ハツカネズミカリ・ユガはかわいい。
値上げ……ちゅらい(´・ω・`)
ゼンガー・ゾンボルト。元教導隊のメンバーであり、彼に断てないものは無いと言われる程の剣の達人。
そして、カリ・ユガにとって、シュウとグランゾンとはまた別の意味での天敵のようなものである。
そんな彼が愛機である、デカイ大剣を背負った黒い鬼のような形相の機体、グルンガスト零式でジュネーブに降下してきた。
ハガネ隊、ヒリュウ隊の面々も、ユウとリリーも、テンペストも零式を確認した後、場が緊張感に包まれる。
「おお、ゼンガーか。今更ノコノコと……。なんの用じゃ?」
まさか反逆者と裏切り者の始末を手伝いに来たのか?とアードラーは尋ねた。
「ああ」
その言葉に、ゼンガーは答えた。
「アードラー・コッホ。貴様という裏切り者をッ!!」
大剣の切っ先を、アードラーが乗るグレイストークに向けて。
「ぜ……ゼンガー!貴様、自分が何をしているのか分かっておるのか!?」
「無論だ!俺は使命を果たしにここへやってきた!!」
そう言ってゼンガーは己の真の目的と、ビアンとマイヤーがDCを設立した理由について語った。
DCの目的は、一般的には世界征服。深く関わった者には異星人に対抗する為の軍だと知らされているが、ゼンガーが語った目的はほんの限られた者……それこそ、ビアンやマイヤーといったリーダー格や、彼らの信頼する人間にのみ知らされていた。
それは、異星人に対抗する為の戦力を見出し、成長……進化させる事だ。その見出した対象がハガネ隊とヒリュウ隊であった。
どんな状況でも諦めず、強い意志を貫き通し、最後まで抗う。この2つの部隊に対し、地球を真の意味で守れる戦士を育て上げようとしていたのだ。
それこそがDCの……ビアンとマイヤーの真の目的。だからこそ、理念を履き違え、私欲の限りを尽くそうとするDC残党……アードラー一派をここで倒さねばならない。
その為に敢えて裏切り者の汚名を被り、数多の犠牲を乗り越えてここまでやってきたのだ。
「ほざくな!ビアンとマイヤーの亡霊風情が!2人の裏切り者諸共、ここで始末して……」
「黙れ!!」
「!?」
戦場に響き渡るような一喝。思わずここにいる誰もが息を飲んだ。
「そして聞け!我が名はゼンガー・ゾンボルト!悪を断つ剣なり!!大義を捨て、地球に恐怖と混乱を齎すだけのDCの野望は、この零式斬艦刀によって潰えるのだ!」
「だ……黙れ、亡霊の分際で調子に乗るでないわ……!!ここで死ぬのはお前の方じゃ!!」
「笑止!!私欲に塗れた攻撃が、この俺に通じると思うな!貴様の地獄への旅路は、この俺とグルンガスト零式が案内つかまつる!!」
この場にいる誰もがグルンガスト零式から強い意志が。気迫が。暴風となって吹き荒れる幻覚を見た。
この気迫こそが、ゼンガーがカリ・ユガの天敵となり得る要素だ。事実砂漠での戦闘では本調子ではなかったとはいえ、カリ・ユガはゼンガーの気迫に押され、危うく負けそうになってしまったのだから。
スペックの差を技量と気迫で全て押し通し、一刀両断する男。それがゼンガー・ゾンボルトという男である。
ーーー今はただ、眼前の敵を斬り捨てるのみ!!
裏切った自分をまだ隊長と呼んでくれるATXチームのメンバー達。その言葉に嬉しくなり、つい感慨に耽ってしまったが、直ぐに目の前の敵に神経を集中させる。
途中、テンペストには確認と労いの言葉をかけ、リリーには「後でエルザムと一緒に話がある」と一言告げた。
「ちぃっ……!小賢しいわ!こうなったらワシの最終兵器で一気に叩き潰してくれる!!」
一方のアードラーは、思いっきり拳をアームレストに叩きつけた後、コンソールを操作し始めた。
「お……おい、何だ、ありゃ?」
「グレイストークに、追加武装だと!?」
「それに、あの手は……まさか……!!」
リュウセイとマサキが思わず声を出す。
グレイストークの左右のハッチが開いたと思ったら、今度は青の巨大な砲身が姿を現した。それに見覚えがあるリューネも驚愕に顔を歪ませた。
「クロスマッシャー!くらえぇい!!」
左右の砲台からそれぞれ赤と青の巨大なビームが放たれる。
巡洋艦の主砲とは比べ物にならない威力だ。
撃墜されても尚原型を留めているグラビリオンの装甲に大穴を開け、大きな音を立てながらそれぞれの目標へと向かっていく。
「……チェストォォォッ!!!!」
青のビームはグルンガスト零式へと向かった。赤と青の螺旋ビームではない、単なる青色の巨大なビームだ。
直撃すれば幾らグルンガスト零式でも大破は免れないだろう。そんな攻撃をゼンガーはそれを大剣を全力で振ることによって、青のビームを文字通り一刀両断したのだ。
「言ったはずだ。私欲に塗れた攻撃は、俺には通じんとな!」
「ちぃ……!!ゼンガーめ……!!」
敵に回るとこうも厄介になるとは……!と、アードラーは舌打ちする。
「……じゃが、あの改造リオンはどうじゃろうな?」
「なに……!?」
そういえば、グレイストークから出た手のような砲門は2つだ。
クロスマッシャーは本来、2つのエネルギーを螺旋状に重ね合わせて発射する武装だ。だが、グレイストークから発射された赤と青のビームは本来2つに重ねる所を分離させたのだろう。
「先ずはワシに恥をかかせた小娘と、裏切り者の女を葬ってくれるわ!!」
もう片方の砲門から発射した赤のビームが、虹色のカラクリ天使を襲う。
コスモリヴァルナのエネルギーは、もう枯渇寸前だ。アレだけ硬いテンザンのヴァルシオンに消費しすぎたのだから。特に前半戦は、ユウの動きに着いていけないにも関わらず、無理やり動かしていたのだから。
なけなしのエネルギーでボラ・ボール・バリアを張りながら回避運動を取る。
赤のビームが迫り来る。そんなコスモリヴァルナ達の目の前に、親の顔より見た魔法陣が展開された。
ーーー気がつけば身体が勝手に動いていた。そうとしか言いようがない。
死の運命に怯え、自らを打ち倒せる可能性のある者に怯え、震えていた。
だが、巫女であるユウに危機が迫った時、咄嗟にコスモリヴァルナの目の前に転移し、赤のビームを浄化の槍でかき消した。
「カリ・ユガ……?」
ユウが心配そうにカリ・ユガに声をかける。メンタルが弱りに弱った為、先程まで震えていたであろう女神が今コスモリヴァルナの目の前に居るのだから。
『……』
否、今も震えている。流石に戦場故か近くに居ないと分からない程小さいが、メンタル面が解決した訳では無いようだ。
「……大丈夫なの?」
『怖いに、決まってるじゃないですか……!!』
カリ・ユガは少なくとも2人、この世界で自身を倒せる存在を把握している。
かたや神と同等のスペックを持つ重力の魔神。遥かに強い意志にて一刀両断する剣士だ。
『同時に、貴女を喪うことも怖いのです……!!』
自身が死ぬかもしれない。それが何よりも恐ろしく感じていたが、同時にユウが死ぬかもしれないということも同じ位恐ろしく感じているのだ。
もし、カリ・ユガが駆けつけていなければ、コスモリヴァルナは大破していただろう。撃墜は免れるにしろ、戦闘続行は不可能になっていただろう。力をほぼ使い果たしてエネルギーゲージが真っ赤だったのだから。
『確かに、最初は貴女を助け、鍛えたのは私の代理にする為でした』
ゆくゆくはカリ・ユガの代理にする。その為にユウの命を救った。
だからこそユウを鍛えたし、自身と融合する事でユガの力を早く馴染ませようとした。早い話がユウはカリ・ユガの身代わりなのだ。最初の内はそう思っていた。
無論、今では違うし、頭の中ではずっとそう思っている。が、口にしたのはこれが初めてだった。
ヤケクソという言葉が相応しいほど、今のカリ・ユガは次から次へとユウへの思いを吐き出していく。どれだけ大切か。どれだけ心地よかったかを。
たった1柱で宇宙の守護をしていたカリ・ユガ。機械のように淡々と業務をしていた。1度だけ怒りに身を任せて輝ける神を相手に戦ったことがあったが、それも1億2000万年以上前の話だ。それ以上の時を生きているカリ・ユガにとって、ユウとの暮らしはたった数年程度でしかないが、過ごしている濃度は比べ物にならないほど濃ゆかった。そもそも関わった人間がユウ位しかいなかったのだが。
『貴女のことが好きなんです!!貴女の作るご飯も、一緒に寝る時も、戦う時だって!!例えサティヤ・ユガに心の大半を持っていかれても、私の代理になれずとも、私の傍に居てくれればそれだけでいいのです!』
「いや待ってください!?さっきさらっととんでもない事言いませんでしたか!?」
グレイストークから放たれる赤いビームを、カリ・ユガは“神性の流出”で対処しながらユウへ念話で半ばヤケクソ気味に告白した。途中、どさくさに紛れてとんでもない事を口走ってしまい、思わずリリーがツッコミを入れた。
「……カリ・ユガ。融合の儀式を初めよう」
ユウは目を見開き、カリ・ユガに言った。
コスモリヴァルナのエネルギーは、あと1回ボラ・ボールやラヴィ・ライトを放てるかどうかと言ったところだ。
「儀式……?」
リリーの疑問にユウは答える。
カリ・ユガと1つになる為の儀式。融合が強制解除された今は、再度それを行う必要があると。ちなみに、始めてやった時は力のコントロールが上手く出来ず、カリ・ユガとのリンクがまだ繋がっていなかった等諸々の理由で長時間かかった物だ。
「ほぼゼロから始めたあの時とは違う。中身を極限まで簡略化して、恐らくかかる時間は3分」
今のユウはカリ・ユガの力を感じ取れる。また、融合している最中はカリ・ユガの力を直接流し込まれ、コスモリヴァルナに乗っている時も欠かさず力を使っていた。ユガの力を扱うのに身体を最適化していると言っても過言ではない。
戦いのド真ん中だが、コスモリヴァルナは一応ミサイルを撃てるし、双剣も使用可能だ。カリ・ユガも集中する必要があるが、炎のビームを吐き出す白蛇達はフリーであり、神性の流出……もとい、目からビームも儀式中でも問題なく撃てる。流石に神器や武具が使えないのが痛いが、カリ・ユガの真骨頂は遠距離戦だ。なんの問題も無い。最強のセコムである。それに加え、いざとなれば本家リヴァルナという最終手段があるのだ。
「張り切ってるとこ悪いが、ユウの出番は無いかもしれないぜ」
「俺達がアードラーの野郎を、その3分以内に倒すからな!」
「小僧共が……この儂を舐めるなよ!!叩きのめしてくれるわ!!」
ユウの言葉を聞いたマサキとリュウセイの発言に、アードラーは激昂し、残った部隊を出撃させる。
そして、マサキとリュウセイの宣言通り、アードラーのグレイストークは3分で沈められた。
ある程度進めたら徐々に自信ゲージがスリップダメージを食らう現象is何?
サティヤ・ユガはカリ・ユガと某混沌の女神の合作です。
ネオ桃山のバルベラ好きです。部位破壊がめんどくさかった思い出。百裂パンチとんが砲使わないだけでインパクト戦結構難しいんだよね。初見何回やられたことか……。