ちょっと変わった呪術廻戦。   作:ガイド

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2話 ちょっと変わった逃走劇。

 こんな形で飛翔するロケット弾を目撃する事になるとは……。私そう思いながら、いかにロケット弾を迎撃するかを考えた。

 まず、閉まっているドアガラスが邪魔だ。開けている時間は無い。ドアガラスを破壊しロケット弾の弾道軌道上に呪霊を展開し弾幕を張れれば迎撃できるはずだ。しかしそれが出来るのは右側だけだ。車の後部座席の右座席に座っている私は右からくるロケット弾は今言った方法で迎撃できるだろうが、左から飛翔するロケット弾は後部座席の左席に座っている夜蛾さんが邪魔になる。呪霊操術で呪霊を出しても夜蛾さんを迂回するとドアガラスを破壊できるだけの勢いはなくなる。そうなるとロケット弾の弾道に弾幕は張れない。どうすれば……。

 私はそう考えながらも、まずは右のドアガラスを破壊しようと呪霊操術を使い勢いよく魚型の呪霊をドアガラスにぶつけた。しかし、呪霊がぶつかったドアガラスはコンと音がなるだけで破壊できなかった。

 しまった。防弾ガラスか。私は私の迂闊さを呪いながら思った。だから襲撃者は小銃での襲撃ではなくロケットランチャーなんて言う大口径の武器を使ったのか。……くっ、終わりか。万事休す。私は飛翔するロケット弾と強化ガラスを見つめながら思った。初めから襲撃を予測しておけば、初めから防弾ガラスだと気づいていれば、様々な後悔が私に去来していた。その時、私は夜蛾さんに手を引かれた。

 

「こっちだ。傑」

 

 爆発音が轟き私は目を白黒させている間にも事態は刻一刻と進んでいった。

 

「ドライバ応答しろ……ガッデム。すまない車と呪骸を失った」

「ここは?」

「下水道だ。マンホールを通って、下水道に逃げ込んだ」

「これからどうするんです」

「下水道を歩いて、駅まで行く。駅に行けば公衆電話もタクシーもある」

「あの、携帯電話は?」

「車に置いていたバックの中だ。ダメだろうな」

「他に連絡方法は」

「いや、下手に連絡を取ろうとするとこちらの生存がバレる……帳だ」

 

 そう夜蛾さんが下水道の天井を見ながら言うと、先ほどまで聞こえていた車の燃える音や車の走行音、人の何かを叫ぶ声や足音などの町の誼譟が聞こえなくなっていた。

 

「急急如律令、夜蛾だ。救援願う……ダメか」

「大丈夫ですか。夜蛾さん」

「まずいぞ。帳に捕まった……帳は分かるか」

「はい、結界みたいなやつですよね」

「その通りだ。襲撃者が現代兵器を使っていたことから術師はいないと踏んでいたが、甘かった。まさか帳をおろされるとは」

「出られないんですか」

「帳の種類にもよる。だが最悪を想定した方がいいだろうな……!! こっちだ傑」

 

 夜蛾さんはいきなり私の手を引くと下水道にある柱に身を隠した。するとダッダッダッと足音を反響させながら男たちが先ほどまで私達がいた所を走って行った。

 

「……行ったか」

「はい、良く気づけましたね」

「呪術師だからな。呪霊のほぼ無い様な気配も探って仕事をしてるんだ。生きてる人間の気配を探るぐらいは容易い。で、どうだった。見ていたんだろ」

「はい、男が3人、3人とも拳銃を持っていました。あと3人とも外国語を喋っていました」

「3人とも拳銃を所持していたって事は非術師か」

「でも帳を張った人がいるんですよね?」

「いや、帳を下した術師は帳の外にいるのかもしれん」

「なら敵はあの拳銃を持った非術師3人?」

「確定では無いがな。どうする」

「倒しましょう。非術師なら、何人いようと問題ありません」

「そうだな。ここで逃してまた狙われてはかなわん」

 

 そうして、私達は身をやや屈めながら男たちの去った方向に走り出した。

 

「居ましたね」

「ああ、だがおかしい」

 

 男たちにはすぐに追いついた。しかし、おかしい。追いついた男たちは帳に向かって叩いたり蹴ったりを繰り返しながら。外国の罵声らしき言葉を叫んでいた。

 

「出られないみたいです」

「ああ、彼らの仲間が張った帳じゃないのか?」

 

 私達は顔を見合わせながら言った。

 

「取り合えず、制圧しよう」

「はい、まずはあの一番強そうな奴から攻撃します。そこにいてください」

 

 私は3人の男の中でも年齢が高そうで尚且つ一際大きい拳銃を持った黒いコートを着た強そうな男に向け呪霊を放った。

 男は他の2人と違って帳の下りている場所より2歩も3歩も離れた位置で佇んでいたこともあって、私の放った呪霊は問題なく命中した。

 大きな拳銃を持った壮年の男が叫び声と共に倒れると、その音を聞いた他の男たちはこちらを振り返り拳銃を発砲してきた。

 私は呪霊を展開し弾幕を張ると男たちの玉切れを待った。弾幕を張っている今の状態では男たちの正確な位置が分からず呪霊を発射しても外れてしまう。私は長期戦を覚悟し呪霊の弾幕を厚くした時、男たちの足元で爆音と共に閃光が走った。

 発砲が止み2つのドサリと言う音を聞き私は呪霊で張った弾幕の隙間から男たちを見た。私の視線の先には3人の倒れた男たちとこちらに歩いてくるリカちゃん人形がいた。

 

「呪霊操術、何とも恐ろしいな……だが」

 

 いつの間にか後ろにいた夜蛾さんは私が張った弾幕の呪霊をまるで居酒屋の暖簾の様にどかすと夜蛾さんの前で立ち止まったリカちゃん人形の胴の部分を掴むと懐に入れ私の方を振り返り言った。

 

「私の傀儡呪術も中々だろ」




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