デカグラマトンです、連邦生徒会対策室長をやってます 作:十文字マトン
「め、メイちゃんが、立ってる!?」
「あれ、ホシノは初見だったか? 二号機の我」
「うへ、別のメイちゃんがいるのは知ってたけど......ふーん、こんな感じね」
はい、なぜかホシノに肉食獣の目線で見られてる
ちなみに最近ダアトから「別のデカグラマトン書いたら一人称が『我』じゃないのちょっと違和感」と苦情が来たけど、そらそう、我は我だから。
と、それはいいとして、今はブラックマーケットに潜入してる、隣はいつものホシノと、逆側はアキラ。
一応今回は対策室長ではなくお金持ちAとして参加してるので、申し訳程度の変装をした。アビドスの制服にニット帽、それとサングラス、しかも立ってる。これでは誰も我はメイであることがバレない、ヨシ。
「逆の意味で目立つけどね~」
「なんで?」
「そのお姿も、大変可愛らしいですから。ふふ、つい目を引いてしまいます」
「そう? ありがとう。アキラもかわいいよ」
そしてアキラは、ワイルドハンドの制服を着てる。そっちのままでいいのか? と聞いたら、どうやらワイルドハンドの生徒がブラックマーケットに出没する自体はそんなに珍しくはないらしい。
「私は?」
「ホシノはいつも通りだからかわいいに決まってる」
そして最後のはアビドスの全権責任者であるホシノ。こっちはもう小鳥遊ホシノであることをアピールするためにいつもの正装で来てる。
と、なぜ我らはここにいるというと、簡単に言うと物を盗みに来た。
例の黄金マスクだけど、やはり推測のとおり、正規ルートで返却の要求したら返してもらえなかった。で、普通にお金を払うのもちょっとだけ問題になる。
まずは極めてシンプル、「お金がブラックマーケットに流れたら普通にめんどくさい」。犯罪に使われるのはいつものことだからいいとして、今まさに第二のブラックマーケットであるライヘンノドが建てようとしてるから、こっちの力が増やしたらちょっとだけめんどくさい。
二つ目は、依頼販売の物が窃盗されたら当然ここの名声が損する。それで裏取引をしたい人がここではなくライヘンノドに移され、そのまま競争力になる。
──以上は、ニヤニヤ教授からの提案。
一応合理的だからその願いに従うことにした。そう、彼女に狼女のコスプレで詰め寄られ、その誘惑に負けたわけではない。いや本当だよ? というか今更だけどなんで狼女?
三つ目もまあシンプル。ここで普通にお金を払っても例の偽物怪盗に奪われる。アキラの楽しみを奪わないようにまだ内緒だけど、ここの警備ではあの怪盗を止められない。
我らが怪盗を止める自体は簡単だけど、わざわざ介入して、守ってからまた真面目にお金を払って買うのも馬鹿馬鹿しい。少なくとも我はしたくない。
で、最後の理由として。
「あ、これも欲しい。買おう」
カタログを見たら、呪いの宝石もあった。一番有名なやつらじゃないけど持ち主がそこそこ不幸になったらしい。買った株が必ず暴落、売ったら翌日で上がるという謎の呪い。もちろん本当にそういう効果はなく、前の持ち主の運があり得ないほど悪かっただけだけど、面白いので欲しい。
「資金を流しちゃいけないって、出発の前に言いませんでした?」
「ニヤニヤ教授の願いはあくまで『黄金マスク分』の代金だからね! あれは目玉商品だから単品でも他の商品の四割に届く計算。それに我が買わなくても誰かが買うので、我が買ったほうがお得。ヨシ」
そう、最後の理由は、ここに我も持ってないコレクションがあるから。
同じものを作ろうと思えばいつでも作れるけど、その歴史性が欠けると価値があるとは言えない。全部盗むとしたら流石にやりすぎるので大人しくお金を払うことにした。でもそれむかつくので一番高いのを無料でもらうことで相殺してやる。
〔お? メイ様がむかつくと言ったよね! やるの? 今やるの!?〕
やると言ってない、もうちょっと待って。
〔また待つの? 僕は早く暴れたいけど〕
場合によって出番がなくなるけど......まあその時は一日ゲーム付き合うよ。
〔本当! じゃあ出番来ないようにメイ様に祈っとこう!〕
正しいけど本人に向かってそれ言うのめっちゃ変じゃない??
〔今度こそUZQueenに勝てるように! 今度こそUZQueenに勝てるように!〕
しかも祈る内容はそれかよ。まあいいけど、別にその祈りが届いたといってもやってあげないよ?
そう、今回どうしても付いてくると騒いだ五番目の預言者、ゲブラだ。知ってる通りゲーム廃人。降臨した姿は赤髪に三つ編みで、猫か狐かわからないメカケモ耳を付いてる。どこかの00と同じ変なドラゴンの服が好きらしい、多分だけど我のせいじゃない。
「では、私はこれで一旦別れですね。ホシノさん、言う必要はないと思いますが、メイをよろしくお願いします」
「うへ。あき......ミリアちゃんも気を付けてね」
「そういえば、欲しいなら連邦生徒会として徴収してもいいんじゃない?」
アキラと別れた後、ホシノがふと思い出したように口にした。
「ん?」
「だってこれ全部盗品でしょう? メイちゃんも別に自分の手元に残したいのではなく博物館で展示するなら、普通に対策室としてここを制圧してもいいんじゃない?」
「ふふふ、ばれてたなら仕方ない。理由はシンプル──面白いから」
「面白いから??」
「そう、普通に制圧したら簡単すぎるからね。まあ裏の政治的な要素もあるけどぶっちゃけ何とかなる」
「......もしかしてメイちゃんって、割とラスボス適正ある?」
「神を自称するやつはみんなラスボス適正あるぞ。その点お前もだけどね」
「うへ、そういえばそんな事あったな。でもメイちゃんの隣にいるとその実感まったく湧かないけどね~」
と、そんな会話しながら、我とホシノは用意された個室に案内された。もちろんVIP席。
「おお、すごい部屋。これでただなの?」
無駄に重厚な革張りのソファに全体的に赤い部屋。フィクションでよく見る悪の組織のそれ。ちなみに座り心地は別にそんなに良くなかったのでお尻の部分にティちゃんを敷いた。
「裏のルールってやつ。パイプがないお金持ちでも相応の事前入金を済ませれば、注目度の低い商品を実質的に予約できる。仮にもっと高い値段を出すやつがいたとしても、「この客はお金出すつもりがある」と分かってるからそれは全力でもてなしされるだろ」
「経営難しいね~」
「まあこれは裏の方だから、ホシノはまず表の方に勉強しないと......あ、飲み物も無料で頼めるよ、何か欲しいのがある?」
「どれどれ......ワインもあるの!?」
あ、そうか。普通の生徒なら酒に触れる機会あんまりないのか。キヴォトスの銃はもう雑の極みで誰でも手に入れられるけど、酒とタバコだけしっかり年齢制限を守ってる。自分で醸造する以外ならブラックマーケットで買うか、強盗するの三択しかない。
ちなみに酒類強盗は銀行強盗よりも重罪、なんで?
「大人向けのサービスだから...エッチな意味じゃないよ。まあでも酒はやめたほうがいいよ、酔っ払いのホシノが暴れたらこの会場が消滅するから」
「しないよ!? そんな酒癖が悪い人に見える!?」
「見える」
おじさん自称してるせいなのか、赤ら顔で酔っ払いのホシノは容易に想像できる。
「あ、もしかして......メイちゃんって、飲んだことある? ほら、手に入れるの簡単そうだし?」
「ないよ! 匂い普通に嫌いだから」ビールやワインの匂いではなく、アルコール自体の匂いが嫌い。理由は知らん。ノンアルのブドウジュースは匂いは好きだけど、それはそれとして我の舌にとって酸っぱい過ぎるという難儀。
「じゃあ、私一生飲まないようにしようかな」
「いやそこまでしなくていいから。我のせいで個人的な趣味を干渉したくない」
知ってる人はもう知ってると思いますが(?)、他に二本小説を投稿しています
片方は言葉通じない主人公(言語面)
もう片方はケイちゃんに惚れた自販機
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>ケイちゃんに惚れた自販機
メイちゃんじゃないよ(?)