ユガの女神『……は?』
通りすがりの某邪神「宇宙を面白可笑しくする為に無限ループ機能付けといたよ☆」
ユガの女神『……』
死にかけの一般少女Y「女神が触れたら正史世界の結末が女神に流れ込んできたんだけど」
ユガの女神『ああああああああぁぁぁっ!!もうやだァァァァァァァァっ!!』
手札を使い切ったので難産気味。
片方の手で浄化の槍を持って、もう片方の手で双神儀を装備したカリ・ユガとか妄想してる。つよそう。
『神を倒せるとでも?』
『私とて神の端くれ。貴方を倒せないという道理はありません……!母ムインの仇、取らせて貰います!!』
『よかろう、来るがいい。神と对となる我が妹よ。そなたの力を解き放ち、神を倒して証明して見せよ……!!来たれ、絢爛で燦然たる神の神僕……パルス、リンゼよ!破壊の女神よ、輝ける神の全き光で祝福しよう!神の威光をその目に焼き付け、神聖なる輝きを崇め奉り、屈服せよ!!』
このSSのカリ・ユガはブーニベルゼの第1形態(双神儀持ち、強さはHARD準拠、死の宣告は無し、ムインと戦ってそう時間が経ってないので消耗してる)は苦戦しながらもなんとか突破しています。辛勝です。
『フフフ……一切の念に、神もまた変貌を遂げる……』
『……ッ!?』
しかし、第2形態となったブーニベルゼのモナド創造からの破壊の翼のコンボでリヴァルナ部隊は一瞬で全滅し、カリ・ユガにも少なくないダメージが来ました。
そこに畳み掛けるように星誕の賛歌。カリ・ユガはボロボロの身体を何とか動かすもロクなダメージを与えられず、妖星乱舞が完成して直撃。という流れを想像してます。リヴァルナは補充しても直ぐにやられてます。BGMは神の愛を誉れとせよ。
……(´・ω・`)
「……………………」
リリーは格納庫で黙々と、虹色のカラクリ天使のような機体を点検していた。
元は自身が乗ってきたトロイエ隊のコスモリオンを、カリ・ユガの子機であるリヴァルナが改造した機体だ。コスモリオンとリヴァルナの2つの名前を引き継いでいる機体である。ついでにその過程で紫の巨大リヴァルナの貴重な咀嚼シーンに唖然としたのは記憶に新しい。
ユウと自分が乗るカラクリ天使。リリーはサブパイロットとしてサポートに専念している。
「神とは……人とは……」
宇宙の誕生と維持、そして崩壊。そこから始まったユガのサイクル。
この世界とは全く別の並行世界の出来事のようだが、余りにも壮大なスケールにしばらく呆然としてしまった。
それと同時に、今の自分の心情に変化が訪れた。
ーーーこのままでいいのか?と。
今のリリーの精神状態は、いわゆる燃え尽き症候群のようなものだろう。
二重の意味で憧れであるマイヤー総司令の死。戦闘で破壊され、ボロボロになった艦が大気圏で燃え尽きる様はしっかりと脳裏に焼き付いている。
あの時は副官として、部下として。そして、彼を愛する女として。最期までお供しようとしていた。
だが、返ってきたのは「後は任せた」という言葉だ。暗に生きろということを命じられた。
その言葉が、リリーを縛るものとなってしまった。
言葉通りに受け止めるのならば、異星人と戦うこと。DCの残党を見極めることといったところだろうか。
とはいえ、心の中の喪失感はそう簡単に無くなるものでは無い。まだ若いリリーならば尚更だ。
ならば……と、リリーが選んだのは、DCの見極めの方だ。
ビアンやマイヤーの本当の意志を理解しているか否か。……と言えば聞こえはいいが、実際の所は死に場所を探していただけだったのかもしれない。
そんな中、DCと合流する為の準備の為に戦力を整えようと、統合軍の基地に向かう前。旗艦マハトの残骸を捜索していた。微粒子レベルでマイヤーが生きているかもしれない。ダメだったにしろ、その残骸に祈りを捧げたかった。ほんの少しだけでも。
そんな自己満足で現実逃避にも等しい事をしている最中、運の悪い事にエアロゲイターに襲われた。
宇宙での戦闘で損傷し、応急処置をしたコスモリオンが5機と、1機のレイディバードのみ。勝てるはずがない。
案の定、次々と落とされていった。残りは自身が乗るレイディバードのみとなった状況だ。
そんな状況で、リリーは焦燥と安心の2つの感情を感じていた。
マイヤーの頼みを果たせずに無下にしてしまった悔しさと、ようやく死ねるという安堵。
コスモリオンに乗っていた部下は全員脱出出来たようだ。ならば……と、思い始めたその時だ。
下から来る炎を纏ったビームによって、4機のバグスが爆発した。
そして、下から現れたのは地球の守護女神と呼ばれているカリ・ユガだ。ユウと呼ばれている少女を依代としている破壊の女神は、瞬く間にエアロゲイターを殲滅してくれた。
ーーー凄まじい。
思わず口にしてしまった。それと同時に、目の前にいる女神に見蕩れてしまっていた。
一種の崇拝のようなものだろうか。異星人から地球を守り、そして自分を守った神聖で美しい女神。そして、間近で見た圧倒的なパワー。
気がつけばまるで目に失った光が灯るように。過去の自分が初めてマイヤーを見た時のように。カリ・ユガに対して強い感情を向けていたのだ。
だが、その目は次の光景で冷めることとなった。
「ほう?なら、その巫女さんに質問するぜ。これに答えられれば、俺達について知ってるも当然だ。攻略サイトを見てプレイするプレイヤーのようにな」
ユウがインスペクターと呼称した4人の内の1人。青い機体のパイロットであるリーダー格が質問してきたのだ。
今にして思えば……冷静に考えれば、アレは敵の誘導尋問のような物だったのだろう。ユウがカリ・ユガにインスペクターの機体を無防備にも解説していたのが聞こえていた。だから、メキボスと呼ばれたパイロットは質問という体で試したのだ。
そして、ユウは律儀にもその質問にほぼドンピシャで答えを言った。一部傍から見ても酷い間違いもあったが、それでもユウがインスペクターに対して多くの情報を持っている事が判明したのだ。
「ちょっ!?いきなり!?」
それを分かったインスペクターはカリ・ユガに執拗に攻撃を始めた。恐らく、その前に言った正式名称であろう単語に反応したのだろう。
先程のエアロゲイターの時とは違い、苦戦を強いられていたのだ。
それもそうだろう。エアロゲイターはカリ・ユガにとって格下も格下だったのだから、大きく消耗しているであろう状態でも楽に倒すことができた。が、インスペクターは熟練のパイロットのようだ。連携も上手い。そのような状況で有利に戦える筈もなかった。
何とか撃退に成功したのか、光の雨が降り注いでいる間にカリ・ユガが撤退していくのが見えた。
何がいきなりだ。それはそうに決まっているだろう。何を呆けているのだ。
ーーーその時の自分の憧れは反転していた。それと同時に、マイヤーからの言葉を思い返す。
そうだ。見極める相手なら、まだいるでは無いか。地球の守護女神と呼ばれている8腕の女神。即ち、カリ・ユガを。
その際にクロガネが通ってきたのは僥倖だった。だからこそ、リリーは偶然通りかかったクロガネに……エルザムに自分の部隊を預け、コスモリオンでカリ・ユガを追い、1人と1柱に対して情報講座をみっちりと口うるさく叩き込んだ。敵の前で無防備に解説している時も、容赦なく中断させた。
その際、女神の不興を買って裁きを受けようが、どうでもよかった。女神とその巫女を見極める過程で死ぬという大義名分を得られるからだ。コスモリヴァルナで伊豆基地に向かったのも同じような理由だ。
前を向こうと歩こうとしても、生涯全てを捧げたものはもう居ないという諦観。それがリリー・ユンカースの心を支配していた。
ーーーだが、そのやるせない気持ちも、一種の開き直りにも等しい気持ちも、カリ・ユガの過去を聞いて一変する。
『私は母ムインから様々な事を学んでいました。宇宙を守護する為の心構えや、最終手段である私の権限……外敵との戦い方。私の戦法。〝外なる宇宙〟を耐える身体作り……あの時は、ムインの役に立てる……宇宙を守れると喜びながら日々頑張っていました。ムインが追放される、あの時までは……』
宇宙の崩壊の始まり。要約すると身内のゴタゴタのせいで宇宙の崩壊が始まったという迷惑な話なのだが、当事者であるカリ・ユガからすると悲劇以外の何物でもない。
なにせ、敬愛し、憧れの感情を向けていた母親が居なくなったのだから。
『ムインを追放したのは、私と对となる創造を司る神……輝ける神の異名を持つ万能の神。その名はブーニベルゼ。私の兄に当たる存在です』
そして、ブーニベルゼに戦いを挑んだが、結果は惨敗。
片膝座りで余裕をぶっこいているような状態の彼にさえ、大きく苦戦したという程との事。それも、大きく消耗しているであろう状態でだ。
そして立ち上がり、裏の顔とも言うべき形態の攻撃を食らい、カリ・ユガの部隊は一瞬で壊滅。その後、複数の惑星相当のエネルギーを放つビームによって倒れたらしい。
カリ・ユガが大きく損傷して気絶している間に、ブーニベルゼは新世界を創造してそこに向かったらしい。残されたカリ・ユガは独りで崩壊を始めた宇宙の管理を試行錯誤しながらやっていたそうだ。
ーーースケールが大きすぎてフリーズしてしまうほどの情報量だったが、冷静になって考えてみると、カリ・ユガは例えるならば〝いきなり大人にならざるを得なかった未熟な子ども〟に見えた。
母の元で学んでいる真っ只中に起こった悲劇。まだまだ未熟であるにも関わらず宇宙の守護という重責。何度やっても崩壊してしまう宇宙。その結果、精神が削れていくという悪循環。また頑張っても無駄に終わる。そのループ。
メンタルが崩れても立ち上がろうとするのは、ユウの存在があってこそだろう。
神だから完璧なのではない。巫女だから完璧なのではない。寧ろ、1人と1柱はまだまだ発展途上にある。そう認識した。神とて、心を持った1つの生命体であると。
今にして思えば、あの時の解説はカリ・ユガの疑問に答えていただけ。ユウが言っていた神託は、もしかしたらカリ・ユガから再び芽生えた興味……否、好奇心から発生したものかもしれない。
それはそれとしてメキボスの質問に答えていたのは迂闊にも程があったのだが。
そう考えると、かつて1人と1柱にした所業は大人気なかった。オブラートに包んでも、口うるさい小姑としか思えないだろう。
それでも、1人と1柱……主に1人の方だが、自分の事を頼ってくれた。背中を預けてくれた。サプパイロットに指名してくれた。
ーーーならば、その期待に応えなければならない。最大限のサポートを……否、それ以上のものを。……ヴァルシオン戦やサティヤ・ユガ戦では、めちゃくちゃ死にものぐるいにやっていたのだが。あの2機はホントやばい。
「火器管制システム及び、リヴァルナヘイロウ、テスラ・ドライブの制御。機体のダメージチェック及び、動作チェック。攻撃を受けた際の回避ルートの構築。それが不可能な場合の武装によるサポート。敵機体の位置や情報の把握。作戦の立案。etc…」
諦観の沼から這い上がる時が来た。己の目を覚ますように平手で自らの顔を叩いた。
期間はユウがカリ・ユガと融合するまでの間。最低限、それまではこの虹色のカラクリ天使に乗って、ユウを精一杯支える。それが今のリリーの役割だ。
もしもこの先も生きれたのならば、その時は改めて女神と巫女を支える者になろう。
そう思いながら整備を終えると、格納庫の扉が開いた。
入ってきたのは、カリ・ユガの鎧と巫女服を組み合わせたような衣装を身にまとい、猫耳の帽子を被っている銀髪の少女、ユウだ。
「……ユン、出撃準備。もうすぐジュネーブで防衛戦をやるって」
「分かりました。カリ・ユガは……?」
「少し遅れるって言ってた。多分、気持ちの整理が必要なんだと思う」
あの話をしてからそう時間は経っていない。あの話はカリ・ユガのトラウマの1つであるが故に、致し方ない事だろう。
「ユミ・キサラギ。既に機体のチェックは終わりました。いつでも行けますよ」
ユウはコクリと頷くと、高い身体能力を活かしてコクピットに乗り込んだ。
操縦席に乗ったユウは魔法陣に囲まれ、少し動作チェックを行った後に出撃した。
目指すは、敵の中核。即ち、ヴァルシオン改がいる場所である。
ゲームで当てはめるなら、リリーがサブパイロット時ユウの回避+15、命中+10、クリティカル発生+5の補正がかかっています。
・機体の整備をしていたリリー
気持ちの整理をつけたかった。個人的にリリーは多分直接の戦闘以外なら行けるやろの精神。
・このSSでのカリ・ユガとブーニベルゼの関係
ガッツリ系クロスオーバー故の捏造。その結果、双子の兄妹に。
ファブラ・ノヴァ・クリスタルが世界の崩壊とグラン=パルスや人間の誕生という神話だから、UX世界と相性抜群やろ!と思った故のゴリ押し。創造と破壊という表裏一体の関係もウマウマ。
ちなみに、シリーズで珍しいマジモンの神でありラスボス。自分の世界を奪われる。数多の人間の意志によって敗れる、天地創造(ユガの創造)が可能などなど、共通点が多いのもある。
……カリ・ユガに死の宣告や心無い天使は効くのだろうか?
・リリーを味方にしたユウ
ぶっちゃけ打算ありき。大きく分けて3つ。リリーが正史世界においてマトモ枠な事と、頭脳担当の味方が欲しかった事。そして、不慮の事故でリリーの過去を見てしまったことの3点。
後はUX世界の価値観で、宇宙の寿命から見て大した影響じゃないというのもある。
ちなみに、ユウのせいでリリーの立場が少しややこしい事になっている。
……まぁ、書いてみて扱い切れるかどうか不安になってきたけど。ワイ頭悪いしなぁ……(´・ω・`)