四度目の鴉   作:Astley

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 こんなに早く更新できたのはいつ以来ですかねえ……。


35:逃れ得ぬ死

「なぜです……スネ……イル……」

 

「V.VI メーテルリンクの排除を確認」

 

「不憫なことだ。お前を相手にして、助けも貰えないとは」

 

 621は目の前のACからPB-033M ASHMEAD(パイルバンカー)を引き抜き、爆発に巻き込まれぬよう後方へクイックブーストを吹かす。

 元々二対一でも苦戦しなかった相手だ。五花海のいないこの四度目では、苦戦すら論外であった。

 

「ふう……ここは無傷で抑えたかったけど――」

 

 621は改めてLEAPER4の状態をチェックする。

 

R-ARM UNIT:LR-037 HARRIS(重リニアライフル)

L-ARM UNIT:PB-033M ASHMEAD(パイルバンカー)

R-BACK UNIT:BML-G2/P03MLT-06(6連ミサイル)

L-BACK UNIT:VE-60SNA(スタンニードルランチャー)

 

HEAD:HC-2000/BC SHADE EYE

CORE:CC-2000 ORBITER

ARMS:VP-46D

LEGS:LG-012 MELANDER C3

 

BOOSTER:ALULA/21E

FCS:FC-008 TALBOT

GENERATOR:VP-20C

 

EXPANSION:ASSAULT ARMOR

 

 全パーツ、ステータスオールグリーン。

 

「――よし。ちゃんと無傷だ」

 

 この後待ち構えるモノたちのことを考えれば、ここで消耗などしてはいられない。無傷の勝利など、今の621にとっては最低ラインでしかないのだ。

 

「これである程度の時間稼ぎにはなるだろう。先を急ぐぞ」

 

「いや、待ってくれ」

 

 先を急ぐウォルターに対して、621は待ったをかける。今こそ、運命を変える時。憎き仇敵を殺し、四度も人生を繰り返した意味を果たす時が来たのだ。

 

「ウォルター、あの横穴……何となく、あそこに敵が待機してるような気がする。先に見てきてもいいか?」

 

「なるほど……確かに、今アーキバスの陣頭指揮を取っているのはV.IIだ。奴の狡猾さを考えれば、既に先回りしてこちらの隙を窺っていたとしてもおかしくはない」

 

「じゃあ……」

 

「いいだろう。先に調べてこい。後顧の憂いを絶つのも必要なことだ」

 

「! ありがとう! ウォルター!」

 

 これで、運命は変わる。思わず621は満面の笑みを浮かべていた。

 

「この深度では、広域レーダーによる索敵はできない。エア、頼めるか?」

 

「はい。お任せください」

 

 一瞬、621は頭の中から何かが抜ける感覚を味わう。そして、それが戻ってきたときには、画面に幾つかマーカーが表示されていた。

 

「レイヴンの懸念通りです。排水路の奥に、MT数機とV.IIの反応を確認」

 

「……危ないところだったな。よくやった、621」

 

「エヘヘ」

 

 621としてはズルして褒められたようで、何となく照れくさい。だが、次の瞬間には621はその表情を引き締めていた。

 

(三度目では、オールマインドの奴がアーキバスの通信を妨害したから奇襲することができた。でも、四度目はそうじゃない)

 

 ウォルターにもエアにも、そこまでのことをする力はない。つまりは、奇襲は不可能。こちらの襲撃に対応する余裕を、スネイルに与える形になるということだ。

 

「……よし。行こう。二人とも、サポート頼む」

 

「ああ、任せろ」

 

「お任せください、レイヴン」

 

 覚悟は決まった。スネイルがこちらにどう対処しようとも、全て正面から食い破ってやる。それこそが、『猟犬』たる己の戦い方なのだから。

 621はアサルトブーストを起動し、排水路へと突撃する。その先には、記憶通り三機のMT。

 

「ん? あれは――」

 

 こちらに気付きかけた一機は、蹴りにより沈黙。

 

「な、何故ここが――!」

 

「第二隊長閣下! 独立傭兵レイヴンが、こちらに――!」

 

 二機目をパイルバンカーで串刺しにし、三機目をリニアライフルで狙撃。本当は通信を入れられる前に始末したかったが、流石の621でもそれは無理であった。

 

「これでスネイルに襲撃が気付かれました。恐らく、彼は直々にこちらを排除しに来るでしょう」

 

「621、V.IIのACは装甲の厚い重量二脚だ。閉所では脅威となる。迎え撃つなら広い場所へ誘い込め」

 

「了解」

 

 この狭い排水路では、LEAPER4は満足に回避行動を取れない。つまり、地の利は向こうにある。だから621は、今すぐ奴のところに行って殺してやりたい心を抑え、機体を反転させた。

 

「! 待ってください! レイヴン!」

 

「っ!」

 

 条件反射で、621は急減速する。こんな大事な場面で、エアが自分に無駄なことをさせるはずがない。果たしてその信頼は正しかった。

 目の前で爆発が起き、瓦礫が排水路を塞ぐ。

 

「チッ! スネイルの奴! こうなることも想定内ってか!」

 

「まずいな。このままだと閉所で奴を相手にすることになる」

 

「レイヴン! MTのログによれば、排水路を進んだ先に開けた空間があります! スネイルと随伴MT四機もそこにいますが、ここで相手するよりはマシなはずです! まずはそこまで移動を!」

 

「了解!」

 

 急いで621はアサルトブーストを起動させ、排水路を急ぐ。回避場所のない排水路で重量級AC一機とMT四機を同時に相手するくらいなら、敵の懐に飛び込む方がずっと容易い。

 そう思って621は排水路を進み、そしてT字の分岐路を左に曲が――

 

「っ!」

 

 621は咄嗟にAC(身体)を捩り、飛んできた針を躱す。人型兵器だからこそ可能な、柔軟な回避であった。

 

「スネイル!」

 

「駄犬が……! 時代遅れの畜生の分際で! 勘だけは鋭いとでも言いたいのですか、貴方は!」

 

 視線の先にいたのは、不倶戴天の怨敵。V.II スネイル。彼のAC、オープンフェイスが、まるでこの通路を塞ぐかのように立ち塞がっていた。

 

「やっとこの時が来た……! お前だけは……!」

 

「いい加減しつこいのですよ! 何度も何度も何度も何度も! どれだけ我々の邪魔をすれば気が済むのです!?」

 

 怨敵の出現に一瞬心が激情に支配されそうになった621だが、それでも彼は飽くまで冷静さを保つ。もうアンガーマネジメントも慣れたものだ。飽くまでも傭兵として、冷徹に、冷酷に獲物を見定める。

 

(長期戦になったら装甲の差で向こうが有利! だから、短期決戦に賭ける! あの装甲を短期で貫くには――!)

 

 意識するのは、左腕のパイルバンカー。それは、元々()()ためにこのミッションに持ち込んできたものだった。パイルバンカーの圧倒的破壊力ならば、上手く当てれば重装ACでさえ数発で沈められる。

 だからこそ、狙うは格闘戦。故に、今はとにかく接近あるのみ。

 その判断のもと、LEAPER4はアサルトブーストを吹かす。対するオープンフェイスはレーザーランスを構え――

 

「っ!?」

 

「かかりましたね、駄犬! 嗅覚には優れていたとしても、所詮は犬畜生! やはり頭の方は腐ってましたか!」

 

 突然背後から襲い来る弾幕に、621は一瞬気を取られる。そしてスネイルはその隙を見逃さず、すかさずレーザーランスで突撃してきた。

 この入り組んだ排水路は、幾本かに通路が分岐しており、だから構造を把握していれば回り込むことも容易。スネイルは621を確実に仕留めるために、随伴させていたMT四機を回り込ませ、挟み撃ちの形に持っていったのだった。

 

「駄犬め! 死ね!」

 

 MT四機による背後からの斉射。それは、普通の傭兵ならば動揺せざるを得ない一手であった。何故なら、ACの背部は装甲が薄いから。ブースター等が集中したACの背部は、その分だけ装甲が薄い。ブースターに被弾して破壊されようものなら、機動力に重篤な問題を抱えかねない。

 だから、背後からの射撃と、レーザーランスの挟み撃ちというこの布陣は。普通なら、絶対に焦る事態なのだ。()()()()

 

「甘い」

 

「っ!? 馬鹿な!?」

 

 だが、そんな小手先の策謀は、四度目における激戦の数々を超えてきた621には通用しない。621はまず、背後からの弾幕はバイタルパートにだけは当たらないように、身体(機体)を揺らし全て装甲で受け止める。

 そして同時に、前から迫るオープンフェイスに対しては、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ことで対処する。ランスによる一撃はACによる踏みつけで無理矢理ベクトルを変えられ、ただ地面を抉るだけに終わる。

 そして、今LEAPER4とオープンフェイスは密着状態。ランスによる突撃直後のオープンフェイスは、隙だらけ。こんな好機を逃す621ではない。

 

ガゴンッッッ!!!

 

「がはっ!!?」

 

 凄まじい衝撃がオープンフェイスのコックピットにまで響き、スネイルはシートに叩きつけられる。最大チャージされたパイルバンカーの一撃。それを()()()()()()()()()()()()()()()に当てられれば、そうもなろう。

 

「くっ! 駄犬が!! 調子に乗るな!!」

 

 スネイルは即座にスタンニードルランチャーで反撃する。これだけの至近距離。超高弾速なスタンニードルランチャーならば、命中は必至――

 

「だから、甘いっつってんだよ」

 

――なんて道理がこのイレギュラーに通用するはずもなく。発射された針状弾頭を、LEAPER4は咄嗟にしゃがんで回避する。人型兵器が人型である所以を活かせれば、この閉所であっても回避は可能なのだ。

 そして、LEAPER4を外れた弾頭の行方は――

 

「ぐわっ!?」

 

「ひっ!?」

 

 オープンフェイスと共にLEAPER4を挟撃していた四機のMT。そのうちの一機に、帯電した針が突き刺さる。刺さったMTは、当然即死。そのあまりにも凄惨な死に様は、共に挟撃に当たっていた残り三機のパイロットに、激しい動揺を齎す。

 

「おいおい、味方殺しなんて酷いじゃないか。最新技術で強化しても、元々の人の悪さは改善できないんだな」

 

「貴様ァ!! 駄犬の分際で、企業たるこの私を愚弄するのかあ!!?」

 

 激高したスネイルはスタンガンを連射するが、621はその大半を器用に躱す。流石に全部を回避するのは無理だが、それでも人型の柔軟性と各種ブースターの加速度を組み合わせれば、殆どの弾丸を素通りさせることができる。

 

「第二隊長閣下! 流れ弾がこっちに――うわあああっ!!」

 

 そして、素通りした針が何本も刺さったせいで、MTの一機が強制放電を起こす。大して装甲も厚くないMTでは、それは致命傷となる。

 

「また味方殺し。それでよく隊長なんかやれたものだな。実はコネで得た地位とか?」

 

「ッッッ!!! 貴様だけは!!! 絶対に殺す!!!」

 

 さらにスタンガンをばら撒くスネイルだが、やはり殆どが当たらない。

 それに対し、621が反撃に撃ち込むリニアライフルは、全てがオープンフェイスに命中している。それも、()()()()()()に。コアの中心、即ちちょうどコックピットがある位置に。

 

「さっきから一方的じゃないか。もしかして最新の強化人間って、名ばかりのオモチャ?」

 

「死ねっっっ!!! 死ねっっっ!!! 死ねっっっ!!!!!」

 

 両者同時にスタンニードルランチャーを放つ。空中で交差した二本の針は、片方は射撃反動で足の止まったオープンフェイスに突き刺さり、しかしもう片方は反動すら回避に利用したLEAPER4に当たることはない。

 そしてその段階になって漸くスネイルは、いつの間にか挟撃の布陣が崩壊していることに気付いた。LEAPER4の後ろから弾幕を垂れ流すはずのMTたちは、()()()T字路の向こうへと退避していた。

 

「貴方たち!! 何をしているのです!! 作戦通りに奴を挟み撃ちしなさい!!」

 

「え……し、しかし……」

 

 残った二機のMTパイロットたちの反応は、芳しくない。当然だ。誰だって死にたくないのだから。ましてや、大っ嫌いなクソ上司のフレンドリーファイアで死ぬなんて、まっぴらごめんであろう。

 

「今すぐ挟み撃て!! でなければ、貴様も、貴様の家族も!! 一族郎党まとめて再教育センター送りだ!!!」

 

「そ、そんな殺生な……!」

 

 このクソ上司が、恐怖以外に人を動かす手段を知っているはずもなく。発せられたのは、横暴の極みとすら言える言葉。

 

「く、クソぉぉぉ!!!」

 

「れ、レイヴン!!! 死ねぇぇぇ!!!」

 

 しかし、彼らを焚きつけるには十分だったようだ。二人は半ば恐慌状態に陥りながらも、LEAPER4に向けて突進した。

 

「人の動かし方もままならないとか、やっぱりコネだろお前」

 

「黙れぇぇぇえええ!!!」

 

 もはや獣の形相と化したスネイルだが、しかしその射撃はさっきまでとは打って変わって慎重なものだった。味方殺し煽りが存外効いたらしい。

 だが、連射しても当たらなかった射撃が、慎重になったら猶更当たるはずがない。スネイルはフレンドリーファイアを恐れるあまり、延長線上にMTたちが重なる射線では撃てず、結果自らLEAPER4から狙いを外してしまうという醜態を晒している。

 その無様を内心嘲りながら、621はMTの方へと振り向いた。それは、今のスネイルは最早脅威たりえないという、どうしようもないまでの意思表示であった。

 

「駄犬が、この私を無視――」

 

「ぐわっ!」

 

「ぎゃっ!?」

 

 そしてスネイルの沸騰した頭に、更に燃料が注がれる。スタンニードルランチャーとチャージリニアの同時射撃。本来反動で不可能なはずのそれを目の前の駄犬は容易く行ってみせ、その二発によってMTたちは爆散した。

 これで一対一。もはや、言い訳の余地などない。

 

「最新型の強化人間も大したことないな。金と時間の無駄じゃないか」

 

「ッッッ!!! ヴアァァァアアアアア!!!!!」

 

 度重なる失態と煽りに、遂にスネイルの血管が切れた。スネイルの口から人のものではない咆哮が轟き、理性すらかなぐり捨ててLEAPER4へと突貫する。レーザーランスを最大までチャージし、内臓ブースターからエネルギーを爆発させて、嘗てない超高速でLEAPER4へと突撃する。

 

「いい加減学べ」

 

「っ!?」

 

 だがどれだけ速かろうとも、所詮はモーションプログラム頼りのわかり切った動き。全身全霊を賭けた渾身の一撃は、あっさりと621の足によって踏みにじられた。

 

ガゴンッッッ!!!

 

 まずは、チャージパイルを一発。堪らずオープンフェイスはたたらを踏む。そして、621は右手のリニアライフルを投げ捨てた。

 

「終わりだ」

 

 これまでオープンフェイスに撃ち込んできたのは、チャージパイル二回とリニアライフルが十数発、そしてスタンニードルランチャーを一発。その全てを、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 いくら装甲の分厚いオープンフェイスであっても、同じ一点に攻撃を加え続けられれば当然そこを貫かれてしまう。そして、コアを貫かれるということは――

 

バキバキバキィッ!!

 

 オープンフェイスのコアに、LEAPER4の右腕が突き刺さる。同じ場所に攻撃を加え続けられたことで、そこだけ酷く脆くなっていたのだ。

 

「なっ!? 貴様、何を――!?」

 

 けたたましい音と共に、右腕はコアを掘り進む。そして、()()()()。621は全力で右腕を引き抜いた。右腕と共に、ボロボロの装甲や、引きちぎられたコード、そして――

 

「この私に何をする気だ! 駄犬め! や、やめろ!!」

 

――V.II スネイル。鋼鉄の身体から無理矢理引き抜かれた哀れな人間が、LEAPER4の右手の中にいた。

 

「出来損ないの駄犬め!!! この私を殺せばどうなるか、わかっているのか!!!」

 

 スネイルは尚もLEAPER4の手の中で喧しく喚いている。この状況でも態度を変えないとは、もはや尊敬の念すら生まれてくる。

 

「私は企業だぞ!!! アーキバスであるこの私に手を出せば、すぐにでも貴様は――」

 

「もういい。死ねよ」

 

 ぐちゃり。右手から響く、湿った音。たったそれだけの中で、怨敵は死んだ。

 あまりにも呆気ない幕切れに、621は一瞬呆然とする。もっと苦戦すると思っていた。もっと激しい死闘を演じることになると思っていた。だが、四度目の様々な激戦を潜り抜け、これ以上ないほどに成長した621には、スネイルはあまりにも弱すぎた。仇を討ったという実感も、あまりない。拍子抜けであった。

 だが、すぐに気を取り戻す。今回のミッションは、まだ終わっていないのだから。

 

「……終わったか、621。今補給シェルパを送った。入口の瓦礫を撤去して、一度補給しろ。本来の任務に戻るのはそれからだ」

 

「了解」

 

 ともかく、運命は変わったのだ。オールマインドの手を借りることなく、スネイルの魔の手を退けた。これで、同じ結末には絶対に繋がらないはずだ。

 瓦礫を撤去する間、621は感慨に浸る。すべきことを一つ成し遂げた。後は、集積コーラルを確保し、コーラルエンボディを成功させるだけ。あと少しで、戦いは終わる。

 

(やっと、その時が来るのか)

 

 四度も求めた、望ましい結末。漸くそれに手が届きそうになっている。終わりまで、もう少し。()()()()()621は、そう考えていた。

 




V.VI メーテルリンク
 プリケツ姐さんまさかの活躍全カット。五花海すらいない彼女じゃ今の621相手に碌に戦えるはずもないし、仕方ないね。

V.II スネイル
 死の運命から逃れられなかった人。駄犬に煽られながら殺されて可哀想……でもないな。ぶっちゃけ自業自得。因果が巡ってきました。
 オマちゃんの通信妨害のせいで用意した策が全部使えなかった三度目と、用意した策を悉く正面から突破された四度目。彼にとって、どっちの方が不幸なのでしょうか。

621
 突き攻撃に対し見切りを発動させた猟犬。これ犬というより狼では……。
 憎きクソ野郎が相手ということで、今回はキレキレの罵倒を披露。精神攻撃は基本。

 ということで集積コーラル到達その1。ルビコンのインフレ環境に置いてかれたスネイル氏、駄犬に惨殺されるの巻。本作の上位陣だいたいみんな人間辞めてるせいで、本来強いはずのスネイルが弱く見えるというバグ。いやもう、本当にどうしてこうなった……?
 次回はVSアイビス。多分次の更新はこんなに早くないです()



























































『文書データ:キサラギ博士の研究記録2

・誘導効果について
 コーラルには、特定波長のエネルギーを流すことでその群知能を操作できる特性がある。我々はこの習性を「誘導効果」と呼んでいる。これは、アリなどの社会性生物が、フェロモン等によって統制される仕組みに似ている。
 誘導効果を用いれば、コーラルの群体に対して特定の行動やパターンを促すことが可能だ。例えば、エネルギー波を調整することでコーラルを一定の方向に移動させたり、あるいは()()()()()()()したりといったことができる。
 一つ気になるのは、コーラルに()()となる個体がいないことだ。通常、こうした性質を持つ生物は、所謂女王のような個体が全体を統制する上位存在として君臨することが多い。だが、現状コーラルにそのような個体は見つかっていない。これは非常に不可解なことだ。
 あるいは、ただ単に我々の観察が甘いだけで、コーラルの女王は実際に存在しているという可能性も……』
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