デカグラマトンです、連邦生徒会対策室長をやってます 作:十文字マトン
「じゃあクルミ、そのリーダーを起こしてね。私は何も見てないから」
「こいつがリーダーか? 確かさっきお面のデザインは違う気がしたわ...それと刀持ってるのは珍しいわね」クルミはさっきの魑魅一座が指差したリーダーらしき人に近づいて、腰についてる百鬼夜行刀を面白そうに眺めた。
──そう、みんなが大好きなJAPANESE KATANA。あの数多な
「あー、そいつを起こす前にその刀をちょっと見せて。盗難品かもしれないから」起こして直接聞くのもいいけど、とりあえず確認してみよう。
「かたな...たしか百鬼夜行の近接用武器? ここに来る途中にも売っている店を見かけましたが。
「どちらかというと
今のキヴォトスは一応刀を武器として認識されてるが、あんまり実戦用の武器というイメージが持たれてない...何せ実際使われた時代が古すぎだ。地球の刀剣はまだ儀式や伝説的な面が残ってるけど、キヴォトスではその役割も全部銃に奪われた──建
まあ簡単に言うと、キヴォトスの刀は観光地の木刀や模造刀と同じ扱い。でも日本の観光地で売ってる模造刀と違って、こちらでは普通に刃がついたものが売られてる。銃ですら免許や資格が必要としないキヴォトスだから、刃物の販売と所持も特に規制とかされてない。
「百鬼夜行の生徒はそれを身に着けるのが一般ですか?」
「ミチルさん...を知らないのか。今回の公演スタッフは一人は付けてるだけど、どちらと言うとコスプレ道具だから、そんなに一般じゃないはず」
わざわざそれを持ち歩く人は...買ったばっかりでめっちゃ興奮してるのか、特別な目的を持ってる。ミチルさんは多分「忍者」をアピールするためにわざと持ち歩いてるだろう、特に使う気配がないし。
「まあ
「いやいやこれくらいは出来るよ」金属の塊と言ってもせいぜい1キロ前後。別に振り回すのではなく持つだけなら文字通り小学生でも出来る。えっ? 我の筋力はキヴォトスの小学生以下? ...そうだけど!
キヴォトスの刀剣類の値段は地球のとそんなに変らない──軽くスマホ数台分、歴史のあるやつならなんと戦車よりも高い...まあキヴォトスの戦車が安すぎだけど。とにかくその出費は普通の百鬼夜行生徒にとってはそこそこ高いはず。魑魅一座の経済能力も普通の生徒と大して変わらないから、どこから奪って来たと疑うのが普通のこと。
とりあえず両手でクルミから刀を受け取った。鞘や柄はそこまで高級な物ではなさそう、一応刀身も見ようと思って車椅子の上に置いて鞘から抜いた...おーこれは。
「......どんな理由で持ち歩くのは分からないけど、さっきの戦闘でこれを使わなくてよかった。もし実戦で使われたら、大変なことになりそうだ」
「えっ? なんかすごい武器なの? ゲームとかよくある魔剣とか?」
「いや、そういうのはもう全部確保し...ゴホン。そういうものではなく、武器としての性能はぶっちゃけハンドガン以下」まあこの刀に限る事ではなく近接武器全般がそれ。というか並みの魔剣が出されてもクルミには勝てないけど。
まず常識として、キヴォトス人の銃は地球のそれと違って、威力は銃や弾で決まらない。例えば壁を破壊して進むと有名なツルギさん、彼女は体当たりで壁を破壊できるから。ここだけなら確かに一部の人は、肉体だけで地球の銃より威力が高く見える。
じゃあなぜツルギさんは散弾銃を使うと言うと...ツルギさんが銃を使うと、体当たりと同じ威力の弾丸を遠距離に飛ばせることになる。散弾銃など使わされると一撃でそれを数十発同時に打ち込めるという分裂ミサイルも真っ青な性能になる。だから別に縛りプレイとかじゃないくて全然銃を使った方が強い。
近接で出来る事は銃も出来る、しかもそれを遠距離に飛ばせれるからわざわざ近接攻撃をする理由は薄い。一応、ある程度の実力差があれば「銃弾を受け/避けながら接近して殴る」というゴリラ戦法も成立する。しかしその場合は銃や盾、もしくは拳で殴ればいいので。さらに近接武器を持ち替えるの意味が薄い。クルミも言ってた「その余裕があったら盾で殴った方が速いわよ」、らしい。だから近接武器が淘汰されるもの当然。
──ビームサーベルとかは話は変わるし、別の意味で話が変わるので一旦無視とする!
「じゃあどうして大変な事になるの?」
「もっと簡単の理由だよ。これ、骨董品。万が一戦闘に出されてクルミの盾に折られたら億単位のお金が消えるよ」年代と保存状態、それと品質はどれも高水準。しっかり証書付けたら戦闘ヘリ数台と交換してもおつりが出る。
「えっ? そんな高い物なの? ...ちょっと怖いの同時あんまり心配してない自分に怖いわ。どうせメイちゃんが何とかするだし」
「するはするけど出来れば事前に回避して?」FOX小隊に限らずSRTのやらかしは全部
「つまり、盗品の可能性が高いですね? なんでわざわざそんなものを持ち歩いているの?」イロハもなんか持ちたいらしいから渡した、刀持ってる
「いや、いま登録してる保存用刀のどれも該当してない。百鬼夜行でも一目でその違いが分かる人少ないし、外校ならその価値が分かる人がもっと少ないから、多分普通の刀として流通されたとか」
「じゃあ、どうしてメイが分かるんですか?」
「刃紋...ほら、この刀に模様にあるだろ? それ全く同じ模様を持つ刀は基本いないので、それで分かるよ」キヴォトスの技術では刃紋も完全再現できるけど例外は説明しなくていいか。
「ふーん」
「興味あったらあとでお土産店で何振り買う? おすすめは教える」
「まあ、刀の件はさておき。魑魅一座? の方を先に片付けましょう」
「そうだね。これは没収して後で陰陽部や百花繚乱に渡すとして、リーダーの尋問でもするか。クルミお願いね、これの出所も聞いてね」
「はいはい、おい起きろ」クルミが魑魅一座のリーダーの襟を掴むと、容赦なくサブマシンガンのストックを頭部に叩きつけた。痛そう。
「うぐっ...!? な、なに? みんなは...!?」
「聞かれた事だけを答えろ、分かった?」クルミは左手で魑魅一座のリーダーの襟を掴んだまま、右手でUMPを突き付けた、こっわ。
「ひ、ひぃ! 命だけは──いってぇ!」命乞いをしようとした瞬間、クルミが頭に一発。キヴォトス人じゃなかったら即死してる。
「聞かれた事、だけを、答えろ。分かった?」
「...!」めっちゃ勢いよく頷いた。
「お前がリーダー? どこの派閥?」
「き、気まぐれ流です」魑魅一座は百鬼夜行で一番大きい不良勢力だから、下に様々の派閥が分けてる。今回襲撃したのは一番好戦と有名な気まぐれ流だった。
「襲撃の目的は?」
「チ、チセ様を拉致して、公演をぶっ壊す計画でした...!」
「チセ? ああ、和楽姫か」姫の交代一部の人でしか伝わってないから、姫役がまだチセさんと思い込んでいるらしい。「襲撃のタイミングは誰が決めた?」
「ブラックマーケットで有名な犯罪コンサルタントからのアドバイスです」ほう、やっぱり裏に誰かが居たね。犯罪コンサルタント...なんかめっちゃ知ってる人と同じ仕事だね!
「......えっ? 名前は?」同じ人物を思いついたのか、クルミは微妙な表情で深追いした。
「あの有名のニヤニヤ教授です」あーはいはい、あの有名のニヤニヤ教授だね。
あの有名のニヤニヤ教授!?
「ぶふっ...」クルミが思わず吹き出した。いやわかるけど我慢して?「に、ニヤニヤ教授で間違いないか?」
「えっ? は、はい、向こうはそう名乗っていました。いつも通り
「おけ、もう分かったわ。メイちゃ...メイ室長、一応確認をする?」
「今聞いてる最中」どう見てもなりすましと思うけど、一応モモトークで本人に確認してみた。
あっ、返信はっや。「ほむ、私に会いたい言い訳ですか? 会いたかったらいつでも歓迎ですよ♡」じゃねぇよ。まあこのふざけた返信ってことは違うみたいだね。そもそもやり方が違いすぎだ。とりあえずクルミにバツのサインを送った。
「次は...あの刀はどこから来たの?」
「そ、それは一閃流から貰いました...どこから来たのかは、詳しく聞いてません...」
「ふーん、一閃流ね...」今度はあの侍オタク達か。ある意味忍術研究部と似てる集団だな一閃流は。
他に知りたい事特になさそうだから、クルミにサインをしたら。そしたらクルミが指示通りストックでもう一度寝かせた、相変わらず痛そう。
何話振りのモモトークだろ
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ニヤニヤ教授の名前初登場の不忍ノ心。結局この件は本当にニヤニヤなのかは明言されてないけど、アリウス夏のニヤニヤ教授は計画の進捗を確認した上、追加指示もくれるに対して不忍ノ心は全くしてない。
相談プランの料金違いの可能性もあるけど、Vol.5の百花繚乱ではニヤが予定外の事には割と弱いと判明したので、本当にニヤニヤ教授が関与してるならもっと慎重してるはず。
一応「重要人物を拉致してイベントを破壊する」という手口はアリウス夏と同じだけど、逆に同じ事そんなにしない気がする。
なのでここはニヤのなりすまし説を採用します。