異世界でもお前のパンチを見せてやれ! 作:Hetzer愛好家
「ええい、速いわ武装の破壊力も高いわで反則的な強さだねぇ!」
初動でこちらの武装が当たる気がしないと考えたのか、ひたすら攻撃を凌ぐためだけに魚雷や爆雷、そして魔法を使用するハジメ。攻めの考えを完全に捨てた事で、何とかあの無理ゲー製造機に沈められずに済んでいる。
海中を突き進む〝雷光〟以外にも、レーザーのように超速でこちらを射貫こうとする光属性魔法や、アザンチウム並の強度がある複合鉱石で作られた潜水艇を簡単に損壊させる激流等々。とにかく攻撃手段が豊富で、かつ完璧に防ぐのも難しい物ばかりだ。
ちなみにこちらからの攻撃は、基本的に魔装潜闘艇の手前でワームホールのような物に呑み込まれて呆気なく無力化されている。仮に船体へ当たりそうになっても、グリューエン大火山で戦ったミノタウロスのような空間跳躍で躱されてしまっている。
敢えて、声を大にして言わせてもらおう。
「無理ゲーにも程があるだろ!?」
「負けイベントは大嫌いだけど、無理ゲーならまだ攻略できる可能性はあるから!」
難易度ルナティックやインポッシブルで絶望するのではなく、むしろ心の底から燃え上がるハジメじゃなかったら、間違いなく諦めの精神が先行していただろう。
守りに徹している中でも、何とか攻め入る隙を作るために、潜水艇を操縦しながら次々と新装備を〝錬成〟していく様子には、流石の俺もドン引きしてるが。
「……んっ、これで良し。10分ぐらいなら何とか持ち堪えると思う」
「ナイスだユエ。優花、行くぞ」
「はいはい」
揺れる潜水艇の中で必死にバランスを取りながらダッシュし、出入り口となるハッチまで辿り着くと、まずは優花に頼んでオスカーグローブを操ってもらう。
そうすれば、俺自身が腕をクロスさせずとも〝聖絶〟が現れる。その状態でハッチを開くと、ドッと水が潜水艇の中へ流れ込もうとしてくるが、優花が空間魔法を付与してあるナイフや〝氷結式〟が刻まれた小さな魔剣を使って何とか浸水を防いだ。
苦心しながらも外に出てハッチを閉じると、ユエがチューニングを施した魔力駆動戦闘機を取り出して乗り込み、全力で魔力を流してスロットルを全開にする。
すると、戦闘機の周囲50cm程度だけ水が完全にブロックされるようになり、後ろへ後ろへと逸れていく。魔力の消耗スピード的に、短時間しかこの状態は維持できなさそうだが、何とかこれで戦えそうだ。
ごく短い時間しか使えないとしても、水自体をブロックしている事で、本来なら行動に大幅な制限がかかる水中でも、普段と変わらないスピードで動かせるアドバンテージは大きい。
そんな俺の繰る戦闘機を脅威と認識したのか、魔装潜闘艇がこちらにターゲットを移した。
最高速付近を出しているはずなのだが、魔装潜闘艇を振り切る事はできない。ピッタリ背後に回られている。そのまま旋回を開始して潜闘艇の後ろを取り返そうとするが、向こうも旋回を始めた事でドッグファイトへと発展する。
急旋回が苦手とは言え、機体の大きさ的に小回りが利くのは戦闘機の方である……のだが、魔装潜闘艇も負けていない。たまに背後を取られそうになると、空間跳躍して位置関係をリセットしてくる。仮に戦闘機を操る対戦ゲームなら、間違いなく1発で垢バンされるレベルのチートである。
あと、向こうは無人なのに対してこちらは有人である。そのため、旋回時に襲ってくるマイナスGが中々にシンドい。
気を抜いたら終わるこのドッグファイトの最中で、こちらだけ体力的な限界というハンデを背負っているような物だ。ふざけるのも大概にしろと愚痴の1つや2つ零したくもなる。
だが、俺が繰る戦闘機が少しの間だけでも魔装潜闘艇の注意を引けた事で、潜水艇が自由に動く時間が生まれた。
完全に魔装潜闘艇の背後を取った潜水艇が放ったのは、爆発するタイミングをズラした魚雷と爆雷の大群だ。ワームホールの手前で爆発して目眩ましを行い、その間に本命の攻撃が魔装潜闘艇の船体の近くで炸裂する。
それ自体では大したダメージを与えられなかったが、こちらへのマークがほんの少しだけだか緩くなった瞬間を見逃さず、俺が〝雷光〟を数発ブチ込む。すると、僅かに外装が破損したのが見えた。効果はやはり薄いが、完全無敵でもない事が判明しただけでも大きな収穫だ。
再び注意を引くように、魔装潜闘艇の近くを挑発するように飛行していると、優花から無線が入った。
『ケン。奥の壁に、メルジーネの紋章が刻まれているわ。そこが時間経過で、少しずつ夕焼け色の魔力光で染まっていってる』
「どうやらマジで、制限時間内生き残る事を目的としてるみたいだな。残り時間は分かるか?」
『あと5分ぐらい。魔力残量は大丈夫そう? キツかったら変わるけど』
「ギリギリだが行ける。ただ、チマチマ攻撃するより対物ライフルを使った方が良さそうだ。エネルギーをチャージするためにも機動を更に激しくするから、舌を噛むなよ!」
ハジメにも〝念話〟で対物ライフルを使用する旨を伝えると、俺は戦闘機のプロペラをなるべく多く回転させるために、様々な回転機動を駆使しながら魔装潜闘艇の周囲を飛び回る。
コバエのように飛ぶ戦闘機を撃墜しようと、無茶苦茶な量の魔法攻撃が飛来するが、優花の繰るナイフにも助けられながら何とか回避していく。回転を繰り返す戦闘機の中でも、普段と変わらないパフォーマンスでナイフを操れる優花さんマジで半端ない。
ハジメも黙って見ている訳ではない。こちらのアクロバット飛行に注意が行きがちな魔装潜闘艇に、何発も魚雷を正確に叩き込んでいく。数え切れないぐらいの量を一気に放っているので在庫が心配になるが、どうやら発射と制作を同時に行っているようだ。
そんなヤベー味方たちから最大限の援護を受けた事で、俺はある程度の余裕を維持したまま対物ライフルへのエネルギーチャージを完了させる事ができた。
とは言っても、マックスの威力を発揮するには至らないエネルギー量である。だが、もう撃ってしまう方が良いだろう。
「優花っ!」
空間魔法が付与されたナイフたちが、魔装潜闘艇に殺到する。無論、その危険性を分かってるであろう魔装潜闘艇は迎撃のために魔法の砲撃を激しく乱れ撃つが、巧みな動きで回避し切った数本のナイフが、空間を斬り裂いて戻る際の衝撃で船体を大きく傷つけ、いくつかの魔法陣を破損させた。
その中には、浸水防止用の魔法陣も含まれていたらしい。一瞬にして船内を水が満たしていく。何とか逃げ出そうと空間を跳躍しようとするも、やはり魔法陣が壊れてしまったのか、空間を歪ませる事しかできていない。
更に、見た目は普通の爆雷が炸裂すると、魔装潜闘艇の動きが極端に鈍くなった。ハジメが空間魔法を付与した爆雷のようだ。何も言わずとも、こちらの動きを読んだハジメによる超ファインプレーである。
「喰らえっ!」
岩肌に沿いながら、残された魔法陣を全力で起動させて激しく抵抗する魔装潜闘艇。だが、複数回のバレルロールを繰り出して際々で回避してから、俺は対物ライフルの起動スイッチを入れた。
複数回のバレルロールから発射した事で、狙いを上手く付けられず、やや頼りない太さの滅びの極光は、魔装潜闘艇の船体後方を数瞬だけ穿っただけに留まる。だが、命中した箇所は確かに滅びの極光の効力が発揮されていた。ハラハラと砂状になり、船体の大きさが確かに小さくなった魔装潜闘艇を見て、俺は軽くガッツポーズを取る。
しかし……。
「うえっ、再生した!?」
かつて、オルクス大迷宮最後の試練であるヒュドラが再生した時の事を思い出す光景である。軽く船体が光ったかと思うと、魔装潜闘艇は受けた傷を完全に修復してしまった。
これは、ちょっと困った。エネルギーを完全にチャージした上で、船体を跡形もなく消し飛ばさない限りは、奴の動きを完全に止める事は叶わないらしい。
かつてない絶望感に心が潰されそうになりながらも、俺は再度エネルギーのチャージをするべく操縦桿を強く握った……ところで、魔装潜闘艇の背後にワームホールのような物が現れた。
呆気に取られて様子を見守っていると、魔装潜闘艇は何事もなかったかのように、ワームホールにスイーッと吸い込まれていった。
「……えっ?」
その後俺は、優花からの無線が来るまでの間、ボンヤリと魔装潜闘艇が消えた場所を眺めるのだった。
『ケン、試練を乗り越えたみたい。紋章の壁が割れて、先に道が……って、ケン? ケン、どうしたの?』
「あ、ああ。悪い。ちょっと、ボーッとしてた……」
ようやく肩の力を抜く。初めてではないだろうか、ここまで絶望したの。
マトモにカウンターで決まったスマッシュストレートを耐えられた時でさえ、ここまで絶望しなかったと言うのに。解放者が考える試練、マジでヤバい。
『操縦、私がするわ。ちょっと休んでて』
「すまん、任せる」
魔力を流すのを止め、グッタリと座席に深々と座る。
ちょっと危なかった。もしも、あのまま魔装潜闘艇に攻撃をされていたら、避けられなかったかもしれない。
「……渾身の一撃を躱された、耐えられた時の事まで想定しないと、か」
久しぶりに、自身の改善点が見つかった気がする。どこか、慢心していた部分があったのだろう。ここまでやれば流石に、と。
最近は、K.O.アッパーカットがマトモに決まれば何でも打ち倒せると思っていたフシもある。そんな心構えで、仮に耐えられでもしたら。まず間違いなく、俺は負ける。
自身を顧みる良い機会だ。そう考える事にしよう。
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紋章の壁が割れた先を進むと、すぐに出口へと辿り着いた。
入口と同じく、水の壁と奥へ続く整備された通路となっている。俺と優花は戦闘機から、ハジメたちは潜水艇から降りて、スタスタと先を進んだ。
魔物の気配も現状は感じないので、すぐに動ける状態を維持しながらも、俺はハジメとついさっきの激闘を振り返る。まだ興奮が抜けていないのか、ハジメの目はキラキラと輝いていた。
「いや〜、それにしても凄い操縦技術だったね! しかも、魔力駆動戦闘機を水中戦で使う案を出したのはマックくんなんでしょ?」
「良い手本が現れてくれたからな。あんなに上手く行くとは思わなかったが……そこはあの機能を搭載してくれたハジメとユエのお陰だよ。あれ、もっと質を高めればマグマの中なんかでも飛べるだろ」
「確かにねぇ。水陸空に加えて宇宙でも使えそうな乗り物を作るヒントを貰えた事だし、アーウィンみたいな超万能機を制作してみるのも面白そうだな〜」
「ワンオフ機も良いが、いっそ移動要塞を作ってみるとかどうだ? イメージはどこぞの宇宙戦艦で」
「その案採用! 船首以外はハルバードを基にして……あ、撃沈するかそれだと」
「いや失礼すぎる。メタナイトに即死コンボされるぞ」
あまり強く否定はできないが。
しかしまあ、宇宙戦艦か。狂った神との戦いもそうだが、ギガクッパやマスターハンドの大群と戦った時に思い浮かんだ懸念点もある。可能な限り戦力の増強をしておくに越した事はない。
亜空の使者に出てきた亜空砲戦艦なんかでも良いだろうなんて、遂にはボケた事を考え始めた俺だが、目の前にY字路が現れた事で我に返った。
俺を含め、この場には7人いる。セオリー通り、3と4で別れるべきだろう。
「マックくん、どうする? 園部さんは確定でマックと同行するとして……」
「んー、それならユエに同行をお願いしたい。距離別のアタッカー3枚が揃えば、大体のシチュエーションは乗り越えられるだろうから」
「オッケー。ユエ、お願いできる?」
「ん、もちろん。ハジメの頼みは断らない」
「……そっか。うん、ありがとね」
「でも、少しの間だけでも離れるのは寂しいから、後でいっぱい構って」
「わ、分かった。相変わらずのクーデレだね……」
ちょっとユエには申し訳ない事をした気がする。が、もう1人の候補であったティオとは、まだ親交がそこまで深まっていないので、多分だが気まずい思いをしながら進む事になる。
どれだけ強くなっても、時を重ねても、根は人見知りの陰キャである以前と変わらないのだ。
それを説明すると、ハジメは納得したかのように何度も頷いてくれた。彼もまた、俺と似た感性を持つ人間。ちょっとお嫁さん候補たちの距離の詰め方がすんごいだけで、ハジメも人見知りな方だ。美人とは恐れ多くて話せないと口にしていたぐらいである。
さて、そろそろ進むかという空気になったので、ハジメとグータッチしてから俺たち3人は足並みを揃えて動き始めた。
「なるべく早く終わらせる努力をするよ、ユエ」
「……優しいところと誠実なところ、変わってない。優花が心底惚れ込むのも、分かる気がする」
「ちょっ、そこで私に飛び火するの!?」
オルクスでそこそこの時間一緒に過ごした事もあり、即席パーティーでありながらも空気は悪くない。
ハジメにも言った事だが、近中遠全ての距離で満遍なく戦えるパーティーなので、雰囲気が良ければあとは何とかなるだろう。
優花とユエの女子トークをBGMに進む俺は、いつでも動き出せるように集中力を一層高めていった。
――荒廃した海底都市のような場所へ辿り着くまでは。
「っ、何だ!?」
「ちょ!?」
「んう!?」
いきなり景色がグニャリと歪んだ事で、思わず声を出してしまった。
驚く間もなく景色の歪みは酷さを増していき、やがて視界が正常に戻った頃には、俺の目は先程とは全く違う物を捉えていた。
荒廃している海底都市。それは変わりない。しかし、先程まで見ていた〝風化している〟感じは全くせず、現在進行系で荒廃した都市へ移り行こうとしている感じがしたのである。
空気の感じも違い、粉塵と鉄錆の不快な臭いが鼻を突く。
更には、遠くから無数の人の叫び声が聞こえてきた。それも結構な数だ。1からカウントするとなると、多分億劫になるぐらいの人数って事だけは分かる。
やがて、姿を現したのは……。
「人間、か?」
「魔人族?」
2つの種族。どちらも大軍である。
わざわざ大軍と称したのは、明らかに穏やかではない装備を双方していたからだ。
「滅びよ人間族! 我がアルヴ様の栄華のためにも、ここで灰燼と化せぇ!」
「はっ、我らにはエヒト様の御加護がある! 異教徒なんぞに遅れを取る道理はないのだ! 骨身も残さずこの世から消し去ってやるぞ、穢らわしい魔人族共め!」
その言葉を合図に、猛烈という言葉では足りないぐらいの凄まじい戦闘、いや戦争が始まった。
どちらもマトモな精神状態とは思えない言動と表情である。目は血走り、激しく唾を飛ばしながら、それぞれが信仰する神の名を絶叫しながら各々の武器を振り回す様は、見ているだけでも気が狂ってしまいそうな光景だ。
無意識のうちに籠手をクロスさせて展開していた〝聖絶〟のお陰で、飛び交う魔法の餌食にならずに済んでいるが。どうやってこの場を切り抜けるか、サッパリ検討もつかない。
そのうち、魔法を掻い潜った近接戦闘職らしき者たちの戦闘が始まった。
途端にあちこちから、盛大な血飛沫が上がった。首が、四肢が、臓物が。軽すぎる命を表すかのように、ポンポン宙を舞う。
しかも、ただ殺しただけでは終わらない。魔人族の誰かが言っていたように、骨1つ肉の欠片1つ残さずグチャグチャにしていくまで、一向に止まる気配がないのだ。
「酷い……」
優花の呟きは、俺とユエの心情を端的に、かつ正確に表した物であった。
障壁の内に籠もる俺たちを見つけたのか、人間族も魔人族も関係なく、狂気を孕んだ瞳を携えて殺到する。無論、その間も凄惨な殺し合いは止まらない。
「……もしかしたら、過去の事象を再現しているのかもしれない」
「ユエ」
「昔、聞いた事がある。かつて、海底都市に攻め込んだ魔人族と人間族とで、書物に記録が残される程に凄まじい戦争があったと。解放者は、その過去を追体験させている……のかも」
少し自信なさげなユエだが、おそらく正解だろう。どんな原理で過去の出来事を追体験させているのかは分からないが。目をすぐにでも逸らしたい凄惨な歴史を、追体験を通して知ってもらう事で、神々が如何に狂っているのかを伝えようとしてるのかもしれない。俺はそんな風に思えた。
「ユエ。戦争の結末は?」
「……双方が全滅、だったと思う」
「そうか。なら、この追体験は全てが終わるまで、あるいは終わらせるまで延々と続くって事かもしれないな」
腹を決め、俺は籠手で展開していた障壁を解いた。
すると、〝聖絶〟を破壊しようと武器を振り上げていた者たちが、バリアバーストに巻き込まれて吹き飛ばされていき、最終的には光の粒子となって消滅していった。
「魔法は通じるのか。なら、物理攻撃は……」
試しに人間に向かって衝撃波を飛ばしてみたが、意に介さずこちらへ近寄ってくる。
これでハッキリした。魔力を伴った攻撃ならば、この人の形をしたバケモノたちに通用すると。
念入りにオスカーメガネを使って確信を得た俺は、即座に判断を下した。
「俺たちの手でこの戦争を終わらせるぞ」
四方八方をバケモノ共に囲まれているが、攻略法さえ分かってしまえばこっちのモンだ。
〝纏雷〟を最大出力で発動させると、俺は狂気が渦を巻く嵐の中へ自ら飛び込んでいった。
普段はなるべく行わないようにしている、血を凍らせるイメージを躊躇いなく行う。
これから相手するのは、実体を持つ幻影と表現するべきだろう。生きた人ではない。人かどうかも、そもそも怪しいかもしれない。
だが、形に限れば人そのものである。表情と心を凍らせた方が、何かと都合が良い。
「全ては神の御為にぃ!」
「エヒト様ぁ! 万歳ぃ!」
「異教徒めぇ! 我が神の為に死ねぇ!」
そうだ、感情なんて殺してしまえ。五感も大半を凍りつかせろ。真正面から、この狂気を受け止める必要はどこにもないのだ。
底なしの狂気すらも弾き返す、完全に凍りついた魂。殺意を抱く事もなく、淡々と機械的に拳を振るう。
生きている五感は視覚ぐらいである。聴覚すらも凍らせた事で、目の前で何かを喚き散らす〝物体〟としか俺の脳は認識していない。
その〝物体〟を、〝纏雷〟による電気刺激で動きが良くなった左右のジャブで、クリーンに打ち抜くだけ。実に簡単な作業だ。
その後も俺は、目に映る〝物体〟を1つ残らず消滅させるまで、壊れた機械のように動き続けるのだった。
異世界転移してからも極力避けていた人殺しという行為が、マックくんの強さを数段階引き上げてしまったという強烈な皮肉。〝闘魂〟とは真反対の〝凍魂〟……言い換えれば冷徹さを身に着けた事で、戦士としては大きく成長したと言っても良いでしょう。
代償はオルクス時点で1度壊れかけた人間性が、原作のハジメくんのように消失していく点にありますが……まあ、マックくんは孤独じゃないので。
マックくんの新たな恋人候補
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〝初恋枠〟優奈ちゃん
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〝妹枠〟ルウちゃん
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〝大穴枠〟恵里さん
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ハジメくんの嫁候補以外のクラスメイト
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アルテナを始めとする亜人族の皆様方
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〝英雄〟に嫁ぎたい帝国住まいの方々