤退させる為に1人で殿を務める……というのが本来の流れである。
しかし、この世界では本来とは違う流れに沿って今の状態に至っている。
リリーが輸送機で大気圏スレスレを航空していた理由は、マイヤー総司令がもしかしたら脱出して生きているかもしれないという限りなく低い可能性に縋ったという物だ。
上司としてこの上なく尊敬し、異性としても意識していた男の死。それはリリーにとって信じられない出来事であった。これは1種の逃避行動だったのだろう。
大気圏で燃え尽きて灰になった統合軍が誇るアルバトロス級戦闘母艦。仮に脱出していたとしても、脱出ポッドが大気圏で燃え尽きたらなんの意味も無いのだから。
正史ではこんな事はしていないかもしれないし、やっていたとしても、心に多少の影は残しつつも直ぐに諦めがついて統合軍残党と合流していたかもしれない。
だが、この世界においては違う。
別に往生際が悪くいつまでたっても探していたという訳でもないし、傷心旅行に逃避したという訳でもない。ただ単に、タイミング悪くエアロゲイターに遭遇したのが原因だ。
多少の自衛ができる程度の輸送機と、応急処置を済ませたばかりの5機のコスモリオン。少し風が吹けば直ぐに倒れてしまうような貧弱な戦力では、視界を埋め尽くす程居るエアロゲイターの群れに勝てるはずもなく、撤退の時間すらも稼げるはずもなかった。
その後、大破状態のカリ・ユガによるエアロゲイターの殲滅。インスペクターの出現と、リリーの目の前の情報が目まぐるしく変わっていった。
カリ・ユガとインスペクター戦闘を開始するというタイミングで撤退。降下して脱出したであろうトロイエ隊兵士を回収。たまたま鉢合わせしたクロガネと合流して半ば強引にコスモリオンに乗り込み、カリ・ユガを追いかけたという流れを辿っている。つまり、統合軍残党とは一切合流していないという事だ。
故に、正史にてリリーが率いる筈だった部隊がジーベルに流れつくのは自然の流れであった。そして、それがジーベルの慢心を更に増長させたのも。
ーーーこれだけの戦力があれば負ける事は決してない。
「ガーリオン第1、第2小隊もやられました!」
「敵機3機……いや、5機!こちらに近づいています!」
「なんだと!?」
しかし、ジーベルの策は相手がハマってくれることを前提として成り立っているが故に、完膚なきまでに破られた時の対応と行動が疎かになるという致命的な癖がある。兵器ならば欠陥と呼んで差し支えないだろう。
オペレーターの報告と、目の前で繰り広げられている惨劇を見てジーベルはもう狼狽える事しかしていない。「どうしましょう!?少佐!」と言われても悪態をつく事しか出来ていないのだ。
今こうしている最中も赤と青のゲシュペンストが前線にいるランドリオンを撃破しているし、ジガンスクードとトロイエ隊仕様のガーリオンのコンビがジーベルのガーリオン小隊を撃破してこちらへ向かってきている。ちなみに先頭にいるのは最初に単独で出撃していたあの3機である。
「か……かくなる上は、俺自らがガーリオンで出撃する!!弾幕を厚くせよ!俺が出るまでの時間を稼げ!」
そう言い捨ててジーベルは立ち上がり、格納庫に向けて走り去った。
ゼンガーとカリ・ユガの戦いも、終局を迎えようとしていた。
全長約50メートル同士であるパワー型の真っ向からのぶつかり合い。技量はゼンガーに傾き、パワーはカリ・ユガに傾いている。
(リミッターをかけたとはいえ、私の浄化の槍を受け止め続けて刃こぼれ1つしていない……。やはりユウが言った通り、ゼンガー・ゾンボルトの技量は目を見張る物があるようですね……)
(奴のパワーは桁違いだ。この俺と零式ですら、受け流すのにも相当な負担がかかる……。だが、奴はパワーはあれど、技量は大したことは無い。素人が少し齧った程度の物だ……)
その戦況を見てみると、圧倒的にカリ・ユガの方が有利に見える。
それもそうだろう。カリ・ユガの表情はとても涼しい物で、息も切らしておらず、鎧や肌にはかすり傷一つすらついていない。
2本の手で持っている浄化の槍は刃こぼれ1つ起こしておらず、残り6本の手で持っている杖、剣、杯も無傷だ。
反対に、ゼンガーの零式は決して浅くは無いダメージを負っている。装甲には槍で削られた跡が数多くあるし、なんなら腹部分には靴跡まである始末だ。甘く見積って中破と言ったところだろうか。
パイロットであるゼンガー自身も、何度もコクピットの揺れで身体を打ち付けている。胸部の熱線砲とミサイルランチャーも使用不可。ブーストナックルを使ってしまえば簡単に破壊されるのは目に見えている。使えるのは零式斬艦刀だけだ。
幾らカリ・ユガの戦法が高いスペックに任せたゴリ押しでも、こうもダメージを受け続けていたら機体の方がもたない。
「この一撃に、一擲を成して乾坤を賭せん……!!」
ならば、この一撃に全てをかけるのみだ。
「行くぞ!!これが、零式の奥義なり!!」
両手に持った大剣を前に突き出し、機体の出力を限界まで引き上げた。その影響か、大剣にも背面のブースターにも綺麗な炎のような粒子が燃え上がるように放出されている。
『……!!』
今のゼンガーの鬼気迫る様子を見て、カリ・ユガは1歩後ろへ後退った。
カリ・ユガ自身も威圧で相手を震えさせ、戦意を喪失させることも出来るが、彼女を威圧で怯ませたのはシュウ・シラカワに続いてゼンガーで2人目だ。
「零式斬艦刀、疾風怒濤ォッ!!!!」
ブーストをフルパワーにした零式は天高く飛び上がり、思いっきり大剣を振り下ろす。
斬艦刀・疾風怒濤。グルンガスト零式の最大奥義。スラスターやブースターを全力で稼働させ、零式のパワーとスピードの全てを乗せた、名前に偽りなしの一撃必殺の技だ。
「チェェェストォォォォォォォォォッ!!!」
『……!!』
零式とゼンガーの雄叫びと共に振り下ろされる大剣は、カリ・ユガが咄嗟に張ったボラ・ボール・バリアをあっさりとぶった斬り、浄化の槍と零式斬艦刀の鍔迫り合いへと移行する。
大剣と大槍がぶつかり合う金属音がこの戦場に鳴り響く。聞こえていない者は誰1人として居ないだろう。
その中心に立っている、ボロボロの姿で大剣を振り下ろしている大鬼とそれを受け止めようとしている多腕の女神。互いのダメージを見れば受け止めている方が有利だろうが、表情は違う。
ゼンガーと共に咆哮を上げ、強い意志を以て眼前の敵を打ち倒す事に集中しているグルンガスト零式。
搭乗者であるゼンガー本人も何度も前線で戦っている。その中には当然、苦戦するような事も死にかけるような事もあったのだろう。それ以前に、ゼンガーには師匠であるリシュウ・トウゴウから剣を教えてもらった時期があり、何度も負けていたであろう事は想像にかたくない。
反対に、カリ・ユガはUX世界の宇宙の寿命が尽きる時までの行動が一切不明だが、恐らくは宇宙の寿命を計測したり、業務作業のようにUX世界に侵入してきた〝無〟の対処に当たってたりしていたのだろう。そして、顕現するのは決まって宇宙の寿命が尽きる直前だ。
もし抵抗勢力が現れても、カリ・ユガが放つ威圧で相手を自身のオーラで飲み込んで戦意を喪失させる。それでも抵抗するのならば自らが裁きを下すといった感じだ。
言ってしまえば勝ち確定の戦いしかしてこなかった。だからこそ、正史の世界でアルティメット・クロスが自身のオーラを打ち破り、その上自身がやっていた新たなユガの創造を偶発的とはいえやってのけた事に理解が追いつかずに無意識の内に初めての恐怖を覚えたのだろう。それでも戦ったのは女神としての宇宙守護という使命感もあるだろうが、1番の理由は二重の意味で自身の存在意義を無くしそうになったから……と解釈すればしっくりくる。メンタルが弱った女神様はかわいい。
この世界でもネオ・グランゾンとインスペクター四天王に敗北してはいるものの、ネオ・グランゾンは自身とスペック上はほぼ互角であり、異世界の破壊神の依代でもあるのだからある意味割り切っていた部分がある。『神同士であれば仕方ない』といった風に。
インスペクター四天王の時は、大破状態で戦っていたから負けたにすぎず、万全な状態であれば切る手札を間違えていようが瞬殺していてもおかしくはない。
「オオオオオォォォォォッ!!!!」
『ああああああああぁぁぁっ!!』
だが、ゼンガーは違う。人間でありながら神である己をぶった斬る勢いで戦っている。
ゼンガーと零式の雄叫びに負けないようにカリ・ユガも声を張り上げているが、実情は単なる悲鳴に近い。人間でありながらここまでの意志を持ち、尚且つ自身に迫る相手が未だに信じられないのだ。
カリ・ユガは咄嗟に浄化の槍に付けていたリミッターを外した。
本気で放てば着弾した惑星と、その周囲を破壊するという超新星爆発に近い一撃を放てる神器。それをフルパワーで零式相手に使ってしまった。裁きを下す対象でも天敵でもなく、彼女にとってはリハビリに丁度いい腕試しの相手でしか無いと思っていた存在に対してだ。
リミッターをかけているのはあくまでも浄化の槍のみで、カリ・ユガ本人にはなんの制限も無い。精々が最大サイズ……真のフルパワーでは無い事と、まだダメージと神力が完全回復していないということのみだ。
つまり、今この瞬間のゼンガーと零式は、カリ・ユガと渡り合えるという事に他ならない。
「後は意志の強さだ!」という声が、どこからともなく聞こえたような気がした。
『はぁ……はぁ……』
輝きを増した浄化の槍を強引に振り上げ、零式の斬艦刀を弾く事に成功したものの、カリ・ユガは息を切らしている。
バランスを崩してしまった零式に対し、怖い物を遠くに放つような勢いで思いっきり蹴りをぶちかました。綺麗なフォームで放たれたソバットは零式の腹に直撃する。
蹴り飛ばされた零式を起き上がらせ、地面に突き刺さった大剣を手に取った。その間にカリ・ユガは距離を取った。白蛇達も零式を睨みつけながらいつでも終末の光を放てるようスタンバイしている。
コイツに斬り合いをさせてはならない。剣を握らせてはならない。ならば遠距離の連続砲撃で殲滅すると言わんばかりの表情だ。
『……!?』
「むっ……?」
突如、ペレグリンから1機のアーマードモジュールが出撃した。
戦闘機を無理やり人型にしたような姿のリオンでは無い。そのリオンを発展させ、ヒロイックな人型のような造形の上位機体、ガーリオンだ。
「お……俺は死なん……!こんな所で死んでたまるか!!」
ガーリオンに搭乗して脱出に成功したジーベルは悔しそうに歯を食いしばり、瞳孔が飛び出る勢いでガン開きした必死な形相で全力でガーリオンを動かしてこの戦域を離脱した。
尚、統合軍の戦艦であるペレグリンは推力を失った事で地上へと墜落。爆発はしなかったものの、これ以上の戦闘は不可能だ。
それを悟ったゼンガーはヒリュウ隊とハガネ隊に……特にキョウスケを筆頭としたかつての部下であるATXチームを称賛する。「また一段腕を上げたようだな」と。「流石は俺の見込んだ者たちだ」と。
その言葉に対し、キョウスケは「状況がそうさせただけだ。自分が育てたなどと思い上がるな」と反論。エクセレンとブリットはゼンガーに対して再度説得を試みた。
そんなかつての部下達の様子を見て、「連邦軍上層部にお前達のような者がいてくれたら……」と思わずにはいられない。だが、恐らくはもう大丈夫だろう。ヒリュウ隊、ハガネ隊の戦士たちがいずれ成し遂げる筈だ。ならば、自分は戦士達の超えるべき壁となり立ちはだかろうと。
カリ・ユガに関しては未だに不明な部分も多いが、それでも収穫はあった。後の見極めはカラクリ天使に乗っているカリ・ユガの巫女だが、この状況ではそれは難しいだろう。
カリ・ユガ陣営は地球の敵か味方か……。そう考えながらゼンガーはこの戦域を離脱した。
「お前達に相応しい場所で待つ」と言い残して。
カリ・ユガのバリア→Gテリトリー
ユウ(コスモリヴァルナ)のバリア→Gウォールのイメージです。
カリ・ユガ様は絶対精神的に打たれ弱い。
書くのめっちゃ難しい……色々合ってるかマジで心配。