破壊と輪廻の巫女   作:シュオウ・麗翅

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深夜テンションじみたものから解放されてふと思った。

諸々1から書き直した方がいいか……?でも書き直したところで良くなる保証もなぁ……とか思ってるワイがおる。(´・ω・`)
どっちがいいんですかね?トレーターを続行でいいのか、サティヤに移行するか。

……手札ってね、無闇矢鱈にバンバン出したら収拾つかせる難易度爆上がりするんですよ(遠い目)
で、結果ぐちゃぐちゃになるんですよ。切り札に限らず、カードは切り方考えないといけないんですね(戒め)
え?私?何もかも下手くそです(キッパリ)

何となくアキネーターやったらカリ・ユガ出てこんやった……(´・ω・`)


ゲイムシステム再び

地球連邦の本拠地、ジュネーブ。そこの中核に、DCの残党が勢ぞろいしていた。

一般機のリオンと指揮官機のガーリオンを筆頭に、バレリオンやランドリオンが並んでいる。流石に水中用のシーリオンは居ないようだが。

更にその背後には、圧倒的な巨体を誇るグラビリオンや、DCの象徴であるヴァルシオンまでいる始末だ。

正しく圧巻。例えるならば、RPGで歴代のボスがラスボスの前に立ちはだかっているようなものだ。ボスラッシュかな?

 

「ホッ!連邦の本部って言うけどよぉ〜、俺達のDCの敵じゃ無かったなぁ」

 

経験値にもなりゃしねぇ。と、ヴァルシオンのパイロットである太っている青年が呑気に吐き捨てた。

そのパイロットの名はテンザン・ナカジマ。元はバーニングPTのゲームチャンプであり、数多くのゲーム大会を総ナメした超凄腕のゲーマーだ。

 

バーニングPTの大会でも、他選手とは比べ物にならない程の腕前でぶっちぎりの優勝を果たした。

そんな彼が、何故DCにいるのか……それは、DCにスカウトされたからだ。

 

そもそもバーニングPT自体が本物のPT……機動兵器のシミュレーションのようなものであり、大会も優秀な新人パイロットを発見する為のもの。元は連邦政府主催で行われたものだが、DCにも連邦軍出身の者も多い。故に一足早く、1位であるテンザンを初めとしたプレイヤーをスカウトすることが出来た。

 

〝アドバンスド・チルドレン〟。それは、機動兵器の操縦技術の才能がある若者の総称だ。RPGで例えるならば、常に経験値2倍のスキル持ちといった所だろうか。

 

その中でも、テンザンはずば抜けて優秀だった。リオンに乗ってからそう時間が経たない内に操縦をほぼ完璧に覚えた。即戦力になり得る人材である。

最も、ハガネ隊、ヒリュウ隊との戦いでは負けが続いていたのだが。

キョウスケとの戦いでは此方には無反応のまま一蹴され、カリ・ユガには野球ボールのように打ち上げられ、リュウセイにはぶっ飛ばされ……。なんか飛ばされてばかりだな。

 

「へっ!いいもんだよなぁ、この機体。流石究極ロボってやつか。ビアンも馬鹿だよなぁ……コイツをここで大暴れさせりゃあ、DCのコールド勝ちだったのによぉ」

 

だからこそ、テンザンは欲した。最強の武器と防具を求めた。

あの時リュウセイが勝てたのは、最強装備で戦っていたからであり、自分は中盤装備だから負けた……。つまりは機体性能の差だと考えていたのだ。

現にリオンやガーリオン、バレリオンならばそこそこ時間がかかっていたであろう連邦軍の部隊を、一瞬で壊滅させることが出来ている。その光景が、テンザンのテンションを上げているようだ。

 

「さぁ、来てみろよリュウセイ!今度こそテメェを倒してやるぜ!!」

 

だからこそ、この最強装備を望んだ。そして今、DCにおける最強の機体であるヴァルシオンに搭乗している。

この機体はテンザンにとって、勇者専用の装備のようなものに感じられた。故にテンションが上がっているのだ。

 

「テンザン、貴様に渡したヴァルシオン、上手く使いこなせよ」

 

「ホッ、任せな!アードラーのオッサン!前回はちとしくじっちまったが、最強の装備を手に入れた今の俺様なら、あの裏ボスだって倒してみせるっての!!」

 

アードラーからの通信に自信満々に答えた。バレリオンの時よりも遥かに声が弾んでいる。

勝てる。負ける気がしない。早く来い。叩き潰してやる。スコアの足しにしてやる。テンザンの頭はそれで埋め尽くされていた。

オマケに、この場にあのうるさいゼンガー・ゾンボルトは居ない。思う存分暴れられる。テンザンは今、高揚感に満ち溢れていた。

 

「………………」

 

その近くにいた隊長機仕様のグラビリオンに乗っているテンペストは、その光景を見て悩んでいる。

 

ーーーこのDCに、大義はあるのか?と。

 

テンペストがそう悩む要因となったのは、2つの戦いの出来事がきっかけとなった。太平洋の小さな島と、アイドネウス島での戦いの時に居たラトゥーニ・スゥボータと、カリ・ユガである。

 

太平洋での戦いにて通信が来た際、ラトゥーニの姿を見てしまったが為に、娘の面影と重ねてしまった事で甘さが蘇ってしまったのがきっかけである。

もし声だけだったならば、心を鬼にして戦えていただろう。だが、姿まで見てしまった為にそうすることができなかった。娘と面影を重ねてしまったが為に、全力を出せなかったのだ。

またカリ・ユガに対しては、亡き妻の面影を感じている。特に、アイドネウス島でグラビリオンを叩きのめした時の表情は、妻が自分を叱っているように見えたのだ。

 

それによる迷い。ラトゥーニとユウからアードラー関連の指摘や解説をされての迷いだ。

ビアンが敗れて以降、外道な手段を続けている。最近では幼い少女を誘拐し、洗脳までしているのだ。

 

心の底では連邦を憎み、復讐を望んでいても、それぞれの面影があるラトゥーニやカリ・ユガがそれを抑えている為心に影が残る。

 

確かに連邦は憎い。だが、その一員であるハガネ隊とヒリュウ隊は別だと割り切れるようにはなっている。

DCのやらかしもあるし、ラトゥーニやカリ・ユガの件もある。ジガンスクードの場合はパイロットは認めているが、やはり機体に対する憎しみがどうしても忘れられない。

 

心を鬼にすれば、こんなに迷わなくて済んだのだろうか。憎しみに染まれば迷わずに済んだのだろうか。

 

「少佐、ハガネとヒリュウが、こちらへ突っ込んできます!!」

 

「……来たか」

 

「さぁ、こいよリュウセイィッ!!ここでテメェをゲームオーバーにしてやるっての!!」

 

そして、ジュネーブにハガネとヒリュウ改が辿り着き、PT部隊が出撃した。

 

 

 

「本部の部隊は無事か……?」

 

「……どうやら、一足早遅かったようだな」

 

見るも無惨な戦闘機と戦車の数々。そして、1部の建物がピンポイントで破壊されたかのような跡が残っている。

幸い、敵は攻撃を始めたばかりのようで、都市殲滅前には間に合った。コレは不幸中の幸いと言える。が、敵の数が多いのに加え、ヴァルシオンまでいる光景を前にして、リョウトは戦慄していた。

 

「ホッ!リュウセイよぉ……久しぶりだなぁ」

 

「その声……テンザンか!!まさか、お前がヴァルシオンに……?」

 

「ああ、そうだぜ。いいもんだよなぁ、新しい装備……レベルアップ……強いステータスってのはよぉ」

 

テンザンはまるで、最新のゲーム機を見せびらかして自慢するようにヴァルシオンを称えている。

 

「来いよ、リュウセイ!この俺様の最強のロボットで、テメェのその弱っちいロボットを粉砕してゲームオーバーにしてやるっての!!」

 

「テンザン!テメェ、まだ……!!」

 

「……テンザン・ナカジマ」

 

「あん?テメェは……」

 

テンザンが一方的にリュウセイを敵視し、リュウセイもまた遊び半分で機体に乗っているテンザンに対して怒りを向けていた時、ユウが声を上げた。

 

「テンザン、1回だけ忠告する。手遅れになる前に、今すぐ教会に行ってその呪いの装備を外した方がいい」

 

「……ッ!!ユウ、それって、まさか……」

 

「ホッ!誰かと思えば、裏ボスの時のガキかよ。あの時と比べて随分とキャラ変したじゃねぇか。ええ?」

 

あの時、東京湾にて戦った時のユウは、今よりも表情が豊かだった。その事を指摘しているのだろう。

最も、あの時は戦ったというより、カリ・ユガが蹂躙した……というのが正しいのだが。無論、全力で手加減した上でだ。

 

「テンザン!今すぐその機体から降りろ!ソイツは危険だ!」

 

「テメェらはバカか?する訳ねぇだろ。これはDCの象徴……いいや、ちげぇな。これはもう、名実共に俺様専用の最強の装備になったんだぜ」

 

ユウはテンザンに伝わりやすいよう、ヴァルシオンをあえてRPGやファンタジー物によくある、呪われた装備だと指摘した。暗に降りろと言っているのである。その事は同じくゲーマーであるリュウセイにはその意味は伝わっているようだ。

ゲイムシステムは、パイロットに莫大な量の情報を送る代償として正気を失って破壊衝動しか考えられなくなってしまう。強靭な精神を持たねば満足に使えない欠陥品だ。RPGならば、常に混乱やバーサーク状態になる武器といったところか。

 

「コイツならリュウセイ!テメェやあそこの赤カブトだけじゃねぇ……そこのガキんとこの裏ボスだって潰せるんだぜぇ!この究極ロボってやつはなぁ!!」

 

「…言いたいことはそれだけ………?」

 

ユウはカリ・ユガのように目を瞑り、ゆっくりと息を吐く。これはユウが集中する為のローテーションの1つだ。

テンザンはもう手遅れだろう。ユウの目はゆっくりと開いてヴァルシオンを射抜くように見据え、腰にある双剣へと翼のような手を伸ばした。

 

「ヒャハハハ!返すセリフも無いってやつかぁ?それじゃあ、さっさと潰すとするか!!」

 

何も言い返さないユウの様子に満足したのか、テンザンは口元を釣り上げてニヤリと嘲笑う。

試作品のリオンや合わなかったガーリオンとは違う。自分の手には馴染んだが、いざ操縦してみると物足りなかったバレリオンとも違う。圧倒的な力。

 

「そう、潰してやる!潰せば血がドバドバ出てくるんだからなぁ!!プチッと潰れて血ぃ見せろっての!!ヒャハッ!ヒャハハハハハハ!!」

 

ドンドン溢れていく充足感、高揚感と共に、テンザンはゲイム・システムに呑み込まれた。

白目を向き、凶暴性が増し、思っている事をめちゃくちゃに声に出している。

 

「やはり、彼もジーベル少佐と同じように……」

 

「テンザン!もうヴァルシオンに呑まれたってのかよ!!」

 

「ああ。そうだぜ!おかげで気分は最高だっての!!こんなのは生まれて初めての感覚だぜ!!」

 

俺こそが頂点!俺こそが王!テメェら虫ケラは惨めに潰されてな!そう言わんばかりにテンザンは大声で嗤っている。

リュウセイが降りるように説得するが、テンザンは決して降りない。聞き入れることは一切無い。何故なら、今の彼はシステムの狂気に呑み込まれたゲーマー……即ち、戦争をゲームだと本気で思っているゲーマーなのだから。

 

「潰す!テメェらザコ共は全員虫ケラのように潰す!潰す潰す!潰してやるぜ、リュウセイィィィィィィィッ!!」

 

「テメェ!その機体は呪われてんだぞ!それに、ソレはゲームなんかじゃねえ!現実なんだ!!そんなになってまで……」

 

「ヒャハハハハハハ!!相変わらずカッコイイなぁ、リュウセイ!!カッコイイ、カッコイイ!!だがなぁ、リュウセイ!てめぇも、そこのガキも!俺と同じ人殺しなんだぜ!!テメェら全員、敵兵をぷちぷち潰した人殺しなんだぜぇ!!」

 

「…………」

 

ユウはテンザンのその言葉に反応した。ユウ自身、そのことに関して覚えがあるからだ。

カリ・ユガとの融合時は殺しはしていない。完膚なきまでに破壊したのは異星人の無人機のみであり、DCを始めとした人間は一切手をかけていない。カリ・ユガも同様だ。アイドネウス島での戦いでは、実際に手をかけたのはアードラーな為、ノーカウントである。

 

だが、コスモリヴァルナ搭乗時では多少なりとも手をかけている。

無論、なるだけ手をかけないように努めてはいたものの、それは余裕のある時だけだった。

自身が撃墜した相手の脱出装置が作動せず、敵パイロットが爆発に呑まれた事は1度や2度ではない。そのことを思い出したのだ。

 

ーーーだが、その事を思い出して反応した。ただそれだけだ。無感情に。ただ無感動に。

まるで、心を何処かに置いてきたかのようにーーー。

 

「各機へ通達する。攻撃を開始し、ヴァルシオンを破壊せよ。敵パイロットは自我を失いつつある」

 

「い……イングラム少佐……!?それって……」

 

「リュウセイ。最早奴に届く言葉は無い。セパストポリでの一件を忘れたか?」

 

イングラムの言葉に、つい最近ヴァルシオンのシステムに呑み込まれたパイロットを思い出した。

 

「戦場において、感傷は不要……。助けられないのであれば尚更だ。そうなれば、倒すか倒されるか……それしかない」

 

「さあ、ラストバトルだ!リュウセイも、赤カブトも、裏ボスも……みーんなぷちぷち潰してやるぜぇぇぇぇぇっ!!ヒャーッハハハハハ!!!」

 

「……!!」

 

倒すか……倒されるか。バーサーカーと化した今のテンザンを止められる術は、イングラムが言った通り倒すしかない。

 

「テンザン、1つ言っておく。お前に女神と俺達は倒せない」

 

「テンザン!テメェは俺が……止めてやる!!来い!!」

 

コスモリヴァルナが双剣を。Rー1が拳をヴァルシオンに向かって突き出した。

連邦本部ジュネーブにて、DCとの戦いが始まった。




テンザンが1番書きやすいと思う。

動画見返してみたら街自体は比較的無事だったから修正。ぶっちゃけ第2次のククル&妖機人回の街戦をイメージしてた(´・ω・`)
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