デカグラマトンです、連邦生徒会対策室長をやってます 作:十文字マトン
『せ、先生!!』
「"アロナ? どうしたの?"」アロナのこんな緊迫した声を聴くのはこの前のプリン盗み食い事件以来だ。
『た、大変です! トリニティの上空に巡航ミサイルを確認しました! しかもこちらに向かっています! まだ確定できませんが、古聖堂が標的の可能性がかなり高いです!』
「"巡航ミサイル!?
『は、はい! 通常のレーダーでは検知できなくて、かなり特殊なステルス機能があると推測します! メイちゃんがサンクトゥムタワーで設置した特殊レーダーで何とか捕捉出来たけど...と、とにかく危ないです!』
「"...分かりました、ありがとうアロナ"」まだどこに落ちるのか分からないけど、アロナの言い方ではみんながそのミサイルに気付いてないかも。まずはみんなにミサイルの存在を知らせて、そこからどう動くのかを考えよう。
『あれ!? ちょっと待ってください!』
「"また何がありました?"」
『あれ? あれれれれ?? せ、先生! その...は、反応が消失しました...かも!』
「"......えっ?"」
『えぇ!? 本当に消えました......2、3...全部消えました! ハッ! ち、違いますぅ! 見間違いとかじゃないもん! 本当に反応があったんです! 一気に消えるのではなく順に消えて、まるで何かに迎撃された感じなのですが、連邦生徒会やトリニティの防空システムは動いていませんし、レーダー上にも反応なし...もしかして、UFO!?』
「"えーと、とりあえず危険が無くなったってことでいい?"」誤報なのか、何かに迎撃されたのかは分からないが...
『あうぅ...誤報ならいいけど...一応メイちゃんと確認お願いします! メイちゃんなら何か知ってるかもしれません!』
「"分かった!"」
「......チームⅡの方はツルギを警戒しろ、チームⅢの方はイオリの対処を。エデン条約機構は私が...」
「り、リーダー! ミサイルの反応が一つロストしました!」
「......ロスト? 迎撃されたか?」
「......観測部隊からの連絡、突然飛来した赤い流星と接触して爆散したらしい」
「...まあ迎撃されるのもある程度想定通り、そのために四発も使った」マダムの情報によると、十文字メイは巡航ミサイルと同じ技術を使ったセキュリティシステムをハッキングした事がある。このミサイルは通常のレーダーには一切映らないが、もしかしたら何か検知出来る手段を持っているかもしれない。そのために複数のミサイルで別々の方向から攻撃した、例え検知出来ても本拠地であるD.U.でないここなら全部迎撃するのは難しいだろう。
『こちら観測班、ミサイルが飛来した
『スクワッドに報告、こちらのミサイルが迎撃された! 赤く光る物体と衝突し、爆発を目視した。目測でもあの光る物体はミサイルの倍、もしくはそれ以上の速度がある。ミサイルと衝突したあと別の方向に離脱した...観測を終了、これよりチームⅣと合流する』
「......三発とも撃ち落とされた?」二通連続の報告が来て、最初のを加えて既に三発が無力化された。もしかしたら最後の一発も...
『報告、ミサイルロスト。高速で飛来した光と接触し、光と一緒に
「......」
「な、なにが起きたの? 獣? なにぃ!? こわいぃ!!」
「......(スッスッ)」
「ああ、理解する必要がない。ただ現状を把握し、やるべき事をやるだけ...次のプランに移行する。古聖堂に設置した爆弾を起爆し、その混乱に乗じて突入する......あの人形との取引を当てにするしかないか」原因が分からないが、それを無理に分かる必要はない。私達は任務を遂行すればいい、ミサイルが失敗しても予備のプランがある。
「......どうもそうはいかないらしい。リーダー、たった今全ての通信が効かなくなった。短距離無線すらも、まるで
「......(スッスッ)」
「姫の言う通り、あんまり認めたくないが、おそらくこっちの行動は全部把握されてる。......逃げるなら今だけど、どうします? ......それとも、例のやつを」ここまで来てずっと触れてないけど、やはりミサキ、いや、みんなも同じ事を考えてる...あの対策室長の提案。
提案というよりは一方的な宣言が近いか。突然私達を誘い出して、まるで夢物語、いや、子供騙しのような事を言い出した。要求らしい要求が一つもない、こちらが何もしなくてもいい? そんな言葉、信じられる筈がない......しかしこの作戦で条約を乗っ取るのが失敗したら、姫が...いや、まだ方法がある。
私達スクワッドは他のアリウス生徒と違って、マダムへの忠誠度が低い自覚がある。しかしそれ以上にマダムに逆らったらどんな事が待っているのかを誰よりも理解してる。もし十文字メイがマダムに勝てるような存在なら、そっちに鞍替えするのも考えなくはない。ミサイルを迎撃出来るくらいの力は確かに持っているが、それだけでマダムに勝つ事は難しい。いや、そもそもマダムに勝てるような存在がこの世に居ない。
「......いや、起爆装置が効かなくても、爆弾自体はまだ残っている。私達三人で何とか古聖堂の爆弾を起爆する、そしてその混乱に乗じて条約を乗っ取る。あの人形から例のミメシスを顕現出来ればトリニティにゲヘナ、さらに連邦生徒会を同時に相手しても負けない」
怪我や死ぬ事を恐れない、疲れるという概念もない、弾薬の補充すらいらない最強軍団、それが聖徒会のミメシス。しかしそれを顕現させて制御するにはどうしてもいまトリニティとゲヘナが揃ってる古聖堂に行く必要がある......もう勝ち目が薄いのは知っている、しかしこれ以外の選択肢が存在しない。
「だからこれ以上進めさせませんよ」
「!?」誰だ、など素人がする無意味な質問はしない。仲間との連絡が取れない今、私達の邪魔をするってことは、敵だ。
アツコと一緒に声をした方向に向ってクロスファイアを仕掛ける、同時にミサキとヒヨリが私達の後ろに下がった。長時間の訓練によって私達は言葉にしなくても連携が取れる、それがアリウススクワッド......元々あと一人いるはずだが...いや、それも今はどうでもいい。
「待て待て待て、まずは名前を聞いてよ!? 『誰だお前は!』とか! それがなくとも『敵襲! 敵襲!』くらい叫べよ、まったくもう。あーこの銃弾、私に効かないですよー!」
なんかデタラメな事を言ってるが、当然そんな言葉を聞く気もならない...しかし確かに攻撃が効いてる様子が見えない。一部の要注意人物、空崎ヒナやあのFOX小隊などは普通の銃弾でダメージを与えるのはかなり難しいのは知ってる。目の前の人物はその要注意人物の誰とも特徴が合わないが...同じクラスの敵として対処した方が良さそう。
「撃ちます!」後からヒヨリの声が来た。動き回ってもヒヨリに誤射される事はないが、撃つタイミングを分かれば連携しやすくなる。
声をした次の瞬間、発砲音とともに対物ライフルの弾丸が敵の頭部に直撃。そいつは出現から一歩も動かずに全部の攻撃を受けている。ダメージらしいダメージを確認出来てないが、例え空崎ヒナでも攻撃を完全に無効にしてる訳ではない。大口径の対物ライフルが頭に直撃したら、流石に多少効くはず。
......のはず、だが。
「だーかーらー。なんか言ってよ! せっかくの狙撃ですよね? しかもヘッドショットですよ! もっとこう、映画のようにかっこいいセリフを言いながら撃てよ、まったく。あー、アリウススクワッドのみんなですね? あっちょっ話聞いてます?」
ミサキの
「...誰だ、十文字メイの手先か?」私達の居場所を分かって、そして見たこともない特殊防具を所持している。そんな事が出来て、しかもこのタイミングで邪魔してくるのは例の対策室長しかいない。
こいつがどんな考えなのかは分からないが、ここまで一切の反撃をしてこない。背中にはポンプアクション式散弾銃らしいものがあるから、「銃を持ってない」などという非常識なやつではないが...意図はまったく不明。会話で何とか情報を引き出そう。
「おお、ようやく話してくれたね! そう! 『我が名はレギオン。我々は大勢であるがゆえに』!」
「...レギオン?」
アリウス目線でゲブラー結構ホラーですね...
レギオン、一体誰ですかね〜