Pastel*Palettes feat.ゲゲゲの鬼太郎〜BanG Dream!ガールズバンドパーティ!外伝〜   作:キプkeep

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今回はダイヤモンド妖怪、輪入道が登場します!
この小説はpixivで投稿されたものを加筆修正しています。


第九話「輪入道」

某日、とある洞窟。

 

街から遠く離れた山奥にある洞窟から悲鳴が響き渡る。

悲鳴とともに光る物体が地面に転がり、それを見ていた者が顔を青ざめながら逃げ出す。

それはやまびこの妖怪、呼子であった。

 

「ひぃー!助けて…!助け…ぎゃあーっ!」

 

するとその時、背後から放たれた光を呼子が浴びると、呼子の身体が変化する。

キラキラと光り輝く物体に変化して地面に転がり、光が放たれた方向には燃えるものが浮かんでいた。

 

………………………

 

数日後、都内。

 

都内のショッピングエリアに彩たちパスパレの5人が休暇で訪れていた。

 

「ん〜!久しぶりのみんな揃ってのお休みだ〜!何しよっか千聖ちゃん?」

「もう、はしゃいじゃって」

 

楽しそうにはしゃぐ彩を見て千聖が微笑むと、日菜があるものを見つける。

 

「ん?あれなんだろう?」

 

日菜が見つけたのはとある宝石店であり、その店には大勢の人が集まっていた。

 

「なんのお店でしょうか?行ってみましょう」

「うん」

 

不思議に思った彩たちはその店に近づくと、その店には「ダイヤモンド専門店ビビビ宝石」という看板が立てかけられており、店のショーウィンドウには大量のダイヤモンドが展示されていた。

 

「わぁー!ダイヤモンドだ!しかもこんなにたくさん!」

「ちょっとアレ見て!」

 

すると、彩が店の中を指さす。

 

「さぁ、皆さん寄ってらっしゃい見てらっしゃい!ビビビ宝石のダイヤモンドは格安詰め放題だよ!10粒でも100粒でもお値段たったの10万円!」

「10万円!?この大きさのダイヤが詰め放題で10万!?買ったわ!」

「あたいも買ったわ!」

 

その店を経営しているのはサングラスをかけ、きらびやかなスーツを着込んだねずみ男であり、彼の言葉を聞いた客たちは目の色を変えて大粒のダイヤモンドを袋に大量に詰め込む。

 

「はいはい押さないでー。まだ沢山あるからね〜」

「ねずみ男さん!?」

 

ねずみ男を見た彩たちが驚くと、ねずみ男は彼女たちに気づく。

 

「おぉ〜!彩ちゃんたちじゃないの!今日も相変わらず可愛いわね〜♪」

「それよりもここで何してるの?」

「ん?見ての通りダイヤモンドを売ってるのよ♪彩ちゃんたちにはサービスでタダであげるわね」

 

そう言ってねずみ男は彩たちにダイヤモンドを一つづつ渡す。

 

「こ、このダイヤどうしたんすか!?こんなにたくさん売って…」

「んふふ〜♪企業秘密よ〜♪さぁ、皆様買った買った〜!」

 

麻弥の問いかけにねずみ男はそう答えると、客たちの方を振り向いて商売を再開した。

 

…………………………

 

翌日、羽沢珈琲店。

 

「というわけなのよ鬼太郎君」

 

羽沢珈琲店には彩たちと手紙で呼ばれた鬼太郎がおり、千聖は鬼太郎に事情を説明していた。

 

「ふむ…ねずみ男がこのダイヤを…見たところ5つとも本物だな…」

 

彩たちから渡されたダイヤモンドを見つめながら鬼太郎が唇を尖らせていると、つぐみがコーヒーを持ってくる。

 

「お待たせしましたー。コーヒーです」

「ありがとうつぐみちゃん♪」

 

つぐみは人数分のコーヒーカップをテーブルに置くと、一つだけ鬼太郎が持参した茶碗を置く。

 

「あの、鬼太郎さんのお父さんの分はこれに淹れてって言ってましたけど、本当にこれで良かったんですか?」

「あぁ、構わんよ」

 

鬼太郎の髪の毛の中から現れた目玉おやじがつぐみに対してそう言い放つと、コーヒーが入った茶碗に入る。

 

「ふ〜、コーヒー風呂は格別じゃのう」

「え〜…」

 

その茶碗は目玉おやじの茶碗風呂用の茶碗だったようで、コーヒーに浸かってくつろぐ目玉おやじを見たつぐみが困惑していると、鬼太郎はコーヒーを一口飲む。

 

「うん。さわやかな風味で深みのあるいい味だ。彩ちゃんたちはいつもこんなに美味しいコーヒーを飲んでいるのかい?」

「つぐちゃんのコーヒーは世界一だからね〜♪あっ、それよりもそのダイヤに変なところはないのかな?」

 

つぐみのコーヒーを褒めつつも、日菜が鬼太郎に問いかけると、鬼太郎は妖怪アンテナを立てる。

 

「ふむ…僅かに妖気を感じるなぁ…とりあえずねずみ男の店に行ってみよう」

「うん」

 

鬼太郎がねずみ男の店に行くことにすると、彩たちは席を立つ。

 

「おい鬼太郎。ワシを置いていこうとするな」

「あぁ、すみません父さん。あっ、この茶碗は後で取りに来るから」

 

鬼太郎はティッシュで体を拭く目玉おやじを手に乗せてつぐみにそう言い放つと、彩たちと共に店を出た。

 

「変わったお父さんだったな〜。ん?」

 

すると、つぐみはテーブルの上に鬼太郎たちがダイヤモンドを一つ置き忘れていることに気づく。

 

「へっ!?こ、これどうしよう…?」

 

放置されたダイヤモンドを見て困惑するつぐみだった。

 

………………………

 

数分後、ねずみ男の宝石店にやってきた鬼太郎たちと彩たちは物陰に隠れて様子を見ていた。

 

「あのお店だよ」

「ねずみ男のやつ。一体今度は何を企んどるんじゃ…?」

「ムッ?誰か出てくるぞ」

 

しばらく見張っていると、ねずみ男が客の女性たちを引き連れる。

 

「さぁ、ダイヤモンド鉱山でダイヤモンド詰め放題ツアーに参加のお客様はこちらの車にお乗りくださーい!」

 

ねずみ男の言葉を聞いた客たちは凄まじい勢いで車に乗り込むと、客たちに踏まれてボロボロになりながらもねずみ男は車の運転席に乗り込んで車を発車させる。

 

「ダイヤモンド鉱山?日本にダイヤモンドの鉱山なんてあるはずがないのにどういうことなの?」

「一反もめん。後を追うぞ」

「ほいきた!」

 

一反もめんは全員を乗せると、ねずみ男の車を追って飛び立った。

ねずみ男の車は都会を離れて県外の山奥に向かっており、とある洞窟の前に停車すると、車から降りたねずみ男は客たちを引き連れて洞窟の中に入る。

 

「あそこに何が…?入ってみよう」

 

一反もめんから降りた全員は洞窟に入る。

洞窟は長く続いており、しばらく歩き続けていると、大きな扉の前に立つねずみ男たちを見つける。

 

「隠れて!」

 

千聖の言葉で全員は岩陰に隠れて様子を見ることにすると、ねずみ男は扉を開ける。

 

「さぁ、皆様!好きなだけ取ってください!」

 

扉を開けた先には無数のダイヤモンドがあちこちに転がっていた。

 

「んまー!良質なダイヤがこんなにたくさんあるザマス!」

「こんだけありゃ億万長者ザマス!」

 

それを見た客たちは一斉にダイヤモンドに群がり、ダイヤモンドを拾って袋に詰めていく。

するとその時、何処からかゴロゴロと車輪が転がる音が聞こえると、客たちの前に大きな車輪が現れる。

 

「あら何ザマス?」

 

それを見た客たちが不思議に思うと、車輪は反転する。

車輪の反対側には大きな人間の顔がついており、その顔は憤怒の表情を浮かべていた。

 

「俺の住処でダイヤを拾う醜い人間め!このバカモノーッ!」

「ギャーッ!」

 

車輪に炎を纏いながら叫ぶと、口から光線を吐き、それが客の一人に命中すると、客はダイヤモンドに変化してダイヤモンドから出た魂を車輪の妖怪が食べる。

 

「うめぇうめぇ…!ネズミや妖怪の魂に飽きていたところだぜ…!」

 

その姿を見た客たちが逃げようとすると、妖怪は客たち全員に光線を吐き、光線を浴びた客たちは全員ダイヤモンドにされる。

 

「いやー、流石は輪入道だ!これでまた儲かるぜ!」

 

ねずみ男は拍手しながらダイヤモンドを拾う。

車輪妖怪、輪入道は魂をむさぼり食いながら笑みを浮かべる。

 

「しかし、お前もこんなキラキラしてるだけの味気ないダイヤを欲しがるなんて変な奴だな」

「人間の世界じゃダイヤモンドの方が価値があるのよ。お前も魂を食えて俺もダイヤを手に入れてまさにWin-Winだな」

 

ねずみ男と輪入道が笑いながらそんな会話を交わしたその時、ねずみ男の後頭部に下駄が直撃する。

 

「あだっ!?」

「いい加減にしろねずみ男!」

 

ねずみ男の背後には鬼太郎がおり、彩たちも鬼太郎の後ろにいた。

 

「こんなことしてたなんて最低だよ!」

「いでで…!邪魔が入ったか〜…輪入道!やっちゃいな!」

「ちょうどデザートが欲しかったところだ。みんな食ってやる!」

 

ねずみ男が輪入道に命じると、輪入道は浮かび上がる。

 

「鬼太郎!奴は輪入道じゃ!ダイヤモンド光線に当たるとダイヤモンドにされるから気をつけるんじゃ!」

「はい父さん!」

 

目玉おやじが輪入道について説明すると、輪入道は回転しながら襲いかかる。

 

「みんな危ない!」

「うわっ!」

 

鬼太郎と彩たちは慌てて攻撃を避けると、輪入道は口から光線を吐く。

 

「!うわぁっ!!」

 

光線は麻弥の背中に直撃してしまい、麻弥はダイヤモンドにされる。

 

「麻弥ちゃん!」

「よくもマヤさんを!許しません!ブシドー!」

 

イヴは木刀を構えながら輪入道に突撃し、そのまま攻撃するが、木刀はあっさり折れてしまう。

 

「そんな攻撃が効くと思ったか小娘め!」

 

輪入道はそのままイヴに光線を浴びせる。

 

「きゃあぁっ!!」

 

光線を浴びたイヴはダイヤモンドに変化してしまう。

 

「イヴちゃん!」

「イヴちゃんまでやられちゃったよ〜!」

 

彩と日菜が悲痛な声を上げると、輪入道が再び光線を放つ。

 

「わっ!」

「日菜ちゃん!きゃあっ!!」

 

光線を浴びた日菜はダイヤモンドにされ、彼女に続いて千聖もダイヤモンドにされる。

 

「日菜ちゃん!千聖ちゃん!」

「次は貴様だ!」

 

輪入道は彩に向けて光線を放つ。

 

「きゃあっ!」

「危なかと!」

 

すると、一反もめんが自ら彩の盾となり、光線の直撃を受けてダイヤモンドにされる。

 

「一反もめんさん!」

「よくもみんなを!喰らえ!」

 

鬼太郎は髪の毛針を放つが、輪入道の炎で全て焼かれてしまう。

 

「ハーハッハッハッハッ!そんな攻撃俺には効かんわ!」

 

輪入道は高笑いを上げながら光線を吐き、鬼太郎は彩をお姫様抱っこしながら光線を避ける。

 

「そこだー!やれやれー!」

「退けねずみ男!」

「あっ、ちょっと!?ギャーッ!」

 

輪入道を応援するねずみ男だったが、鬼太郎が彼の前を横切ったことでねずみ男に光線が直撃してしまい、ねずみ男はダイヤモンドにされる。

 

「チッ、ちょこまかと!」

 

腹が立った輪入道は回転しながら突撃し、鬼太郎の足元の地面に直撃する。

 

「うわぁっ!」

「きゃあっ!」

 

輪入道の体当たりで二人は吹き飛ばされ、鬼太郎の頭から目玉おやじが転げ落ちる。

 

「あだっ!鬼太郎!このままでは、全滅じゃ!何か奴の弱点を…!」

 

目玉おやじがそう言いかけるが、輪入道の光線が目玉おやじに直撃する。

 

「ひゃー!」

「父さん!」

 

光線を浴びた目玉おやじはダイヤモンドにされる。

 

「親父さんまで!どうしたら…!?」

 

彩が考え込んでいると、最初にダイヤモンドにされた客が落としたと思われる手鏡を見つける。

 

「そうだ!鬼太郎くん!これで光線を跳ね返して!」

 

彩は手鏡を拾って鬼太郎に渡すと、輪入道は光線を吐く。

 

「っ!」

 

鬼太郎は鏡で光線を受けると、光線は反射して輪入道に直撃する。

 

「なっ!?ぐあぁぁぁぁっ!!」

 

光線を受けた輪入道はそのまま巨大なダイヤモンドに変化し、地面に落下すると岩に直撃して砕け散る。

 

「やったー!」

 

彩が喜んでいると、輪入道が食べた魂が全て解放され、ダイヤモンドにされた者たちがもとに戻る。

 

「う、うぅん…?あれ?私確か…?」

「身体が戻りました!」

「千聖ちゃん!みんな!もとに戻ったんだ!」

 

千聖たちももとに戻り、彩が喜んでいると、一反もめんと目玉おやじももとに戻る。

 

「ふ〜、助かったばい〜」

「流石は鬼太郎じゃ!」

 

すると、ねずみ男ももとに戻る。

 

「あら?もとに戻った?あっ!?」

 

ねずみ男の周りにはこれまで騙してダイヤモンドにされた客たちが取り囲んでおり、全員かなり怒っていた。

 

「よくも騙してくれたわね〜!このドブネズミ〜〜!!」

 

客たちはそのままねずみ男を袋叩きにする。

 

「ぎゃーーっ!!許してーーっ!!」

「あちゃ〜…」

「自業自得だな。ん?」

 

それを見た日菜が苦笑いを浮かべ、鬼太郎はすました顔でそう言い放つと、ポケットに入れていた4つのダイヤモンドももとに戻る。

 

「ふー、助かったー」

 

ダイヤモンドはオケラやコウモリ、カエルに戻り、そのうちの一つは呼子だった。

 

「妖怪さんもダイヤモンドにされてたんだ」

 

彩がそう呟くと、呼子は辺りを見回す。

 

「あれ?オラのほかにもう一人ダイヤモンドにされてたけどいねぇな」

「え?あれ?そういえば1個足りなかったな?」

 

鬼太郎がダイヤモンドが一つなかったことに気づくと、イヴがあることに気づく。

 

「あっ!ツグミさんのお店に忘れてたんじゃ!」

「あっ!!」

 

イヴの言葉に店に一つ置き忘れていたことに気づく全員。

その頃、羽沢珈琲店では…。

 

「わーっ!?どうなってるのこれ〜!?」

「あれ?ここどこだ?」

 

ダイヤモンドにされていたもう一体の妖怪の正体は一本だたらであり、突然ダイヤモンドが一本だたらに変わったことにつぐみはかなり驚いていた。

ちなみにねずみ男の店で販売されていたダイヤモンドも全てもとに戻り、その多くはドブネズミだったという。

 

続く。

 

次回、第十話「折りたたみ入道」




伝承での輪入道はその姿を見た者達の魂を奪う妖怪とされ、京都に伝わる妖怪、片輪車が由来とされている。
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