デカグラマトンです、連邦生徒会対策室長をやってます   作:十文字マトン

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我慢できなかった☆
大量のアビドス3章ネタバレあり!!!


番外編11. 暁のホルス、顕現

『【恐怖】の顕現。神聖の頂点に立ち、最も古く、最も偉大な神々の原点──【ホルス】よ』

 

 少し前まで晴れていた空はいまや不気味に赤く染まっている。アビドス砂漠だけではなく周りの自治区にまでも波及している、科学でも説明できない天地異変(特異現象)がキヴォトスに発生した。しかしその程度の事はホシノ、いや、【ホシノだったモノ(暁のホルス)】の顕現と比べたら些細な事。

 

「...せんぱい」ホルスはまるで自我を失ったように、ただそこに佇んて同じ単語を繰り返している。ホシノの特徴的だったオッドアイがある部分はいまや不気味なほど白い。彼女の周りの赤黒の炎はまるで翼の様な形をしている。胸の部分には四角の模様が強く光っている...よく観察すると、それはまるで手帳の様な形をしているが、その意味が分かる人は誰もいない。

 

「...ホシノ先輩」駆けつけてきたのは、放置すればキヴォトスの危機にもなり得る超兵器──列車砲シェマタを止めたアビドス対策委員会と先生。見た事のないはずの存在だったが、例え姿が変わっても一目でアレはホシノだと気づくシロコ。

 

「あ、アレがホシノ先輩なの!?」

 

「"ヒナ!"」

 

「......せん、せい」

 

「"ヒナ、大丈夫か!?"」

 

 ゲヘナ最強戦力──空崎ヒナは暁のホルスのすぐ側に倒れている。キヴォトス最強を誇るヒナもあくまで人の範疇。連続の戦闘で疲弊したキヴォトス最高の神秘(小鳥遊ホシノ)をなんとか抑えたかと思えば、相手が突然人智を超えた存在に変貌。そして知覚外から理解できない攻撃を受けて、戦闘不能になった。しかし()()()()()()()()()()()()()()ヒナはその一撃を受けても目立つ怪我はなくかろうじて意識を残している...命に別状はないようだ。

 

「先輩!」「ホシノ先輩、しっかりして!」

 

 ホシノにとって大事な後輩(アビドス)からの呼び声、たとえどんな状態のホシノでもホシノであるは限りその声を無視出来るはずがない...しかしホルスにとってそれはただの雑音に過ぎない。ホルスは動かぬまま、周りに渦巻く炎の翼がシロコ達...そして先生をも襲った。

 

「きゃっ!」

 

『先生、危険です! この攻撃、私の力では防げません!』

 

 炎と似た形をしているが、その赤黒の炎は普通の炎とまったく違う性質を持っている。普通のキヴォトスの住民ですら触れただけで気絶するほどの威力を持っている。もしキヴォトス外から来た先生がまともに受けたらおそらく一撃で絶命する。

 

「"...痛くはないかも!"」A.R.O.N.Aの予想通りで、あの赤黒の炎はシッテムの守りを簡単に突破し、反射的に倒れているヒナを庇った先生を襲うが...絶命どころかダメージすらない。

 

『理解、どうやらあの炎は()()()()()()()()()()を突破出来ない様子です。ですが下がって下さい、かなり危険です』

 

 先生はキヴォトス外から来た人間、キヴォトスの住民と違って不思議な力を持っていない...少し前、ある不思議な生徒と出会うまでは。明けの明星(ルシフェル)を名乗った少女から【勝利(ネツァク)に導く加護】と呼ばれた物を与えられた事で先生の肉体は不思議な防御力を獲得をした。ずっと側にいるA.R.O.N.Aの守りもあって、その効果を試す機会はあまりないが、どうやらA.R.O.N.Aでも防げない赤黒の炎は加護を突破出来ない様子。

 

「"ホシノはいま、どういう状況?"」先生は自力で移動出来ないヒナを背負って、対策委員会のメンバー達と一旦ホルスから離れた。

 

「て...ちょう」先生達に興味がないのか他に注目すべき事があるのか、ホルスはその動きに対しての一切の妨害もしてこない。眼中にないとはこの事かもしれない。

 

『分かりません、合致したデータはない。ですが...ホシノさんの神秘が別の物に転換されています。まるでミメシスから観測した【恐怖】という性質のように』

 

 ミメシス、キヴォトスに存在してる不思議な集団ゲマトリアが作り出した物。しかし黒服によると、その【恐怖】という物は生徒からは観測出来ないはず。例の黒服はホシノに恐怖を与え、神秘と恐怖の共存を観測したがっていたが、先生によってその計画は失敗に終わった。しかし何かのきっかけで、ホシノが恐怖(テラー)化したようだ。

 

『オ、オオオオ!! 今度はあなたが! そうか、ホルスの神格に応じて! 原初の神格ホルスの宿敵であり、この世界創造を巡り対立していた存在──』

『【セトの憤怒(ふんぬ)】よ!』

 

 赤く光る空の一部が突然現れた青い雲に侵食され、渦巻く光のから無数の雷が落ち。そして中央から彫像や機械の様な物がゆっくりと降りてきた。その物体の後ろから青白の稲妻状の翼を展開し、浮いてるリング状の物体から青く光る手の様な物が成形された。人型とは大きく離れたアレは目を持っていないが、なんとなく天上から暁のホルスを見ているように感じられる。

 

 天と地、赤黒と青白、炎の翼と雷の翼。人智を超えた二つの存在、太古から因縁の宿敵。セト(嵐の神)ホルス(天空の神)は時を超えて、アビドス(約束の地)で再会を果たした。

 


 

「セトの憤怒と暁のホルスの激突。それこそ、まさに世界創造の戦い! 早く、早く小生にみせてくれたまえ! 語り継がれし神秘と恐怖の神話(ものがたり)を!」

 

 混沌の領域...自称ゲマトリアの地下生活者の拠点。実在と非実在が確定しないこの拠点の存在を探知すること自体がかなり難しい上、探知をしただけで侵入するのは至難の技。故に外部からの干渉を受けずに絶対安全な環境でキヴォトスに干渉できる......この子供騙しのような【混沌】ではなく、本物の混沌と直面した上その非存在から知識の受け渡しをされた存在等と遭遇しない限りは絶対安全であろう。

 

「ん、ここに居たのか」

 

「なっ!? 何者だ、貴様ァ! 何故小生の領域に!?」

 

「領域?」

 

「ここは実在と非実在が確定していない領域。なのに、何故...!」

 

「ん...門を使えば簡単、銀行と大差がない。むしろ監視カメラがないからこっちの方が簡単」銀の鍵による門の創造。この自称混沌の領域はその理不尽な特異現象の前にはまったく意味を成し得てない。

 

「ヒッ、ヒヒッ...その神秘、狼の神ですか。しかし、何か変な物に汚染されていますね。いずれにせよ、何人にも小生の邪魔を許すつもりはありません。──消えてもらいましょう」

 

「......」

 

「......」

 

「ん...終わった?」

 

「な、なぜ!? 小生の領域のはずなのに、侵入者を駆逐できない!?」

 

「ホシノ先輩が待っているから...【暗黒の影】」もちろん銀行強盗よりも強盗の計画を楽しむタイプのシロコがなんの対策もせずにこの場所に突入する訳がない。相手の行動を全部無効化したあと、盲目の呪文を使った。

 

「...! 貴様ァ! 何をした!? なにも、何も見えない!」

 

「ん、効果あり。銃を使った方が早いけど、傷つけたら先生に怒られる」シロコの世界におけるかの一連の事件にも地下生活者が関わっている。彼方の異光との遭遇無しでは心が折れていただろう経験をしたシロコには人を殺すという行為への抵抗がない、それを察した先生は事前に『人を傷つける行為は出来る限り避ける』と言い含めた。もし言われていなかったら地下生活者はここで銃殺されていただろう。しかし頑張って用意したシナリオが外部から来た存在によってまったく違う結末に向かい、しかもその顛末を見る事すら出来ないのは地下生活者にとって死よりも屈辱的な事かもしれない。

 

「貴様...なにを!」

 

「ん、では」

 

「小生の! 小生のシナリオがァ! く、黒服! こいつを止めろ!」その実在と非実在が確定されてない声は黒服に届く事はないでしょう。もっとも、届いたとしても協力してくれる確証はないけどね。




セトの憤怒
VS
暁のホルス
VS
銀 の 鍵 た る シ ロ コ

ちなみに乱入候補は天空のホシノも居たたけどツイッターのアンケートは同率なので一番優しいの銀の鍵で。

次回! セト死す!
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