ここだけドルゥヴ・ラクダワラが最強だった世界線。   作:貴方に愛を教える特級呪物パンツ

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せっかくなので、本編でちらっと出ていた拡張術式の設定を出してみました。


if√ もしもドルゥ爺が最初から虎杖に受肉していたら②

 

 

 

 領域展開『水晶渓谷』。

 ドルゥヴ・ラクダワラが創った最強の式神オルトが所持するその領域の必中効果は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()というものである。

 

 オルトのオリジナルであるORTの固有異界、侵食固有結界のような惑星環境の法則さえも書き換えるテラフォーミング能力こそないものの、領域展開と同時に領域内の存在をただ式神オルトによる捕食吸収を待つだけの存在に変えてしまうというこの効果は、どうしようもない絶望的な効果を誇っている。

 

 しかし、ドルゥヴが受肉したばかりだったことにより出力が低下していたこと、対する二人、五条悟と両面宿儺が呪術師の中でも最高峰の存在であり、領域対策も万全であったことで領域展開によって三つ巴の戦いに決着がつくことはなかった。

 

 とはいえ、五条と宿儺も完全に領域効果を中和できたわけではない。

 五条は身体の一部を、宿儺は指の本数が少なく出力が大幅に落ちていたこともあり肉体のかなりの部位が領域効果で侵され水晶化させられてしまった。

 だが、反転術式を使える二人はすぐさま水晶化した部位を自身から切り離し、新たに生やすことで切り抜けることに成功した。

 

「おいおい何者だよお前?」

 

 五条悟は獰猛な笑みを浮かべ、青い瞳の六眼で、ドルゥヴが受肉した虎杖へ鋭い視線を送る。

 

 六眼の情報が確かなら、目の前の受肉体……ドルゥヴは、()()()()()()使()()()()()()。だが、ドルゥヴは未だ式神を出していない。にもかかわらず、間違いなく現代最強である自分と、伏黒が集めた指の本数が不足している為に全盛期には程遠いとはいえ、かの呪いの王すら圧倒してみせた。

 

 コイツは強者(同類)だ。

 

 五条悟はドルゥヴ・ラクダワラという踏み潰す相手でも、慈しむ相手でもない未知なる存在を確かに目に焼き付けた。

 

「ほう、よもや『水晶渓谷』を耐えるとは……ここは反転で術式を回復させてもう一度領域を展開するべきか?」

 

 一方、ドルゥヴは領域展開に耐えられたことで相手の力量を素直に認めた。二度の生涯で出会うことのなかった強者。片方は忌々しい呪いの気配を感じるから論外だが、現代の術師である五条悟の方には少し親近感が湧いていた。

 

 此奴がこの時代の(最強)か。

 

 ドルゥヴは思慮する。強者達を相手に再度領域展開をすることで早期決着を図るか、あるいは……

 

「いや、やはりここは身体を慣らすとしよう。この身体の性能を試す上でお前達は相手として申し分なさそうだ。拡張術式……解放!」

 

 瞬間、ドルゥヴが受肉した虎杖の身体が翡翠色の眩い光に包まれた。

 

「『星間航行鎧(セイカンコウコウスキン)』形成。いやはや…かなり頑丈じゃな。この身体なら五分程度は保つかのう……!」

 

 やがて、眩い光が収まると、そこには莫大な量の翡翠色に発光する呪力を纏ったドルゥヴの姿があった。

 

「拡張術式『星間航行鎧』……その術式効果は極めてシンプル」

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()!」

 

 

 

 

 

 

「いや、オルトってなんだよ」

 

 ドルゥヴの術式開示は失敗した。

 

 

 

 拡張術式『星間航行鎧』。

 その術式は、ドルゥヴが「式神オルトを創ったのは儂……つまり、創造者の儂なら創った式神の力を生身で使えてもおかしくないんじゃね?』と無理矢理解釈し拡張に拡張を重ねた結果生まれた超がつく浪漫の詰まった欠陥術式である。

 

 ドルゥヴが思い描いた真の『最強』の具現()()()()()()()()()宿()()という破格の効果を持つ完成したこの拡張術式は、しかしながらあまりに負担と反動が大きすぎる為、式神オルトを創った創造者のドルゥヴでさえ生身ではまともに運用出来ないものになってしまった。

 

 その負荷の重さは、もしも老いた老人の身体で解放しようものなら、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。戦闘のほんの刹那の間しか使えない割に要求される膨大な呪力消費と肉体崩壊による死の危機(リスク)を抱えてしまうという使い所が非常に少ないものなのである。

 

 よって、最強の式神のオルトをそのまま出した方が早くてリスクもない為、最早浪漫枠以外に存在する意味が殆どない拡張術式に成り下がってしまっていた。

 

 しかし、ドルゥヴが虎杖悠仁という人並み外れた身体能力と頑丈さを併せ持った肉体に受肉したことで話が変わった。

 

 何故なら、宿儺の檻にもなれる虎杖の強靭な肉体ならば、()()()()()()()()()()()3()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()5()()()()()()この欠陥拡張術式が解放出来るのだ。

 

 結果、ドルゥヴが受肉した虎杖の身体は、拡張術式解放時間中は、オルトと同規模の呪力出力を与える太陽炉と恒星級の出力機関が備わり、オルトと同等の硬度の肉体を獲得し、オルトの理不尽な解析適応能力を得た状態へと強化される。

 

 即ち、究極のゴリラ廻戦の申し子の完成である。

 

 術式開示には失敗したが、そのことをドルゥヴはあまり気にはしなかった。むしろ、ついに手に入れた最強の物理の力に興奮し完全にハイになっていた。

 

「まずは、小童の要望通りに、友人達を巻き込まない場所へと避難させてやるとしよう」

 

 

 

「『彗星航法』』

 

 

 

 すっかり機嫌が良いドルゥヴは、手始めに、中の虎杖の頼みを了承すると二人のオカ研メンバーを避難させることにした。

 瞬間、ドルゥヴの姿が五条と宿儺の前から掻き消える。

 ソニックブームだけを残し、ドルゥヴが音を置き去りにして移動したのだ。

 

 五条悟でさえ、その移動速度には殆ど反応出来なかった。何故ならその速度は、かつて一度五条を殺しかけた天与の暴君、伏黒甚爾並み……あるいはそれ以上の速さだったからだ。

 

 五条と宿儺が消えたドルゥヴの行方を追っている間に、一瞬で気絶したオカ研の二人の元へと移動したドルゥヴは、そのまま二人を抱えたまま飛翔した。まるで彗星のように一条の翡翠色の光となって空を翔け、一時的に戦場となっていた校舎から離脱したのだ。

 

 そして、巻き込むことがないと判断した場所に二人を下ろすと、再び自身の戦場上空へと舞い戻った。

 

「さて、では改めて……」

 

 

 

 

「『布瑠部由良由良……』」

 

 

 

「『九網、偏光、烏と声明、表裏の間……』」

 

 

 

 

 しかし、舞い戻った戦場では、二人の最強が万全の構えでドルゥヴを待ち受けていた。

 

「来い、魔虚羅」

 

 ()()()()()()の力しか持たず、客観的に見て三つ巴の中で最弱の宿儺は、事態を打開すべく未だ調伏が済んでいない最強の式神、八握剣異戒神将魔虚羅を五条とドルゥヴの二人を調伏の儀に巻き込むことで無理矢理召喚した。

 そして、召喚された魔虚羅は、最大脅威である空中のドルゥヴを標的に定めた。

 

 

 

 

「虚式・『茈』」

 

 対して五条悟は、魔虚羅と未だ底の見えないドルゥヴを一撃で屠るべく、呪詞込みの最大出力の虚式を放つ。

 呪術を用いる攻撃においてその破壊力を上回るのは、同じ特級呪術師九十九由基の自爆覚悟のブラックホールのみ。間違いなく現呪術界における最大規模の破壊術式攻撃である。

 

 

「驚いた……よもやオルトに次ぐ高位の式神に加え、これ程の呪力攻撃を放つ術師が存在していたとは……」

 

 

 しかし、二人の最強に相対したドルゥヴの纏う呪力もまた、さらに爆発的に増加、そして太陽の如き輝きを放ち始める。

 

 

「じゃが、儂相手には不足じゃよ」

 

 

 暴走し、空中のドルゥヴへと飛びかかって来ている十種最強の式神魔虚羅。現代最強の呪術師五条の必殺の虚式による一撃。どちらの脅威も殆どの呪師、呪霊が抗うことすら許されないものだ。だが、その二つの脅威を前にしても、ドルゥヴは焦り一つ見せることはなかった。

 

 

 

 

 そして、ドルゥヴもまた、()()()()()()

 

 

 

 

「『雷雲』『螺旋の空』『究極の一』……」

 

 

 

 

 呪詞に呼応するように超重力場が生まれ、肉体から放出された100万度を超えるであろう超高熱が竜巻の如く渦巻き、毒々しい虹色に輝く宇宙の雷雨群が発生する。

 

 

「『宇宙嵐(ギャラクティカ・スーパーセル)』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 宮城県仙台市上空。

 突如観測された核融合反応に類似した未知の現象により、未曾有の磁気嵐が発生。大規模な通信障害を含め市全域に多大な影響が出た。

 

 また、時を同じくして宮城県杉沢第三高校が謎の爆発によって消滅。

 原因として、件の磁気嵐を伴った現象による影響でガスが爆発したのではないかという説が出回っているが、現在も真相の究明に追われている。

 

 

 

 

 

 しかし、実際の原因はたった一人の呪術師によるものだった。

 

 杉沢第三高校上空で魔虚羅を中心に五条の虚式とドルゥヴの巻き起こした宇宙嵐が衝突。その破壊の渦は受け止めて解析適応しようとした魔虚羅を跡形もなく消滅させ、空間にすら影響を及ぼし杉沢第三高校屋上にいた宿儺と五条へと降り注いだ。

 

「おいおいマジか……」

 

 超重力場の影響で空間にさえ影響を及ぼしたその破壊の渦は、そのまま杉沢第三高校の校舎を消滅させ、打つ手がない宿儺と無下限を部分的に貫通したダメージを受けた五条を巻き込んで大規模な爆発を引き起こした。

 

 旧杉沢第三高校跡。

 最早クレーターと化したその地に、消滅の原因となった呪術師が舞い降りる。虎杖悠仁に受肉した『宿老』ドルゥヴ・ラクダワラ。解放していた拡張術式は強制的に解除されてしまったが、未だ二体の最強の式神を温存しているドルゥヴは、呪いの魔の気配を持つ宿儺の指を取り込んでいた伏黒恵の息の根を止めるべく降り立つと同時に呪力を練り始めた。

 

「天晴れじゃ。呪いでありながらこれ程タフな存在は初めてじゃよ。褒美に貴様に真の『最強』を見せてやろう」

 

 ついに式神の"起動"を開始しようとしたドルゥヴ。完全に意識が沈んでいる伏黒と戦闘不能の宿儺にはなす術がなく、何とか致命傷こそ避けた五条も未だ回復が追いついておらずドルゥヴを止めることは不可能である。

 

 いや、そもそもドルゥヴがかの式神を起動した瞬間絶死の運命は避けられない。

 

 抗うことさえ許さぬ絶望。最強の式神オルトの起動によって呪いの時代は終わるのだ。

 

 

 

 

 

 

 その時だった。

 

 

 

 

 

 

【もう止めてくれ!爺ちゃん!!】

 

 

 

 身体の中から叫ぶ虎杖の声がドルゥヴへと響く。

 

 

 

 

 そして、突如、ドルゥヴの脳内に溢れ出した()()()()()()()ーー

 

 

 

「何……じゃ……これは……!?」

 

 

 仙台で繰り広げられた人外魔境三つ巴決戦決着。

 勝者、『宿老』ドルゥヴ・ラクダワラ。

 

 しかし、その結末は予想外の事態を引き起こした。

 

 

 

 





 この世界線は、呪術師伏黒恵が十種の式神達と相棒のスクナと共にジムバッチ(指)を集める旅を続けながら、伝説の式神マコーラを捕まえて、技マシンで相棒のスクナを強化して史上最強の呪術師を目指す物語になると思います。
 旅では、愛を教える為に術式対象を拡張したり、閉じない領域を習得してくるサトルや、孤高の電気タイプのカッシーといった強敵達との邂逅が待ち受けているでしょう。

 ただし、ライバル兼ラスボス?枠の虎杖という呪術師がウルトラネクロズマやムゲンダイマックスダイナ級のオルトとかいう禁伝を使って来る上に、頑張って戦闘不能にしてもフォルムチェンジ強化復活イベントを複数回してくるというかなりのクソゲーです()
 おまけにしっかりゲンキの塊(極の番)まで使って復活させてきます()

 あとは、誰よりも呪いの可能性を信じて探求を続けている物語の黒幕っぽい千年以上生きている頭がメロンパンみたいなケンジャクという博士枠の人物がいますが安心してください。悉く企みが裏目に出て、最終的に味方サイドで一番頼りになる立ち位置の人(ドノツラ)になると思います。なので、それまでは温かい目でゲラゲラ嗤いながら見守ってあげましょう!
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