異世界でもお前のパンチを見せてやれ!   作:Hetzer愛好家

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 ちょっとした質問というか疑問が感想に書かれていたので、こちらに回答を。

 真久野ケンの名前の由来ですが、名字は言わずもがな“マック”でございます。

 そして名前のケン。こちらは、“拳”と言う意味と炎の格闘家で共演した“ケン・マスターズ”とのダブルミーニングになっています。


突進バカだけなら何とかなる

「ハッ! シュッ!」

 

 何度も何度も、俺はフック気味の左右ストレートを繰り出す。

 

 後方で未だ騒ぐクラスメイトとの距離は、およそ10m弱。あまり余裕はなさそうだ。

 

 俺が大きく後退する選択は基本的に取れないので、敵の攻撃はパーリングで打ち落とすかスリッピングでギリギリを狙った回避しかできない。

 

 絶妙な力加減で放たれたストレートを受けたトラウムソルジャーは、仲間を巻き添えにぶっ飛んでは破壊していくので、今のところはそこまで前進していない。

 

 が、橋の横幅はおよそ10m。全てをカバーするようにストレートを放つのは、中々に骨が折れる。

 

 俺も俺で、囲まれないようにジリジリと下がりつつある。大きなバックこそ行ってないが、クラスメイトとの距離は潰れてきているのが現状だ。

 

 畜生、こんな事なら、あの空手部の坂上龍太郎に譲ったアーティファクトを俺が持っとくべきだった。飛び道具がありゃ、もう少し粘れるのだが。

 

 悔やんでも仕方がないので、俺は変わらず拳を振り回すが。やはり焼け石に水だ。

 

「クソっ、数だけは多いな数だけは!」

 

 悪態を吐く暇もそろそろない。

 

 時間にして数分。何とか抑え込めているが、そろそろ限界だろう。

 

 トラウムソルジャーその物や剣を飛び道具として処理するのにも、綻びが見え始めている。

 

 遂には何体かが、俺の防衛ラインを突破してクラスメイトの方へ向かい出した。

 

「クソッタレが!」

 

 全速力で走り、防衛ラインを突破したトラウムソルジャーを狩りに行く。

 

 橋である事が幸いして、トラウムソルジャーがどの辺に向かってるかはすぐに見当がつく。

 

 騎士団のアランと言う人に向かった奴。そしてハジメの近くに行った奴は放っておく。ここは彼らに対処してもらうしかない。数は少ないので、何とかしてくれ。

 

 神のイタズラなのか。何体かのトラウムソルジャーは、パニックを起こしたクラスメイトに突き倒されたであろう園部のところへ向かっていた。

 

「園部ぇぇえ!」

 

 1体を後方からのハンマーパンチで潰す。もう1体を走りながらのワン・ツーパンチで橋の外へ。残り1体は、顔を上げた園部に向かって大上段に剣を構えようとしている。

 

 転ぶギリギリまで上体を倒し、足を回して瞬間的に加速する。何度もバランスが崩れそうになるし、心臓も早鐘を打つが構わない。

 

 トラウムソルジャーが大上段に構えた。その瞬間に、俺は奴に拳がギリギリ届くかどうかの距離まで辿り着いた。

 

 全速力は保ったまま、俺は左足を大きく出して軸にして半回転しながら、一気に右足と上半身を斜め後ろに引く。

 

 前進しながらの高速スウェーだ。身体への負荷は大きいが、瞬時に相手の後ろや手前側に回り込める。

 

 剣が振り下ろされる。その瞬間に俺は園部とトラウムソルジャーの間に割って入った。

 

 そして一転。一瞬だけ身を引く。

 

 剣の切っ先が俺の左腕をやや深めに切り裂き、手首付近から出血が始まった。

 

 だが、怯むな。このままぶち抜け!

 

「ハッ!」

 

 必殺ブローの1つ。スマッシュストレートだ。

 

 大きく身を引く事で攻撃を左腕で受け止め、そこから怯まず全身全霊の右ストレートをぶっ放す!

 

 スマッシュストレートを受けたトラウムソルジャーは、拳がヒットした胸部だけが綺麗に吹き飛んでいった。

 

 少しの時間差の後、ガクリとトラウムソルジャーは倒れ伏す。

 

「……はあ。園部、何とか無事っぽいな」

「ま、真久野っ」

「取り敢えず、転んで擦りむいた以外は大丈夫そうか」

 

 やれやれ。早速約束を破ってしまうところだった。

 

 一息入れる暇も正直ないので、俺はすぐさま前方のトラウムソルジャー群を睨む。

 

「園部。アランさんを軸にして隊列を組み、敵を効率良く倒すんだ」

「えっ?」

「早く! 何人かは正気を取り戻しているみたいだが、まだ頭数が足りない。園部が加われば、もう数分は前線が完全には崩壊せずに戦えるはずだから!」

 

 その数分で俺がやるべき事。それは、俺以上に範囲攻撃に優れている勇者パーティーの面々を連れてくる事だ。

 

 悔しいが、俺やハジメと言った飛び道具を持たぬインファイターでは、あの量のトラウムソルジャーを倒しきる事はできない。

 

 これ以上は話す時間も惜しい。俺は餞別代わりに落ちた剣を拾って投擲し、数体を強引に押し戻してから天之河たちの元へ動き出した。

 

「ちょ、真久野どこに行くの!?」

「天之河たちを呼ぶ! あいつらが来れば、あの量の魔物相手でも押し戻せるからな! それまでの数分間の前線維持は、園部たちに任せる!」

 

 もう後ろは振り向かず、前だけ見て走り出した。

 

 体勢が低いので、もう1人のインファイターがどこにいるのか分からないので、俺は声をあらん限り張り上げる。

 

「ハジメぇ! 俺が見えるなら一緒に来てくれ!」

 

 数秒でクラスメイトたちの生んだ人混みから抜け出した俺は、ここで一瞬立ち止まって後ろを振り返る。

 

 呼んだ人物は、確かに俺の後ろから走って追従していた。

 

 遠目から見ても分かる。あちこち服が破け、顔に切り傷もできている。相当無茶をしたのだろう。

 

「はあ、はあ……! ごめん、少し遅くなった! 天之河くんを呼ぶんだね?」

「ああ。急ぐぞ!」

 

 未だにベヒモスの動きを食い止めている団長たち。そして、その傍を離れようとしない天之河。

 

「ええい、くそ! もうもたんぞ! 光輝、早く撤退しろ! お前たちも早く行け!」

「嫌です! メルドさんたちを置いていくわけには行きません! 絶対、皆で生き残るんです!」

「くっ、こんな時にわがままを……」

 

 多重展開した障壁でどうにかベヒモスの進行を防げているが、それも長くはもたないだろう。

 

 一刻の猶予もない。最速で辿り着いた俺は天之河の肩を少々乱暴にだが叩く。

 

「天之河!」

「んなっ、真久野!?」

「全員ここは退け! 代わりに俺とハジメが立つ! お前は後ろで右往左往しているクラスメイトを何とかするんだ!」

 

 まだ何か言いたそうにしている天之河だが、もう時間が本当にない。

 

 無理やり頭をクラスメイトたちの方向に向けさせて現実を見させる。

 

「今は何とか戦えてるけど、それも長くはもたないんだ! 全員がまだ恐怖から抜け出せてなくて、訓練でやった事を何も実践できてないから! だから、そんな恐怖を一撃で振り払える力が必要なんだ! それが出来るのはリーダーの天之河くんだけでしょ! 前ばかり見てないで後ろもちゃんと見て!」

 

 今までにない迫力で、ハジメも天之河に訴える。

 

 呆然と、混乱に陥り怒号と悲鳴を上げるクラスメイトを見る天之河は、ぶんぶんと頭を振ると俺たちに頷いてくれた。

 

 良し、もう天之河と話す必要はない。

 

「下がれぇぇ!」

 

 その時、団長の叫び声と共に障壁が遂に完全に砕け散った。

 

 俺は咄嗟にガードを固めて足を踏ん張り、加えてハジメが石壁を展開する。

 

 が、とんでもない衝撃波で皆が吹っ飛ばされた。

 

 すぐに受け身を取って体勢を立て直し、俺は現状を確認する。

 

 最前線の騎士団3人は、あの強烈な衝撃波をモロに受けている。すぐには動けないだろう。一方で俺やハジメ、そして天之河たちは少し後ろにいたのと、ハジメが展開してくれた石壁のおかげで比較的傷は浅い。

 

 即座に俺は判断を下す。

 

「天之河、みんなと一緒に騎士団の3人を連れて下がれ! 白崎は回復魔法を! ハジメ、行くぞ!」

「分かった! ごめん天之河くん、後は頼むね!」

 

 ハジメと共に突進。ベヒモスの攻撃が届く間合いにまで一気に入る。

 

「真久野くん。作戦は?」

 

 こちらを見ずに、ハジメが問う。

 

 俺は、なるべく簡潔に作戦を伝えた。

 

「大量出血を強いて弱体化させる」

「その後は?」

「何としてでも橋から落とす」

 

 作戦は至ってシンプルだ。

 

 俺はひたすら、ベヒモスを殴って出血させる。その傷口から、ハジメにも錬成パンチを打ってもらってより多くの血を流させる。

 

 良い感じにベヒモスを弱らせたら、最後にK.O.アッパーを叩き込む。そしてその勢いで橋から落とす。以上だ。

 

 ベヒモスは、頭部を灼熱化させながらこちらを睨んでいる。どちらを狙うか、吟味しているのだろう。

 

 俺は少しガードを下げ、普段よりも動きやすい体勢を取る。

 

 ベヒモスの頭部が完全に灼熱状態となり、瞳が……俺の方を見た!

 

「散開!」

 

 俺は右に。ハジメはそれとなく左に退避する。

 

 その行動とほぼ同時に、ベヒモスはこちらに突っ込んできた。

 

 ギリギリのギリギリまで、俺はジッとベヒモスの動きを観察する。

 

「まだ。まだ、まだだ……」

 

 ベヒモスが地鳴りを上げながら突進し、俺を潰すべく飛び上がる。

 

「今っ!」

 

 一瞬で加速し、俺はベヒモスの側方に回った。

 

 飛び上がったベヒモスは今更軌道変更もできず、無様に着地する。

 

 当然、凄まじい衝撃波が襲ってくる。

 

 が、今度は衝撃波があると分かっているので、腹を固めて頭も下げ、受ける面積を極限まで小さくする事で被害を最小限に抑え、俺は懐に入り込んだ!

 

「オッラァ!」

 

 そして、全力のボディフックを左右で連打連打連打ぁ!

 

 実に苦し気な声を出し、ベヒモスが踏鞴を踏む。

 

 どんな生物であったとしても、必ず急所は存在する。そして、共通して存在する急所の1つがこれ。腹部だ。

 

 随分と頑丈そうな肉体をしているが、俺の前では関係ない。衝撃を1点に集中し、内部から破壊していけば装甲なんぞ意味を持たない。

 

 左右それぞれ15発も当てたところで、ようやくベヒモスは巨体を何とか動かしてこちら側を見ようとし始めた。

 

 だが、少々動くのが遅かったようだな。初撃を左に躱したハジメが、遂にこちら側に辿り着いたのだ。

 

「〝錬成〟!」

 

 その詠唱によって、まずはベヒモスの前脚が石類によって固められ、ほんの僅かな時間動けなくなってしまった。

 

 無論、石程度で完全に止まるような魔物ではない。すぐに破壊して、再度動き出す。

 

「させるかぁ!」

 

 その動きを物理的に止めるべく、俺は容赦なく左右のボディフックを連発する。既にベヒモスの体表は抉れ始め、赤黒い血が皮膚上に滲んでいた。

 

「ハジメ!」

「うん! 〝錬成ぇ〟!」

 

 すかさずハジメが、〝錬成〟を纏った拳を傷口に数回振りかざした。

 

「グルァアアア!?」

 

 途端、おぞましい叫び声を上げてベヒモスが暴れ狂う。

 

 傷口からは、ズズズと擬音を立てながら突き出た鉄の刃物が何本も生えていた。当然大出血を起こしている。まるで止まる様子はない。

 

「次、顔面部!」

 

 そう言いながらスタートを切る。

 

 未だに暴れているベヒモスだが、自ら正面にやって来る俺たちの姿を見た途端、瞳に生気と怒気が宿った。

 

 この距離で攻撃をさせたら終わりだ。一握りの恐怖も感じる中、俺はそれを跳躍と共に振り払いながらジョルトブローをベヒモスのこめかみにヒットさせた。

 

 そして着地と同時に身体を捻り、下がっていたベヒモスの顎目掛けて、地面に拳を擦りつけて摩擦熱を帯びさせながらのアッパーカットを叩き込む。

 

……これで完全に燃えたら完璧だったんだが。

 

「グルア!?」

 

 頭が跳ね上がり、その後重力によって落ちてくる。

 

 タイミングを合わせて、俺はベヒモスの頭が落ちてきた瞬間を狙って再び左右フックの連打を放った。

 

 今度はさっきのボディフックとは毛色が違い、身体を∞の字を描くようにウィービングしながら連打する。いわゆるデンプシーロールと言う奴だ。

 

 竜巻のような拳の嵐が、ベヒモスの顎を何度も何度も捉える。顔が勢い良く左右に振れ、赤黒い血がそれに合わせて橋の上に飛び散る。

 

 その間、ハジメもぼさっとしている訳ではない。

 

「〝錬成〟! 〝錬成〟!」

 

 ベヒモスの前脚を錬成によって固め、俺のパンチの衝撃が逃げないようにしてくれているのだ。

 

 衝撃を逃がせず、モロに鉄拳を受け続けたベヒモスの顎は、次第にグラグラと不安定に揺れ始め。そして、推定100発以上のフックを受けたところで、生々しい音を立てながら弾け飛んだ。

 

「今だ食らえ、〝錬成〟!」

 

 顎が弾け飛んだタイミングで、ハジメが惚れ惚れするぐらい美しいフォームで飛びアッパーを放った。昇龍拳みたいだな。膝は使ってないからタイガーアッパーカットに近いけど。

 

 絶対に避けられないタイミングだった。哀れ、ベヒモスはまた錬成パンチを受け、上顎から無数の刃物を生やす奇形オブジェクトと化した。

 

「ラスト、背中だ!」

 

 さっきよりも大きく身悶えている間に、俺はベヒモスの頭を下がった瞬間を狙って踏み台にし、背中にジョルトブローの踏み込みで飛び乗る。

 

 構えこそ先ほどから使用しているジョルトと同じだ。しかし、角度がまるで違う。

 

 ジョルトは飛び込むようにして俺は打つのだが、今現在放っているパンチは飛び込む形ではない。

 

 角度はなるべく真上。高度を可能な限り稼ぐのだ。

 

「そらよぉ!」

 

 そして自由落下。そこから真下に拳を振り下ろすのである。

 

 拳が命中したベヒモスは、腹から思いっきり地面に叩きつけられた。

 

 こいつはバリーブローと言う技だ。実際のボクシングには存在しないパンチである。そもそもの話、この動きはボクシングでは反則となる可能性が高い動きである。どうやっても狙うのが頭頂部なのだから。

 

 元ネタはゲームの技なので、実用性も皆無だったりする。本来ならば。

 

 そう。ここは異世界だ。しかも身体能力が大幅に向上している。

 

「異世界様々だな。やれやれ……」

 

 こんな技でも、致命に至るまでの布石として使えるのだ。世の中分からない。

 

 軽くボヤキながらも、俺は背中を抉るようにして片足ずつ軸にして殴っていく。スマブラマックの下スマみたいな動きだ。

 

「グウ! ガアッ!?」

 

 見てくれは下スマを崖で擦るマックくんである。知る人は蕁麻疹起こすだろうし、何なら画面揺れてそう……。

 

 だが、真下への攻撃にはこの上なく最適なのだ。

 

 実際、ベヒモスの背中はもの凄い勢いで抉れていっている。

 

 これまでの中でも最速でベヒモスの皮膚から血が滲んでいた。

 

「よいっしょ……! ごめん、お待たせ!」

 

 ひたすらに殴っていたので、ベヒモスの動きも鈍くなったのだろう。ハジメが側方からロッククライミングの要領で背中側まで登ってきた。

 

「頼むぞ、ハジメっ」

「うん、これでラスト! 〝錬成ぇ〟!!」

 

 紅色の魔力でスパークしているハジメの拳が、ベヒモスの背中に半ば埋まるような形で叩き込まれた。

 

 途端にベヒモスの背中から、ゆっくりと無数の刃が飛び出す。

 

 傷口がさっきよりも深いからなのか、飛び出た刃はこれまでのどれよりも大きく、そして鋭い。

 

 あまりの激痛に身をよじらせたベヒモスは、俺とハジメを振り落としながら地面をのたうち回る。

 

 だが、その動きは徐々に鈍りを見せた。

 

 大量出血からくる貧血で、身体に力が入らないらしい。

 

 好機。トドメの拳を叩き込むチャンスは今だ!

 

 ずっと全力で拳を振り回し、ここに来る以前にもハードな動きばかりしていた影響で、スタミナはほとんど残っていない。正直、倒れてしまいそうだ。

 

 だが、辛み苦しみは全てど根性で抑え込む。

 

 残った力全てを振り絞り、俺はスタートを切った。

 

 ベヒモスは猛スピードで接近する俺に気がついたようで、痛みでブルブル体を震わせながらも、こちらを睥睨しながら頭部の兜を灼熱化させる。

 

 一騎打ちだ。

 

「勝負っ!」

 

 奴の手前で呼吸を止め、無呼吸状態に入る事で更なる加速を行ってから、俺は大きく右、左と踏み出す。

 

 一瞬。ほんの一瞬だが大きく加速した俺を追う事ができず、ベヒモスは反応が遅れた。

 

 今更のように灼熱化した頭を振りかぶろうとしているが、もう遅ぇ!

 

「エイヤッ!」

 

 手加減なし。全身全霊、全力のK.O.アッパーカット!

 

 ボクシンググローブを装着していた時ですら、自分より倍以上重たい人の意識と首の骨を破壊した文字通りの必殺ブローは、この世界に来た事で更なる強化を施されている。

 

 その一撃は、もはや殺人拳と呼んでも全く問題ではない領域に突入していた。

 

 巨体のベヒモスが空高く吹き飛ばされ、何度か橋をバウンドした後に抵抗もできぬまま、奈落の底へ落ちていったのだ。

 

「ま、マジかぁ……」

 

 思わず苦笑いしてしまうぐらいだ。いやちょっと、こんな破壊力が出るのは聞いてないわ。

 

 死ぬほど重たく、今にも倒れそうな身体を立て膝で無理やり支えながら、俺はトラウムソルジャーたちと戦っているであろうクラスメイトの方を見る。

 

 天之河の参戦。そして、白崎の手によって回復したメルド団長たちの参戦で、どうにか持ち直したらしい。まだ召喚速度を殲滅速度が上回ってはいないが、それも時間の問題だろう。

 

 やれやれ。何とかなりそうで良かった。

 

「真久野くん、歩けそう?」

 

 ハジメが魔力回復薬を飲みながら駆け寄ってきた。

 

 こっちもこっちで、かなり疲労している。そりゃそうだ。死の恐怖と隣り合わせの状況で、限界ギリギリまで〝錬成〟を使用してたのだから。

 

「悪い、肩貸してくれるか。立てはするが、歩くにはもう10カウントは必要だわ」

「はは、分かった。幸いすぐに行かなくても何とかなりそうな雰囲気だし、ゆっくり行こうか」

 

 疲れてるだろうに、そんな様子は見せず笑顔で肩を貸してくれるハジメ。本当に優しいなぁ……。

 

 そう思いながら、ゆっくりと足を進める。

 

 そんな時であった。

 

 トラウムソルジャーとトラウムソルジャーの間を抜けて、流れ弾のように“見せかけた”火球と風球が飛来してきたのは。




 今回マックくんが使用した技は以下の通り。
・ハンマーパンチ(DA)
・ワン・ツーパンチ(横強)
・スマッシュストレート(横スマ)
・スマッシュボディフック連打(横スマ下シフト連打)
・ダイナマイトアッパーカットの動き(上スマ)
・スウィングパンチ(下スマ)
・ジョルトブロー(横必殺)
・バリーブロー(スマForのカスタム横必殺2)
・デンプシーロール
・K.O.アッパーカット

 ちなみに「前方への高速スウェーで回り込む」は前方移動回避が元ネタ。今回はそこから入れ込み横スマブッパもしてもらいました。気がついたかな?

※マックくんの技紹介
★スマッシュボディフック
…スマブラではダメージ蓄積やシールドブレイクで日頃から大変お世話になっております。

 スマッシュストレートの派生技であり、一瞬仰け反ってから全力のボディフックをブチかます。マトモに食らうと一撃で骨が内臓に突き刺さるヤベー技。考えてみたらこいつヤベー技しか持ってないわ。

 ストレートとは異なり、こちらは左であっても全く同じ威力で、かつ全く同じフォームで放てる。しかもスマブラとは異なり、発生速度もストレートより速い上に、左右どちらでも打てる事が災いして速射砲みたいな速度で矢継ぎ早に飛んでくる。このボディフックのラッシュが必殺ブローの1つ。

 オマケにスマブラと同じくガードを許さない鬼畜仕様。腕なんかで半端にガードしたら一瞬でへし折れる。肘でブロックしてもガードが弾き飛ばされ、次のボディフックで死ぬ。食らったら死ぬ以外残されていない。

 タチの悪い事にこのフックは顔面にも飛ばせる。こちらはデンプシーロールと呼称され、頭蓋骨すらも割られる可能性があります。ヤバすぎ。

 マックくんの代名詞であり、対戦ボクサーはK.O.アッパーを嫌ってガードを上げればこのスマッシュボディフックが飛来してキャンバスに沈み、ボディフックを警戒してガードを下げればガラ空きの顎にK.O.アッパーが突き刺さってキャンバスに沈む地獄の2択を迫られる。

 こんな超性能のフックを受けていて、ベヒモスは随分長く生きてましたね。流石、現時点の召喚組からしたら絶望的な強さを持つだけある。

 下スマの方が傷口を作るまでが早かったのは、表裏両当てした時の火力が下シフトより高いから。

マックくんの新たな恋人候補

  • 〝初恋枠〟優奈ちゃん
  • 〝妹枠〟ルウちゃん
  • 〝大穴枠〟恵里さん
  • ハジメくんの嫁候補以外のクラスメイト
  • アルテナを始めとする亜人族の皆様方
  • 〝英雄〟に嫁ぎたい帝国住まいの方々
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