『さしすけ』ってなんだよ   作:Ex falso quodlibet

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プロ野球のレギュラーシーズンが終了したので初投稿です。


懐玉・玉折
#9 LOSER


———夢を、見た。

 

鮮明な青を見た。

それは幸福で満ち溢れていて。

けれど何処かに、苦悩と憧憬があった。

暗鈍な赤を見た。

それは憤怒で満ち溢れていて。

けれど何処かに、希望と後悔があった。

 

 

 

「この任務はオマエ達2人に行ってもらう」「まぁ大丈夫でしょ、俺達最強だし」「それじゃあアナタが家族だ」「中坊殺して3000万、おいしいなぁ」「お嬢様から何も奪うな」「どこが良いんだよ、こんなガキ」「めんそーれー!」「1年に務まる任務じゃない」「僕達が頑張らないわけにはいかないよ!!」「気にすんな、俺も苦手だ」「術式順転、出力最大———」「少し、勘が戻ったかな」「私はここまでです」「もっと皆と……一緒にいたい」「私達は最強なんだ」「五条悟は、俺が殺した」「そうかやはりオマエは、死ね」「親に恵まれたな」「正っ解っ!!」「あ゛ー?そうか?そうだな。そうかもなあ!!」「天上天下、唯我独尊」「虚式———」「自尊心(それ)は捨てたろ」「コイツら殺すか?」「意味ね。それ、本当に必要か?」

 

、ちょっと痩せた?大丈夫か?」

「ただの夏バテさ、大丈夫」

 

 

 

皆は知らない、呪霊の味

 

吐瀉物を処理した、雑巾を丸飲みしているような

 

 

 

あの日から、自分に言い聞かせている

 

私が見たものは何も珍しくない、周知の醜悪

 

知った上で私は、術師として人々を救う選択をしてきたはずだ

 

ブレるな

 

 

強者としての責任を果たせ

 

 

 

 

 

「———猿め…………」

 

 

 

目が、合った。

 

「っ!!」

 

逃げるようにして身を起こす。途端に任務を遂行した後のような疲労感が俺を襲った。息は途切れ途切れで、汗も大量にかいている。ふと時計を見ればまだ3時で、早朝と言うにも早すぎる時間だった。

 

(まだ4月だってのに、これは今年の夏が怖いな)

 

そんなことを思って、汗を流す為にシャワー室へと向かった。ギシギシと軋む廊下を歩きながら、俺は先程の夢について思案する。

 

「今のは、一体……」

 

ただの夢と言えばそれだけのこと。しかし、そうと切り捨てるには余りにも克明で、嫌に現実味があった。

 

「予知夢、ってこたぁねえよな」

 

五条だった。夜蛾先生だった。建人と雄だった。俺が戦った呪詛師だった。———夏油だった。

……アレが? 普段弱者を守らんとしている、あの人が?

あんな顔、俺は知らない。……夢の最後で、アイツと目が合った。人を殺す目をしていた。俺が見たものが単なる夢ではなく、何かこれから起きる事と関係があるのだとしたら。

 

「そりゃあ、流石にキツいぜ」




LOSER  米津玄師(2016)

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