破壊と輪廻の巫女   作:シュオウ・麗翅

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カリ・ユガは幾ら盛ってもいい。黙示録にもそう書いてある。

迷走マン……(´・ω・`)

サティヤ・ユガの兜についてはカリ・ユガに山羊要素足せばキメラだよねっていう安直な考えです。

(」゚Д゚)」<コーッペパーン


成劫のユガ

宇宙の再世と破界のサイクルである〝ユガ〟には、四季のような4つの周期がある。

 

生誕を司る〝サティヤ・ユガ〟

維持を司る〝トレーター・ユガ〟

崩壊を司る〝ドパーバラ・ユガ〟

再生を司る〝カリ・ユガ〟

 

スパロボUXのラスボスであるカリ・ユガは上記のユガ全てをひっくるめた存在であり、ユガの全てを統括する女神だ。正にカリ・ユガこそが宇宙そのものであり、輪廻するユガそのものであると言えるだろう。

 

「……ッ!!」

 

その内の1柱、生誕を司るサティヤ・ユガの熾烈な攻撃に、ユウは防戦一方だ。

『……』

 

コスモリヴァルナを認識するやいなや、標的とばかりに真っ先に攻撃してきたサティヤ・ユガの戦法はカリ・ユガの戦法とはまるで真逆だ。

七支刀のような変わった形をした剣と格闘による近接戦闘。流石に変形時のリヴァルナよりは機動力は低いようだが、それでも充分すぎる程のスピードを持っている。

 

「すり抜けた……!?」

 

そして厄介なのが、ボラ・ボール・バリアがなんの意味も成さない事にある。

貫通しているのではなく、強いパワーで砕いている訳でもない。何も無かったかのようにすり抜けているのだ。

 

普通ならばバリアが効かない攻撃でも、実際に届くまでにバリアの抵抗によるラグがある。

ユウはバリアを破られてもラグを利用して回避しているが、すり抜けるとなるとそうはいかない。

咄嗟に後退し、身体を逸らしてなんとか直撃は回避するも、頭部が半壊してしまった。なんなら首元や胸部に関しても斬られた跡がくっきりと残っている。コスモリヴァルナの装甲の中身が露出しそうな勢いだ。

 

「ヒャハハハハッ!!貴様が何者かは分からんが、感謝しておくぞ女ァッ!!」

 

ジーベルが狂気に満ちた表情で叫びながら、ヴァルシオンをコスモリヴァルナの方へと動かした。サティヤ・ユガがコスモリヴァルナの方に追撃していようとお構い無しだ。

 

ジーベルはコスモリヴァルナを叩き潰すことしか眼中に無い状態だ。

瞳孔をガン開き、目を血走らせ、愚直に真っ直ぐに突進していく。

 

少し前の砂漠での戦闘で、普段ならば大したことの無い相手が策士たる俺をコケにした。その報いを受けさせるのだ。そう言わんばかりに剣を振り下ろそうとする。

 

『……』

 

黒い鎧を身にまとった赤髪の巨大な女に巻きついている白蛇が、ヴァルシオンに視線を向けて、大きく口を開く。

 

「ぐおっ!?」

 

蛇の口から放たれたビームがヴァルシオンに直撃する。

カリ・ユガの白蛇が放つビームが〝終末の光〟ならば、サティヤ・ユガの白蛇が出すビームはさしずめ〝生誕の光〟と言ったところだろうか。

 

「き……貴様ァ!!この俺を誰だとばっ!?」

 

『……』

 

ジーベルがサティヤ・ユガに向かって怒鳴り散らそうとしたその時、サティヤ・ユガの綺麗な回し蹴りがヴァルシオンにクリーンヒットする。

 

サティヤ・ユガが改造リオンを攻撃していた事と、ジーベルがヴァルシオンの力に溺れていた事。そして、前回の屈辱を果たそうと一気に突っ込んだ結果、ジーベルは情けない声を上げながら味方機を巻き込んで地面に叩き落とされた。

 

それを見たハンスは勿論、ヒリュウ隊、ハガネ隊も驚愕の表情を隠せなかった。特にヴァルシオンと戦っていたマサキとリューネがわかりやすい反応をしている。

 

「ユウ、カリ・ユガそっくりのアイツは一体なんだ!?」

 

「……4つのユガの1つ。カリ・ユガの分身にして、宇宙の〝生誕〟のユガを司る第1の女神、サティヤ・ユガ……」

 

マサキに質問され、後ろからリリーの強い視線を感じているユウは答え、ラーダが4つのユガについて軽く説明する。

 

本来、UX世界のユガはカリ・ユガが担っているが、正史の末路を見た影響でユウを巫女にした後に自らの分身を創り出した。それがサティヤ・ユガだ。

スペックはカリ・ユガの約4分の1だと聞いており、ユウがいずれ行う可能性がある〝成劫の試練〟の執行神でもある。

 

 

本来ならば、成劫から壊劫。そして空劫の試練は全てカリ・ユガが担当する物だ。

成劫の試練では力の4分の1を解放したカリ・ユガを打倒する。若しくは力を認められることでサティヤの位へと至ることが出来る。

無論カリ・ユガの分身であるサティヤ・ユガを打倒しても同様だが、カリ・ユガからは容赦が無いと聞いている。

彼女を打倒しなければ、待っているのは自身のユガの終焉。メンタルデバフがかかっている兼ね合いもあって、従来のものよりも難易度は高い。

 

「カリ・ユガの代理を務める神。そして、迷える使徒のユガを終わらせて救済する。それがサティヤ・ユガの役割……」

 

「迷っていたから出てきた訳ですか……」

 

灰色の翼を広げながらコスモリヴァルナを見下ろしているサティヤ・ユガを見ながら、リリーは思考する。

山羊の兜を被っている、桜色の髪をなびかせている巨大な女。漆黒の鎧を身にまとった女騎士のような容姿だ。腕は2本。蛇は1匹である。

カリ・ユガと同じように目を瞑っているその姿は、何処か聖女を彷彿とさせるようだ。

 

サティヤ・ユガが出現する際、リリーはユウの背中を見ていた。

背中に炎を纏ったかのような熱と光を放った紋章が急に出てきたのだ。嫌でも目に入ってしまう。

20mの高さから飛び降りてもなんの問題もない身体能力に、カリ・ユガを宥める際に生身でコスモリヴァルナの……否、恐らくはオリジナルのリヴァルナの武装を出した。前者は兎も角、後者は普通の人間ならばまず確実にできない。前者の場合は人間にゼンガーとかいるし。

 

迷える使徒。つまりはカリ・ユガの巫女であるユウからサティヤ・ユガは召喚された……と言っていいだろう。

 

(……しかし、状況は悪くなる一方ですね)

 

攻撃が通らない程硬いヴァルシオンに、テンペストが乗っているグラビリオンと、練度が高いテンペストの部下たち。更には少数ながらもグラビリオンで構成された部隊がおり、つい先程はハンスの部隊が増援としてやってきた。

この矢先のサティヤ・ユガの登場である。不幸中の幸いとも言うべきか、サティヤ・ユガは第3勢力であり、狙っているのはユウのコスモリヴァルナのみ。ヴァルシオンは吹っ飛ばされたが、アレは邪魔だから退かしただけというふうにも捉えられる。決闘に横槍を入れられたようなものだろうか。

 

オマケに、コスモリヴァルナのメインパイロットであるユウのコンディションは下がる一方だ。

カリ・ユガのメンタル崩壊に、硬すぎるヴァルシオンとの戦い。挙句の果てには死神の登場だ。嫌なイベントの目白押しである。

 

ユウの今の状況を例えるならば、病気の家族が心配で早く帰りたいのに、会社の存続をかけた重要な案件が次々と降り掛かってきた状況といったところだろうか。

 

「ひ、怯むな……!各機、あの巨大女に攻撃しろ!」

 

我に返ったハンスが慌ててサティヤ・ユガへの攻撃を指示する。

ヴァルシオンを回し蹴り1発でぶっ飛ばしたパワーは脅威だ。そう思い、咄嗟に行動を起こしたのだろう。

 

『……』

 

グレイストークの傍にいたグラビリオンが、胸部から巨大なビームを放つ。

 

それを見たサティヤ・ユガは一瞬舌打ちをしたかのように口元を歪めた後、大盾を構えてビームに突貫した。

ビームは盾を避けるように割れ、それを見たグラビリオンのパイロットが驚愕の表情をした瞬間、サティヤ・ユガは1発大盾でぶん殴って怯ませた後、サマーソルトキックでグラビリオンを打ち上げる。

 

その後、サティヤ・ユガは即座に大盾を近くにいたバレリオンに向かって投擲して撃破。すぐ様盾へと飛び込み、足場にして打ち上げたグラビリオンに向かって跳躍し、すれ違い様に何度も斬りつける。ついでに範囲内に居たバレリオンも両断していた。

 

「ば……ばかな……」

 

『……』

 

斬りつける最中に盾を回収し、グラビリオンに向かって下から斬り上げて更に打ち上げた後、相手に体制を整える間もなくかかと落としを食らわせた。間違いなくオーバーキルである。

 

その光景を、ユウは渇望と焦燥が入り交じったような表情で見ていた。

カリ・ユガは火力を。ユウは機動力を求めている。そして、目の前にいるサティヤ・ユガはその両方の良いとこ取りをやってのけたのだ。現時点でのユウの理想に最も近い立ち位置にいる。

 

「ユウ、貴女にはまだこれだけの力が眠っています……!!」

 

状況から見て、ユウからサティヤ・ユガが出現した。若しくは召喚したのは間違いない。

 

「それなのに、自棄になるから彼女が出てきたのです……!」

 

「……」

 

ならば、それはユウ自身の力と言えるのではないか?そう思ったリリーがユウに喝を入れた。

 

「なるほどな。そういうわけか。自棄になってる暇があるなら、その成劫の試練ってやつを乗り越えて見せろってよ!!」

 

リリーの言葉にマサキが納得した。彼も魔装機神操者であるからか、共感できる部分があったのだろう。

 

『……』

 

2人の言葉を聞いたユウがゆっくりと顔を上げ、サティヤ・ユガと目を合わせた。

リリーやマサキの言った通りだろうか。ユガの終焉による救済ではなく、不甲斐ない自分を諭しているような表情にも見える。

大槍を四散させ、詠唱を始めた。ユウの瞳に強い意志が宿り、コスモリヴァルナの目が強い光を帯びる。

氷の大槍の代わりに取りだしたものは……双剣だ。

 

サティヤ・ユガと同じ、七支刀に似た形の刀身が広い長剣と、シンプルな形の短剣。それを成したのは当然、シュクラ・メイスの応用技だ。利便性が高い。

それに応えるように、サティヤ・ユガも剣を抜いた。ユウと同じ二刀流である。

 

「……ッ!!」

 

『……』

 

氷の剣と生誕の剣が衝突。女神の巫女が挑む、女神の分身による試練が今始まったのだ。

 

 

そして、叩き落とされたヴァルシオンもまた、瞳が妖しく真っ赤に光っていた。




カリ・ユガは一撃必殺。サティヤ・ユガは連撃のイメージ。

サティヤ・ユガ:黄色ユニット・Lv60
BGM:ユガの終焉Ver.2(優先度+2)

パイロットスキル:援護攻撃Lv3、底力Lv6、カウンターLv7、ガード、再攻撃、気力+命中

エースボーナス:全ての武装にバリア無効化を付与

・ステータス

サイズ:M(ネオ・グランゾンより少し小さい程度)
移動力:7
地形タイプ:空・地
地形適正:空S・地S・海B・宇S

HP:37200
EN:360
装甲:2050
運動性:95
照準値:130

特殊スキル:EN回復(中)、パイロットブロック

強化パーツ:Gテリトリー

:武装

・生誕の光・攻撃力3600・射程1〜8・射撃武器・移動後不可・EN消費10
・加速する刃・攻撃力3900・射程1〜4・格闘武器・移動後可・EN消費20
・灰色の羽・攻撃力4200・射程2〜6・格闘武器・移動後不可・弾数24
・浄光の剣・攻撃力4600・射程1〜4・格闘武器・移動後可・EN消費30・命中した敵に装甲ダウンLv2を付与

シールド防御有
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