卑面のセスタ   作:珱瑠 耀

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続いた。

説明が多い。
ゆっくり読んで良いからね。


せや、アビドス曇らせたろ! 3

五条悟の瞳は「六眼」という特殊な眼である。

 

その瞳は呪術廻戦内で「呪力の視認」「呪力操作の精密な補助」「呪力、術式の解析」という無下限術式を行使する上で必須級の要素が詰まった特異体質だ。

 

しかし裸眼では視認する情報量により疲労が溜まる為、今の私のように包帯などで目を覆わなければいけないのが欠点というべきか。

 

しゅるり、と包帯を外して向き合う。

 

透き通った水色と私の周囲……その中でも瞳を中心に揺らめくオーラが、それが()()であるという確信を強める。

 

そして極め付けは()()だ。

 

 ———天使の輪(ヘイロー)、ねぇ……

 

頭上に浮かぶほぼ透明な三集合ベン図。

 

ゲーム「ブルーアーカイブ」で登場キャラのほぼ全員が持つ、『神秘』の形。

 

私のヘイローに関しては、恐らく五条の領域である『無領空処』の発動時に彼が組む手印の『帝釈天印』。

 

その種子を簡易的な形にしたのだろう、恐らく。

 

色は……ブルアカも五条も澄んでるからじゃないか?知らないが。

 

しかしだ。

 

これはつまり、だ。

 

 

 ———ブルアカ×呪術廻戦のクロスオーバーとかなにやってくれてんの?

 

 

ということである。

 

そんなことをしてる間にも目から入ってくる情報は少しずつ増えてゆくので、さっさと包帯を装着すると。

 

 ———あれ、なんも見えない

 

なぜか今度は普通に目を塞いでしまっているではないか。

 

不審に思って左眼に触れれば、頭の中でゆらりと浮かぶ知識……これは恐らく、この瞳にある能力の仔細であるのだろう。

 

難しい言葉がつらつらと続くのでざっくり噛み砕けば、それは「自分の精神力を左眼に使うと『物質』を構築する事ができる」ということらしい。

 

五条の術式順転をキヴォトス(こちら)用に改良させたのだろうか。

 

ならば、と包帯を外して人差し指を掲げる。

 

 ———六眼とこの能力があるなら、多分可能なんでしょーね

 

脳内で記されたやり方に従って、自分の精神力のおよそ1%を左眼の能力———もうこの際だし『構築』と呼ぶことにする———へと焚べる。

 

構築するのは、呪術廻戦で五条悟がやっていた「-1個の林檎」……いや、この例え難しいな?

 

取り敢えず「虚無」と呼ばれるものを、解放せず指先に滞留させるように生成してみる。

 

そうして脳の端でほんの多少の疲労を感じたと思ったら、()()は既に成っていた。

 

 ———……色も効果も「蒼」(原作)標準なんだなぁ

 

指の先で小さく廻る青色の球体に押し込めた()()()

 

今は滞留させているが、これを炸裂させた結果はよく分かっている。

 

 

 

———術式順転「蒼」とは、「収束」を定義された無下限術式という「負」の力に呪力という「負」のエネルギーを合算させる事で起きる、一種の結果。

 

負+負=負という至極簡単な式をもとに、収束という力を負の力で強化する事で、その定義は強く大きくなる。

 

つまり、「強大な引き寄せ」という効果を生み出すのだ。

 

原作で五条悟は「0個ですらない、-1個の林檎」という解釈をしたが、これは「-1個という本来存在し得ない数値が実現されたことで、周囲の空間を吸収して-1個を0個にしようとする働き」の結果のことをそう例えたかったのかもしれないが……

 

 

 

まぁ、私にはよくわからないので取り敢えず割愛。

 

手をぎゅっと握ると同時に「術式の滞留を止めて消去する」と念じれば、青い爆弾は最初から無かったかのように霧散した。

 

ふむ、構築ね……と虚空を見つめて暫し。

 

 ———あっ、包帯があっても視界が開けてた理由ってまさか

 

とある事に気付いた私は、いそいそと包帯を巻く。

 

すると先程のような暗闇にまた戻るのだが、ここで『構築』を私の目蓋の裏に使用する。

 

糸電話のように包帯と目蓋の裏を繋ぎ、包帯の外側の景色を見せるように定義すれば。

 

 ———おぉ、見える!

 

六眼の情報量を抑えながらも視界を確保するという課題が、なんとここで解決してしまったのだ。

 

原作の五条は六眼が呪力を感知してくれる事を利用して呪力を視界の代わりとしていたが、私にとってそのやり方は『つまらない』以外の何ものでもない。

 

この透き通った世界をこの目で(正確にはそうではないが)見たいと思うのは、何もおかしいことではないだろう。

 

開けていた時にはその情報が煩わしかったが、目を閉じていれば制御にも集中しやすいし一石二鳥と言える。

 

それに伴って術式の発動範囲が半径5m以内に狭まったのは、まぁ当然だ。

 

目を開けていればかなり遠い範囲まで制御することもできるだろうが、生憎六眼の情報の波を捌いて術の制御なんて私にはそんな器用なことはできない。

 

だから、これでいいのだ。

 

 ———さて、確認事項はまだまだあるし

 

興奮を落ち着けて、私は再度鏡に向き合う。

 

先程の呆けた顔とは違い、何かが起こっても取り敢えずどうにかなれると分かった上での微笑みが、私の事をじっと見つめていた。

 

 

 

 

 




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