・アクア「見のやり場に困る…」
・アイ 「家族の為にもっと頑張らないと!」
・ルビー「男共からアイを守らないと!」
・ヒカル「(ルビーのせいで)アイとイチャイチャできない…」
死んだと思ったら別の人物に生まれ変わっていた。みんなはこんな事信じるだろうか。俺は信じない。いや、信じていなかったのだが…
「おなかへった?おっぱいのむ?」
ブンブン‼
「えっいやなの?」
ゴッキュゴキュ
「アクアは哺乳瓶が好きだねー」
俺は今、「アクア」という名の赤ちゃんに転生している。しかも推しのアイドルの子どもにだ!まあ、正しくは「
普通に考えれば天国のような生活なのだが、先程の様な倫理的に不味いと思うようなこともあり、元大人かつファンとして一線を超えないように日々格闘している。
元々俺は宮崎県北部の病院で産婦人科医として働いていた。名前も雨宮吾郎という名前だった。そんな最中、そこにアイドルの星野アイがやってきたのだ。しかも妊婦となって…
俺はある影響でアイを推す様になり、その直前に活動休止となった際には、仕事に影響する程落ち込んでいた。何があったのかとても気になっていたが、まさか妊娠しているとは思わなかった。
結局俺が彼女の担当となり、それなりに関係を築いたものの、傷は癒えることはなかった。そして出産予定日の前日、しこたま酒を飲み、酔を覚まそうと外に出て夜風に当たっていたら崖に気づかず、そのまま転落して死亡してしまった。再び気が付いたらアイの子に転生していた、というわけだ。
そんな事情を知らない為、アイは俺を赤ちゃんとして接している。まあ、母親としは若干抜けてる部分が気になるが…
「おぎゃー!おぎゃー!」
俺が哺乳瓶の飲んでいるともう一人の赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた。
「はいはい、またおっばい?」
アイはその赤ちゃんを抱えると、おっばいをを飲ませた。飲み終わるとこっちを向き、満足そうにニヤッと笑って挑発した。
(こ、こいつ!)
「本当にアクアは好き嫌いが多いなぁ」
後ろからそう聞こえると俺はポンと頭に手を置かれた。
「全く、そんなんじゃあ大きくなれないぞぉ」
(知ったことか…)
俺は心の中で悪態をついた。第一、
その男は視線を俺からアイの方へ移すと、そっちに向かった。
「それに比べてルビーはいい子だなー ほら」
こっちおいでと言わんばかりに両手を広げたが、赤ちゃんの方はプイッと顔を背け、逃げてしまった。
「あーあ残念」
アイは男にそう言った。
「はぁ…また駄目かー もしかして嫌われてんのかな?」
「そんなことないよ。きっとまだパパと認識してないだけじゃない?」
「そうか…そうなのかもな」
男はそう言って、納得しようとしていた。そしてアイの手を取った。
「ありがとう、こんな事言ってくれるのアイだけだよ!」
「そんな、大袈裟だって」
アイは少し困っているようだったが、男の方はそれでもまだ感謝しているようだった。すると男は下を見て表情を変え、何かを確認するように俺の方見た。
(な、なんだ!)
俺は少し身構えたが、特に何かするでも言うでも無く、男は再びアイの方を見た。
「じゃあ、アクアが飲まないなら僕がいただこっかなー♪」
「ちょっ!子どもの前で何言ってるの!?」
「大丈夫だって、何してるかなんてこの子たちにはわかんないよ」
「で、でも…」
(あーあ、また始まったよ…)
俺はそろりそろりと、その場を立ち去ろうとした。まだ立てないけど。二人共若いからか、時々こういう甘い雰囲気になる時がある。そうなる度にこっちが恥ずかしくなるので、毎回離れようとするのだ。
アイの方はというと、恥ずかしながらも全力で拒否している感じでは無かった。
「じゃあ、いただきまーす」
男がそう言うと、アイの◯◯に吸い付こうとした。すると、
「フン‼‼」
横からもう一人の赤ちゃんが飛んできて、男の顔にドロップキックをかました。
「ぐぁっ!!」
男はそれをまともに受けて倒れ込んだが、まだ納得していないのか、赤ちゃんは髪を引っ張る、引っ掻く、グーパンチなど、ありとあらゆる攻撃を加えていた。
「ちょっとルビー!何してるの‼」
アイはそれを見て止めよしていたが、俺は心の中でアイツに「ナイス!」と言って感謝した。
アイは必死に引き剥がそうとするが、中々引き剥がせず、苦戦していた。
「もう、なんなのよ〜」
これを見たファンはどう思うだろうか。とても人気アイドルには見えず、育児に手を焼いている若い母親にしか見えないだろな。
(やれやれ…)
俺は近くにあったリモコンを手に取ると、ボタンを押してテレビをつけた。するとちょうどアイが所属しているアイドルグループ「B小町」が映っていた。必死に抵抗していた赤ちゃんもテレビに映ったアイを観ると、そっちに移動し、食い入る様に視ていた。
アイは急に力が抜けたかのように座り込み、俺の方を見た。
「ありがとーアクアー」
やや力のない声でそう言うと俺の頭を撫でた。自然と俺の表情も緩む。
(いや、喜んでないぞ!)
誰に言ったわけでもないが、取り敢えず否定しておく。
俺はテレビに夢中になっている赤ちゃんに近づいた。
「お前さぁ、ちょっとは遠慮しろよな」
「なんで?」
ちなみに、この赤ちゃんも俺と同じで赤子ながら喋ることができる。
「娘の私がママのおっぱい吸うのは自然の摂理なんですけど。与えられた当然の権利なんですけど」
さも当たり前の様に悪びれる様子もなく言った。
「ママも可哀想…自分の子が自分のオタとかマジキモい… あー私が一生守ろぉ…」
「絶対お前の方がキモいよ」
俺のツッコミもコイツには届かなかった。元の性別も女というだけで、倫理的にはアウトだろうと俺は思った。
「それにさぁ、俺も言いたくないけど…あの〜男。一応俺達の父親なんだからさぁ、あんまり乱暴な事は」
「それ以上言ったら、アンタもああなるわよ」
言い終わる前に俺の方を睨みつけ、白目を剥いて倒れている男の方を指さして言った。
「いや、冗談はやめ」
「冗談じゃないから。それにアイツのこと父親だなんて二度とほざかないで」
そう言って俺に釘を差してきた。
「いや、認めたくないのはわかるが、これはどうしょうもない事実だし…」
「アイは処女受胎したに決まってるでしょ。男なんてなから存在してない」
俺はそれを聞いて何も言えなくなった。なんだか妙な結論に至ってて、ヤバいと感じたからだ。赤ちゃんは再びアイが映っているテレビの方へと戻った。
ちなみにこの「ルビー」と呼ばれていた赤ちゃんは、俺の双子の妹であり、本名は「星野瑠美衣」。俺と同じく前世の記憶を持っている。そして、これまた同じくアイのファンであり、俺以上にこの赤ちゃんライフを満喫していた。それに加え、夜になり、アイが寝ていると、SNSでアイアンチと壮絶なリプ合戦をくりひろげ、汚い言葉で罵倒している。
あと、さっきルビーにリンチされ、白目を剥いている男は俺達の父親で、名前は「ヒカル」だ。このヒカルを特にルビーは嫌っていて、アイといちゃつこうとすると、必ずと言っていいほどボコボコにされる。まあ、そんなに悪い人ではなさそうなのだが、とにかくウザいのだ。
説明はそれくらいにして、まあそんな俺、アイ、ルビー、そして
みんな嫌いなカミキヒカル君をキャラ崩壊させてみました。こうすれば少しは好きに…いや、ならねーな