ここだけドルゥヴ・ラクダワラが最強だった世界線。 作:貴方に愛を教える特級呪物パンツ
いつかアニメでドルゥヴの戦闘が盛られることと、本誌での虎杖の活躍を祈って……
「わかっていた……わかっていたことだ」
術式によって斬り刻まれ、粉微塵になっていくビル群と、呪力で形造られた炎と美しい水晶に覆われた渋谷の街並みを上空から見渡しながら、特級呪霊である漏瑚は悟ったように言葉を零す。
漏瑚は己の力に自信を持っていた。
羂索から言われた宿儺の指八、九本分という実力も確かなものだった。
ただ、今回もまた、漏瑚は戦った相手が悪すぎた。
「だが、ここまで……!?」
「こんなものか……呪霊!!」
凄まじい速さで迫り来る凶悪な笑みを浮かべる
(両面宿儺……五条悟とはまた違う異質の強さ。まさに……規格外!!)
一度目の敗北。
漏瑚は、ドルゥヴに敗北してから実力を鍛え直し始めた五条悟と相対し、新技の実験台にさせられるという屈辱的な敗北を味わった。
そして今回、漏瑚はまたしても絶望的な敗北を味わうことになる。
相手は呪術の歴史における史上最強の怪物。
伏黒津美紀に受肉した万が頑張って集めた
その規格外の呪力による攻撃と、宿儺に追従して攻撃を仕掛けてくる魔虚羅の対魔の剣による掠り傷(ほぼ致命傷)によって、漏瑚は既に敗北の一歩手前の状態まで追い詰められていた。
「これ程の力なら、必ずや呪いの時代をもたらしてくれるはず!!だが、その為には……」
しかし、圧倒的な実力差がありながら、漏瑚はまだ祓われていない。
それは、宿儺が別の相手との戦闘の片手間で漏瑚の相手をしていてトドメを刺すのを後回しにされているからだ。
「あの化け物をどうにかしなければ……!!」
瞬間、先ほどまで漏瑚と宿儺がいた地点にて轟音が鳴り響く。
「……!」
轟音と共に感じた莫大な呪力に反応し、漏瑚は宿儺のいる方へと視線を向けた。
「よそ見とは余裕だな。呪いの王よ」
「……!ちぃ!魔虚羅!!」
視線の先では、漏瑚のことを既に気にする余裕をなくした宿儺と、凄まじい呪力を纏った
漏瑚がぶち抜かれたビルは既に木っ端微塵に砕け散り、道路が広がっていたビルの下は既に陥没したクレーターが広がる荒れ果てた殺風景なものになっている。
「お主も式神使いに
主の呼びかけに応じて、式神である魔虚羅は宿儺の援護に向かおうとする。しかし、その行手は、
宿儺と魔虚羅は苦戦を強いられていた。
何故なら、二人の相手は、見た目は変態のソレだが実力は正真正銘の怪物。
特級呪霊の漏瑚ですら比較した場合には脅威から除外して集中的に警戒しなければならない呪いにとっての最大脅威だ。
漏瑚が本能から恐れ、戦うことすら放棄して、挑みさえしなかった水晶のような硬く柔らかい未知の外殻に覆われた怪物。そして、その怪物を従えるパンツ?を被った呪術師。
及びその式神オルト。
それが、現在宿儺と魔虚羅とついでに漏瑚を相手にして尚、戦いを有利に進めている呪術師側の最高戦力であり、パンツ?を被ることで変態の汚名を着せられる代償に、
「蹂躙せよ、オルト。悠仁に儂のいいところを見せるぞお!!」
現代に蘇り、運命の出会いを果たした孫(勘違い)の身体で今日も元気に
その創造主の声に応えるように、寝起きの彼の式神もまた呪力出力を上昇させた。
『◾️◾️◾️◾️80%』
それまでの寝惚けていた時の出力とは次元が違う、オルト本来の出力の呪力がようやく解放される。
その規格外の渦巻く呪力を感じ取り、漏瑚は絶望した。
——あれの内側には、恒星規模のエネルギーが渦巻いている……
炎を扱う漏瑚は理解ってしまった。
オルトという式神の内側で想像を絶する恒星規模の呪力エネルギーが渦巻いていることに。
それ即ち、
存在として根本的に火力が違い過ぎる。
「なんだ……これは」
乾いた笑いと共に、自然と漏瑚の顔にある一つの大きな瞳から涙が零れる。
それは、ヒトが恐れから、悲しみから流す水の雫。
人間が感情の発露と共に流すような透き通った綺麗な涙だった。
それは、オルトに対する恐怖からだったかもしれない。それは、オルトという怪物を見て、呪いの時代が来ないかもしれないという悲しみからのものだったのかもしれない。
ポロリと流れたその一筋の涙は、やがて、漏瑚の頬を伝い荒れ果てた渋谷の大地へと零れ落ちた。
「……人を殺すと悠仁が悲しむからのお。
ドルゥヴは漏瑚から強い信念を感じていた。
"呪い無き時代"を目指すものと、"呪いの時代"を目指すもの。
"呪術師"と"呪霊"、対極の思想を持つ存在である漏瑚を決して認めることはないが、その目的の為に進み続けた存在に思うところはあった。
ゆえにドルゥヴは、それなりの敬意を持って漏瑚を屠ることを決意する。
式神の領域を間接的に発動する普段の領域展開とは異なる、式神オルト本体によって直接展開される真の領域展開。
——0.2秒の侵食領域展開。
"式神オルトの歩んだ軌跡全てを領域とする"規格外の領域が刹那の間に展開され、帳の中の巻き込まれた全ての非術師、そして、特級呪霊である漏瑚をも美しい水晶へと変換する。
「『水晶渓谷』」
星をも覆うオルトの領域が、渋谷の街を水晶世界へと塗り替えた。
「これで、多少はオルトが暴れても問題あるまい。ようやく本気の戦いを始められるわい!!」
この領域展開により、渋谷の街にいた非術師がいなくなり、ドルゥヴは人命を気にする必要がなくなった。
「宇宙線の稲妻を見せてやろう。『コズミックレイ・バースト』」
未だ底を見せていない最強の式神オルトの力が、ついに呪いの王へと振るわれた。
ちなみに宿儺が頑張らないと、例の
おまけ『虎杖ファミリー』
五条悟を獄門疆で封印することに成功した偽夏油こと虎杖の母親羂索。
額に縫い目のある男は現在、五条悟のせいで処理落ちした獄門疆を地下鉄の駅のホームで見張っていた。
「うん?」
ふと、こちらへと降りてくる複数の呪力の気配を感じ取る。
気配は複数。内一人はつい先程まで行動を共にしていた呪胎九相図の一人のものだ。
「もう戻って来たんだ脹相……
羂索の視線の先には、仲間だった者に対するものとは思えない憤怒の表情を浮かべる呪胎九相図の長男、脹相の姿があった。
「よくも俺に虎杖を……弟を殺させようとしたなあ!!」
「やれやれ……それが親に対する態度かい?脹相」
激昂した脹相に淡々と答えながら、思ったより早く気づかれたことに軽く舌打ちする。
五条悟の封印が完了していない今はタイミングがよろしくない。
加えて、脹相の後から現れた存在にも思うことがあった。
「それにしても、まさか生きていたとはね。
呪胎九相図の次男と三男。既に呪術師側に殺されていると思っていた二人の登場には流石の羂索も少し驚いていた。
おそらく、脹相に正体を気づかれたのもこの二人が原因だろう。
「加茂憲倫……!貴様のせいで危うく悠仁と殺し合いをしそうになりましたよ!!」
「そうだそうだ!
——うん?爺ちゃん?あの祖父はとっくに死んでなかったか?
壊相と血塗から浴びせられる罵声を聞き流しながら、羂索は考察する。
昔、虎杖香織をやっていた時に会ったことがある虎杖の祖父はもう死んでいるはず。それに、虎杖が関わりのある呪術師の人間で老人となると京都校の学長ぐらいだ。
壊相と血塗が未だ生きていることに関係があるかもしれない謎の人物に羂索はちょっとだけ関心を抱いた。
「ところで、君は何者かな?」
そして、羂索は九相図兄弟と一緒にやって来た存在。
羂索が気配を感じ取った存在は
脹相、壊相、血塗ともう一人いた。
それが、羂索が視線を向けた女だった。
「……」
瞬間、女から莫大な呪力が発せられた。
羂索をして、恐怖を抱く程の膨大な呪力。
呪力量だけなら、あの宿儺をも凌駕するほどのものだ。
「……!」
羂索に久方ぶりの緊張が走る。これまで相対して来た六眼持ちや、宿儺や鹿紫雲といった強者達との邂逅以来のものだった。
「私は——」
莫大な呪力(恒星級)を纏う女が言葉を発する。その正体を探るべく、羂索は無言で意識を集中させ、聞き耳を立てた。
そして、女からついにその正体が告げられた。
「虎杖悠仁の姉です」
「は……?」
「姉です!!」
「いや、私が産んだからそれはあり得ないから」
……母親だからこそできるツッコミが炸裂した。
羂索はまだ知らない。
その姉を名乗る不審者が、
ドルゥヴ・ラクダワラが誇るもう一体の式神オルト。
ドルゥヴの最愛の人を模して創られた式神、オルトヒミコであることを。
そして、もう間も無く、五条悟封印の報を受けた
式神マテリアル
真名:オルトヒミコ
創造主:ドルゥヴ・ラクダワラ
性別:女
身長:176ぐらい
体重:??
強さ:一つの神話体系の主神級。異聞帯の王やれるぐらい。
備考:何故か虎杖の姉を名乗っている()
巫女服が似合う感じになったfgoのククルカンみたいな感じです。
予告
オルトの領域展開によって非術師がゼロになった東京渋谷。
その地でついに、星喰いの怪物を模した最強の式神が進撃を開始する!
『オルト−1.0』絶賛公開中()
また、宿儺の頑張り次第では続編の『シン・オルトマコラ』が公開されます()
ちなみにこの世界線の虎杖は、全員を救うことができる代わりに全員からパンツ?が原因で変態扱いされて曇ります。