【転生だと?】狭間の地へ逝こう【地獄では?】   作:テムテムLvMAX

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今回は掲示板無し


三話

 今日こそツリーガードぶっ殺す!!! 

 

 通算成績51敗0勝というクソレートは今更気にせずそれだけ実力に開きがあったのだと客観視して、今は置いておく。

 大事なのは奴をぶっ倒すこと、葦名チワワパイセンの戦灰を自分の打刀に装備して更に消費が重い戦灰なので思い切って回復アイテムである『聖杯瓶』は手持ちを全て魔力回復に割り振ってある、オマケに身軽さの確保のために上半身に防具は身に着けていない。

 

 無謀じゃないぞ、これは俺なりの最適解だ、ツリーガードは重量のあるハルバードを軽々と振るい馬と連携して襲い掛かる強敵だ。つまり守るよりも避けることを意識すれば良いのだ。

 

 と言うかここまでしたんだからもうそろそろ倒したいんだが? 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 多少の草木が生えた坂道、大して長くない高くもないその坂に黄金の鎧を纏う騎馬兵が自慢の大盾とハルバードを構えぐるぐると徘徊している。その名はツリーガード、おそらくは褪せ人を殺すために配備されているだろう彼はその役目を果たすべく目を光らせている。

 

 そして最近現れるようになった一人の褪せ人をいつも通り見つけた、今までよりも軽装だが関係ない。あちらよりも機動力、破壊力、判断力に優れたツリーガードは油断せず羽虫のように叩き潰すのだ。

 

 見つけた褪せ人は坂道の下にたっているだけで何もしてこない、なるほどこちらの出方を伺っているのだろう、だが無駄だ。そう言うかのように馬を走らせ重さと速度を兼ね備えたハルバードの、威力はもちろん動きにも気を回しフェイントの動きも織り交ぜてその褪せ人を斬り伏せる。が……

 

 

「ん? 狼狽えたな……ツリーガード、意外か? 攻撃を弾かれたことが?」

 

 

 弾き──そう呼ばれる技術がある。それそのものは特別な技術ではないが弾くまでの刹那の集中力と動きに対する力の流れ方を読み切らなければならない。

 この難易度の高い技を褪せ人は戦灰『隻狼』によるモーショントレースによりこれを可能にしている、本家本元よりも劣化はしているようだが、だとしても狭間の地にはない技あることには変わりない。現にツリーガードは振り下ろしたはずのハルバードが褪せ人ではなく地面に突き刺さっている事実に困惑を見せた。

 

 だがツリーガードとて並みの騎馬兵ではない、黄金樹に誓って、彼は猛進する。

 褪せ人はもう幾度となく見てきた動きに落ち着いて対応し打刀を構え弾きまくる、ガンガンキンキンとテンポの良い金属音が響きツリーガードの攻撃が褪せ人に届かない。しかし一撃貰えば終わりの褪せ人にしてみれば今の状態は綱渡りと同じだった。

 

 

「来るかっ! イチ、ニ、サン! 避けて、からの……ここ弾き、回避絡めてもう一回弾き!」

 

 

 何と言うことだ、ツリーガードの馬との連携を軽々いなしていく褪せ人に言葉を発さないはずの彼でさえ怒りの言葉が溢れ出そうになっていた。

 ここまでの連撃を戦灰『隻狼』で躱すも魔力が底をついた褪せ人は青色の聖杯瓶を飲み干してさらなる攻撃に備える。

 綱渡り的なミスできない緊張感を切らすことなくツリーガードを見据え己の得物と戦灰を信じて迎え撃つ。

 

 

「来いよ、攻めてこい、今回はお前がチャレンジャーだぜツリーガードさんよぉ!」

 

 

 今まで攻める側だった褪せ人はツリーガードに挑発する、挑まれる側から挑む側へ、ツリーガードはそれだけで褪せ人への怒りを高めていた。

 意思疎通出来ていなくとも相手が己を煽っていることが理解った、ならばそんな煽りを経験して来なかったツリーガードは感情の赴くまま褪せ人を叩き潰さなければならないのだと馬に指示し飛び上がる、大盾を構え文字通りに叩き潰す為に褪せ人目掛けて落下する。

 

 

「その隙を待っていたぁ……!」

 

 

 攻撃が届くまでの僅かな時間、この勝負は褪せ人へ傾いた。

 飛び上がるツリーガードに合わせて褪せ人も飛び上がり、まずは馬を空中忍殺していく。更に馬を踏み台にもう一回飛び上がりツリーガードの頭上を取る。

 ここまでの忍びの技は戦灰だけではなく隻狼と共に訓練した褪せ人の経験も合わさって高い精度で繰り出されている、それこそツリーガードが対処できないほどに。

 

 

「敗因は飛び上がったことだ! 死ねやツリーガードォォォ!」

 

 

 馬を殺され着地が疎かになっているツリーガードは大きく姿勢を崩し完全な無防備状態、その姿勢から降ってくる褪せ人へ迎撃を試みようとしているが時すでに遅し、鎧の隙間に打刀の刃が滑り込み致命的なダメージを受けた。

 

 

「まだ動くのかっ! ……ぬぉぉっ、らぁ!!!」

 

 

 それでも動こうとするがダメ押しに打刀を深く突き込み力尽くで首を千切り飛ばせば、ツリーガードは完全に沈黙するのだった。

 いくらタフだろうと首を切り裂かれてはどうしようもない、それが不死であれ怪物であれ急所を点かれて無事なものはいない。

 

 

「勝負あり……やっと勝てた……」

 

 

 ツリーガード、黄金樹を守る者は褪せ人に敗れたり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





本日のキャラ紹介


ツリーガード∶狭間の地で一番最初に出会うボス(野良)
騎馬兵であり馬ともども黄金の鎧で身を固めハルバードを振り回す高機動重装甲高火力の初心者殺し。



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