ここだけドルゥヴ・ラクダワラが最強だった世界線。 作:貴方に愛を教える特級呪物パンツ
呪術廻戦最新話を見る。
色々ショックでやけ酒。
酔った影響か突如脳内に湧いて来た存在するはずのない訳のわからない記憶。
そして書き上がった謎の特級呪物。どうか供養させてください。
時は弥生時代。一人の娘に仕えた呪術師がいた。
倭の国の現状を憂いた可愛らしい娘の為、呪術師だった男は単身で列島を制圧し、倭国の女王の座を彼女へと捧げた。
女王になった娘の名は卑弥呼。
そして、卑弥呼に仕えたその呪術師の名は……
ドルゥヴ・ラクダワラ。
日本最古の呪術師である。
そんな男、ドルゥヴは転生者であった。
ただし、ドルゥヴは自身が呪術師であることも、呪術廻戦の世界に転生していたことも全く把握していなかった。
だが、古代日本に近いファンタジー世界だということは生まれた時から理解していた。そして、修行の果てに固有結界?(実際は領域展開)を習得した男は、最終的にこの世界はおそらく型月世界だろうという結論に達した。もちろん間違った結論である。
ドルゥヴには他の人間には見えない化け物が見えていた。
そんな霊の類の化け物に恐怖したドルゥヴだったが、どういう訳か身体から湧き上がる不思議な力(呪力)を使うと、容易くその化け物を撃破することができた。
それから、ドルゥヴは不思議な力(呪力)を鍛え、淀みなく操作できるようになり、固有結界(領域)を展開できるようになり、その力(呪力操作)と筋肉の力で列島を制圧し、ついに当代最強の呪術師になった。
だが、男ドルゥヴが生きたのは弥生時代。
呪術最盛期の平安に比べて術師の数も少なく、呪霊の強さも大したことがないことから、所詮は凡夫と後の時代の呪術師達からは侮られていた。
しかし、実態は異なるものだった。
男ドルゥヴは規格外だった。この世界の外から来た男は、彼を転生させた神からの祝福か、溢れんばかりの才能と強力な術式を持っていたのだ。
ドルゥヴの術式は自立型の式神を生成するという術式。さしずめ『式神創術』といったもの。これがえらく強力な術式だった。
ドルゥヴはその術式を使い、せっかくだから最強の式神を創ろうと考えた。
ドルゥヴの知識の中の最強。この世界を型月世界だと仮定した上での最強の存在。
ドルゥヴには思い当たる存在がいた。
やがてドルゥヴは一体の怪物を参考に式神を創り始めた。
其れは、世にも美しい水晶のように青い蜘蛛の姿をした怪物。
外殻はこの星の何よりも硬く柔らかく、鋭いという特性を持ち、ありとあらゆる事象に高い耐性を誇る。
体内では膨大な呪力をまるで核融合反応のように捻出し、恒星級の呪力放出を可能としている。
「どうしようもない絶望」「致死的運命」……そう称されていた型月世界最強の侵略移動生命体。
その怪物を参考に創成された最強の式神の完成によって、男、ドルゥヴ・ラクダワラは真の意味で最強へと至った。
『
そう名付けられた式神は、まさに無敵の存在だった。
しかしながら、結局、生前において他の術師や呪霊が弱過ぎた為ドルゥヴは式神の力を行使することは生涯一度もなかった。
"式神出すより拳で殴った方が早かったから"
それが晩年のドルゥヴの言葉だったそうだ。
ドルゥヴは強過ぎたのだ。生まれる時代を間違えた程に他の存在に比べて圧倒的に強かった。
その後、仕えた女王卑弥呼の死に殉じたドルゥヴだったが、馬鹿な術師が死後の彼の魂を呼び起こし、一度時を経て受肉を果たした。
結果、天災と呼ばれる程の大厄災を引き起こした後再度封印された。
そして、更に時を経て現代。彼の力を過小評価していた羂索によって、ついに、最古の呪術師は二度目の受肉を果たしたのだった。
場所は新宿。
辺り一面廃墟となったその地に二人の男が倒れ伏している。
現代最強の呪術師、特級呪術師五条悟。
呪術師伏黒恵に受肉した、呪術最盛期における最強、呪いの王両面宿儺。
片や六眼と無下限呪術の最強の抱き合わせ、片や未だ底知れぬ力を秘めた術式に加え、伏黒恵の肉体に刻まれた十種影法術をも手中に収めた最凶の存在。
だが、彼等の様は最早、戦闘継続は困難なのではないかと思わせる程にボロボロだった。
「じゃあな小童共。儂がいない時代に生まれただけの……
そんな二人の姿を、巨大な青い水晶の蜘蛛のような式神が背負う円盤のような部位から見下ろす老人がいた。
最古の呪術師、ドルゥヴ・ラクダワラ。
最強を謳った二人に真の最強とはなんたるかを叩き込んだ正真正銘の怪物である。
「安心せい。すぐに皆同じ場所に送ってやるわい」
そして、ドルゥヴは語り始める。この戦いの顛末。その後に待ち受けている世界の運命を。
「まずオマエ達が死ぬ」
ドルゥヴの言葉と共に、彼の使役する式神から莫大な呪力が湧き上がる。その出力は最早恒星級。前代未聞の呪力出力だ。
「次に儂に挑むであろうお前達の仲間も皆死ぬ」
戦いを中継しているカメラに向かって、ドルゥヴは宣言する。最早観戦しているお前達は敵にすらなり得ないのだと。
「その後、術師、非術師を問わず全ての人類が
ドルゥヴにとって、仕えた女王亡き世界の人間達などどうでもいい存在だ。彼の描く世界に最早生き残る存在は必要としていない。
「もちろん、呪霊も全て駆逐される」
仙台結界で受肉し目覚めたドルゥヴはすぐさま結界内を蹂躙した。近くにいた
「そして、この星が終わる」
ドルゥヴの目的は唯一つ。かつて仕えた女王の夢見た世界の実現。
「天元を喰らった儂の式神の領域展開によって、全ての術師、非術師を問わず人類は皆星漿体として天元と同化する」
呪いのない世界へと星を至らしめることだった。
ドルゥヴは目的を実現するべく天元奪取を目指し進撃を開始。やがて羂索の下へと到達したドルゥヴは羂索へと襲いかかった。
羂索はドルゥヴの力を侮っていた。生涯一度も術式で生み出した最強の式神を使ったことがなかった為にドルゥヴの実力を過小評価してしまったのだ。
そして、ドルゥヴの力を侮った代償を払うことになった。
ドルゥヴに襲撃され瀕死の重症を負い、せっかく苦労して手に入れた天元もドルゥヴの使役する式神に喰われて奪われてしまったのである。
その結果、ドルゥヴの式神が元々所持していた領域が変質。
領域内の存在全てを星漿体と見做し、強制的に同化させるという必中必殺の領域展開を新たに習得した。
「侵食領域展開『空想■界天元』。儂の式神の歩く軌跡全てを侵食するその領域はやがて、この星全土を覆うだろう」
最早勝ち目は限りなく薄い。逆転の目もその殆どが既に詰まれていた。唯一ドルゥヴの式神に適応できる可能性のあった宿儺の呼び出した魔虚羅も、逆にドルゥヴの式神に敗れた後取り込まれ、式神の糧にされてしまった。
「じゃが、最期に人類の宿願が叶う。呪い無き世界。全ての人類と呪霊の消滅によって、我々はついに呪いの輪廻から解放されるのだ」
「さあ、
それでも呪術師達はこの怪物と戦わなければならない。
呪術界の為、この国の為、この世界の為……この星の未来の為に。
五条悟は笑った。生まれて初めて出会った、自身より格上の存在に対して挑み、自身の全てをぶつけてやろうという興奮に身を任せて呪力を高めた。
両面宿儺は殺意の笑みを浮かべた。目の前のふざけた老害に呪いの王の力を思い知らせるべく再び呪力を激らせた。
並び立つは過去と現在において最強と称された存在。
相対するは、最古の呪術師ドルゥヴ・ラクダワラ。その真の力を発揮することがなかったが故に凡夫と侮られていた、最強の二人をもってして尚も届かぬ絶対強者。
笑うという行為は本来攻撃的なものである。元を辿れば獣が牙をむく行為が原点のものだ。
呪力を纏い笑みを浮かべる二人の姿を見た老人、ドルゥヴもまた笑った。
好戦的な笑みを浮かべ、底知れぬ呪力を湧き上がらせた。
12月24日。最古の呪術師ドルゥヴ・ラクダワラ。
ここに星の命運を賭けた、呪術界の歴史に刻まれる戦いが再開された。
嘘予告
ドルゥヴに追い詰められた五条と宿儺。そんな絶対絶命の中、五条は宿儺に一つの提案をするのだった。
「ねえ、宿儺。俺に受肉してみない?」
次回『最強✖️最強。五条宿儺爆誕!!』
※たぶん続きはないです。