Pastel*Palettes feat.ゲゲゲの鬼太郎〜BanG Dream!ガールズバンドパーティ!外伝〜   作:キプkeep

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第二話です!髪の毛妖怪、夜叉が登場!
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第二話「夜叉」

都会から遠く離れたとある墓地に一人の人影が近づいていた。

その人物はねずみ男である。

ねずみ男は散歩の途中なのか、あけびを食べながら歩いていた。

 

「はぁ〜あ、なんかいい儲け話ねぇかな〜?金がないと腹も減るし住む場所もないからな〜、結局世の中銭なのよ〜」

 

ねずみ男があけびの甘い中身を食べ終えて皮を投げ捨てると、その辺にあった石の上に座り込む。

すると座ると同時に石が倒れ、ねずみ男も一緒に転んでしまう。

 

「あいたっ!イテテ〜…!ったくツイてねぇな〜」

 

するとその時である。

石があった場所の土の中から毛のような巨大な何かが現れる。

 

「な、なんだぁっ!?」

 

それに驚いたねずみ男が腰を抜かすと、毛のような巨大な物体から声が聞こえる。

 

『オマエ…!オレノシモベニナレ…!』

 

そう言いながら毛のようなものをねずみ男に伸ばし、ねずみ男の全身に巻き付ける。

 

「た、助けてくれよー!ギャーーッ!!」

 

ねずみ男の悲鳴が墓地に響き渡った。

 

……………………

 

それから数日後、とある図書館に彩たちパスパレの5人が訪れていた。

彼女たちは妖怪関連の本を読み漁っており、鬼太郎や妖怪のことについて調べていたのだった。

 

「う〜ん…いろんな妖怪のことが載ってあるね〜」

「でも、あの鬼太郎さんっていう人のことは全く書いてませんね」

 

彩が妖怪の図鑑を読んで妖怪のことを勉強し、鬼太郎について調べていた麻弥は鬼太郎の記録が殆どないことを呟く。

 

「でも、鬼太郎君のことはネットの都市伝説扱いになっていたし、情報があまりないのも当然かしら?」

 

千聖がそう言い放つと、日菜が「水木新聞」という古い新聞記事や「週刊ガロ」という古い雑誌を持ってくる。

 

「ねぇみんな!これって、鬼太ちゃんのことかな〜?」

「日菜ちゃん、ここは図書館だから静かにしなさい。えっと…『謎の巨人、ダイダラボッチ現る!?謎の少年が撃退か?』…って、これって鬼太郎君じゃない!」

 

日菜をたしなめながら千聖は彼女から受け取った新聞記事を読むと、そこには巨大な巨人の妖怪、ダイダラボッチと戦う鬼太郎が写し出された写真が載っていた。

 

「こっちの雑誌には『古の封印から解かれた悪魔、ベリアルを倒す謎の少年!?半透明の1つ目の怪物、のびあがりを倒した少年との関連性は…?』って、書かれているよ!」

 

彩も日菜から受け取った雑誌を読みながら言うと、イヴがあることに気づく。

 

「あれ?この新聞、昭和60年発行と書いてますよ。この雑誌も昭和43年発行と書いてますね」

「あっ、ホントだ!でも、それだったら鬼太郎くんは大人どころかおじいさんになってるはずだけどどういうことだろう…?」

 

彩が不思議に思うと、閉館時間が来たのか周りの客たちは帰り支度をしていた。

 

「もう閉館時間みたいね。続きはまた明日にしましょう」

「そうだね」

 

彩たちは本や雑誌を元の場所に戻すと帰り支度をして帰宅していった。

その日の深夜、一人のサラリーマンが夜道を歩いていた。

 

「ふぅ…遅くなっちゃったな…早く帰らないと…」

 

彼がそう呟いたその時、何処からかギターの音色が響き渡る。

 

「ん?誰だこんな時間にギターなんかひいて…それにしてもいい音色だな」

 

サラリーマンはギターの音色を辿ると、ギターをひいている長髪の男性がいた。

その男性の奏でるギターの音色はとても美しく、サラリーマンはその音色に夢中になっていた。

するとその時、男性の髪が伸びてサラリーマンの口の中に入り、そこから魂を抜き取る。

魂を抜かれたサラリーマンはその場に倒れ込み、男性は立ち去っていった。

翌日、羽沢珈琲店で彩たちはコーヒーを飲みながら話し合っていた。

 

「えっ?連続昏睡事件って?」

「どうやらここ最近色んな人が突然昏睡状態になって病院に運ばれているみたいッスよ」

 

彩は麻弥から最近起きている怪事件について聞いていた。

 

「私もその話は聞いたわ。うちの事務所のスタッフさんたちも何名か被害に遭ってるみたいよ」

「そういえば、事務所の人が少なかったですね…心配です…」

 

千聖の言葉にイヴが心配そうにしていると、Afterglowのキーボード担当で羽沢珈琲店の一人娘、羽沢つぐみがコーヒーを持ってやって来る。

 

「お待たせしました。ウインナーコーヒーです♪」

「ありがとうつぐみちゃん♪」

 

彩が注文していたウインナーコーヒーを受け取ると、つぐみは先程の話を少し聞いていたのか彩たちに問いかける。

 

「あの…何か話していたようですけど何かあったんですか?」

「んー?連続昏睡事件のことだよー。あたし達の事務所の人たちもやられちゃったみたいで」

 

つぐみの問いかけに日菜がココアを飲みながら説明すると、つぐみは表情を曇らせながら言い放つ。

 

「その事件…羽丘の生徒も何名か被害に遭ってるんですよ…」

「ブーーッ!!?は、羽丘の生徒がッスか!?」

 

つぐみの発言に驚いてお茶を吹き出してしまった麻弥がそう言い放つと、彩も慌てながら問いかける。

 

「羽丘の生徒って、もしかして蘭ちゃんたちやあこちゃんたちも!?」

「蘭ちゃんたちは大丈夫ですよ。ただ、何人かの生徒が被害に遭ってて…」

「羽丘でも被害が出てるなんてこれは本当に大事ッスね…」

 

麻弥がそう呟くと、日菜はあることを思いつく。

 

「ねぇ!こういうときこそ呼んでみない?」

「呼んでみるって…あっ!鬼太郎くんをだね!」

「うん♪手紙書いたらくるみたいだから早速…」

 

日菜がメモ帳を取り出して手紙を書こうとしたその時である。

 

「呼んだかい?」

 

彩たちの背後に突然鬼太郎が現れる。

 

「うわぁっ!?ビックリした!?って、鬼太郎くん!?なんでここに!?」

「いやぁ、通りかかったときに彩ちゃんたちを見つけて…」

 

突然のことに彩が驚きながら問いかけ、鬼太郎は答えると、つぐみは不思議そうに日菜に声をかける。

 

「あの、この子は…?」

「この子はゲゲゲの鬼太郎ちゃん!あたしたちの友達だよ!でも、手紙出してないのになんで?」

 

日菜はつぐみに鬼太郎を紹介すると同時に疑問に思って問いかけると、鬼太郎は別の依頼者が出したと思われる手紙を見せる。

 

「実は最近起きてる事件の被害者の家族に依頼されたんですよ。それに最近、ねずみ男が行方不明になってるから気になって」

「え?ねずみ男さんが?」

 

彩がねずみ男が行方不明になっていることを鬼太郎から聞くと、千聖が口を開く。

 

「とりあえずここじゃアレだから詳しい話は別の所にしましょう。つぐみちゃん、また来るわね」

「は、はい!」

 

千聖がそう言うと彩たちは会計を済ませて鬼太郎と共に店から出る。

しばらくして人気のない路地裏に来ると、鬼太郎の髪の毛の中から目玉おやじが現れる。

 

「気を使わせてすまんのぉ千聖ちゃん。急に出てきたらさっきのカフェの子をビックリさせてたかもしれんし」

「いいんですよ。それよりもこの事件についてなにか知ってることがあるのかしら?」

 

千聖が問いかけると、鬼太郎は事件について説明する。

 

「僕と父さんは被害者が運ばれている病院に行ってみましたが、昏睡状態になっている人たちはみんなどうやら魂を抜かれているようでした」

「た、魂を?」

「普通魂がなくなれば人は死ぬ。じゃが、抜き取られた場合はまだ死んではおらん。食われたり持っていかれたりしたら別じゃがの」

 

目玉おやじが魂について説明すると、イヴが質問をする。

 

「キタローさん、オヤジさん、魂を抜き取られたということは妖怪さんの仕業なんですか?」

「うん。妖気も感じましたし、妖怪絡みだということは間違いないでしょう。被害者と一緒にいたという人に話を聞きましたが、どうやらギターを持った男が魂を抜くところを見たようです」

 

鬼太郎はそう言いながら情報を提供してくれた人が描いたと思われる似顔絵を彩たちに見せる。

 

「これが犯人か〜…あれ?この服何処かで見たような…?」

 

彩が似顔絵の人物の身につけている服に気づくと、鬼太郎が目玉おやじに問いかける。

 

「父さん、ギターを使う妖怪に心当たりはありますか?」

「うーむ…覚えがないのぉ…とにかく被害者が倒れていた場所に行ってみることにしよう」

「はい、父さん」

 

目玉おやじにそう言われた鬼太郎はすぐに事件現場に向かうことにする。

 

「あっ!鬼太郎くん、私達も連れてって!」

「ちょっ、彩ちゃん!?待ちなさい!」

 

彩はそう言って鬼太郎親子についていき、驚いた千聖たちもついて行った。

数時間後、彩たちは鬼太郎親子と共に被害者となっていたサラリーマンが倒れていた場所にやってきていた。

そこは何の変哲もない通路であり、鬼太郎は妖怪アンテナで妖気を調べていた。

 

「鬼太郎くん、どう?」

 

彩が声をかけると、鬼太郎は妖気を感じるために妖怪アンテナを立たせながら答える。

 

「う〜ん…僅かに妖気を感じますが本当に微量ですね…もうこの辺りにはいないかもですね…」

 

鬼太郎がそう言ったその時、何処からかギターの音色が響き渡る。

 

「ん?ギターの音?」

 

日菜がギターの音に気づくと、鬼太郎の妖怪アンテナが強く反応する。

 

「むっ!強い妖気です!近くにいます!」

「ち、近くにですか!?」

 

鬼太郎は警戒し、イヴが怯えて彩たちの後ろを隠れていると、プカプカと浮かぶ風船の紐を巻き付けたギターを持った長髪の男性が現れる。

その男性はギターを弾きながらニヤリと笑みを浮かべて近づいていた。

 

「っ!似顔絵の…!」

「お前が犯人か!何者だ!?」

 

鬼太郎が問いかけると、男性はギターをひくと、髪の毛が伸びて鬼太郎たちに襲いかかる。

 

「みんな!僕の後ろに下がるんだ!」

「う、うん!」

 

彩たちは鬼太郎の後ろに隠れると、鬼太郎はちゃんちゃんこを脱いでそれで男性の髪の毛をはたいて防ぎ、ポケットの中からオカリナを取り出す。

鬼太郎の武器の一つで、ロープや杖、剣に変化する万能アイテム、妖怪オカリナである。

 

「ハァッ!」

 

鬼太郎は妖怪オカリナの吹き口からロープを伸ばし、それを男性の体に巻き付ける。

 

「喰らえ!」

 

そして鬼太郎は体内にある発電器官で電気ウナギのように発電する技、体内電気を放ち、オカリナロープを通って男性に電流が流れる。

 

「ギャーッ!」

 

感電した男性は悲鳴を上げながら倒れると、鬼太郎たちは男性のもとに駆け寄る。

 

「さぁ、観念しろ!お前の正体は…なっ!?」

 

鬼太郎が男性を見ると、長い長髪はなぜか無くなっており、その男性の正体は行方不明だったねずみ男だった。

 

「ねずみ男さん!?」

「お前が犯人だったのか!?」

 

驚いた彩たちの隣で鬼太郎がねずみ男に問いかけると、ねずみ男は目を覚ます。

 

「う〜ん…?あら鬼太郎ちゃん…?俺何してたんだ…?」

「覚えてないのか!?お前が人間たちの魂を奪ってたんだろ!?」

 

鬼太郎が胸ぐらをつかみながら問い詰めると、驚いたねずみ男は慌てて否定する。

 

「お、俺知らねぇよ!ただ、変な石に座って転んだ時に倒れた石の下から出てきた変なやつに捕まってからなんにも覚えてないわよ…」

「そ、それは本当か?」

 

彼の言葉に鬼太郎が半信半疑になっていると、それを聞いた目玉おやじは考え込む。

 

「うぅむ…どうやらねずみ男は何者かに利用されたようじゃな…」

「あれ?そういえばあの長い髪の毛が無いけどなんでだろう…?ん?何この風船?中になにか…?」

 

彩が先程までねずみ男の頭にあった長髪を探していると、ギターに繋がれた風船の中になにか浮かぶものがあることに気づく。

それは人魂のようなものだった。

 

「わっ!?人魂!?」

 

彩が驚くと目玉おやじが言い放つ。

 

「その風船の中にあるのはおそらく被害者たちの魂じゃ!風船の中から出せば魂は元の体に戻る!」

「じゃあ、早く出さないと!」

 

千聖がそう言って全員で風船を割ろうとしたその時である。

 

『オレノエモノニサワルナ…!』

 

何処からか声が聞こえると同時に鬼太郎の妖怪アンテナが妖気を探知して立つ。

 

「!さっきの妖気と同じ妖気!」

「…?ヒィッ!?」

 

すると、後ろから気配を感じたイヴが後ろを見るとあるものを見て驚愕する。

そこにいたそれは、先程までねずみ男の頭にあった長髪の髪の毛が宙に浮かんでうねうねと髪の毛をなびかせ、2つの爛々と輝く目を持つ巨大な髪の毛だけの妖怪だった。

 

「な、何あれ!?あれも妖怪!?」

「こ、コイツだよ!俺を襲ったのは!」

 

彩がそれを見て驚き、ねずみ男が指を差しながら言うと、目玉おやじが妖怪を見て叫ぶ。

 

「こ、コイツは夜叉じゃ!」

「や、夜叉!?」

「1000年前にインドからやって来た髪の毛だけの妖怪じゃ!人の魂を喰らう妖怪で封じられていたのじゃが、ねずみ男のミスで目覚めさせてしまったようじゃ!正体は奴じゃったのか!」

 

目玉おやじが夜叉について説明すると、夜叉は鬼太郎たちを見る。

 

『オマエタチノタマシイヲクッテヤル…!』

 

夜叉はそう言い放つと、髪の毛を伸ばす。

それを見た鬼太郎は咄嗟にちゃんちゃんこを投げて髪の毛を防ぎ、そのままちゃんちゃんこは夜叉の顔に貼り付いて目を塞ぐ。

 

「彩ちゃん!みんな!早く離れろ!」

 

鬼太郎がそう言い放つと、夜叉はちゃんちゃんこを剥ぎ取って鬼太郎に戦意を向けて髪の毛を伸ばして襲い掛かる。

鬼太郎は攻撃を躱してリモコン下駄を飛ばすが、下駄は夜叉の体をすり抜ける。

 

「鬼太郎、奴の体は髪の毛だけじゃ!普通の攻撃は効かん!奴の魂が宿っている目を狙え!奴の光り輝く目が弱点じゃ!」

「はい、父さん!」

 

鬼太郎は髪の毛針を放つが、夜叉は髪の毛で目を覆い隠して毛針を防ぐ。

 

『ソンナコウゲキデタオセルトオモッタカ!』

 

夜叉は髪の毛を伸ばして鬼太郎を捕まえると、そのまま持ち上げる。

 

「鬼太郎くん!」

『オマエノタマシイヨコセ…!』

 

夜叉は鬼太郎の口の中に髪の毛を入れ、鬼太郎の魂を抜き取ろうとする。

 

「このままじゃキタローさんの魂が取られちゃいます!」

「ぐぅ…!こうなったら…!ハアァッ!」

 

鬼太郎は妖力を消費することで全身から高熱を放出する熱放射を放ち、夜叉に抵抗する。

 

『ウォォッ!?アツイ!アツイ!』

 

熱放射を喰らった夜叉は過剰なまでに怯み、鬼太郎を離す。

夜叉から離れた鬼太郎は一旦距離を取ると、熱放射で妖力を大幅に使用したためか、膝をつく。

 

「うぅ…!」

「鬼太郎くん、大丈夫!?」

 

彩たちが駆け寄る夜叉は全身から黒いモヤのような妖気を放ちながら怒りを露わにしていた。

 

『ヨクモヤッタナ…!キサマラノタマシイヲマトメテクッテヤル!』

 

夜叉はそう言い放つと、髪の毛を伸ばして体力を消耗して動けない鬼太郎を捕らえ、更に彩たちやねずみ男も捕らえる。

 

「きゃあっ!?」

「ちょっとアナタ!毛先のダメージが酷いじゃない!髪の毛なんだからケアは大切にしないとダメよ!」

「言ってる場合じゃないッスよ千聖さ〜ん!」

 

夜叉に捕まった千聖が彼の毛先を見て思わず怒鳴りつけながらそう言い放ち、麻弥がツッコミを入れると、夜叉は今にもねずみ男の口に髪の毛を伸ばして魂を奪おうとしていた。

 

「むごごご…!助けて頂戴よ鬼太郎ちゃ〜ん!」

「や、やめろ!」

 

鬼太郎は髪の毛針を放つが、夜叉は髪の毛針を防ぐと髪の毛で鬼太郎の首を絞めて鬼太郎を絞め殺そうとする。

 

「ぐがが…!」

「鬼太郎くん!このままじゃ鬼太郎くんが!なにか方法はないのおやじさん!?」

「じゃが、夜叉の目を狙おうにも防がれてしまうし、何か他に弱点は…!?」

「!」

 

目玉おやじが頭を抱えていると、日菜は先程夜叉が鬼太郎の熱放射を過剰に嫌がっていたことを思い出す。

 

「ねぇ!この妖怪って、髪の毛なんだから熱や火に弱いんじゃないかな?」

「そうか!じゃが、鬼太郎の熱放射は妖力を大幅に使うから多用は出来ん…!そうじゃ、妖怪オカリナで火の妖怪を呼ぶのじゃ鬼太郎!」

「は、はい父さん!」

 

鬼太郎は妖怪オカリナを取り出すと、それを吹き始める。

 

「鬼太郎くんは何を…?」

「妖怪オカリナの音色はわしらの仲間を呼び出すことができるのじゃ」

 

目玉おやじが困惑する彩に説明すると、空の彼方から何かが現れる。

一見すると青白い火の玉だが、その姿はクラゲのようで、本来なら海の周りを飛び回る鬼火の妖怪、海月の火の玉である。

 

「ひ、火の玉!?」

「おぉ!海月の火の玉!来てくれたか!」

『ヒ、ヒノタマダト!?』

 

海月の火の玉を見た夜叉が驚くと、海月の火の玉は鬼太郎と目玉おやじに気づく。

 

「お?鬼太郎はんとおやじさんやないか。久しぶりやな〜、ワイを呼んだのはアンタらかいな?」

「海月の火の玉!夜叉に火をつけてくれ!」

「お安い御用や!それ!」

 

海月の火の玉は夜叉に突っ込んで行く。

それを見た夜叉は慌てて鬼太郎と彩たちを落として逃げようとしたが、海月の火の玉は夜叉に体当たりをし、夜叉の体に火が燃え移る。

 

『ヴグァァッ!!アツイ!アツイ!!』

「ギャー!アチアチアヂーーッ!!俺を巻き込んでるぞー!あぢ〜〜!!」

 

夜叉は激しく炎上しながら藻掻き苦しみ、魂を抜き取ろうとしていた途中で捕らえていたままだったため、ねずみ男も巻き添えを喰らって燃え上がる。

 

「今じゃ鬼太郎!トドメじゃ!」

「はい!」

 

鬼太郎は転がりながら藻掻いている夜叉に右手を向けると、指をピンと伸ばす。

 

「指鉄砲…ッ!」

 

鬼太郎は指先を弾丸のように切り離して発射する技、指鉄砲を放ち、5つの指の弾丸は夜叉の2つの目を貫通する。

 

『グアァァァァッ!!』

 

両目とともに自らの魂も貫通された夜叉は断末魔の叫びを上げながら消滅した。

 

「やったー!」

「た、助かった〜…!」

 

夜叉を倒したことで彩たちは喜びながら鬼太郎に駆け寄り、ほぼ黒焦げになりながらもなんとか無事だったねずみ男も駆け寄る。

 

「ふぅ〜…手強い相手でしたよ」

「!キタローさん!み、右手の指が無くなってますよ!?」

 

すると、イヴが指鉄砲を放ったことで指先が無くなってしまった鬼太郎の右手を見て驚く。

 

「あらら〜、右手がこんな事になっちまって〜。これじゃあ鼻くそもほじれないわよ鬼太郎ちゃん!」

「心配いらないよ。切り離した指はトカゲの尻尾みたいにすぐに生えてくるから。ほら」

 

ねずみ男の言葉に鬼太郎が楽観的にそう言い放ちながら右手を見せると、指がすぐに生えてきてあっという間にもとに戻った。

 

「すごーい!」

「海月の火の玉、助けてくれてありがとう」

「なんのなんの!またなんかあったらいつでも呼んでやー」

 

鬼太郎が海月の火の玉に礼を言うと、海月の火の玉は飛び去っていった。

 

「鬼太郎、それにみんな。魂が入ってる風船を早く割ろう」

「う、うん!えい!」

 

彩たちは風船を割ると、中から飛び出した大量の魂は魂を抜き取られた人々のもとへ戻っていった。

翌日、彩たちはスマートフォンのニュースサイトで魂を抜き取られた人々が目を覚ましたということが記された記事を読んでいた。

 

「ふぅ〜…一時はどうなるかと思ったけどなんとか解決したね〜」

「そうね。それにしても髪の毛の妖怪もいたなんて思いもしなかったわ…」

 

彩の言葉に千聖がそう言い放つと、日菜は昨晩、鬼太郎が呼んだ海月の火の玉のことを思い出す。

 

「そういえば、あの火の玉も鬼太ちゃんの仲間みたいだったけど、他にも鬼太ちゃんの仲間っているのかな〜?」

「いるよ」

 

するとその時、彩たちの背後に鬼太郎親子とねずみ男が現れる。

 

「うわぁっ!?鬼太郎くん!?びっくりした〜…!なんでここに?」

「ちょっと、近くのラーメン屋でラーメンを食べてたんだよ」

 

鬼太郎が彩の問いかけにそう答えると、彩たちの会話を聞いていたねずみ男は鬼太郎と目玉おやじにある提案を出す。

 

「なぁなぁ、ちょうどいい機会だからよ〜、彩ちゃんたちを連れて行ってみねぇか?」

「え?連れて行くって何処にですか?」

 

不思議に思った麻弥が問いかけると、鬼太郎と目玉おやじは相談していた。

 

「どうします父さん?」

「う〜む…まぁいいじゃろう。わしらとの縁も出来ておるからの〜」

「そうですね。じゃあ、彩ちゃんたちを連れて行ってあげますよ。僕らのふるさと、ゲゲゲの森に」

「げ…ゲゲゲの森?」

 

鬼太郎の言葉に彩はもちろん、千聖たちも困惑の表情を浮かべていた。

 

続く。

 

次回、第三話「ゲゲゲの森、鬼太郎親子の過去」

 




小ネタ紹介。
日菜ちゃんが持ってきた新聞の「水木新聞」の元ネタは言うまでもなく水木しげる先生。
もう一つの週刊誌の「週刊ガロ」の元ネタは貸本時代の鬼太郎が連載されていた雑誌、「月刊漫画ガロ」が元ネタ。
原作及びアニメのゲゲゲの鬼太郎では夜叉は中国の妖怪だが、本作では伝承の設定を取り入れインドの妖怪という扱いにしている。
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