デカグラマトンです、連邦生徒会対策室長をやってます 作:十文字マトン
始まる前に勝負ついてる定期
今日もいつもの百合パート
「しかし実家が城とか、改めてナギサがお姫様であることを認識できるね」
まあ姫って言葉の定義上は元々王族だけでなく身分が高い未婚女性を指すから...というか家族と関係なく現在のトリニティトップ権力者であるティーパーティーホストは間違いなくお姫様。なんかミカさんがよくアツコさんと比べられるけど、一分派の血統上の後継人アツコさんより、トリニティの実権を持ってるミカさんの方が姫成分が高い。
「城といっても、トリニティではそれほど珍しいものではありませんよ。価値だけで言えば、市街地にある物件の方が高価なものも多いとよく言われます。姫については...否定はしません。セイアさんやハナコさんのように優秀な方々とは違って、私が代表になれたのは、家の力が大きいのです」
「いや、桐藤家はフィリウス内ではせいぜい中堅だから代表に選ばれたのは間違いなくナギサの実力よ?」
【パテル】、【フィリウス】そして【サンクトゥス】。トリニティを代表する三大派閥、同時にティーパーティーの構成である3つの派閥である。トリニティの生徒会長はこの三つの派閥代表が務めるので同時に三人がいる...というのは建前。実はホストになった人が実質の生徒会長で他の二人が副生徒会長として扱われる、まあ三人に完全平等な権力を与えたら逆にやりづらいし。
そんな派閥達はそれぞれ別の思想を持ってるから、代表を選出する基準もかなり違ってる。
【パテル】は自称最も古くトリニティを体現する由緒正しき派閥...実際もトリニティの中でも一番過去の思想を保持してる、そのせいでゲヘナ嫌いも多い。そんなパテルはまあ血統至上主義の人も多くて、同じトリニティでも翼を持ってない生徒、もしくは家の歴史が浅い生徒をいじめる事が多い、まさにいじめの達人。
そんなパテルは一般生徒が入っても絶対上層部には成れないし、代表も能力ではなく家族の格で決まるから、名家聖園出身のミカさんが選ばれるのも当然の事。まあ能力を見ないと言っても幼少期から英才教育を受けてるから他の自治区の生徒会長と比べても優秀な部類に入る。たまに興味がないのにやらされる人も居るけど、ミカさんのように。
次は真逆の【サンクトゥス】、こっちは血統よりは実力優先主義...もちろん武力の実力ではなく能力的にね。後ろ盾がない一般生徒でも能力さえあれば上層部になれるし、何なら代表も狙える。間違って予知能力をばらしたせいで良く分からないまま代表にされたセイアや学力お化けのハナコさんとか...ハナコさんはそもそもティーパーティーに入ってないけど。パテルと真逆だから敵対する事も多く、思想がいい意味でトリニティらしくなくかなり開明的。
お金持ちが多いと有名なトリニティは貴族だけでなく企業家庭出身の生徒が多い、そんな生徒はティーパーティーに入る時は優先的にサンクトゥスを選択するから自然とサンクトゥス派企業共同体が出来てる。実は財力ならサンクトゥスが他の二分派より強い...で、なんか知らんうちにサンクトゥスの企業達が半分以上クロスグループの傘下に入れられてた。全部コクマーのせいだ。まあそんな感じで思想も家庭も我との相性がいいから一番最初に接触した派閥...ケモミミ生徒が多いからとかじゃないよ。
最後の【フィリウス】は簡単に言うとパテルとサンクトゥスの真ん中の均衡主義、つまりバランス型。他の両派とも仲が良いから昔から仲裁役をやる事が多い...だからナギサが違う派閥のミカさんと幼馴染になっても問題にならなかった。フィリウスは家の力があっても実力がないと代表には成れないからナギサは普通に実力が認められてる、というか自覚がないだけで超優秀だぞこいつ。
「ふふ、お気遣いありがとうございます。ですが、忘れていませんか? メイさんも姫の定義に合っていますよね? プリンセスメイ...いえ、クイーンでしょうか? それともシスターフッドの皆様から愛されているので、ゴッデスメイがいいかもしれませんね」
「いやティーパーティーのホストがその言葉を使うのはちょっと問題になるやろ」トリニティの信仰心自体がかなり薄まってきているけど、一応校教のような物が未だに教育の一部として残されている。トップであるナギサが特定の人物を神扱いするのは流石に危ない...間違ってないけど!
「どうでしょう、今のトリニティは昔ほど堅苦しくないので、案外許されるかもしれませんよ? それに、一番信仰心の篤いシスターフッドの方々も賛同してくれそうです」それは...ちょっとありそう。
今のトリニティ生は一部を除いてもう経典をそこまで大事にしてないから、大体の単語の意味合いも他の自治区とあんまり違いがない...例外は【魔女】とか。トリニティにおける魔女は現代地球人が考えられないくらいの悪口...中世ヨーロッパの時の魔女が近いかね? 流石に人権がないから何をしても許されるとまでは行かないけどそれくらいの悪口。
「...まあ表で使わないならいいけど」レディよりマシだし。でもそこまで行ったらもう
「冗談ですよ。やはり『メイ』が一番しっくりきますね」
「好きに呼んでいいよ」
はい、
そう、ナギサの実家は城、しかもバカ広い。まあナギサの言う通り、値段だけなら繁華街の物件より安いかもしれないけど維持するのめっちゃ大変。ちなみにかなり歴史がある城だけど電気とネットは普通に通ってる、なんならエレベーターまで付いてる。そして鳥の使用人たちのお陰で見た目もきれい、言われなかったらテーマパークの城と勘違いされそう。
で、そんな城の中にあるナギサの部屋も広いだろうと思ったら割と普通だった。まあ広過ぎると落ち着けない人も居るからこれくらいが丁度いいかな? 我の部屋は常時複数人いるのが前提だからちょっと広めにしたけど。ちょっと覗いたらセイアとクズノハが我のベッドで寝てる...なぜか我が居ない時の我の部屋も結構人気らしい、理由知らんけど。
そして隣にいるのは当然この部屋の主ナギサ──白いネグリジェを着てる、めっちゃ可愛い、というかエロい。流石に紅茶は持ってない、もう夜だから。
なんと今日はナギサの部屋で泊まることになった。人間タイプのキヴォトス人は女性しかないけど恋愛対象も基本的に同性だから、女同士とはいえ地球で言うと若い男女が一緒に部屋で過ごすのと意味合いは変わらない...まあ若い人ってそういうもんだから一般生徒もよくやるけど、ナギサは身分も身分だから基本的に禁止されてる、基本的にはね。
じゃあなんでこうなったかというと...つい先日、我とナギサの関係がナギサの両親に公認された...まあ関係と言ってもお付き合いしてたわけではなかったけど、自然とそうなった。
先週、突然ナギサからおうちデートのお誘いを貰った。後で分かった事だけどセイアとミカさんが半強制的にメッセージを打たせたらしい、なんで? まあ断る理由がないので爆速で了承の返事をした。おうちデートだけどティーパーティーの寮に行く訳にもいかないので、ナギサの実家にお邪魔する事になった。ちなみに場所はトリニティ郊外、卒業生がキヴォトスに居残るにはいろいろ条件があるけどまあ、古貴族の桐藤家にとっては簡単なこと。
寮に住んでる高校生が突然実家に帰り、しかも同世代の【友達】連れ来てるのはまあ「そういうこと」だと勘違いされやすいし、ナギサも普段から我の事を話してるらしいのでナギサのお母さん
こうして気まずそうなナギサをほったらかして三人で愉快なお茶会を過ごした──二人の恋の歴史からナギサの小っちゃい頃の事とかいろいろ聞かされた。どうやら我は
そのあとは、元々客室を用意してたらしいけど
「...あの、メイ。お母様たちの...その...あまり気にしなくてもいいと思いますよ」
「ふーん? 何を気にしなくていいの?」
「か、彼女の件ですか」
「彼女? 誰の事?」
「で、ですから! ......その、メイのことを、私の彼女と誤解していたことを」
「そう? でも私嫌いじゃないよ? ナギサの彼女になるのは」
「...ヘェッ!?」
「声が裏返ったぞ」まあそれでも美声だけど。
「...コホン...今のは、そ、その...告白と受け取っても構わない、ということでしょうか?」
「そうよ」
「うぅ...想像したのはもっとロマンチックなシーンでしたが...」
「じゃあもっとロマンチックなシーンにしようか?」
「えっ? それは、どういう──」
「はいこれ」事前にセイアとティちゃんに言われて用意したもの──ダイヤモンドの指輪を取り出した。ちなみに市販品ではなく手作り...と言っても機械作りだからまあオーダーメイド品。流石に我も指輪に特別な機能とか付けてなくて自動修復で妥協した。
「......! こ、これって」
「
「は、はい! メイと共にあるならば、私は何も恐れることはありません。これからも、永遠に...メイの隣にいさせてください」ナギサが震え声で言いながら左手を差し出した。
「じゃあ、これからもよろしくね」その指輪をナギサの
「...これは、夢ではありません、よね?」32秒もフリーズしたナギサがようやく再起動できた。
「夢じゃないよ、ほら」軽くナギサの頬をつねった、定番のあれ。まあ痛覚を伴う夢も存在してるから本当に夢に囚われた時はあんまり意味ないけどね。
「ふふ、ありがとう。でもどうして人差し指に?」
「なんとなくね? もっと古い伝統ではこっちになるらしいよ」
「...へへ」
「...もう一度していい? キス」指に嵌ってる指輪をみて変な笑いをしてるナギサ可愛い、もっとちゅーしたい。
「は、はい! ...ど、どうぞ」緊張で目を閉じたナギサの唇をもう一度頂いた...さっきも思ったけどなんか香りがする、紅茶じゃないけどなんだこれ? もうちょっと試し──
「んんー!」あ、口に集中し過ぎて呼吸を忘れたナギサがちょっと苦しそうなので開放させた。懐かしい、我もそれやったな...いや我の場合は苦しくないからそのまま気絶したけど。
「ごめん、大丈夫?」頬でナギサをスリスリしながら一応謝っとこう、多分怒ってないと思うけど。
「え、ええ。ご心配掛けました...メイのキス、き、気持ち良かったです」
「...いや報告しなくていいよ」こっちまでちょっと恥ずかしくなるじゃん。
「そ、そうでしたか」
「休憩はいい? もっとするよ」
「へっ?」
翌日、ナギサの指輪が見られてそこそこの騒ぎになった。まあそれはそう。
ユダヤ教は女性のみ人差し指に結婚指輪を付ける。
感想で心配されたナギサの脳に関して
安心してください!救いが、ありま......