異世界でもお前のパンチを見せてやれ! 作:Hetzer愛好家
中村と檜山を無力化してから半日と少しが経過した。
想像よりもかなり疲労していたのか、俺はソウさんの家に戻ってから数分で眠りに落ちてしまい、そこから半日近くは寝てしまった。
何度か寝たり起きたりを繰り返し、目が完全に覚めたのは昼過ぎ。眠りすぎで重たい身体を動かしながら昼食を口にし、家の外にあるベンチに腰を下ろして日向ぼっこしていると、紅茶とバタークッキーをトレーに乗せたルウさんが隣に座ってきた。
「コースケお兄さんも一緒に食べませんか?」
「では、お言葉に甘えて」
バタークッキーを手に取り口にする。うん、優花お手製の物だと分かる味。相変わらず美味しい。ストレートティーとの相性も実に良いな。クッキーの甘さと、紅茶の独特な味の二重奏は、何となく心が落ち着く。
ルウさんも、実に美味しそうにバタークッキーを食べている。無邪気な笑みを零しながらクッキーを食べ、そして紅茶をゆっくり飲む姿を見ていると、この笑顔を取り戻せて本当に良かったと思わず感じてしまう。そのぐらい、ルウさんの笑顔は輝いていた。
「? 私の顔に何か付いてますか?」
「いえいえ、そんな事は……ありました。クッキーの破片が口の端に付いてますね」
「ええっ!? あ、やだもうホントだ……恥ずかしい。すみません、はしたないとこ見せて」
「ふ、あははっ……」
「ちょ、コースケさん!?」
「ハハ、ごめんなさいね。何分、歳の割には非常にしっかりしてるルウさんばかりを見てたので、年相応に抜けたとこを見せる貴女は新鮮だったんですよ」
「抜けてるって酷くないですか?」
「決して貶してる訳じゃないですからご安心を。むしろ、そうやって年相応の姿を見せてくれて嬉しく思ってますから」
嗚呼、本当に。本当に、取り戻せて良かった。
人を助ける御題目があるとしても、そしてどれだけ人の道から外れたバカ共であっても、この手で何もかもを奪うのはやはり違ったのではないか。ずっと、教会の人間を壊滅させた時から考えていた。だが、全てを奪われかけた彼女が何でもない普通の日常を送れている姿を見ると、少し救われた気分になる。
俺のやった事は、間違いではなかった。
無論、人殺しや人壊しの業が消える事は一生ない。多数の教会の人間、中村と檜山、そして傀儡人形に成り果てた人たち。この短期間で、あまりにも多くの人の命を俺は奪った。いかなる理由があろうとも、命を奪う行為は等しく悪。いつか、何者かの手で断罪される日がやって来るだろう。
だが、その日までは。この拳が届く範囲で、助けられる命があるのであれば、何があろうと腰を上げよう。そこに人殺しを成す必要があったとしても。
「ありがとうルウさん」
「へ?」
「僕も、これからは迷わず前へと進めそうです」
ルウさんの頭を優しく撫でながら、礼を言って立ち上がる。今夜にはここを出られるように、荷物を纏めておかなきゃな。
慌てて後を追ってきたルウさんを構い倒しながらも、俺は荷物の整理を始めるのだった。
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「……もう、行ってしまうんですね」
夕食を食べ終えたタイミングでギルドの方へ戻ると伝えると、ルウさんが寂しそうに笑いながら呟いた。
ソウさんは以前にも話していたので、特に大きな反応を示しはしなかったが。やはり寂しそうに笑っていた。ルウさんとそっくりの表情であり、実に兄妹だなと感じさせる。
「長い休暇が取れたら、必ず遊びに来ますよ。今度はギルド職員としてではなく、1個人としてね」
「本当、ですか?」
「ええ。この場で〝約束〟しましょう」
俺の言う〝約束〟の言葉の重さを知っているソウさんは、何も口にする事なくルウさんを見て、静かに微笑んだ。
「お兄ちゃん……」
「寂しいのはお兄ちゃんも同じさ。でも、いつまでも悲しい顔して引き留めちゃいけない。コースケさんは〝約束〟を絶対に守る人だから、安心して待ってよう」
「………うんっ」
どこまでも俺は、この兄妹に甘いな。自分の中で非常に重たい意味を持つ〝約束〟をしてばかりだ。
――でも、守るんでしょ? 絶対に
そりゃ当然さ。俺は〝約束〟を守る男だから。
優奈との〝約束〟だって、破らずに生きているつもりだぞ。あの日からずっとな。
「絶対、ですからね。〝約束〟守ってくださいね。コースケお兄さんとユナお姉さん〝たち〟の事、私は信じて待ってますからっ」
俺は微笑みながら頷き、優花はルウさんのとこに移動してギュッと抱き締める。
優花もまた、ルウさんに対して並々ならぬ感情を持ってしまったようだ。おそらくは、中学生当時の優奈の事を重ねて見てしまっていたのだろう。慈愛の瞳の奥には、ほんの僅かに寂しげな色があった。
これは、後でいっぱい構い倒そう。ギルドでの報告が終わって、宿に移動したらになるが。
優花とルウさんが離れたタイミングで、ソウさんが深々と俺に向かって頭を下げてきた。
「改めて、ありがとうございました。妹の事を助けてくれて。そして、僕を鍛えてくれて。お陰様で、これまで以上に家族をしっかりと守れそうです」
「頭を上げてください。むしろ、私の方からもお礼を言いたいぐらいですから」
何度助けられたか分からない。ソウさんとルウさんの優しさに。
これで借り貸しはなし。俺はそう思っている。
「お礼の気持ち……になるかは分からないですけど、良かったらこれを受け取ってくれますか」
俺が取り出したのは、ハジメたちとの通話でも使用している〝念話石〟の予備と魔力のモバ充みたいな物である。この充電池を通して魔力を流せば、いつでも俺の念話石を通して会話可能だ。ちなみに魔力モバ充は、専用回路を使ってソウさんが何らかの魔法を使えば、勝手に魔力を吸収してくれるスグレモノだ。
わざわざ念話石をプレゼントしたのは、何かあった際にすぐ連絡できるようにである。直近だと、ギルドでの事情聴取で彼らの言葉が必要になった時を見越してのプレゼントだったりするが、それ以上にルウさんが寂しくなった時、いつでもこちらに連絡できるようにしたかった。
使用方法と理由を説明すると、ソウさんは少しだけ目を見開いた後すぐに、屈託のない笑顔で「ありがとうございます」と言ってくれた。この人のお礼の言葉と笑顔、混じり気ない純粋な好意だけを感じるので心が温かくなる。
こんな人が、もっと増えたら良いのにな。
さて、もう少しだけ滞在したいのが本音の俺ではあるが、長々と駄弁ってしまうと足取りが重くなってしまう。そろそろ出発しよう。
念話石が正常に動作する事を確認した俺は、優花に目配せをして席を立った。
家を出て飛行機を取り出すと、遅れてソウさんたちが俺たちを見送るためにと言って外に出てきた。最後の最後まで、本当に義理堅い人たちだ。
「うわあ、鳥みたいですね」
「ギルド職員専用の、空を高速で移動できる手段です。また今度来た時に、ソウさんたちも乗せて空中散歩しましょうね」
「わあ、お空だよお空! 楽しみが増えたよお兄ちゃん!」
「はいはい。今ここではしゃぎすぎないでね。コースケさんたちが出発できないから」
ハジメに4人乗りできるように改造してもらうか。思いの外ルウさんが喜んでるので、待たせる時間を作らずに長時間フライトをした方が良い笑顔が見れそうである。
……これが、遊園地や動物園を楽しみにする娘を見守る感覚なのかな?
――そうだけどそうじゃないと思う
優奈のツッコミは華麗にスルー。たかが高校生の分際でホザくなと言われそうだが、ルウさんを見てると父性がめっちゃ刺激されるのだ。
おお、我が娘よ……! いや気持ち悪いな。何やってんだ俺は。
「……行きましょ」
「んっ。それでは、ここらで失礼します。また会いましょうね」
優花に促され、俺は最後にソウさんとルウさんそれぞれと握手をしてから飛行機に乗り込み、風防を閉じて魔力を流した。少しすると、エネルギーを得た飛行機が音もなく浮かび上がる。
チラリと外を見れば、ソウさんたちが手を降っていた。多分、機体が見えなくなるまではあの調子だろう。
俺も手を振り返す。操縦席から2人が見えなくなるまで。
あっという間にソウさんたちは見えなくなり、視界には果てしなく続く夜空が広がったところで、俺は操縦桿を握って飛行機を前進させる。
一瞬で最高速へ到達し、フューレン目指して飛行機がスルスルと動き始めた事を確認すると、自動操縦に切り替えて俺は変装を解いた。
「やっっっとメガネ外せたァ……」
メガネの性能は素晴らしいのだが、視界的に慣れないので割と疲れる。カツラも同様だ。
軽く息を吐いたところで、もう自分を偽らなくて済む事にどこかホッとしている自分がいる事に気がついた。
「……次会う時は、どうしようかな。コースケとしてか、それとも俺自身を偽らずにか」
意外なところに、かなり根深い悩みが残っていた。冷静に考えてみれば、自分を偽るってのは、言わば常に嘘を吐いている状態と何も変わらない。巡り巡って、そのツケを払わなければならない時がやって来るようだ。
人殺しに続き、新しく重い業を背負うと察した俺の心中は暗い。
ただボンヤリと、これからどんな風にしてツケを払うのかを妄想していた俺だが、ふと前を向くと、遠くに夜でも活気のあるフューレンが見えてきたのが分かった。
到着までも10分もないだろう。最高速でかっ飛ばしたので、往路の時より早く到着しそうだ。
高度と速度を緩やかに落とし、夜闇に紛れながら着陸態勢を取る。多分、フューレンからこの機体を視認できないだろう。ハジメ辺りなら分からないが。
……飛行機を視認されるかどうか問題で、神の使徒との激突を思い出してしまった。そうじゃん、捕捉されたらヤバいやん。脱出しても俺の不得意な空中戦を強いられるのはちょっとダルい。
ハジメに頼んで、全力で改修してもらうとしよう。神の使徒でも簡単には捉えられないぐらいに。
そうこうしている内に飛行機はお手本のような着陸をした。バウンドゼロで衝撃皆無の着陸。うーん、満点。
フューレンの入口より少し離れたところに飛行機を止めた俺たちは、人目がない事を確認してから外に出て機体を回収。そのまま流れるように手を繋いだ。
「っと、優花?」
「……ずっと、我慢してたの」
「そっか」
いきなり真正面に来たと思ったら、優花に強くハグをされた。何だか久しぶりな気がする、特徴的な色の髪の毛が視界いっぱいに広がる。
抱き着かれた事に対して、俺は全く咎める気がない。俺もまた、何の気兼ねもなく落ち着いて優花とこうしたかったのだろう。
ずっと、精神的に削られる出来事ばかりだった。初めての人殺し。クラスメイトすらも手に掛ける。正直、ここまで良く耐えられたなと自画自賛してしまうぐらいに、嫌な事&辛い事ばかりだった。
「優花。ここでイチャつきたいのは山々なんだけどさ。ギルドへサクッと報告をして、宿に行ってから本腰入れないか?」
「………んっ」
「わあ、長い間」
名残惜しそうにハグを辞め、手を繋ぎ直した優花の頭を軽く撫でてから、ゆっくりとした足取りでフューレンの入口へと向かう。
入口に立つ門番に隠蔽済みのステータスプレートを見せ、フューレンに入った俺たちは、真っ直ぐに冒険者ギルドに足を運ぶと、戸をやや乱雑に開け放った。
受付には、タイミング良くドット秘書長の姿がある。少し手前には、秘書長と談話している何やら見覚えのある白髪の男が……。
「ハジメ?」
やけに響いた俺の声。すぐにやっこさんは反応した。本当に彼なら、まあ聞き間違える事はないだろう。
「え、マックくんじゃないか!」
「! お戻りになられましたか!」
俺の親友に少し遅れて、ドット秘書長も俺の存在に気がついたようだ。
「よっ。ハジメも戻ってたんだな」
「本当についさっきだよ。いやあ、まさかマックくんたちに今日会えるなんてね」
そりゃあこっちのセリフである。タイミング完璧すぎるだろ。全く連絡取り合ってないのに何これ。
運命力とやらを信じそうになりつつ、このまま流れで調査報告をしようかと思った俺だが、ふと1つの懸念点を感じてすぐに考え直した。
懸念点が何かって? 優花の何とも言えない表情見たら俺なら察せる。
「あー、ドット秘書長。取り敢えず依頼の達成報告だけしたいんだが、詳細はまた明日でも良いかな」
「それは構いませんが……何か不都合でもありましたか?」
「んー、不都合って訳じゃないだけどさ。こう、ずっと私生活を抑圧された状態で調査してたから、反動が凄い事になりそうなのよ。特に、話が長引くと」
チラリと優花に目線を送ると、ドット秘書長は納得したように頷いてくれた。俺と優花の関係性はかなり有名なので、端折った説明でも何となく察してくれたのだろう。
「承知致しました。でしたら、明日の昼前にまた冒険者ギルドに足を運んでくださると助かります。昼前でしたら、私が受付を担当してますので」
「何から何まで申し訳ない。ハジメも、また機会を改めてゆっくり話そうぜ。色々と土産話あるからさ」
「オッケイ!」
「わあ、テリ兄貴」
ついさっき別れたばかりのソウさんを思い出してしまった。きっと彼の話は、ハジメにとっても興味深い内容になるだろう。
ギルドを後にしようとすると、ハジメが「僕が使ってる宿を案内するよ!」と言ってくれたので、ご厚意に甘えて案内してもらう事にする。探す時間も正直勿体ないと思ってたとこだ。
さり気なく露店に立ち寄り、この後必要になるかもしれない物をサクッと購入した上で歩く事数分。眼の前に現れたのは、明らかに高級だと分かる立派な宿である。
「イルワ支部長の紹介で、格安料金で使用させてもらってるんだ。マックくんたちも行けるんじゃない?」
「ダメ元で名前出してみるか」
受付嬢に自身の名前と、続けてイルワ支部長とドット秘書長の名前を出してみると、すぐに手続きが終了して部屋への鍵を渡された。どうやら、俺たちにも格安サービスは適用されるらしい。
朝食と夕食付きかつ部屋に温泉が付いてるらしい話を聞いた後、提示された値段の恐るべき安さに戦慄した事は多分バレてないはず。何だよ温泉付きって。日本だと1泊するだけで万を余裕で超えるぞ。
「ケン、どうしたの? ゲッソリしてるけど」
「……サービスの充実度合いと全く釣り合わない値段の安さに恐縮しまくってる」
金を支払い、ハジメと別れて部屋に辿り着いた時には、俺は結構な気疲れを感じていた。すぐに優花に頭を撫でられた事で持ち直したが。
部屋の中を見て回り、やっぱり値段不相応の豪華さに目眩がしそうになったが、努めて無視する事にした。気にしてばかりでは心が休まらない。
さて、2人で部屋の設備を一通り見て回ったのだが。1番最後にメインディッシュである温泉を目にした優花が、目をキラキラ輝かせながら「一緒に入る?」とこちらを見てきたので、羞恥心をぶん投げてすぐにでも入る事を決めた。即断即決しないと羞恥心で潰される。
背中合わせで服を脱ぎ、デリケートな部分をバスタオルで隠して一足先に温泉への戸を開けた俺は、ササッと体を洗ってしまおうと思って蛇口に手をかけた。
だが、そこから手が動く事はなかった。
「あの、優花さんや」
「なに?」
「……タオルの感触がないんだけど」
バックハグ状態で優花に引っ付かれた俺は、とある違和感によって全く動けなくなった。
めっちゃ当たり前の話をしよう。スクール水着なんかを見れば分かると思うが、女性ってのはデリケートゾーンが男性と比べて明らかに多い。バスタオルで隠すってなると、鎖骨から太腿ぐらいまでになるはずだ。そんな状態でバックハグされたら、俺の背中にはまずタオルの感触が広がる、はずである。
なお、現実。人肌の温かみを感じますねぇ!
「恥ずかしいから、後ろは向かないでね」
「向くも何も、まず動けんのよ。恐れ多すぎるわ。てか、これから何されるの俺」
「えっと、折角だから背中流してあげようと思ったんだけどね。タオル巻いてると、石鹸が付いちゃうでしょ? その状態で温泉に入るのはちょっと……と思って。でも、すっごく恥ずかしくて、こうなってる」
「そっかァ」
戸の開閉音で彼女が入ってきたのを確認するべく振り向いてたら、多分鼻血噴き出して気絶してたな。そう思うと、優花さん超ファインプレーである。
「取り敢えず座って良いか。鏡は意識して見ないように努力するから」
「う、うん。 ……ありがと」
「この場合、役得の俺が礼を言うべきだと思うがな」
腰元に巻いたタオルを取っ払い、体を洗う時に使う椅子に腰を下ろして蛇口を今度こそ捻り、お湯が出るのを待ってから全身を濡らしてボディーシャンプーを手に取る。
優花にボディーシャンプーの容器を渡し、まずは腕からと手洗いを始める。が、また俺の動きが静止した。
思ってたよりもムズムズするのだ。洗われてる背中が。
「大っきいね、ケンの背中」
「……パンチは背筋を使うからな」
「タンクトップ姿でも分かるけど、こうして間近で見ると本当に逞しいね。ギュッてしたくなっちゃう」
「へ? ……っ!?」
優花の顔が、俺の真横に来た。思わず横顔を見てしまったが、一応目は閉じているようだ。ほんの少しだけ安心する。
だが、背中の方へ意識をやると、引っ付いている優花の体がほんのり擦り付けるようにして動いているのが分かった。慌てて意識をまだ洗ってない箇所へ移そうとするが、今度は無視するにはちょっと無理がある艶めかしい吐息が耳に当たる。今すぐ耳を引き千切るべきだなこれ。
脳が爆裂しそうになるのを必死に抑える。魔力まで使用して。
多少洗うのが雑になっても良いから、早めに切り上げないと理性が消し飛ぶ。今ここで理性が完全に消し飛ぶのは本当にマズい。
大急ぎで下半身まで洗うと、シャワーを手に取って優花に離れてくれと口にする。
……が、離れない。おいそこで粘るな。
強く言えない俺も俺であるが、にしてもそろそろ理性が吹っ飛ぶ。バーストしちまう。
「優花? おーい、優花さんや。このままじゃ泡を洗い流さないから離れてくれってば」
「んう……もう少しだけ」
「頼む真面目に離れてくれ。このままじゃ理性がバーストするから」
「別に、良いのに」
「シャワー顔面に噴射するぞ」
流石にそれは嫌なのか、渋々優花は離れてくれた。あっぶねえもう少しで獣になるとこだった……。
ササッと体を洗い流し、髪の毛も流れでサクサクっと洗い終えた俺は、優花にシャワーを渡して彼女を見ないようにしながら温泉へ退散しようとする。
「ケンも、して?」
恋人からは逃げられない!
腕を掴まれてはどうしようもない。諦めて優花の背中側に立つ。
「前は自分で洗えよ頼むから。風呂場で理性をバーストしたくない」
「分かってる。ちなみに、髪の毛もお願いできたりは……」
「……上手くできるか確証はないからな。痛かったらすぐに言えよ」
第2ラウンド、ファイッ!
マックくんが鋼鉄の意志すぎて、描きながら笑ってしまった。
ちなみに優花っちがここまで積極的な理由は、単なる欲求不満だけではないです。マックくんが不安定になってたように、彼女もまた精神の均衡を崩してます。自分以上に大崩れしたマックくんを見て持ち直してますが、それはそれとして甘えたい欲が大爆発した次第ですね。
次回は調査の報告……なんですが、前半まではイチャイチャ砂糖ダバダバが続きます。第2ラウンドだけで終わらせるつもりは毛頭ございません(血涙&鼻血)。
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