異世界でもお前のパンチを見せてやれ!   作:Hetzer愛好家

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魔物肉って最強の強化アイテムなのか?

「いやあ、白崎さんにご飯を分けているうちに、何も食べなくなっちゃってさ」

「ああ、完全に俺と同じ状況だったのね。あれ、白崎は何故に魔物肉を?」

「えっと、実は魔物肉を食べた南雲くんのステータスが、ビックリするぐらい変化してたからさ。それで私も、ね?」

 

 そう白崎が言うと、ハジメがステータスプレートを渡してきた。

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:10

天職:錬成師

筋力:250

体力:400

耐性:150

敏捷:300

魔力:150

魔耐:150

技能:錬成[+精密錬成][+鉱物系鑑定]・格闘術[+集束拳打][+浸透破壊]・魔力操作・胃酸強化・纏雷・言語理解

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「いやちょっと待ておかしいだろこれ!?」

 

 色々と言いたい事がある。

 

 まずはレベルの表記だ。以前見た時は、レベル20だったと記憶している。半分以上下がって表記されているのだ。

 

 ステータスも何だかおかしい。こんなに高くなかったはずだ。だが、全てのステータスが100を大幅に超えていた。もう1度言うぞ。おかしいだろこれ。

 

 唖然としている俺を見て、不思議そうにステータスプレートを覗き込んだ優花も、ちょっと可愛らしいアホ面を晒している。

 

「何か、魔物肉を食べるとステータスが大幅に向上するらしいんだ」

「ま、マジか」

「それと、食した魔物の固有魔法も手に入るみたいなんだよね。僕の場合は二尾狼を食べたから、あの電撃を扱えるようになったよ」

 

 そう言って、無詠唱でバチバチと電撃を身に纏うハジメ。

 

 確かに、あの二尾狼と同じように魔法を扱えている。

 

……うん? 魔法を無詠唱で? ハジメが!?

 

「それと、〝魔力操作〟って技能があるよね? これがあると、ある程度の魔法は脳内でイメージさえしていれば行使できるっぽいんだ」

「……何だこりゃあ」

 

 もう、宇宙猫状態である。

 

 いや待て。宇宙猫みたく放心するにはまだ早い。

 

 魔物肉を食したハジメがこの変化なら。俺のステータスは、どうなってるんだ?

 

 慌てて自分のステータスプレートを取り出し、そして起動させる。

 

 そこには……

 

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真久野ケン 17歳 男 レベル:20

天職:拳士

筋力:900

体力:760

耐性:700

敏捷:1050

魔力:100

魔耐:100

技能:格闘術[+集束拳打][+浸透破壊][+身体強化][+集中強化][+逆境強化]・物理耐性・魔力操作・胃酸強化・天歩[+空力][+縮地]・言語理解

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 なにこれ?(ゴロリ)

 

 まあ、うん、はい。すっごいね。

 

……現実逃避はこの辺にしておこうか。

 

 ハジメのと同じく、レベルがしっかり半分になっている。レベルと言うのは、その人の到達度みたいな物を差すので、俺やハジメの成長限界値が跳ね上がっている証拠といえるだろう。

 

 続いてステータス。これバグか何かじゃね?

 

 そうツッコむぐらい、ちょっと信じられないステータス値になっている。特に敏捷のステータス。何だよ1000を超えるって。

 

 技能もハジメと同じく増えており、特に目を引いたのが〝天歩〟、そしてそれに連なる派生技能の〝空力〟と〝縮地〟だ。

 

 直感的に、この技能はあのウサギの固有魔法だと察する。

 

 爆発的なスタートダッシュ。そして、空中での不自然な機動。その全てが、この技能に集約されているようだった。

 

 早速試してみたくなり、ウサギの不自然な空中での機動変更を真似するべく、俺は空中で足場を踏んで2段ジャンプするイメージを持って跳んでみた。

 

 普通のジャンプの後、空中に足場がある事をイメージ。そしてジャンプ!

 

「うおっ!?」

 

……結果は、軽く2段目も浮いた後に地面へダイブである。

 

「いってぇ……」

 

 流石に、1発目から上手くはいかなかった。スマブラマックみたく空中ジャンプできると思ったのだが、鍛錬が必要みたいだ。

 

 何とも言えない表情で見ている優花をなるべく無視。ハジメと白崎が苦笑しているが、こちらも見ないようにしてステータスプレートの方に目を落とす。

 

 が、ここで優花が俺の肩を叩いた。

 

「ねえ。魔物の肉を食べて、そして生き残れたら。端的に言えば手っ取り早く強くなれるのね?」

「ん? まあ、そうなるな。魔物の持つ固有魔法も手に入るし、魔法は無詠唱で使えるようになるし、ステータスも上がるから確実に強くはなる。ただ、精神が壊れそうになるぐらいには痛いぞ」

 

 ハジメは分からないが、俺は途中まで完全に回復魔法や薬なしだったので、あの強烈で凄惨な痛みはしっかりと脳に刻まれている。

 

「あー、確かに痛かったね。それと不味かった。あの回復する水と、白崎さんの回復魔法の重ねがけのお陰で、僕はめちゃくちゃキツい成長痛ぐらいで済んだけど」

「私も同じかなぁ。しっかり回復魔法と回復水を使えば、何とかなるぐらいの痛みだったよ。何故か髪の毛はこんなになったけど……」

 

 確かに2人は白髪になっている。どうして白髪になったのかは、当人たちも理由を知らないらしいが。

 

「痛み、我慢すれば強くなれるんだ。条件さえ揃っていれば」

「おい、まさか……」

「私だけ食べないなんて選択肢、ある訳ないでしょ? それに、この大迷宮内に食料となり得る物は基本なさそうだし。それなら今のうちに、ね?」

 

 いや理屈は分かるけども。同じ状況なら躊躇わず俺も食す自信があるけど!

 

 あのヤバすぎる痛みを知ってる俺からすると、流石に止めたくなる。

 

 だが、止められる感じではなさそうだ……。

 

「俺に、何かできる事はあるかい?」

 

 だから、こうやって聞く事で精一杯だった。

 

「食べてる時から、痛みが収まるまで。隣にいて」

「……オッケー。分かったよ」

 

 助けてもらったお返しだ。その程度、安い注文である。

 

 優花は俺に頷くと、静かに立ち上がった。どうやら今から魔物を狩りに行くらしい。

 

 善は急げ、か。

 

 ハジメたちに目配せすると、俺も立ち上がるのだった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 あれから2時間後ぐらい。

 

 結論から言うと、優花の魔物肉を食す試みは実に上手くいった。悪臭で涙目になり、強烈な痛みで呻き、延々と俺にしがみついたままだったが、見た目は白髪に変化もせず身長が軽く伸びたに留まった。

 

 だが、しっかり取り込めた事で、彼女もステータスの大幅向上に成功している。

 

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園部優花 17歳 女 レベル:15

天職:投術師

筋力:120

体力:110

耐性:100

敏捷:140

魔力:550

魔耐:300

技能:投擲術[+精密操作][+遠隔操作][+属性付与]・火属性適性[+消費魔力減少]・高速魔力回復・魔力操作・胃酸強化・天歩[+空力][+縮地]・言語理解

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 身体能力系統のステータスがバグり散らかしている俺やハジメと比べると、一見劣ってるようにも見えるこのステータス。だが、魔法関連に才能があるってだけで、そんな評価は一瞬でひっくり返る。

 

 中距離での支援、及びアタッカーができるってだけで素晴らしい。案外難しいのだ、ミドルレンジでの戦いって。

 

 先端間合いを押しつけるのが難しいスマブラと、ある意味で同じである。

 

 さて、そんな優花さんであるが。魔物肉を食らって大幅強化を行ったのだが、そいつはもう2時間も前のお話。現在は、拠点内で俺の右腕にガッチリ抱き着いているのである。ちなみにハジメたちは探索中だ。

 

 とても動ける状態ではないので、俺は座って待機しているのだが。にしても、随分と長い事こうしてる。

 

 離れるつもりがまるでないのは分かっている上、俺もこうされているのが嫌ではないので、ずっと咎めずにいたのだが……。

 

「……長くない?」

「イヤ?」

「ではない」

 

 はい、続行確定である。こりゃお嬢様が満足なさるまで終わりそうにない。

 

 一応、俺も健全な男子高校生。かなーり理性を働かせないと、ウッカリが起きそうで怖いのだが。

 

 まあ、俺がそんな変な気は起こさないと信用してくれているのだろう。何でコアラ優花っちに変貌しているのかは……思い当たる節はあるが、分からない事にしておこうか。

 

「ただいまー……って、あらら」

「おお〜」

「おいそんな目で見るなハジメ。それに白崎」

 

 案の定だよコンチクショー。

 

「……んで、探索の結果はどうだった?」

 

 優花を腕に引っ付けたまま、俺は尋ねる。

 

「取り敢えずあの爪熊は倒しちゃったよ。ほら、その証拠になる肉はこれ」

 

 シレッと爪熊を討伐し、何なら肉まで持ってきたハジメくん。腕の肉らしいのだが、しっかり特徴的な爪が付いている。本物のようだ。

 

 どうやら、あの爪熊は俺の攻撃で受けた傷が治りきってなかったようだ。片腕がなかったと言う。

 

 ハジメは白崎の牽制魔法と共に懐へ急迫。そのまま傷口に錬成パンチをブチ込んで動きを止め、一気に撲殺してしまったらしい。

 

 ハジメにもいつの間にか追加されていた派生技能、〝浸透破壊〟のお陰だろう。

 

 内部破壊は基本。格上であっても潰せる機会を生み出せる、超有効的な手段だ。

 

「ゲームで言うハイエナ的な倒し方だけど、討伐は討伐だよ。魔物は自動的に復活するから、今度は全快の爪熊を真正面から倒せるぐらいになれるように鍛錬しないとね」

「そうかい。ま、手に入れた技能を磨いて、武器も増やして攻撃手段を豊富にすりゃあ行けるだろ」

「マックくんはもう倒せるでしょ?」

「多分、な」

 

 危険は伴うが、多分行ける。ソロ討伐はあまりやりたくないけど。

 

「ん、やっと痛みが収まった」

「お、まだ痛みを収まってなかったのね。それで離れる気がなかったのか」

「……まだするの、ダメ?」

「ダメです。俺の理性壊れるわ」

 

 こう言うと、優花は唇を尖らせつつも、一応は腕から離れてくれた。指は未だに服を摘んでいるが。

 

 生温かい視線が強くなったのは、言うまでもないだろう。




 魔物肉を食べてる間、献身的に隣に居座って励まし続けたマックくんに対して優花さんの気持ちが爆発しています。

マックくんの新たな恋人候補

  • 〝初恋枠〟優奈ちゃん
  • 〝妹枠〟ルウちゃん
  • 〝大穴枠〟恵里さん
  • ハジメくんの嫁候補以外のクラスメイト
  • アルテナを始めとする亜人族の皆様方
  • 〝英雄〟に嫁ぎたい帝国住まいの方々
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