デカグラマトンです、連邦生徒会対策室長をやってます 作:十文字マトン
原作のメインストーリーが大変なことになったな~
ふわーー......おはよう!
なんでおはようって? それはまあ、午後の競売は寝過ごした。
そう、寝た。だって一人は暇だから。厳密に一人じゃなくてティちゃん達もいるけど、あいつらは我の一部ともいえるので一人...一神? とにかくやることない。
一応
それもそう、この会場ではティちゃんとゲブラちゃんを除けば彼女を脅かす存在はいないから、力の差がありすぎで警戒はするが緊張する必要がまったくない。
ちなみにそっちもそっちで死ぬほどつまらなさそう。だってあくまで本命のマスクを待ってる風なので、競売に参加するのもおかしいので、何もできずにただいるだけ......可哀そう。
っと、そろそろ本題の話をしよう。
例の予告状、目標が黄金マスクなのは隠す気すらしてないが、時間に関しては一応要検討になってる。
──「闇市に灯る偽りの光が星に染まる時」って、偽りの光は人工光を指してるのは明白だが、そもそも星に染まるって何? のところ。
詩的ではなく科学方面からしたら、恒星惑星衛星どれも「星」になるが、実際光るのは恒星のみで、他のやつは恒星からの光の反射。なので、厳密に「星光」は核融合による放出された光のみ該当する──が、「絶対そんなことを言いたい訳じゃないです」でケイちゃんに言われたのでこの話は終わり。
とまあ、もっと安直に考えると、「星光」と言われたらあの「ちょっと青い色の光」と連想されるのが普通のことらしい。スターライト・ブルーという色も存在してるくらいに認知されてる。なので、「灯る偽りの光が星に染まる」ってのは、ここの照明が青色になるタイミングであることを示している──多分。
数学や科学のような固定した解があるものと違って、こういうぶっちゃけ解釈しだいでどうにもなれるやつは相対的に苦手だから、あってるのかは分からない。
どうでもいいけど、もし「星の色に染まる」とか書いたらホシノ色、つまりピンクになるね! って冗談に言ったらホシノとアキラに全スルーされた、なんで?
話を戻ると、今回のオークションで、黄金マスクのように他の物よりも一線を画すほど高いやつらはラストに出させる、それが通称「クライマックス」とされてる。
そして、普通の競売からクライマックスに切り替える瞬間は、VIP室に含めてすべての明りを落として、スポットライトを真ん中に当てるという目に悪い演出。
そしてなんと、その時の色はちょうど青色。
なんという偶然! 絶対偶然じゃないけど。
まあそもそもクライマックスの最初が黄金マスクに選ばれたら詰むじゃないか? と若干思っていた、さすがに会場のど真ん中を襲撃するのは厳しいだろうけど。
まあ、我は初見ために特に調べてないけど、偽怪盗さんには多分情報が入っただろうし。
小腹空いたので餃子を頼んでみた。飲み物が無料なので食べ物は有料、しかも結構高い。しかも裏の支援者は山海経系統のやつだからメニューが洋食ではなく山海経風、まあそこそこおいしかったので許す。
と、120年前廃校した自治区が発行した「1000京ドル紙幣の一束」という、経済破綻した末期学校の足跡が競売を終えた。なんと、この後が例のクライマックスに入るところ。ここから商品は事前にカタログに乗せておらず、司会さんの説明を聞いてから正体を現す感じ。
それ、神秘感を保つのは大事だけど、参加者が「クライマックスに欲しい物出されるかもしれないから...」ってその前の競売が盛り上がらなかったらどうする? って若干思わなくもないが、そんなことで躊躇するくらいのお金しか持ってないやつがそもそもターゲットではない、らしい。
先ほどに言ったように、事前に調べた黄金マスク以外はどんな物が出されるのは我も知らないので、ちょっとだけ楽しみ。
最初に出てきたのは古き文明の石板。上の文字は現代では解読できないが、海底に眠るお宝の位置を示してると言われている。と紹介された。
いやあの、文字はふつうに読めるだから、その、言いにくいだけど。
その石板の内容は夢小説だよ。
具体の年分は調べてないけど、自分の学校の生徒会長が好きすぎて夢小説を書いてたらしい。宝ってのは隠語なので実際の物はもちろん存在しない。
書いてた小説が文字が分からないまま高額で競売されるのは、うれしいのか恥ずかしくなるのかちょっと本人に聞きたい。
どうしよう? 当人の名誉のために買っておこうかな? 1ページだと面白いかは判断難しいから買っても読み返す機会なさそうだし、悩む。
と、そんなことを悩んだら倉庫の方から爆発音が鳴った。こんな音を聞いたら観客はパニックになって逃げ──出すとかはなかった。
だってここはキヴォトス、しかもブラックマーケット。むしろ戦いが発生しないの方が珍しいというか、この競売を狙って強盗するやつは月数件という頻繁に発生している。
まあ、今回はちょっとだけ違うけど。
「あー応援をたのむー」
「こっちは手が回らないので自分で対処して」
「ぐわーやられたー」
と、裏の戦闘光景は、一言でいうと拍子抜けだった。
競売の関係上、この瞬間でブラックマーケットで一番価値のある物が集められるのは当然のこととして、狙われることが多い。それを毎回撃退する護衛たちは並みのマーケットガードよりも強いはずだけど、正体不明の敵にやられてる最中。
いやまあネタバレするとこいつらはグルだから。前も言ったようにここの護衛は偽怪盗には勝てない、あれは別に偽怪盗が強いではなく「そうなる」のが決まっていたから。そう、お金パワーで。
というか直接戦うのは怪盗ではなく強盗なのでは? と若干思ったけど、
「ふふふ、ではお宝を頂きますよ!」
と、怪盗さんのビジュアル再現度が割りと高い。キヴォトスでは珍しくスカートではなくズボンで、体のラインにフィットする服装、謎の白い仮面。流石にアキラほどスタイルよくはないが、あんなのがどこでもいたら逆にびっくりする。
怪盗がドヤ顔で倉庫に踏み込むと、足元で軽い爆発が起き、大量の塵によって視界がふさがれた。
「な、なに!? ゲホ...こんな罠あるのは聞いてません」
「怪盗をやるのなら、予想外のことも対応するアドリブも必要だよ」
「だ、誰ですか!?」
そして、満を持ちして登場したのは、もちろん本物の慈愛の怪盗......ではない。
そこに腕組みして立ってるのは、髪だけでなく全身も真っ赤なスーツ、そして目に穴が開いてない仮面をつけていて、頭の上には猫か狐かわからないメカケモ耳。なんか少し前にも見かけたビジュアル。
「峻厳の怪盗! 参上!」
いや何してるの?
「同業者......? まあいいわ、予告の通りに私の狙いはたった一つ──黄金のマスクだけなので、他の物なら好きにとってい──」
「ふふふ、残念ながらそれは叶わないよ」
「......こっちも仕事してますよ、怪盗ごっこに付き合う暇がないですよ」
怪盗が金色のリボルバーを手に取り、いつでも戦いが始めそうな雰囲気だが。
「なぜなら、すでに誰かに盗まれた! イヤーザンネンダネ」
「なんですって!?」
それを聞いた怪盗は峻厳の怪盗......めんどくさいからもういいか、ゲブラちゃんのことを無視して黄金マスクが収められているはずの箱を見たら、ゲブラちゃんの宣言通りに空っぽになってる。
「......まあいいです。依頼のメイン目的はここから盗みだすだけで、依頼人の手に届けることとまでは言われてませんし──わたくしの稼ぎが減るのですが」
ゲブラちゃんは時間稼ぎ役だと察した怪盗、実際は時間稼ぎではなく茶々いりをしてるだけと思うけど、とにかくここで戦ってもマスクを取り戻せないのを理解したから素直に諦めたらしい。
「え? 欲しくて盗もうとしたじゃないの?」
「ふふ、私もただの駒に過ぎなかったとのことです」
「ふーん、かわいそう」なにやら悲壮な雰囲気を出そうとした怪盗だけど、ゲブラちゃんは死ぬほど興味なさそうな顔してる......顔が隠されてるけど。
「もう少し興味あるふりをしてくださいよ!?」
「だってそんなに興味ないし...」
「そっちから聞いたのでしょう!?」
「とまあ、一応この競売組織の権威を壊すという目的は一致してるから、僕と戦わないのならもう行っていいよ」
何を隠そう、「黄金のマスクがこのオークションで売られるのを阻止したい」という点において、偽怪盗──正確にはその裏にいるパトロンと、ニヤニヤ教授はほぼ同じ目的を持っていた。
まあ、ニヤニヤ教授にとってどっちも競合他社(?)なので、そっちに渡されても同じことなので、どっちも損するようにこっちで確保するように依頼した。
「......そこまで知っているのですね。どうやらここは少し厄介な組織に目を付けられてましたね? ......ではお言葉に甘えて、わたくしは退散させてもらいます」
ちなみにメイちゃんも作ったよ、催眠アプリ(?)
やっぱりこいつと雷帝が割りと仲良くなれそうでなれなさそうです(??)