デカグラマトンです、連邦生徒会対策室長をやってます   作:十文字マトン

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列 車 砲


21. 列車砲シェマタ

「しぇまた? なにそれ?」

 

「知らないーそれよりおやつおかわりー」

 

「は、はい! こちらをどうぞ」

 

「相変わらず自由だなお前ら...一応公式訪問だよ?」あと普通にあついからちょっと離れて? 一応対策委員会の部室は前の砂まみれのエアコンを新しいやつにしたけど...こいつらにとって節約がもう本能になってるし、あと暑いのもある程度慣れてるから冷房は弱めに設定してる...普通ならそれでいいだけど普通じゃない体勢だからくっっそあつい。

 

 どういう状況というと、まずは当たり前の様に我を膝の上に置くホシノ...となぜかそんなホシノを自分の膝の上を置くユメさん。重くないか? 全然重くない? そうかぁ...

 

 で、この時点でおかしいけど、なぜかそこから更に二人を追加した...ハイランダー側の担当者として連れてきた橘姉妹もなぜか両側からくっついて来てる。別に嫌いじゃないけどあっついよ。

 

「かわいい子がいっぱい...!」

 

「メイちゃんもいる? お菓子」

 

「わーい、貰う!」あこれ美味しい。

 

「わ、もぐもぐしてるメイちゃん可愛い!」

 

「私達はー?」

 

「なんの対抗だよ...お前らも可愛いよ」

 

「いぇーい」尻尾で絡んて来た、可愛い。

 

「えーと、なんだっけ...退職兵器?」いやそうはならんやろ...社会人特攻過ぎやろ、というかある意味非人道兵器だろそれなんかの条約で禁止されてそう。

 

「ん、【非対称戦力兵器】だよ、セリカ」

 

 そう、なんとアビドス生徒会とネフティスがやってた砂漠横断鉄道の裏にはその鉄道を利用する超巨大列車砲を建造する計画が並行してた。装甲、加速度、最大速度と主砲などあらゆる面でハイランダーが所持してる80cm列車砲より強力な兵器...未完成だけど。

 

「どうしてアビドス生徒会があんな物を?」

 

「抑止力なのか侵攻用なのかは知らんけど、まあキヴォトスで兵器を作るのはそんなに理由いらないし」まあ我らやオデュッセイアのように完全に趣味で作ってるのが一応少数で、大体の超兵器にはそれなりに政治上の理由があるだけど。

 

 当時のアビドスとネフティスはこれで他の学校を圧倒できると考えてたらしいけど...ネフティスはともかく、昔のアビドスなら他の学校も超兵器を持ってるのを知ってたはずだけどおそらく衰退とともにそこら辺の知識も失ったのだろう。

 

 有効射程が500kmの1トン砲弾、かのラーテより強力な主砲ではあるが...列車砲である以上線路がないと走れないからあのラーテより機動性が悪いし。それにいくら装甲が厚くても、制空権を確保しないと空からの爆撃を受けて一瞬で壊される。例え完成してもぶっちゃけすでに夕暮れていたアビドスとネフティスの再起にはそんなに効果がないだろ。むしろ調子にのって他の自治区に侵攻していたら返り討ちを受けていただろうから完成しなかったのは運が良かったな。

 

「確かに...以前は全然知りませんでしたが、この前の怪獣事件で各学校が切り札の兵器で迎撃したと聞きました...そういう物でしょうか?」

 

「まぁ、メイちゃんも似た事やってたし、多分そういう物だろうね〜?」なんだよ、人が節操なく超兵器を作ってるのような言い方。

 

「メカペロロジラ...実物見たかった!」そういえばノノミさんもモモフレンズ好きだったな...次は持ってくるか。

 

「まあ、いくらハイランダーの協力があったとしても、当時のネフティスとアビドスにはこんなスペックの超兵器を完成させられる資金も技術もなかったけどね。アビドス生徒会とネフティスの野心が強過ぎて必要以上のスペックにした結果、その重すぎる車体のためのエンジンは用意出来なかった。一応主砲あたりは完成してたはずだから無理やり牽引用の列車を用意したら使えなくはないけど」

 

『はい...メイ様がおっしゃる通りで、これほど巨大な兵器を動かすエンジンなど、現在のキヴォトスにおいても各勢力の機密技術レベル...最終的にハイランダーのエンジンを使いましたが結局動くことはありませんでした。未完成のシェマタは今もアビドス砂漠に放置されている...はずでしたが』

 

「たしか、ノノミ先輩の執事さんですよね? つまり実は放置されていなかったのですか? まさか実際に使われていたとか」

 

「いや、放置されてるのは事実だけど...未完成ではない状態で。2年前まで使い物にならないシェマタがある人物に勝手に改造された...ゲヘナで有名な雷帝ってやつ」

 

 詳しい内容は言えない──全部説明したらそのあとユメさんが死んだ事も説明しないといけないので言える訳がない。とにかく放置されたシェマタが雷帝さんの興味を引いたらしくて、勝手にアビドスと接触してシェマタを完成させた。

 

「らいてい? 有名なの?」

 

「セリカちゃん、もう少し近代史を勉強した方がいいと思うよ?」

 

「え? そんなに有名人なの?」

 

「ん、私も知らない」つまりセリカさんの知識は記憶喪失した人と同等かぁ...

 

 雷帝さん、2年前で失脚したとは言え本物の天才。旧ゲマトリア、ゲマトリア、無名の司祭など別系統の技術や神秘とかのズルを一切使わずに現代技術だけを極めてオーバーテクノロジーなレベルまでたどり着いた超天才美少女発明家、もちろん病弱ではない。いまはキヴォトス(学園都市)の外で会社を経営してる...一応うち(クロスグループ)とも取引をしてる。

 

 でもシェマタの件に関しては許さん! だって──

 

「実弾兵器のロマンがわからないやつとだけ知ればいい」

 

 そう、エンジンだけを完成させればいいものの、あのビーム兵器信者(雷帝さん)が勝手にシェマタの超口径主砲をビーム兵器にしやがった! いやビーム兵器はいいけど実弾兵器もそのロマンがあるのに、あいつ何もわかってない!

 

「引っかかるポイントそこ?」

 

『メイ様、変なところに拘りが強いので...』

 

「そこがいいんだよ! ね、ヒカリ?」

 

「お嬢様は何しても許してくれるから好き〜」そう? 何でもは流石に言い過ぎだけど...可愛い。

 

「現在判明したスペックはこんな感じ」

 

「太陽と同じ温度のプラズマを発射できる?」

 

「ぷらずま? テレビ?」

 

「簡単に言うとビーム砲だね」まあ普通の日常でプラズマの単語はあんまり聞かないからそっちを連想しちゃうのも仕方ない、かな?

 

「ん、オデュッセイアのあの船と同じ?」

 

「レールガンは一応実弾だけど...まあそんな感じの兵器と考えて大丈夫」詳しい原理の説明をすると何日もかかるからね。

 

 雷帝さんがシェマタを改造するとき、主砲を独自の物に変えてた──アビドスの特産である「プラズマ化できる金属」を弾薬として使ったプラズマ砲。あの金属の特性を聞いた時軍事転用されてないのが不思議だと思ったけど流石に使った人も居たんだね。

 

 もちろん、単純にあの金属をプラズマ化して射出するだけなら多分一発撃ったらアビドスが破産してしまう...2年前の時点でもう破産してるようなものだったけど。超天才の雷帝さんは当然そんなアホな設計はしない。なんと微量な金属だけをプラズマ化させてそこから電子雪崩を引き起こして、雷と同じ現象で高出力なプラズマ砲を放出出来る。なんと一発で使う金属の量は本当に微量で済む。

 

 なんか最近似たような事を聞いたって? そうそう、キングキャットの引力光線と同じ原理。というか多分ゴルコンダが雷帝さんをパクった。まあ純粋な科学だけを使う雷帝と違ってキングキャットはゴリゴリに不思議パワー使ってるから応用出来るのは流石ゴルコンダと言うべきか。

 

「えーと、つまりその列車砲はほぼ完成してるって事?」

 

「まあそんな感じ、雷帝さんは8割を完成させて満足したから最後の仕上げだけが残ってる」多分あの金属を試したかっただけだろう。そしてその部分を完成させたら飽きて帰った...わがままじゃん。

 

『問題は、放置された場所がメイ様が所有してるアビドス砂漠であるということ。しかも同時に砂漠横断鉄路の施設でもあるので権利関係がややこしい事になっているのです...』

 

「本来はもっとややこしかったけど他の権利は全部回収したから、いま所有権を主張できるのはうちとアビドスだけになった」なんで設計者側までも権利をもってたんだよ、回収は結構めんどくさかった...ごめん嘘、全部ケセドちゃんに丸投げした。

 

「でしたらメイさんが管理した方が良さそうですね。どのみちアビドスには手に余る代物なので...」

 

「いや、むしろアビドスに管理を任せたい。うちらの兵器はもう足りてるから正直1台増えたところがそんなに変わらない。逆にCCC...こいつらの部活に渡すとハイランダー内のパワーバランスが変わるからめんどくさい事になりそう。で、アビドスはここから復興するのに相応の武力を持ってない...ホシノとユメさんは確かにバカつよいけど、この二人は一応三年生だから来年卒業するし。その時のアビドスにクロスグループやハイランダーがなくとも一定の軍事力を持たせたい」

 

「...確かに。アビドス高校はずっとこの6人な訳ではないので、これから増える新入生達を守るためにもある程度の武力が必要となりますね。使わずとも自分を守る手段として」

 

「し、しかし。普通の列車ならともかく、列車砲の操作なんて私達は出来ませんよ?」ノノミさんは鉄路関係の家族出身だから運転自体は出来るのか。

 

「それに関しては心配しなくていいよ、AIで自律させるから」流石にヘイローを浮かせたらまずいのでヘイロー持ちではなく一般のAIを入れる予定。

 

「でもお高いんでしょ〜?」

 

「いえいえ安心してください、今ならなんとこの値段!」突然コントし始めたホシノとユメさん、可愛い。

 

「これは...高いですが適正価格ですね」

 

「仕方ない、銀行を...「シロコちゃん?」「シロコちゃん先輩?」何でもない」

 

「まあなんかこんな押し売りのような形でお金を取りたくはないので...代わりにこの校舎が欲しい」

 

「...もう廃校してる高校の校舎?」いま提示した校舎はアビドス高校のではなく他の高校。全盛期のアビドス自治区にはアビドス高校以外にもいろんな高校や中学校があった。元々はほぼ砂に埋められてたけど砂の除去のお陰で整備したら使える状態に戻った。とは言え生徒がいないから使う機会もないので、いまのアビドスにとってはそんなに要らない物。

 

「校舎? 良いですけどなにに使うの?」

 

「ある学校の子達に生活できる場所を探してるので」

 

「聞いて驚けー」

 

「うちのお嬢様はなんと、ありうす? の生徒会長を兼任してる。すごいでしょう?」

 

「ぱちぱちぱちー」

 

「...なんだろう、驚きの事実らしいけどメイさんの事だからなんか別に...」

 

「明日から突然連邦生徒会長になってもおかしくないですからね、メイちゃんは」時事ネタやめろ!

 

「えっ、えーと。つまりそのアリウスの人達は、アビドスに移住するのを希望してる......? あれ!?」

 

「そういうことよ。つまりね、アビドスに新しい住民がくるよ! しかも結構な数になるかも」




ちなみにシェマタ(デカグラマトン)は容赦なく真っ白に塗装された
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