デカグラマトンです、連邦生徒会対策室長をやってます   作:十文字マトン

99 / 222
お気に入り2000超えました、ありがとうございます!!


8. 天空と太陽の神(ホルアクティ)

「「えっ!?」」

 

「えっじゃねぇよ、まずユメさんのヘイロー(神秘)が他の人のと全然違うし......あ、わからないのか」

 

 前も言ったけど、ここに居る人は「ホシノが観測した記録」で構成されてる。しかし普通の人は他人のヘイローの有無を確認出来ても形状までは目視出来ない...一部例外(先生や我とか)は見ることができるけど、ホシノはまだその例外ではない。つまり参照した記録には【ヘイローの形】が含まれてない。だからここに居る生徒達のヘイローはみんな単純な輪っかになってる*1、まあ本当にこの形の可能性もなくはないけど。で、ユメさんは当たり前のような顔で違うヘイローをもってる。

 

 ヘイローの形だけじゃない。ここはキヴォトスではなくホシノの世界だから、NPC(生徒)、植物、建物...空気すらホシノの神秘を持ってる。そしてやはりユメさんはホシノと違う神秘を持ってる...ちょっと近い性質は持ってるけど。しかしヘイローの形も神秘も普通の生徒には確認出来ない...だから気付いてないのはガバじゃない、かな?

 

「えっ!? わ、私ってホシノちゃんの記憶で作られた幻じゃないの!?」

 

「いや天然かよ。まずホシノの記憶で作られたものならなんで今のホシノと我の事わかるんだよ...あとこの世界の正体を把握してる事もありえないじゃん」

 

「ハッ! たしかに!」たしかにじゃねぇよ。

 

 夢で出た人物はあくまで夢の主の投影、だからその人が知らないはずの事を知ってるのはよくある...しかし精神世界は無意識の世界、ここに居る人はその人の記録で構成されてる。もしこいつが本当に【ホシノの記録で構成された2年前のユメ】なら今のホシノの状態や我を知ってるのはおかしいって。あとここがホシノの精神世界である事を把握してるのも...ゲームで言うとゲームキャラが未来のストーリーを把握、そして「ここはゲームの世界」と言い出した感じ。最初からそういう設定のキャラならともかく、ユメさんはどう見てもそんなキャラじゃない。

 

 ......その点でもしホシノの精神世界に我が出たらややこしいことになるけど。まずホシノは我のヘイローを知ってるし、なんなら我の崇高も触れた事あるからそれも再現されそう。まあそれはどうでもいいけど。

 

「まあつまりそういう事、ここのユメさんはユメさんだよ」

 

「な、ならどうしてユメ先輩がこんなところに?」いやこんなところって。

 

「ユメさんの遺体を発見したのはホシノだよね? 推測だけど、おそらくあの時ユメさんの生命兆候は完全に消え、肉体は確かに死んだ。けど()()()()()()()()。でホシノがその魂を連れ戻した...もしくはユメさんの方から付いてきたとか? ホシノ、もしかして『一緒に帰ろう』とか言った? それ言われたら来るに決まってるじゃんこいつ」

 

「うへ、そう言われるとなんか言われた気がする...」言われてるんかい!

 

「......覚えてないよそんな事!」

 

 "私"の記憶の世界でも「亡霊が自分の死に気付かず生前と同じ事を繰り返してる」だとか「親しい人が呼びかけると一時的に死んだ魂を現世に召喚できる」などの話はよく聞く...まあこういう話は創作物が多いから信憑性低いけど。

 

 しかしキヴォトスでは既に【歓喜の残滓】や【都市伝説】が何らかの力を持っているのを確認した...つまり【思い(感情)】は簡単には消えない。ならその感情を発生できる【魂】、しかも神秘の塊である【生徒(忘れられた神)の魂】はヘイロー(魂の象徴)が壊れたくらいで一緒に消えるとは考えづらい......と言うか身内に肉体はとっくの昔になくなったのに存在し続けてるやつ()がいるし。

 

 で、あの時ユメさんが死んだと認めたくないホシノが無意識にユメさんの魂を自分の中に保存した、もしくはユメさんが勝手にホシノに憑いた...まあどっちもいいけど。結果的にユメさんの魂はホシノの魂の中に入ったのは確実な事。多分ホシノとユメさんの神秘の性質が似てるから出来た事...そう、アリスちゃんとケイちゃんのように。

 

 そして無意識に魂を保存したとはいえ、一度は死んだ人だから自分も「もう存在しない」と認めてる...しかし同時に無意識からは「まだ存在してる」という認識もある。その精神の矛盾がずっと「親しい人を失う」悪夢の形で表われてるとか...知らんけど。

 

「で、でもでも。私は死んだ後の記憶がないよ! 最近まで何をしてたのかもよくわかってないし...やっぱり最近作られたんじゃないの?」

 

「いや言ったよね、ここは二年前で停滞してる。この時期のホシノにとって一番重要な存在であるユメさんが最近出来た訳が...ない......。いや、完全な自我を獲得したのは最近の出来事かもしれない。ホシノ、最近なにかした?」

 

 ユメさんが言った通り、このユメさん実は【ホシノに作られたユメと似てる魂】の可能性も一応存在していた。我が無からAIを作り、そのAIに魂を与えたように。ホシノも【ユメの記憶】から魂を作り出した、だからユメさんが「自分はホシノに作られた」と自認してる...は理論上ありえない事ではない、まあ違うけど。

 

 我はこういう事に関しては経験豊富と言ってもいいから見たら分かる。このユメさんはホシノが作ったものではない...まあ関わってたのは確かだけど。我ら(デカグラマトン)で一番近いのは我とビナーちゃんの関係かね。ビナーちゃんも我に感化される前から薄っすらとヘイローを持ってたけど完全な自我を持っていた訳ではなく、我に感化されてからようやく生命(ヘイロー持ち)と名乗っていい存在になった。ホシノも【ヘイローが壊れて自我が朦朧になったユメ】に似た事をして【再生】させた。でそれが完了したのは最近だからユメさんが自我を獲得したのは最近の事......多分。

 

「最近...? 最近はなにも......最近?」ホシノがちょっと考えたらすぐに我を見た。

 

「...えっ? 我? .....やっべ、めっちゃ心当たりあるけど??」

 

 あれか? 我とのヘイローの接触で魂への理解が深まったとか、もしくは存在を証明する(ヘイローを与える)方法を学んだ? あるいはそれでユメさんが自分を証明したとか...あ、うん。よ、良かったね!

 

「ま、まあ。理由はともかく、えーと、ユメさん再生おめでとう?」

 

「あ、ありがとう...なんか良く分からないけどこれからもホシノちゃんと一緒に居てもいいの?」

 

「そういうことね......と、ここでもう一つお知らせがある。結構重要かも?」

 

「...悪いお知らせかな? まあ死者蘇生とか、代償がないわけ...」

 

「いやどちらかと言うといい知らせかも? その、なんだ。ユメさんの存在を確立した今、もしかするとホシノは我と同じ崇高に至った可能性が高い」

 

「すうこう?」あ、ユメさんは知らないのか。それもそう、キヴォトス人は【神秘】ですら認識してる人がそんなに居ないし。

 

「えっ?」

 

「だってほら、自分を創造(ケプリ)にしろ、死と再生(アトゥム)にしろ...それは絶対神秘が出来る範疇を超えてる!」

 

 いまキヴォトスで我ら(デカグラマトン)以外に、自分の【本質】の権能を使えたのはセイアとクズノハだけ。セイアは神秘を予知夢に全振りしたせいでキヴォトスから見てもかなり上位の神秘をもってるのに体が弱い。クズノハはもう肉体自体がなくなってるし、さらに交流できるのは極一部の生徒に限られてる...今は我によりそのデメリットを踏み倒されたけど。

 

 で、「死者が生き返る」のを禁止したキヴォトスの法則(ルール)を無視して死者蘇生を達成出来るのは明らかに神秘の領域を超えて崇高に達してる......もしくは逆かも? それが出来たから崇高になった可能性もある。まあ「卵が先か、鶏が先か」だけどその答えはどっちでも良い。多分ホシノはここに来る前はその事を自覚してなかったから【自己証明】が足りなくてまだ【キヴォトス最高の神秘】に留まってる。つまりユメさんの蘇生を自覚した今の状態で外に戻すと...多分何か起こる。

 

「えーと、つまりホシノちゃんはめっちゃ凄いってこと...?」

 

「端的に言えばそう!」

 

「お、おめでとう?」

 

「あ、ありがとう?」

 

「まあいまいち実感がないのは分かる...ここでは時間が流れないから外に行けば分かる、多分」まあ我の勘違いの可能性もある、検証が大事!

 


 

「げ、始まった。場所がここ()で良かったね...」

 

 はい、結論から言うとその推測が合ってた。ホシノとユメさんを連れて精神世界から退出し、しっかり確認する前に他のやつが反応した。えーと、一応第三者認証機関と言えるかな...?

 

〔お姉様、連絡です! 緊急会議(思考加速モード)に入りますー!〕はいはい、多分アレだけどどうぞ。

 

〔ぼ、ボス! ()()()()()のヘイローが反応してる!〕

 

〔主よ、キヴォトスから神秘の集中を確認できました。目標はどうやらホシノ様です〕

 

 そう、ホシノが【暁のホルス(キヴォトス最高の神秘)】を超えて崇高に至った......そうだな、【天空のホシノ】とでも呼ぶか。さらに【太陽のユメ】と共に【天空と太陽の神(ホルアクティ)】になっている。いきなり新しい崇高が三種も降臨したけど、一応同じ物とも言える...ティちゃん達(ティファレト)の様な関係だね。

 

 そしてその事に反応し、崇高の転炉(キヴォトス)は使命を成し遂げようとしてる。こいつは我とネツァクちゃんには反応しなかったから壊れてるのと思ったよ! 今回はしっかり作動して良かった...よくないけど、あとムカつくし。

 

〔ご主人様、計算の結果が出ました。このままだと予想通り()()()()()()()()()()()()()()

 

 そう、よくない理由はこれ! いまのキヴォトスは気に入ってるから神秘が消えるとちょっとめんどくさい。まあ事前にこのことを予見していたから対応策も用意してある。

 

 さあ、我の【権能】を見せてやる!

*1
モブのあれ




ど、どんな権能だろうねー?
まあデカグラマトンの本質(モチーフ)は何回も言ってたから予想は付くやろ(?)



前話のタイトル、無限の光=崇高の権能。
実はメイではなく天空(ホルス)太陽(ラー)を言ってる

はい、本作ではホシノ=ホルス、ユメ=ラー、そしてユメを真似してるおじさん=ホルアクティ(未完成)。
だから原作のあのホルスと書いてる盾は別にユメの遺品ではないことにした...一応ホシノとユメは大小ホルスならユメの遺品と説明付くけど、太陽の月の目を持ってるのは大ホルスだから、それでユメは小ホルスは流石に...ね!

どうでもいいけどアポピス(巨大な蛇)はラーの船を壊すと守るの伝説を残ってる(一応壊す方が主流だけど、セトが壊す側でアポピスが守る側の伝説も一応存在する)......砂漠で船を守る蛇、誰だろう?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。