とある一科生の活動録   作:雪人形

4 / 5
遅くなってしまいスミマセンm(__)m
最新話にございます


Act04

昼の一件から午後の授業とHRも終え、あとは帰るだけとなったのだが……

 

「司波さん、一緒に帰りませんか?」

 

「親睦を深めに、どこか喫茶店にでも寄ってお話しませんか!」

 

など、深雪の周りには1-Aの生徒がわらわらと集まってあの手この手で深雪と帰ろうと迫っている。流石にあの中に入って、深雪に『一緒に帰ろう』何てナンセンスなことは言えない。言ってしまえば、間違いなく深雪、ほのか、雫を除いた1-Aの生徒から敵視されてしまうのは免れないだろう。ただでさえ、昼の一件で目立つ行動をとってしまったのだ。これ以上のことは、勘弁してもらいたい。

 

「申し訳ありませんが、私はお兄様と帰るので……」

 

「そんなこと言わずにさ……ちょっとだけだから、ね?」

 

「ブッ!……」

 

ナンパまがいの台詞に思わず慶司は吹き出してしまった。しかも、それを言っているのが男子生徒ではなく女子生徒と言うのがまた、何とも言えない。しかし、それがいけなかった。思わずナンパまがいの発言を聞いたときに深雪の方を見てしまったのだ。ついでに言えば運悪く目も合ってしまった

 

「………(助けてください、慶司君)」

 

「ぐ……」

 

ウルウルとしかし、どこか力強い目で必死に伝えようとしている。勿論状況が状況だから彼女が言わんとしていることが手に取るように分かるのが殊更彼女の様子に拍車をかけているような気がする。同じ女子の方が自然だろうと言うように前の席……雫の方を指差すと同時にその方向を見てみると……

 

「……ぐっ(慶司に任せた)」

 

「おい、ちょっとコッチ来いやそこの半目女子」

 

丸投げしてきた雫に思わず、表情が引き吊りコッチに呼ぶ。はぁ、とため息を吐いて雫はトコトコと慶司のもとにやって来る。オプションとしてほのかもついてきたが。

 

「あのな、俺よりもお前らの方が同性だし帰り誘うの自然だろ?」

 

「アレに突っ込む勇気がない」

 

「俺だって突撃かましたくねーよ!」

 

「分かった、深雪は私が連れて行くから、深雪の席まで頑張って……壁役」

 

「おう、任せとけ……ってなると思うか?てか、壁役ってなんだよ壁役って」

 

グリグリ……

 

「痛い……」

 

こめかみに手を当てて、グリグリして開放すると、雫はこめかみをお押さえて少し涙目になりながら訴える。仮でも無く美少女の雫にそんな顔をされれば、心に来るものがあるが、面と向かっては絶対に言わない。

 

「…………仕方ない、ケーキ奢りで手を打つ」

 

「へいへい、わーったよ」

 

「ん。じゃ、行ってくる」

 

またケーキを奢ることになってしまった。あの深雪を囲む集団に突貫するよりは余程マシだと判断して約束したが……………慶司は内心今月厳しいかも、と少し顔色を悪くしながら思った。

 

 

 

 

 

 

 

結果から言えば、雫は無事深雪を回収することに成功した。あの集団に突貫しただけあって制服は少し乱れていたが、それも深雪が治してくれて、いま一緒に帰っている最中なのだが……………

 

「ねえ、やっぱり何処かに寄らない?司波さん」

 

「えっと、ですから…………」

 

「そんなこと言わないでさ、ほらいいじゃん。ね?」

 

慶司達のあとをぞろぞろついて来ているのだ。しかも、諦め悪く未だに一緒に帰ろうとあの手この手で誘っている。諦めが悪いとも往生際が悪いとも言える彼らに思わず、慶司たちはため息をつく。いくら仲良くなりたいからと言って相手の言葉をろくに聞きもせず、自分の欲求だけを通そうとするその様は見ていて不快だと言うように慶司の眉は中央に向かって寄っていく。

 

「……深雪?」

 

「!お兄様っ……申し訳ございませんが、私はお兄様と帰らせていただきますので……」

 

「「ええーっ!?」」

 

そりゃないよ、と言うように口を揃えて異を唱える。それは、人気故なのかもしれないが、此処まで行動が行き過ぎると人気なのも問題だなと思う。それは、雫たちも同様のようで彼らに対して呆れの表情が入っていた。

 

「ちょっと、別に帰り誘うのはいいけど…深雪のことも考えたら?自分たちの事ばっかり考えてないでさ」

 

「なんだと?二科生如きが僕たちに意見するのか?」

 

「二科生、二科生ってそれしか言うことできないわけ?もっと、ボキャブラリ増やしたらどうなの?」

 

挑発するように言う二科の女子生徒。そこまで言われてしまえば、当然プライドの高い一科生は黙っていないわけで……

 

「二科生風情がいい気になるなよ?お情けで此処に入学させてもらった分際で……」

 

「……っ、入学したばかりなのにどれだけ差があるというんですかっ!」

 

まさに売り言葉に買い言葉。一触即発な雰囲気に思わず慶司は頭を抱えたくなっていた。大目に見ても悪いのは一科生側だが、二科生も二科生で煽るような発言をしてるのでその実あまり変わりはないように思えてきた。それより、問題なのは……

 

「あのアホ……食堂で言ったこともう忘れたのか?何処で風紀委員が目を光らせてんのか分かんねえのによぅ」

 

暗にあまり悪い意味で目立つなと言ったつもりだったのだが、どうにも食堂だけのこととして森崎は受け止めてしまっていたようだ。額面通りにしか受け取ってくれていなかったことに対して、今更だが少し後悔する。今度からは直接ちゃんと言おうと胸に刻みながら。

 

「ど、どどどうしよう雫!?」

 

「ほのか、まずは落ち着く」

 

「う、うん……で、でもこのままじゃ不味いよね」

 

「ん。多分、このままじゃ止まらないかも……二科生の人たちもあそこまで言われたら黙っていられないだろうし」

 

「それって、かなり不味いんじゃ……」

 

ほのかの懸念にコクリと頷く雫。確かに、今の雰囲気のままで行ってしまえば、衝突は避けられないのは必至だろう。最悪、魔法の打ち合いになってしまうかもしれない。そうすれば、みんな仲良く風紀委員に捕まることになる。その事がほのかの頭の中をぐるぐる回ってまた、パニックになりそうになっているところ

 

「だったら、止めるしかねーだろ」

 

「慶司君?」

 

「出来るか分かんねーけどな。けど、みんな仲良くしょっ引かれるよりは断然いいだろ。てか、俺しょっぴかれたくねーし」

 

割と真剣な表情でそう言う慶司に思わず、パニックになりかけていた状態から平静に戻っていた。何処か焦っていた雫もいつもの様子に戻っている。

 

「(もしかして、落ち着かせるために冗談を言ってくれたのかな?)」

 

そうだったらありがたいと思うほのかだが、残念ながら彼が言ったのは冗談でも何でもなくただの本音。それが冗談のように聞こえてしまったというのなら慶司の言い回しが悪かったのだろう。

 

「でも、止めるって言ってもどうやって止めるの?」

 

「一応、策ならあんだが……これには、どうしてもほのかの協力が必要だな」

 

「ほのかの?」

 

「ああ。まぁ、その理由は作戦を聞けば分かっから少し耳を貸してくれ」

 

近くに寄ってきた二人に対してごにょごにょと作戦を伝える慶司。作戦を聞いた二人は最初は目を丸めて驚いていたが、納得するように頷いた。

 

「作戦……っていうよりも、ほのかに頼むってのが近いな。」

 

「だね。でも、それがいいかも……ほのか大丈夫?」

 

「う、うん!大丈夫、やってみる」

 

少し緊張気味に頷いているほのかだが、それをフォローするのは雫の役目だろう。そう思い、慶司は雫に視線をやると、「わかってる」と言いたげに視線を返してきた。なら、心配はいらないと思った慶司は『自分の役割』に集中することにした。

 

慶司の役割と言うのは、作戦の要であるほのかを守ること。光振動魔法が得意な光井家の息女であるほのかに閃光魔法を放ってもらい、注目を集めることでどうにか今の空気を壊そうと考えたのだが、もしかしたら二科生が攻撃魔法として認識してほのかに攻撃するかもしれない。それを防ぐのが、慶司の役割だ。

 

「いいだろう、一科生と二科生の格の違いを見せてやる」

 

「へぇ、やってみろよ」

 

もはや止めるものはおらず、衝突は避けられない。挑発した二科の女子学生もその近くにいたガタイの良い男子学生も既に臨戦態勢に入っている。それは、一科生も同じで森崎を筆頭に臨戦態勢を取っている。

 

「……これが、一科生と二科生の才能の差だっ!」

 

「んなっ!?ロックされたっ」

 

「魔法式構築が早い!?逃げて、レオ君ッ!!」

 

「んにゃろっ!」

 

森崎の魔方式構築の速さに驚いて一瞬硬直するが、何を思ったか森崎のCADに手を伸ばしながら突撃していく。無論、その行動は無謀の一言に尽きる。起動中の魔方式に触れれば、拒絶反応が起こってもおかしくないのだ。それは、一科生であろうと二科生であろうと知っていて当たり前の魔法師としての常識なのだが……

 

「くらえっ!」

 

「くそっ!!」

 

後約1mというところで森崎の魔法が彼の特化型CADから放たれ――――――

 

ガキンッ

 

「っ!?」

 

という寸前で、金属がぶつかり合うような音が聞こえたあと、森崎のCADが落ちるのが見えてた。彼の目の前には警棒で振り払ったように残心を残している挑発していた女子生徒。何処をどう見ても彼女が森崎のCADを弾いたのは一目瞭然だ。

 

「この距離なら、あたしの方が速かったみたいね。一科生さん?」

 

「くっ……」

 

「おい……助けてくれたのはありがたかったけどよ、お前…俺の手ごとぶっ叩こうとしただろ?」

 

「オホホホ、何のことかしら?私は起動中の魔方式に触ろうとしたバカを止めるのを纏めて一緒にしただけよ」

 

わざとらしい笑い方をしながらそういう彼女に言い返せない男子生徒。確かに彼女の言うとおりバカな行動をしたと、終わってから思う。触れなかったからいいかもしれないが、仮にも触れていたらどうなっていたか分からない。

 

「よし、今だ。……ほのか」

 

「う、うん!」

 

今がチャンスと踏んだ慶司はほのかを促す。彼らの方は終わったかもしれないが、不意を突く形で魔法を放つ奴がいるかもしれない。それを防ぐのにも今のタイミングがいいと思い促したが………

 

「―――っ!?」

 

「きゃッ!?」

 

瞬間、何の事象改変もしていない想子の塊が今まさに閃光魔法が放たれようとしていたほのかの魔法式を破壊する。それに驚いたほのかはバランスを崩すが、近くにいた雫に支えられる。問題なのは、誰が魔法を放ったかということだが、それはすぐに解消されることになった。

 

「風紀委員です。今の場所を動かないようにッ!」

 

そう言いながらやって来た風紀と書かれた腕章をつけた女子生徒と昨日の入学式で登場した生徒会長『七草真由美』だった。彼女らの登場に一科生の多くが顔を青ざめさせている。特にほのかなんて尋常ではない。失神しそうなほど青ざめている。

 

「1-Aと1-Eの生徒ですね?私闘と魔法の無断使用は校則で禁じられています……そこのあなた、ちょっと生徒会室までご一緒願います」

 

「そ、そんな………」

 

崩れ落ちるほのか。自分は関わりたくない、その一心で他の一科生たちは彼女から視線を外す。ほのかに至っては、泣く寸前まで落ち込んでいる。

 

「「すみません、いいですか?」」

 

「司波君とえっと……」

 

「稲葉、です。別に覚えてもらわなくても結構です」

 

「そ、そう。でどうしたのかしら?」

 

チラリとこちらを見る司波兄(推定)に『先にどうぞ?』と促す慶司に小さく頷くと彼は臆面もなく真由美に頭を下げて

 

「すみません、悪ふざけが過ぎました」

 

「悪ふざけ?」

 

返ってきたのは真由美からではなく、風紀委員の腕章をつけた女子生徒から。それも心底訝しげに聞き返している。慶司はというと、一科生側のことを庇ってくれるのかと内心驚いていた。

 

「はい、森崎家のクイックドロウを後学のために見せてもらったつもりなのですが、少し度が過ぎてしまったようです」

 

「度が過ぎただと?それでけが人が出たらどうするつもりだったんだ?それに、彼女。彼女が放とうとしていたのは攻撃魔法ではないのか?例えそれが本当だったとしても、そっちは隠しようのない事実だろう」

 

「あれは、恐らく閃光魔法です」

 

「閃光魔法だと?」

                                      

更に訝しげ思ったのか眉をひそめている風紀委員。誰だってそうなるだろう。何故、『放つ前から』アレが閃光魔法だと分かるのだと。そんなことはあり得ない。あり得るわけがない。言葉にはしないが、その場にいた彼と彼の妹である深雪以外はそう思った。

 

「まさか、魔法式が読み取れるとでも言うのか君は」

 

「分析は得意な方ですから」

 

「ふ、分析が得意か………ついでに誤魔化すのも得意なようだな」

 

「買いかぶりです。まぁ、何故閃光魔法を放ったのかと言うのは……彼から聞いてください」

 

唐突にバトンをパスされて一瞬『は?』となったが、意図がわかり苦笑しながら彼に対して口パクで『サンキュー』と言うと少し口元を緩めて深雪たちの方へと戻っていった。

 

「……で、彼の言うとおり説明してくれるんだな?」

 

「まぁ。……説明というか、彼女……三井ほのかに閃光魔法を放つように示唆したのは俺です」

 

「なに?」

 

「何分、周りがヒートアップしすぎていて少し不味いと思ったので、彼女に頼んだんです。自分が使えればよかったんですが、生憎閃光魔法は苦手でして。それで彼女を頼ったという訳です」

 

「ふむ………なるほどな」

 

顎に手を当てて少し思案するかのようにする風紀委員。そして顔を上げた彼女が下した判決は

 

「止めるためとは言え、魔法の無断使用は禁止されている。悪いが……」

 

「まぁまぁ、いいじゃないの摩利」

 

罰則をあたえると言おうとしたところで、真由美がニコニコしながらそれを止める。何故、それを止めるのか慶司には判断がつかなかった。校則で禁止されていることを破ったものに対して罰則が下るのは当然。それは、ほのかに対しても同じこと。ただ、慶司としては彼女の代わりに自分が示唆したと言う理由で代わりに罰則を受けるよう彼女に交渉をしようとした手前のことだったので、驚きで反応が遅れた。

 

「真由美?」

 

「結果論でしかないけれど、誰も怪我する人はいなかったし。今回は初犯と言う事で大目に見てあげましょう?きっと、入学したてで興奮を抑えきれなかったのよ」

 

「しかしだな………はぁ、分かった。今回は見逃すよ。だが、次はないからな」

 

「うんうん、ありがとね摩利。……っとと、仕事に戻らないとまたリンちゃんに小言言われちゃうわ。じゃあね、司波君それと、稲葉君」

 

バイバイと手を振りながら来た方向へと戻っていく二人。なんとか罰則を受けずに済んだことに対して安堵するが、ほのかのことを見逃す。と言う大きな借りを作ってしまったこと。それを利用して何か面倒なことに巻き込まれそうな予感がそこはかとなくする慶司は人目を憚らず頭を抱えたくなってしまった。

 

そして、その予感はその後、今日の昼の予感同様的中してしまうことになろうとはまさか思ってもいなかったのだった。

 




まえがきでも書きましたが、遅くなってしまい申し訳ないです(-_-;)
25日から学校が始まってしまいパソコンのない寮での生活なため遅れてしまいました。恐らく、これからも週一もしくは当番で家に帰れない時は二週間に一回の投稿になってしまうこと、ご了承ください。

で、土曜日に投稿しなかった言い訳ですが……PSO2やってました(・∀・)←オイ
いや、やりたくてやりたくてしょうがなかったものですから、いざやれるようになってしまうとどっぷり浸かってましたね。5日で30時間……どんだけやってんでしょうねwww
そのせいで、昨日投稿できなかったわけですハイ(´;ω;`)50%は昨日の段階でできていたので少し手直しと書き加えをすれば完成したんですけど魔力が凄くて凄くて。あと、就活から逃げたくて逃げたくて現実逃避をしていた反動ですまぁ、私の落ち度ですねwww

まぁ、そんなこんなでもしかしたら次回の投稿も遅れてしまうかもしれません。(注今度はゲームじゃなくて就活のためですからね!?)
それでもよろしければ、お楽しみにしていてください。ではまた次回ノシ


追記。
ヒロインの意見の募集を唐突ですが締め切らせて頂きます。ご協力くださった皆様ありがとうございました。誰がヒロインになったかは次回の後書きにて発表します…………………ああ見放されそうで怖い((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。