狐の嫁入りっ!   作:みかん汁だったライター

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 前回のあらすじ

 初対面の女の子に吸引された。


恥っ!

 

 あ痛たた…頭が痛い…そうだ、クイナとあの少女は!?

 

 「お兄ちゃんになんてことしてるんですか!?警察呼びますよ!?」

 

 「なにを!(わらわ)は狐の里の領主が一人娘、"稲穂なずな"なり!控えおろう!」

 

 「知りませんよ!大体なんですか狐の里って!私は許しませんからね!結婚なんて!」

 

 「お主の了承がなくとも結婚できるわい!ばーかばーか!」

 

 …大喧嘩していた。

 

 「…あのさ、お前ら何してるわけ?」

 

 声をかけると、二人はこちらを向いて近づいてきた。え?何かした?俺。

 

 「お兄ちゃん!この人誰!?」

 

 「いや、そんなこと言われても…」

 

 「なっ…妾を知らない…!?」

 

 いや、そんな驚かれても。

 

 「妾は稲穂なずな!狐の里の領主が…「あ、もうそれは良いんだが」そんな!?」

 

 「なずなさんは、俺のところに何しに来たんだ?」

 

 今のところ、これが本当にわからない。

 

 なんでキツネの面を被った変質者二人につれられて、やはりこちらも狐の面を被った女の子がきたのか。

 

 「え…それは…」

 

 なずなさんは、体をくねらせて恥ずかしがりながら言った。

 

 「あなたに…嫁ぎに参りました…」

 

 とつぐ…戸次ぐ…?…嫁ぐ!?

 

 「嫁ぐって…『お嫁に来る』の認識であってる?」

 

 「はい、旦那様♡」

 

 どうしよう。

 

 (よわい)17歳で知らぬ内に嫁が出来てしまったらしい。

 

 

 「いやいや、お兄ちゃん?鏡で自分を見直してくる?お兄ちゃんみたいなフツメンにこの子みたいな美少女が嫁いでくるわけないでしょ!?結婚詐欺だよ結婚詐欺!」

 

 「…はは、そうだよな。お兄ちゃんはフツメンだもんな…ははは…はぁ」

 

 娘に『キモいから近付くな』って言われた同僚の気持ちが分かった気がする。こんな感じなんだな、島村さん。

 

 「何を言うか!?わたっ…妾は羽衣殿の事を真剣に好いておる!ベタ惚れじゃ!」

 

 「…なずなさん…!!」

 

 ありがとう…!ありがとう!

 

 「ていうか、なずなサン?妾って一人称、どうかと思うんだけど」

 

 「っな!?」

 

 「お兄ちゃんもそう思わない?」

 

 「まぁ、なずなさんの本来の一人称とかも聞いてみたくはあるよな…」

 

 「しかもなにも知らない女の人に、結婚してくれなんて言われても…ねぇ?」

 

 「…っく…ぅ…」

 

 「まぁ、それは…」

 

 クイナに正論を言われ、なずなさんはしょんぼりしながら言った。

 

 「私は、本来結構めんどくさい女なんです…領主の一人娘だから、威厳たっぷりにしないとと思って…」

 

 「へぇ…だから自分を偽ってお兄ちゃんに嫁いだと…?」

 

 「はい…ごめんなさい」

 

 「は(怒)?」

 

 「ひぁ…ご、ごめんなさ…「可愛いじゃん、何が悪いんだよ」…え?」

 

 面倒くさいのなんて関係ないだろ。塩らしいのも威厳モードも可愛いやろがい!

 

 「クイナ、ちょっとお話(説☆教)しようか」

 

 「…あ…いや…その…あ!私用事があったんだった!行ってきまーす!」

 

 「っち、逃げたか…」

 

 まったく、可愛さの分かってない奴め…!

 

 なずなさんの手を取って、抱き締める。

 

 「あっ…ぇっ…」

 

 こんなにも可愛いのが嫁ぎに来てくれたんだから、俺は幸せ者だなぁ…

 

 「あの……へぅ」

 

 「え!?大丈夫!?ちょっ、顔あっつ!保冷剤!保冷剤どこだ!」

 

 気絶してしまったなずなさんが、目を覚ますまであと三十分…





 なずなさんの秘密

 実は…寂しいときは何かを抱き締めたくなる。
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