デカグラマトンです、連邦生徒会対策室長をやってます   作:十文字マトン

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デカグラマトン編完結記念、ケイちゃん無限にかわいい

更新頻度どうした?乗っ取られてない?

──心配しなくていい、私です
私は、私です
(?)


74. 永遠という呪い

「お母様~!」

「アリスちゃんー!」

 

 帰宅したアリスちゃんを迎えた途端、彼女は小走りで飛びついてきた。ぎゅっと抱きついたまま、そのままくるりと一回転。

 

 ──回されたのは、もちろん我の方。

 

「ふふ、お帰り」

 

「ただいまです! お母様!」アリスちゃんがそう言いながら、我をいっぱいぎゅっとした。

 

「アリス、お帰りなさい。そのままご主人様を持ってもいいのですが、先にお手を洗いなさい」

 

「いや持ってもいいのは何? まあアリスちゃんに持ち運ばれるのは慣れてるけど」

 

 ちなみにアリスちゃんは知ってる通り手わ洗なくても全然健康面では問題が起きないけど、教育に悪いので一般礼儀に従って洗う方針だった。

 

「ケイ...!」普通ならアリスちゃんがそのままケイちゃんの指示に従うけど、今日はなぜかケイちゃんも引き寄せて、一緒に抱きしめた。

 

「あ、アリス?」ちょっと照れたのか、ケイちゃんは頬を赤くしたが、特に抵抗はしていない。

 

「お母様、ケイ...アリスとずっと一緒にいてくれますよね?」

 

「もちろんよ」優しくアリスちゃんを抱き返し、彼女の頬にキスをした。

 

「私も、アリスが望むとも望まなくとも、ずっと一緒にいます」ケイちゃんもすぐに我らを腕を回し、三人が一団になった。

 

「まあアリスちゃんが本気で嫌がったら遠くで見守るけどね」ないと思うけど、もしアリスちゃんが反抗期になったらちょっと距離を置くのもありえる。

 

「その補足、今は要りませんよご主人様」

 

「あっはい、すみません」

 

「えへへ...嫌なんかしませんよ! アリスはお母様のことが大好き! もちろんケイも、ニコ義母さんも...みんなの事、愛してます!」

 

「我も愛してるよ」

 

「もちろん、私もです」

 

 アリスちゃんは我とケイちゃんを抱きしめた状態で数分続いたら、ようやく落ち着いた様子。

 

「アリスちゃん、学校に何かあった?」さすがにこれでなんも起きてないと思うほど鈍くはない。学校でもアリスちゃんはケイちゃんと一緒にいる時間が長いけど、流石に全時間にいてるわけじゃない。安全ではティちゃん達が確保してるから変な事は起きてないと思うが。

 

「お母様......ミドリとモモイ、ユズ、ユウカ、先生達......ずっとずっと、アリスと一緒にいられないのはどうしてですか?」

 

「え? モモイとかはなんかするの?」転校とかの話は聞いてないけど。

 

「みんなは、死ぬのですか?」あーー、そうか。そろそろそういう時期か。

 

「うん、彼女達は人間なので、いつかは死を迎えるのよ」

 

「どうしてですか? たったの三桁年程度で破損するのは、絶対おかしいです! あんなに楽しかった、心がほかほかになるのに、どうして終わるのですか?」

 

「おかしくありませんよ、アリス。しっかり教えてないご主人様が悪いのですが、普通の生命体とはそういう事となります」

 

「なんでしれっと我をディスったの?」だってキヴォトスは寿命以外で死ぬことがほぼないから...まあ言い訳はこれくらい。はい、教育が行き届いてないは我のせいだ。

 

「で、でも......死んだら、もう会えなくなるのですよね? そんなの、アリス嫌です......お母様、みんなを死なないようにできませんか?」

 

「出来るか出来ないと言われたら、できるよ」我の眷属にしなくても、生命体の命を伸ばすだけならいくらでも方法がある。

 

「! では、モモイ達を......」

 

「でもごめんね、アリスちゃん。その願いは聞き入れない」我から言うのもあれだけど、アリスちゃんからの願いを断るのはかなり珍しい。

 

「ど、どうしてですか? ヒマリ義母さんのようにしたら、モモイ達ともずっと一緒にいられるのに!」

 

「アリス......【ダークネス・スピリッツ4】をやる時、主人公はなんだと呼ばれてるの覚えてます?」ケイちゃんは一度目を閉じ、そして言い終えた時アリスちゃんを優しい目で見た。

 

「......不死の呪い、です」

 

「そう。【永遠】は、普通の生命体にとって祝福ではなく、呪いに近いです」

 

「呪い? アリス、分かりません......ずっと楽しい日々ができるのに、どうして嫌のですか?」

 

「そうだな......もし、モモイとミドリを永遠に生きられるようにしたら、彼女達の他の友人が死ぬ時悲しむよね? 彼女達と別れたくないという願望だけで、永遠という呪いを勝手にあげてはダメだよ」アリスちゃんの頭をナデナデしながらそう返した。

 

「で、では、すべての人間を永遠に生きられるようにしたら、すべて解決するのですね!」ちょっと考え方が誰かと似てきた気がするけど多分気のせい。

 

「そうだね......アリスちゃん、ゲームをするとき、クリアした瞬間は何を感じた?」

 

「? ゲームをクリアする時は...楽しいです」

 

「ゲームをやってる時も楽しいのじゃない? クリアの瞬間と何が違う?」

 

「? 違いが...分かりません。でも確かに感じた感情は明確に違います......どうしてですか、お母様?」

 

「それはね、物語は終わりがあるからこそ意味があるのだよ」

 

 まあ、終わりのない我から言ってもあんまり説得力薄い。というより、我もどうして人間が永遠の命を嫌うの全く理解できないけどね!

 

 一応、自治区の文化によって見方が全然違う。先ほど言ってた「有限だからこそ人間である、だから永遠は要らない」という考えもある。生きてる事は苦痛だから、神の元に戻る(死ぬ)こと自体に拒否してない人もいる。逆に山海経などは、普通に不老不死を尊い物だと考えてる。

 

 まあ、拒否した人はもちろんとして、永遠になりたい人もその願いをかなえるつもりはないけどね。

 

 人間は良くも悪くも有限で欲深い...それで輝いてるのも事実。もし無限になったことで欲がなくなったら、人間ではなくただの生きる命になる。逆に無限のせいで欲も無限に深くなったら、そのうち取り返しのつかない事に手を出すかもしれない。

 

 もちろん、我の使徒と眷属はそうならない、というかさせないの自信ある。それ以外の人間なら無責任に与えるつもりはない。

 

 すべての人間をそうして上に統治して管理するならできなくはないが......人間が数千年をかけてようやく神から離れたのに、今更湧いて「救ってあげよう☆」とか言ったら多分色んな所の主人公に挑まれる...絶対負けないけど、誰かが嫌がるなら強引にするほど救いたくもない。

 

 まあ、神はそれができるのに、そうしなかった結果で苦しむ人が神を恨む時、それを受け入れるのもまた()の責務である。

 

「......でも、お母様。意味があっても、アリスは......みんながいなくなるのが嫌です。会えなくなるのが、嫌です」

 

「うん、嫌だよね」否定はしない、我も嫌だし「だから、有限の時間内もっとみんなを大事にしよう」

 

「有限の時間を?」

 

「そう、例えば三日後に提出すべき宿題があって、どう頑張っても二日かかるの量なら、アリスちゃんはいつやると思う?」

 

「はい! 初日でめっちゃ頑張って終わらせます!」うーん、アリスちゃんがいい子すぎでこれ例えにするのは悪手だったが。

 

「えーと、アリスちゃんはなくミドリの場合ならどうなる」モモイを対象にしたら『提出の前にミドリのを見ながら書きます!』とか返されたら困る。

 

「ミドリなら...多分、最初の日と二日目ででやると思います」

 

「じゃあ、同じ量の宿題が30日後で提出すればいいなら? それでもすぐに終わらせる?」

 

「多分...しないと思います。30日もあれば、ちょっと時間を取れば簡単に終わらせると思います」

 

「なら、またしも同じ量の宿題......永遠に提出しなくていいなら、ミドリはその宿題をやる?」

 

「......やらない、と思います。いつでもできるなら、今はゲームを優先しちゃうからです」

 

「そう、人間が永遠になったらそういう事になる」多分ね。

 

「うぅ...よくわかりません」

 

「つまり、今のアリスとみんなの時間は、彼女達にとって毎日が人生にとって大事な時間だから、毎日楽しめるのです」言葉の意味を理解中のアリスちゃんに、ケイちゃんが結論をまとめてきた。

 

 ケイちゃんにも学校にそこそこ仲良くなった人もいるし、ヒマリもヴェリタスに親友がいるけど、二人は永遠という枷の重さを理解してるから、我にそういう要望をしてこなかった。

 

 逆に、最初から寿命が存在しない上に精神年齢一桁のアリスちゃんはそれを理解できなくても当然......死に関したゲームを結構やってきたけど、あくまでもゲームの描写としてぼんやりの受け取った。一緒にいるモモイ達も多分そこまで考えてないだろうな。

 

「宿題ならそうかもしれません。でも、アリスはずっとお母様と一緒にできるからって、お母様との時間は大事にしてます!」

 

「その心は嬉しいけど!」うーーん、どうしよう。ちょっと説得するのなんか決定打が欠けてる。

 

「人間の言葉を借りると、『一期一会』ですね」ケイちゃんの援護射撃が飛んできた。

 

「アリス知ってます...有名の装備ですね!」

 

「それ一期一振!」くぅ、せっかくいい話してるのになんかいつも通りの雰囲気にもどった。「そうだな...とにかく、アリスちゃんの願いはちょっと叶えてやらない」

 

「うぅ」

 

「だから、その前提で、もっとみんなとの有限な時間を大事にしよう。普通の人間がそうしたように、アリスちゃんもその価値を知らないといけない」

 

「今でもみんなを大事にしています!」

 

「なら、もっともっと大事にしよう」

 

「もっと、ですか?」

 

「そう、終わりがあると前提した、みんなとアリスちゃんだけの物語」

 

「アリスだけの、物語...」

 

「私やご主人様との【超長編日常物語】だけでは、ちょっと味気ないでしょう? モモイ達との【短編冒険物語】も加えたら、アリスはもっと素敵な人になれます」

 

「冒険......! 分かりました、やってみます!」

 

「それで...みんなが本当にいなくなった時。それでもどうしても受け入れないなら......もう一度、我に頼むといい」

 

「確かに、お母様は何でもできるから、今じゃなくでも大丈夫ですね!」

 

「まあ、そんな感じ」

 

 これまだ内緒だけど、イェソドちゃんとホシノ、それとクズノハ、最後に色彩ちゃんというどちらというと()()()()に近い存在非存在達と繋がってる今......普通に死後の世界とかも管理してる、てへ。

 

 ──というかそれができないなら神と自称するのは流石に恥ずかしいだろ。

 

「あ、ちなみにどうして突然それを言い出したの?」

 

「......今日やったゲームが、とっても悲しかったから...それでお母様と重ねたら全然共感できなくなって」

 

「それはごめん」どんなゲームか知らないけど、我というアリスちゃんにとって絶対の信頼を置いた存在のせいで、多分なんか悲しいストーリー感じできなかったのは普通に我がわるい。

 

「ミドリに聞いてみたら、ユウカで想像したら胸が悲しくなって、まるで裂けるように痛かったです」

 

「アリスは優しいですから」

 

「ちなみにどんなゲーム? ちょっと興味湧いてきた」アリスちゃんにそんなに感情移入できたゲームは普通に気になってきた。

 


 

「うぅ......うぐ......そんなぁ......」

 

「お、お母様泣かないでくだい...アリスがなでなでしてあげます!」

 

「アリスゥぅぅちゃんーーー!!」

 

「涙がすごいこと...ケイ! お母様にタオルを......ケイ? ケイも泣いてます?」

 

「......ぐす。泣いてません。目にちょっと......が入ってただけです」

 

「目が痛いのですか? でしたら...」

 

「涙が入ってただけですから!」

 

「それが泣いてると言います!」

 

「ぅう...アリスちゃん......どこにも行かないで...」

 

「は、はい! アリスはどこにも行きませんよ! ずっとお母様と一緒にいます!」

 

「アリスちゃん天使......うえーん」

 

 ......そう、なんのゲームかと思ったらケイちゃんと一緒にやってたらこうなった。

 

 家族愛を取り扱ってたストーリーで、ラストで母と娘が別れる代わりに世界が救われたという、内容自体はそんなに珍しいものではないが......くぅ、めっちゃ泣いた。これの痛みを分からないのは確かに勿体ない。




メイちゃんは原作自販機と同様に「悲劇も喜劇のある成長の物語」よりは「淡泊でも苦しみのない幸せな日常」派。
今までも裏で害のあるやつらを処理した結果、見た通り原作の神ストーリー達が消滅した、間違いなく闘争を人々から奪った。まあでも人の心を理解するしてるので「何も起こらない」のは「苦がない」だけで「幸せ」とは呼ばないのを理解してる。幸せの方も大事なので。


ここからはどうでもいい発言(?)
そういう「救済」を強行するやつが敵になる作品結構いるけど、主人たちが大体「苦しくても意味がある!」、「私達の道は自分で決める! 勝手に決めないで!」とか言って相手をぼこぼこにするけど。本当にその救いが必要の人達には選択する機会を与えないだな~と常に思ってる。

病や生活に苦しむ、常に死を隣してる人。あるいは生きてる限り搾取されて人々。どんな代償を払っても大事な人を生かして欲しいは、自由とかより、いますぐでも救われたいだろう。

とはいえその救済を強行したら、「自由を楽しむ人」から自由を奪うのも事実なので、そこには公平も公正はない。主人公たちは間違いなく「奪われる」側になるから抵抗する権利と正当性ももちろんある。
「物語」という構造上、そもそもそれを読む余裕のある人は「自由」派、正確に言うと「娯楽」が必要派が多いから、そっちに共感されるのは仕方ないと言えば仕方ない。

つまり、何を言いたい?
無敵のメイちゃんならきっと何とかしてくれる(?)
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