破壊と輪廻の巫女   作:シュオウ・麗翅

69 / 76
ワイより上手い人誰か書いて(挨拶)タスケテ……タスケテ……

分からない。俺は雰囲気だけでこのSSを書いている……。
書きたいところまでは頑張りたい。

そういや鋼龍戦隊って名称いつ採用されたんだっけ?(今更)


サティヤ・ユガ再び

アードラー一派を撃破した事により、長かったDCとの戦争が遂に終結した。

加勢に来たゼンガーは再度仲間になる事を誘われるも、「使命を果すためとはいえ、犯した罪は重すぎる。今更連邦には戻れない」と断った。

結果的にとはいえグルンガスト零式を持ち出して連邦軍を裏切り、DCに加担し、ヒリュウ隊を相手に刃を突き立てた。その事に対してのケジメだろうか。

とはいえ、ヒリュウ隊やハガネ隊の面々は気にしている様子はない。自分達を強くする為……ひいては地球を守る為だった事が判明したからだ。特にATXチームは戻ってくるのを歓迎していた。

 

もし、これから先互いが生きていれば……進む道が同じならば、いずれまた会うこともあるだろう。自分たちの信じる道を行け。そう言い残して去っていった。 次に会う時は恐らく、エルザムも一緒だろう。

 

医務室では目を覚ましたシャイン・ハウゼンと長く一緒にいたラトゥーニ達やライと談笑しており、格納庫では鹵獲したヴァルシオンを、イングラム先導の元改修している。敵に渡る位なら自分達で使おうというスタンスのようだ。ちなみに、リヴァルシオンに改造するという交渉はあえなく撃沈した。

 

『復興作業ですか……』

 

「それが終わるまで基地で待機だってさ」

 

アードラー一派に侵攻された連邦軍本部、ジュネーブ基地。両手でユウを抱え、シュクラ・メイス産のかき氷を食べながらカリ・ユガは散策していた。

不幸中の幸いとも言うべきか。DCが侵攻していたのはあくまでも本部……つまりは基地であり、街の方の被害はそこまで酷い被害は無かったようだ。

 

「復興が終わるまでの防衛……カリ・ユガがいるから心配いらないのに」

 

「いえ、貴女の力を使うのは、あの2つの部隊がやられてから……最終手段にした方がいいでしょう」

 

『つまりは保険……という事ですか。構いません。元の世界でも、私の役目はソレでしたから』

 

「……ユウで顔を隠しながら言う事では無いでしょう」

 

自身の顔の位置までユウを持ち上げながら言う姿はどうにも絞まらない。眉間を指で抑えながらどうしたものかと思考を巡らせる。

カリ・ユガのメンタルは巫女であるユウと融合した事である程度改善されたようだが、完全回復にはまだ程遠いようだ。

女神と巫女。字面を見れば神聖な雰囲気を想像できるが、リリーの目の前にいるのは見た目通りの少女と背の高いだけの少女にしか見えない。精神的に打たれ弱い分、女神の方が幼いかもしれない。ビッグシスター(妹)

 

「ところで、コスモリヴァルナのあの武装は私でも扱えるのですか?」

 

コスモリヴァルナはコスモリオンを改造して可能な限りリヴァルナに近づけた機体である。

本家のリヴァルナに比べれば劣化版もいい所だが、コスモリオンとは比較にならないほどに性能がアップしている。ユウの実力の120%を引き出せたのならば、アードラーのヴァルシオンが相手でも余裕を持って戦えたはずだ。

バリエーション豊かな属性を纏った武器の数々。それを使う事が出来れば、それだけ選択肢が増える。リリーの戦い方ならば支援が中心になるだろう。

 

『ーーーそれは』

 

カリ・ユガは口ごもった。最初の出会いは最悪だったが、今ではそれなりに仲間意識が芽生えている。

コスモリヴァルナを2人乗りにしたのは人間と神と神僕による三位一体の試作……はオマケであり、本命は〝監視〟だ。

ユウの実力ならば問題なく鎮圧出来るし、コスモリヴァルナもリヴァルナ同様カリ・ユガの神僕。故に中も外も監視は容易だった。

仮にユウが不意を撃たれ、反応出来なかったとしてもカリ・ユガが〝神罰〟を放てば1発で終わる。それ以前に、カリ・ユガにとって人間は警戒対象である。リュウセイのリヴァルナに対しての興奮を見て影で自慢気なドヤ顔なんてしていないのだ。うちの子凄いでしょ!

 

そんなカリ・ユガの疑いの目とは裏腹に、リリーは全力でユウをサポートしていたし、コスモリヴァルナのスペックが限界以上に引き出されていた。

サティヤ・ユガ戦ではユウを奮起させていたし、アードラー一派の戦いでも、ユウの指示通りシャインのヴァルシオンの分析をしながらサブパイロットの役割を果たしていた。

 

故にカリ・ユガは迷っていた。リヴァルナの武装を使う為には、ユガの力を使えるようにする必要がある。そして、1番手っ取り早く使えるようにする方法は、カリ・ユガの使徒にする事だが、如何せんデメリットが大きすぎる。ユウをカリ・ユガの代理にする為に与えた特別製とは遥かに違うのだ。それを伝えるべきかどうかを。

 

『不可能です。貴女にはユガの力を扱うだけの力も資格もありません』

 

ふと、後ろから女性の声が聞こえてきた。聞き覚えのあるその声に、カリ・ユガは振り向いて口を開く。

 

『サティヤ・ユガ……!』

 

『ええ。カリ・ユガ様。私は貴女が生み出した神僕にして分身。4つのユガの一つ、成劫のサティヤ・ユガです』

 

カリ・ユガの獅子の兜と青白い鎧とは違う、山羊の兜と赤黒の鎧を身にまとった桜色の髪の女性。

大剣を背負い、腰には連結させた双剣を携えている。人間サイズとなっている彼女の身長はユウより一回り大きい程だ。

 

「……ッ!!」

 

ユウは思いっきり目を見開き、カリ・ユガの腕から飛び出した。

サティヤ・ユガはあの時、自分だけではなくカリ・ユガも攻撃対象に含まれていた。しかも、カリ・ユガが現れた瞬間、ターゲットをすぐさま変更し、あまつさえ執拗に攻撃をしていたのだから。

 

『ユウ……ッ!』

 

カリ・ユガはあくまでも抱いていただけであったが故に、ユウはいとも簡単に飛び出した。思わずカリ・ユガは心配するように声を上げる。

 

「サティヤ・ユガ……カリ・ユガに手出しはさせない……!」

 

『半分……いえ、4分の1といったところですか』

 

「……?」

 

ユウは走りながら双剣を抜き、サティヤ・ユガへと斬りかかる。その姿を見たカリ・ユガはすぐさま認識阻害の結界を。周囲が破壊されないよう強化神術をこの地にかけていく。

 

「……!!」

 

『それが全力ですか?』

 

だが、その一撃は悪魔の翼のような造形をした大剣によって防がれてしまった。

 

『私は〝サティヤ〟。そして貴女は〝ヴァルナ〟……仮に〝アーディヤ〟に至っていたとしても、私との実力差は明白です』

 

ユウの生身での実力は、この世界に来た時は巨大7色リヴァルナ級。ギリギリで虹リヴァルナに届かどうか……と言ったところだろうか。

あの時、サティヤ・ユガと渡り合えたのは彼女が寝起きのような状態だった事と、〝コスモリヴァルナ〟の性能を限界以上に引き出していた事。そして、この世界に来てユウの実力が上昇した事もある。最凶と最硬を相手に戦った事が大きかったのだろう。

あの時のユウの力は〝ミトラ〟……巨大虹リヴァルナ級と言ってよかった。気力MAXだった事もあっただろう。だからこそ渡り合えた。

そう。コスモリヴァルナに搭乗し、かつスペックを限界以上に引き出せば巨大虹リヴァルナ相手にいい勝負ができる。それが今のユウの実力だ。

 

『それに……』

 

今は違う。コスモリヴァルナという鎧は無く、カリ・ユガと再融合したとはいえ、今は分離状態だ。たとえ生身の実力が虹リヴァルナ級だったとしても、サティヤ・ユガとの力の差は大きい。相手はカリ・ユガの4分の1の力を持つ生誕の女神なのだから。

サティヤ・ユガは大剣を振り上げると、双剣ごとユウは弾かれた。

 

「……ッ!」

 

流石に空中に投げ出されるような事は無かったものの、大きくバランスを崩してしまった。

 

『貴女に剣を教えた男を、忘れてはいませんよね?』

 

「くっ……!!」

 

サティヤ・ユガはユウに埋め込まれていたカリ・ユガの分身。戦闘上での役割はユウの鎧であり、新たなカリ・ユガの鎧である。

サティヤ・ユガの近接戦闘は、埋め込まれた対象であるユウのデータが活かされている。それに加え、ユウに近接戦闘を教えた〝女神の誓約者〟のデータもだ。カリ・ユガが知っている中で数少ない近接戦闘が出来る知り合いである。尚、ゼンガーの方は参考に出来なかった。ユウと戦ってないし……。

ユウには重くて扱いきれなかった身の丈以上もある大剣を、サティヤ・ユガは容易く扱っている。

 

『はぁっ!!』

 

大剣を軽く振るうだけで、とてつもない風圧が襲う。カリ・ユガはビクともしていないが、その余波だけでリリーは立つだけで精一杯だ。

 

「……!!」

 

吹き荒れる暴風をモロに受けているユウは、咄嗟に双剣を連結させて高く跳躍する。

 

「シュクラ・メイス・ヴィジャール・ランス……!」

 

そして選択したのは、サティヤ・ユガが現れる前のヴァルシオン戦で使用した氷の槍だ。シュクラ・メイスを応用し、浄化の槍を可能な限り氷で再現した代物である。

最も、浄化の槍は勿論の事カリ・ユガの剣と比較しても氷の槍の方が貧弱なのは間違いない。が、本家のシュクラ・メイスと比べると圧倒的に破壊力があるのだ。

 

『こんな場所で最大火力……以前の貴女なら絶対にしない行動ですね』

「氷塊浄刀槍……!!」

 

更に、ユウのジャベリンと同化する事で更に威力は増加する。

ユウの小さな身長に見合わない程に、大きな氷の槍をサティヤ・ユガに向かってぶん投げた。

巨大すぎる氷の槍は取り回しがすこぶる悪いが、投げるだけならば問題は無い。これが今のユウが出来る最大火力である。

 

『……最も、貴女をカタチ作っているモノを私が多く所有しているのでそれも当然ですが』

 

迫り来る巨大な氷槍。例えるならば、倒壊した巨大な建物が直撃するようなもの。サティヤ・ユガは現在人間サイズなのが拍車をかけている。

にもかかわらず、当の本人の表情は涼しげだ。

 

『再生の後に生誕あり。荒ぶる炎、聖なる光で洗い清めよ……』

 

大剣の切っ先を氷の槍に向け、炎のエネルギーを溜めていく。

 

『これが攻撃というものです。〝蒼聖の炎魂〟』

 

エネルギーが集まり、出来上がったのは蒼白い炎の球。大剣を氷の大槍に向かって指示するように振るうと、作業用ポッド程の大きさである火球は真っ直ぐ向かっていく。

 

そして、炎と氷がぶつかった瞬間、大爆発を起こした。

 

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」

 

巨大な氷の槍と蒼白い炎の球の衝突で起きた大爆発。街1つ軽く消し飛ばせる程となったソレは、副産物として発生した爆風も凄まじかった。

爆風によって壁に思いっきり背中を打ち付けたユウは、よろよろと立ち上がる。巫女服とカリ・ユガの鎧を組み合わせたような衣装も、燃え跡や破けが目立っている。

力の大半使った上、決して少なくないダメージを負った。対して相手は無傷だ。

 

『何故……?ユウ、貴女らしくない……』

 

以前のユウならば、戦いの状況になったのならば場所を移動するはずだ。そうでないにしろ、自分に被害が出ないように頼む筈である。相手が強すぎるのならば尚のこと。融合していた時は、浄化の槍や大規模攻撃による地球の被害を問題視しており、度々自身に注意していたのだから。

しかし今回はいきなりサティヤ・ユガに斬りかかった上、なんの躊躇いもなくあのような破壊力が高い大技を繰り出した。それに違和感を覚えたのだ。咄嗟にカリ・ユガが周囲に強化神術を施さなければあたり一面が焼け野原……否、消し飛んでいただろう。

 

『人の心は混沌そのもの。定まったカタチを持たず、決して理解されない』

 

「今の状況となんの因果が……?」

 

暴風が収まり、安定して立てるようになったリリーが疑問を投げかける。

たしかに、人の心とはサティヤ・ユガの言う通りぐちゃぐちゃに混じりあって区別がつかない程に分からないもの。故に矛盾の塊とも言えよう。

だが、今の状況とは全然関係ない。戦闘中なのに何故人の心の話になるのか。そんな疑問に、サティヤ・ユガは気にも止めず続きを話していく。

『そして私は神僕でありながら混沌を持つ者。それがあの人間の中に居たのです。カリ・ユガ様ならこの意味、分かりますよね?』

 

『貴女とユウの心が混ざりあった、という事ですか……』

 

サティヤ・ユガの使命は2つ。1つはユウが受ける〝成劫の試練〟の番人となる事。もう1つはカリ・ユガの代理だ。

最終的にはカリ・ユガの承認が必要となるものの、サティヤ・ユガもまた同じ権限を有している。

 

『ええ。あの頃の貴女はそこの人間を治療するついでに作り替え、自らの代理として鍛え上げた。偶然〝不可視の世界〟に転移できた奇跡も利用して』

 

ユウを鍛えようとは思ったが、自身の戦法は遠距離殲滅戦及び物量戦である。近接戦闘はできなくは無いが、圧倒的なパワーによるゴリ押ししか出来ない。

故に、破壊の女神は混沌の女神に頼んだ。ユウに剣を教える事と、万が一の保険として制作する神僕に心を与える事を。当時の人間信じないモード真っ只中のカリ・ユガは、生き残る手を可能な限り打っていたのである。

万が一。今でこそ考えられないが、万が一ユウが自身を裏切った時の保険がサティヤ・ユガだ。

カリ・ユガが唯一人間の事で知っている事は、人間は自分を……つまりは神を超える可能性があるということ。だから唯一人間の心を作れる混沌の女神に仕上げを頼んだ。材料は女神でも制御しきれずに封印するしか無かった巨大な混沌だ。ちなみにカリ・ユガ本人も手伝った。

『そう。人間と神の力、2つの力を持つ私こそがそこにいる巫女よりも…… 否、貴女よりも宇宙の守護女神に相応しいのですよ』

 

サティヤ・ユガはニヤリと笑みを浮かべ、カリ・ユガを見据える。

神でありながら人の力も取り込む。それがカリ・ユガの考える最強の強化方法だ。それをサティヤ・ユガは実践している。

 

『……サティヤ・ユガ。今すぐユウの〝混沌〟を返し、改めて成劫の試練を再開しなさい』

 

「待ってください。貴女達が言っていることが正しいのであれば、混ざりあった心を2つに分けることが出来るとでも言うのですか?」

 

『不可能です。1度混ざりあったコーヒーとミルクを分けることは出来ないように、2つに混ざりあった混沌も分けることは出来ません。女神2柱がかりでなんとかできた物を使用したのですから尚のこと』

 

『ならば、貴女をユウに再び宿らせた後、私が成劫の試練を担当すれば済む話。貴女と私のスペックには大きな差があります。大人しくお縄につきなさい』

 

カリ・ユガとサティヤ・ユガのスペック差は大きい。

幾ら人間の力を取り込んだとはいえ、スペックはカリ・ユガの4分の1。戦法次第では戦いは成立するだろうが、それでもカリ・ユガの方が圧倒するのは目に見えている。

 

『お忘れですか?私はあと2回、ユガの解放が可能な事を。真の力は壊劫……即ち、〝ドバーパラ・ユガ〟なのですよ』

 

『……!!』

 

瞬間、サティヤ・ユガの身体が眩しい光に包まれた。




サティヤ・ユガ(人間サイズ)→身長:155cm

リヴァルナの顔でクソコラみたいにするのを思いついてしまった……(´・ω・`)

善意100%はある意味怖い。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。