ここだけドルゥヴ・ラクダワラが最強だった世界線。 作:貴方に愛を教える特級呪物パンツ
これはドルゥ爺(最強)の世界線からさらに分岐した世界線。
・もしも、虎杖の所属していたオカ研の先輩達が、宿儺の指と一緒にもう一ついわくつきのパンツみたいな特級呪物を拾って来ていたら。
・もしも、愛の力()で早期受肉覚醒していた万が伏黒と縛りを結んで宿儺の指を集めていたら。
・もしも、最初から伏黒に受肉した宿儺Pが中から伏黒恵育成計画を頑張っていたら。
多分伏黒恵の方が主人公っぽくて、下手したら最終的に虎杖の方がラスボス説がある。大体そんな世界線です。
if√ もしもドルゥ爺が最初から虎杖に受肉していたら
記録ーー2018年6月
宮城県仙台市、杉沢第三高校。
その敷地内にある百葉箱の中を見る一人の青年がいた。
建前としては任務の為、本音としては義姉の為にとある呪物を集めている1人の青年。
呪術高専所属の呪術師伏黒恵。
そんな彼の目的は特級呪物『両面宿儺の指』という名の呪物だった。
しかし、伏黒が百葉箱の中を確認してみたところ、中身は空っぽだった。
そのことに焦った伏黒は、自身の担任である五条悟に連絡を取ると、急いで『宿儺の指』の在処を探し始めた。
やがて、伏黒は一人の学生から特級呪物の残穢を感じ取った。
ピンク色の髪が特徴的な青年。
虎杖悠仁という名前の学生を伏黒は慌てて追いかけた。
【ケヒっ】
虎杖を追いかける伏黒恵の中で、傲慢不遜な呪いの王が笑みを浮かべた。
『オマエは強いから人を助けろ』
虎杖悠仁の頭をよぎったのは祖父からの言葉だった。
祖父の死後、目の前に現れた伏黒恵という名前の青年から聞かされた呪い、呪物という言葉。
そして、呪いと呪物によってオカ研の先輩達の身が危ないということを知り慌てて向かった学校からは、今までに感じたことのない圧を感じていた。
呪術師だと言っていた伏黒恵からは校舎の外で待てと言われていた。
それでも、虎杖は動かずにはいられなかった。
常人離れした身体能力で校舎四階の窓を蹴り割り、そのままオカ研の先輩である佐々木を呪物ごと取り込もうとした化け物を蹴り飛ばす。
「虎杖!?」
まさかの虎杖の登場と、非術師でありながら校舎の四階の窓を蹴り割るというその身体能力に伏黒は驚愕した。だが、おかげで問題なく呪物を回収出来る。
伏黒は式神の『玉犬』で吹き飛ばされた呪霊にトドメを刺すと、虎杖の先輩であるオカ研の佐々木が持っていた『宿儺の指』を回収しようとした。
「ん?」
すると、伏黒は佐々木から『宿儺の指』以外の呪力を感じた。疑問に思った伏黒は念の為呪力を発しているものの正体を探った。
「なんだこれ?下着……いや、一応呪物……だよな?」
出て来たのは呪力を発するパンツのようなものだった。
「あ、それ井口先輩が拾って来た
呪われたパンツ。
虎杖がそう言った下着、あるいは占い師が被るベールのような呪物を伏黒は改めて確認してみる。
「まさか、他にも厄介な呪物があったのか」
その呪物からは並々ならぬ呪力が感じ取れた。この呪物は回収しておかないと不味い。そう考えた伏黒は、『宿儺の指』と一緒にこの呪物を回収しようと手を伸ばした。
しかし、伏黒と虎杖は、直後に突然天井から現れた新たな呪霊によって急襲されてしまう。
さらに、式神を出す直前に呪霊の攻撃によって伏黒が校舎の外へと吹き飛ばされてしまった。
その呪霊の攻撃で頭が回らず術式を発動出来ない伏黒に代わり、虎杖は自慢の身体能力で呪霊に対抗しようとした。
だが、呪いは呪いでしか祓えない。
呪霊相手に虎杖の打撃は殆ど効かず、逆に呪霊の攻撃を受けて傷を負ってしまった。
(どうすればいい?)
虎杖は考える。気を失っている先輩と未だふらついている伏黒達を守りながら目の前の化け物を倒す方法を。
(……なんだ、あるじゃん)
「俺に呪力があればいいんだろ」
結果、虎杖は佐々木が持っていた二つの呪物に手を伸ばした。一つは指のような呪物。伏黒が『宿儺の指』と呼んでいたものだ。
そして、もう一つ、呪われたパンツ?らしきもの。
両方の呪物を手に取り、少し悩んだ末に虎杖は指の方を食べることを決意した。いくら呪力を得る為とはいえパンツを食べるのは流石に抵抗があったからだ。
だが、その時だった。
【小童、力が欲しいか?】
突然、謎の声が虎杖の脳内に囁いてきた。
【その御神体を被れ。そうすれば力をやろう】
【この世界から
その言葉を聞いた虎杖の判断は早かった。
羞恥心は勿論あった。しかし、それ以上に虎杖は力を欲した。
虎杖はすぐさま特級呪物の指ではなく、特級呪物のパンツの方を選び、そのまま頭に被る選択をした。
気がつくと、虎杖は不思議な空間にいた。
そこは、辺り一面が美しい水晶に覆われた翡翠色の世界。
「では、小童。力を貸してやる代わりに儂と縛りを結んでもらおうか」
そして、目の前には声の主だと思われる翡翠色の槍を手にした明らかに強そうな雰囲気のある老人がいた。その老人は化け物を祓う為の力を貸すが、代わりに縛りを結べと虎杖に言った。
「縛り?」
「そうじゃ。まあ、一種の契約みたいなものじゃよ」
そう説明すると、老人は虎杖に縛りの内容を告げた。
「
「……わかった、結ぶよその縛りってやつ」
一刻も早く化け物を倒したかった虎杖は、縛りの内容が思ったより悪くなさそうなものだったこともあり、あっさりとその縛りを結んでしまった。
「うむ。では、少し身体を借りるぞ小童。ちと虫けらを鏖殺してくるわい」
かくしてここに、虎杖悠仁という過去の呪術師と共生する呪術師が爆誕した。
虎杖に受肉した呪術師の名はドルゥヴ・ラクダワラ。
遥かな過去。弥生時代に列島を制圧した邪馬台国最強の『勇者』にして、一度受肉を経験したことで人よりも長き時を生きた『宿老』。
あまりの強さゆえにその全力を二度の生涯に渡って振るうことのなかった絶対強者である。
そんな男がよりにもよって、本来は宿儺の器になるはずだった虎杖悠仁に受肉してしまったのだった。
「まさか、受肉したのか!?」
伏黒恵の目から見てもパンツ?を被った虎杖の変化は劇的だった。
突如漲った莫大な呪力。そして、呪霊を一撃で祓った無慈悲な黒閃。
「フォオオオオオオ!!……おっと、いかんな……久しぶりの感触と黒閃で少しハイになっておったわい」
虎杖悠仁は確かに呪術師ではなかった。だが、今目の前にいる存在は紛れもなく呪術師……それも、かなりヤバい存在だ。
受肉した存在に対して身構えた伏黒を、虎杖に受肉したドルゥヴは振り向いた後ジッと見つめる。
「お主……何やら虫けらの親玉を取り込んでおるな」
瞬間、叩きつけられる尋常ではない殺気。
慌てて伏黒は式神を呼び出す為に掌印を結ぼうとした。
しかし……
「虫けらは一匹残らず駆除せねばな」
虎杖に受肉した存在はいつのまにか顕現させた翡翠色の槍を手に凄まじい速さで伏黒の目の前に迫っていた。
槍に宿るは膨大な呪力。尋常ならざる一撃に伏黒は絶対絶命の危機を迎えた。
【代われ。伏黒恵】
だが、伏黒に絶命の時が訪れることはなかった。
瞬間、校舎が真っ二つに割れた。
伏黒恵の危機によって咄嗟に受肉した両面宿儺。
その術式による斬撃によって。
「やっと出おったな親玉よ」
「ケヒっ……!誰だか知らんが殺してやろう!」
伏黒恵は宿儺との間にいくつかの不利な縛りを結ばされていた。
その為、伏黒にまだ死なれては困ると判断した宿儺が表に出て来たのだ。
ここに、弥生時代最強の呪術師と呪術全盛期平安における最強、呪いの王が時代を超えて対面を果たした。
「ん?今、どういう状況?」
さらに、現代最強の呪術師五条悟が時を同じくして現着。
半壊した校舎。その屋上に三人の各時代の"最強"が揃った。
「この時代の術師か。まあよい。今は駆除優先じゃ……『領域展開』」
「貴様は殺す……『領域展開』」
「あー、悪いけど一応恵は僕の生徒なんでね。止めさせてもらうよ……『領域展開』」
そして、三人の絶対強者達は互いに睨み合い、そのまま掌印を構え各々の領域を展開した。
「『伏魔御廚子』」
片や、対象に数多の斬撃を浴びせる閉じることなき絶技の領域展開。
「『無量空処』」
片や、無限回の知覚と伝達を強制する現代最強の領域展開。
「『水晶渓谷』」
だが、式神の領域がそのまま自身の領域となるドルゥヴが誇る最高クラスの侵食力の領域展開が、その二つの領域を塗り潰した。
そして、閉じることなく広がる美しくも恐ろしい翡翠色の水晶世界。
第一ラウンド。領域の押し合いを制したのは弥生時代最強の男。虎杖に受肉した『宿老』ドルゥヴ・ラクダワラだった。
※パンツ被って虎杖フィジカルを手に入れて暴れてますが、これでも一応式神使いです……
オルトくん「zzz…」
オルト・ヒミコちゃん「zzz…」
初手三つ巴人外魔境決戦で確実に崩壊するであろう校舎は、きっとガス会社が頑張って原因を隠蔽してくれると思います()