Pastel*Palettes feat.ゲゲゲの鬼太郎〜BanG Dream!ガールズバンドパーティ!外伝〜 作:キプkeep
この小説はpixivで投稿されているものを加筆修正しています。
某日、とある港町。
都会から離れた田舎の港町にねずみ男がやって来ていた。
背中には大きなリュックサックを背負っており、ある目的のためにこの町にやって来ていたのだった。
「ニシシ〜♪ここだここだ〜♪人魚の目撃情報が出てる町は〜。ここで人魚を見つけて大儲けしてやろ〜」
ねずみ男がこの町にやってきた理由はこの町に古くから目撃証言が相次いでいる人魚を探すためであり、ねずみ男のリュックサックの中には人魚を捕獲するために必要なものが入っていた。
するとカランコロンと下駄の音が響き渡る。
「おや?この足音は…?」
ねずみ男は足音の方を向くと、そこには鬼太郎がいた。
「人魚の子はいらんかねー?刺し身にして食べると美味しいよー」
鬼太郎はそう言いながら歩き回っており、何やら妙なものを担いでいた。
それは、ハゲ頭の人魚の子供であり、人魚の子供は目を細めながら目に涙を浮かべていた。
「鬼太郎じゃねぇか。何やってんだよ?それにそれは人魚か?」
「そうだよ。金儲けのために人魚の子を売り歩いてるんだよ」
「へぇ〜…ホントにいたのか〜…それで、人魚の子は何処で手に入れたんだ?」
「この先の海岸だよ。ほほほほ」
ねずみ男の問いかけに鬼太郎はそう答え、人魚の子供を見つけた場所を教えると妙な笑い声を上げる。
「ん?なんだその笑い方?」
「な、なんでもねぇよ。人魚の子はいらんかねー?」
慌てて口を塞ぎながら鬼太郎は誤魔化すと再び人魚の子供を売り歩きに行った。
「鬼太郎も変わったなぁ…よし、俺も探そう!」
触発されたねずみ男は鼻息をフンッと出しながら海岸に急いで向かうと、誰かに声をかけられる。
「あれ?ねずみ男さん。どうしたのこんな所で?」
声をかけたのは彩であり、他のパスパレのメンバー全員も集まっていた。
「あらやだ彩ちゃんたちじゃないの。なんでここに?」
「旅番組のロケが終わったからみんなで観光してから帰ろうと思って。それよりもどうしたのよその荷物?」
ねずみ男の問いかけに千聖が答えると、千聖はねずみ男のリュックサックを見て言う。
「これか?人魚を捕まえるための道具だよ!潜水服やゴムボートに酸素ボンベまで色々入ったスグレモノよ!」
「に、人魚?た、確かにここは人魚伝説が盛んですけどホントにいるんスか?」
「いるよぉ!俺さっき鬼太郎が本物の人魚の子供を売り歩いてるところ見たんだぜ!」
「僕がどうしたって?」
不審に思う麻弥に対してねずみ男がそう言い放ったその時、ねずみ男の背後に一反もめんに乗った鬼太郎が現れていた。
「鬼太郎くん」
「あら鬼太郎じゃないの。お前人魚の子供は売れたのか?」
ねずみ男が問いかけると、一反もめんから降りた鬼太郎は不思議そうな表情を浮かべる。
「何のことだ?僕は人魚の子供なんて知らないぞ」
「嘘つくなよ〜!お前さっきまで人魚の子供売り歩いてただろ〜?俺さっき会ったんだからなー!」
ねずみ男がそう言うと、鬼太郎の髪の毛の中から目玉おやじが現れる。
「このバカタレ!ワシらは今ここに来たばかりじゃ!寝ぼけとるのか!?」
「それにキタローさんがそんな酷いことをするはずがありません!」
「へ?じゃあ、さっきのは…?」
目玉おやじとイヴはねずみ男を非難すると、鬼太郎はあることに気づく。
「やっぱり…そりゃあ僕の偽者だよ」
「に、偽者!?」
「偽者が出るなんて鬼太ちゃん有名人〜!」
「いや、もとから有名人でしょ…」
鬼太郎の発言にねずみ男が驚き、日菜は目を輝かせながらそう言うと千聖がツッコミを入れる。
すると、一反もめんが鬼太郎に続いて言う。
「おいどんは河童どんから鬼太郎どんがここで人魚の子を売り歩いてるって聞いたばい。そんな筈はなかと思って鬼太郎どんに相談してここに来たばい」
「許せないよ!鬼太郎くんに化けてイメージダウンしようとするなんて!」
「ねずみ男。その偽者は何処で人魚の子を見つけたって言ってたんだ?」
「えっと…この先の海岸だよ」
「鬼太郎、まだいるかもしれんからすぐにゆくぞ!」
「はい!」
目玉おやじにそう言われた鬼太郎はねずみ男が言った場所へと向かい、彩達も鬼太郎について行く。
しばらくして偽鬼太郎が人魚の子供を見つけたという海岸にたどり着く。
「ここか…妖気は感じないな…」
「ん?あそこに誰かいるよ?」
妖怪アンテナを立てながら鬼太郎は妖気を探っていると、彩がある人物を見つける。
それは釣りをしているサラリーマンの山田であり、山田は何かを釣り上げようとしていた。
「山田さん。何してるんですこんなところで?」
「鬼太郎さん。それに他の皆さんも。実は休暇で釣りに来たんですけど大物がかかったみたいで…ぐぬぬ…!」
「ジブンたちも手伝いますよ」
「私も手伝います!」
大物を釣り上げようとする山田を麻弥とイヴは手伝うことにし、彼と共に釣り上げようとする。
「せーの!」
そして一緒に竿を上げると何かが釣り上がる。
それは傷だらけの人魚の子供だった。
偽鬼太郎が売り歩いていた人魚の子供とは違い、頭に少しだけ毛が生えており、別個体の様子だった。
「に、人魚ぉ!?」
「ほ、本物!?」
人魚の子供を見た三人は腰を抜かして驚くと、鬼太郎が人魚の子供に駆け寄る。
「キミ、大丈夫か?一体誰にやられたんだ?」
「さ、さざえ鬼がぼくらの家を占拠したのです…仲間はみんな捕まってしまい、ぼくだけが逃げ延びました…」
「何!?さざえ鬼じゃと!?」
「ど、どんな妖怪なのおやじさん?」
人魚の子供の言葉を聞いた目玉おやじは驚き、彩が問いかけると目玉おやじは説明する。
「サザエが変異した妖怪じゃ。そこまで強くはないのじゃが、頭が良くて厄介な能力を持っとるらしい」
「さざえ鬼か…キミたちの家はどの辺りなんだ?」
「あの海の真ん中辺りです」
人魚の子供は目の前の海の真ん中あたりの位置を指さすと、鬼太郎は一反もめんに乗る。
「僕が海の中に潜ってさざえ鬼に捕まってるキミの仲間を助けに行くよ」
「鬼太郎くん!私も一緒に行くよ!」
すると彩がそう言って一反もめんに飛び乗る。
「ちょっ!?無茶よ彩ちゃん!」
「大丈夫大丈夫♪一反もめんさんから降りないよ。それにおやじさんも預からないと」
「仕方ないのぉ…一反もめん。連れてってくれ」
「コットン承知!」
驚く千聖に対して彩がそう言い放つと、目玉おやじは彩の頭に飛び移ると一反もめんは人魚の子供が示した場所に向かう。
目的の位置にやってきたその時、ゴボゴボと水面が泡立つと同時に海の中から猛スピードで何かが現れると、ドリルのように回転しながら一反もめんを貫く。
「ぎゃーっ!」
「一反もめん!」
「ひゃあっ!?」
真っ二つに引き裂かれたことで一反もめんから落ちた三人はそのまま海の中に落下する。
「彩ちゃん!鬼太郎君!おやじさん!」
三人が海の中に落ちたことで千聖が声を上げると、風に吹かれて一反もめんの上半身と下半身が海岸に戻って来る。
「下半身が千切れて痛いば〜い!」
「一反もめんさん!大丈夫じゃないッスよね…」
「心配すんな。コイツは水につけると再生するんだよ」
「それよりも早く彩ちゃんたちを助けようよー!」
ボロボロになった一反もめんを見た麻弥に対してねずみ男はそう言って一反もめんを海水に浸すと、日菜が三人を助け出すよう言い放つ。
「そうは言っても誰が助けに行くのよ…?」
「いるとするなら…」
すると全員はねずみ男を見る。
「お、俺!?俺ぁカナヅチだから無理だよ!」
「お願いします!鬼太郎さんたちを助けに向かってくれたらぼくたちの家にある金塊をお礼にあげますから!」
「喜んでやろうじゃないの!」
嫌がるねずみ男だったが、人魚の子供の言葉を聞いていつの間にか潜水服に着替えて酸素ボンベを背負っていた。
「こ、この金の亡者…」
「では、ぼくが案内します!」
ねずみ男の態度の切り替えの早さに千聖が頭を抱えると、人魚の子供は海に入り、ねずみ男も続いて海に入った。
「アヤさん…キタローさん…オヤジさん…」
イヴは三人の無事を祈っていた。
………………………
その頃、鬼太郎は何処かの洞窟の中で目を覚ます。
「う、うぅん…?こ、ここは…?」
「気がついたか?」
すると何処からか声が聞こえ、声のした方を向くと、そこには偽鬼太郎がいた。
偽鬼太郎のすぐ近くには縛られている彩と目玉おやじがいた。
「父さん!彩ちゃん!」
「鬼太郎くん!」
「鬼太郎!」
彩たちの背後には水槽があり、水槽の中には大勢の人魚がいた。
「お前が僕の偽者だな!正体を表せ!」
「くくく…!」
すると偽鬼太郎の身体がグニャグニャと変形し、前髪で目元が隠れ、寸胴型の胴体にフジツボが無数に付着した下半身が特徴的な正体を露わにする。
「ワシはさざえ鬼といぅてな。サザエが三百年以上生きると細胞に変化をきたしてどんな形にでもなれるんだ」
「お前がさざえ鬼か!何故僕に化けてたんだ!?」
鬼太郎が問いかけると、さざえ鬼は笑みを浮かべながら答える。
「お前の姿になっておびき寄せようとしたのさ。お前を食べて神通力を手に入れるためにな!」
「食べる!?」
「鬼太郎くんを食べる気なの!?」
さざえ鬼の発言に鬼太郎と彩が驚くと、さざえ鬼は口を大きく開ける。
「んがーーっ!」
さざえ鬼の口の中には先端に目玉がついた長い舌があり、口を開いたままさざえ鬼は襲いかかる。
「あっ、コイツ本当に食べる気だ!」
「逃げるんじゃ鬼太郎!」
目玉おやじがそう言い放つが、鬼太郎は何故か動けなかった。
「ぐっ、体が痺れて動けない…!」
「こんなこともあろうかと気絶してる間に痺れ薬を飲ませたのさ!」
そう言ってさざえ鬼は鬼太郎を掴むとそのまま口の中に放り込んで丸呑みにしようとする。
「鬼太郎くん!」
「モゴモゴ…〜〜っ!?」
すると次の瞬間、鬼太郎は口の中で体内電気を使い、さざえ鬼は感電して反射的に鬼太郎を吐き出す。
「ぺっ!ぺっ!デンキウナギみたいなヤツだ…!」
するとさざえ鬼は何を思ったのか、妙な棒を引っ張った。
すると次の瞬間、鬼太郎とさざえ鬼のいる場所の壁が迫ってくる。
「!壁が徐々に迫ってくる!?」
「お前をぺしゃんこにしてやる!」
「なっ!?そんなことをしたらお前まで!」
「ははははっ!」
驚く鬼太郎に対してさざえ鬼は笑い声を上げると壁はそのまま二人を押し潰す。
「鬼太郎くん!」
「鬼太郎!」
鬼太郎が押し潰されたことで二人が声を上げると、後ろから声が聞こえる。
「彩ちゃん。おやじ」
そこにいたのは人魚の子供に案内されて到着したねずみ男だった。
彼の後ろには出入り口の水溜りに待機する人魚の子供もいた。
「ねずみ男さん!」
「助けに来たぜ!ところで鬼太郎は?」
「鬼太郎は潰されてしまった…」
「な、何ぃ!?」
目玉おやじの発言にねずみ男が驚くと、岩のすき間からさざえ鬼が出てくる。
「やべっ!」
ねずみ男は慌てて隠れると、さざえ鬼は再び妙な棒を引っ張ると岩が元の位置に戻る。
そこにはペラペラになった鬼太郎がいた。
「プレスされた場合、ワシの方が断然強いな」
さざえ鬼は鬼太郎を引きずると、用意した七輪で鬼太郎の表面を炙り始める。
「焼き加減は表面を軽く炙るくらいのレアでいいだろう」
そう言って鬼太郎を炙ると皿に乗せ、テーブルの上に鬼太郎が乗った皿を置く。
「さて。いただくとしよう」
ナイフとフォークを取り出したさざえ鬼は鬼太郎を切り分ける。
「焼いているのになんて柔らかいんだ。まるで生のビフテキのようだ…プレスされているから柔らかいんだな。ひひひひ…!」
「ほ、ほんとに鬼太郎くんを食べる気なの!?」
「食べるって、鬼太郎をか!?」
「鬼太郎…!」
その様子を見ていた彩とねずみ男が青ざめていると、さざえ鬼は鬼太郎の肉を一切れ口に運ぶ。
「うん!うめぇや!こりゃあ、ほっぺが落ちそうだ!おばけがこんなに美味しいとは思わなかったな」
さざえ鬼は鬼太郎の味に舌鼓を打ち、鬼太郎を食べ進めていく。
「こ、こりゃやべぇ…!逃げるぞ!」
「バカ!逃げる気かねずみ男!」
「だってしょうがねぇだろ!鬼太郎が食われちまってるのによぉ!」
ねずみ男と目玉おやじが口論をしていると、ねずみ男の真横にフォークが刺さる。
「ひぃっ!?」
「妙な臭いがすると思ったら侵入者か。この食事が終わったらついでにお前も食ってやる」
舌の先の目玉で後ろを見ながらさざえ鬼は食事を続ける。
「もぐもぐもぐ…あぁ、美味しかった!おっ?下駄が残ってる。コイツも食おう」
鬼太郎を食べ尽くしたさざえ鬼は残ったリモコン下駄も口に運ぶ。
「ポリンポリンポリン…下駄の味も捨てたもんじゃないなぁ。さて、デザートといこうか」
完食したさざえ鬼は腕を伸ばして三人を掴むとテーブルの上の皿に乗せる。
「ひぃっ!た、食べないで!」
「あたしゃ臭いからまずいわよ〜!」
「ひひひひ…!」
するとその時、背後から石が飛んできてさざえ鬼の頭に当たる。
「誰だ!」
「鬼太郎さんと仲間を返せ!」
さざえ鬼に石をぶつけたのは人魚の子供だった。
「お前は逃げたガキ!ちょうどいい、先に貴様から食ってやる!」
そう叫びながらテーブルをひっくり返し、さざえ鬼は舌を伸ばしながら襲いかかろうとしたその時、さざえ鬼の毛穴から妙な汗が出てくる。
「?毛穴から変なものが出てるな?」
「アレは…?」
「むっ!」
さざえ鬼は舌の先の目玉で毛穴を見ながら不思議に思い、彩も困惑していると目玉おやじはさざえ鬼の頭上を見る。
さざえ鬼の頭上にはさざえ鬼から出た汗のようなものが集まっており、それはやがて人の形になる。
そして汗のようなものが完全に出るとそれは鬼太郎に変化した。
「おや?もう出なくなったぞ?」
さざえ鬼が気を取られている隙に復活した鬼太郎はさざえ鬼の舌を掴む。
「むがっ!?」
「鬼太郎くん!無事だったんだ!」
「食べられた時はどうなるかと思ったよ。コイツに食われた時に気づいたけどコイツの弱点は舌だ!」
鬼太郎の無事を喜ぶ彩に対して鬼太郎はそう言いながらさざえ鬼の舌を握り締め、そのまま先端の目玉も攻撃する。
「ぎゃーーっ!やめろー!体を保てなくなる〜!」
苦しみもだえるさざえ鬼に異変が起きる。
舌は徐々に変化していき、サザエの貝殻のようなゴツゴツとした形状の頭部を持つ本来の姿に変化する。
そして舌が完全に変化して地面に倒れ込むと抜け殻となった身体は消滅する。
「流石は鬼太郎じゃ!」
「父さん、彩ちゃん。すぐに縄を解くよ」
鬼太郎は彩と目玉おやじのロープを解くとさざえ鬼の本体は起き上がる。
「ま…まだだ…!お前を食って長生きしてやるんだ!」
するとさざえ鬼の本体はドリルのように高速回転しながら鬼太郎めがけて突進する。
「!危ない鬼太郎くん!」
「っ!」
攻撃に気づいた彩の言葉で鬼太郎は咄嗟に攻撃を躱す。
「大丈夫か鬼太郎!」
「は、はい。今の攻撃…一反もめんを真っ二つにしたのはお前だったのか!」
「今度はお前の腹に風穴を開けてやる!」
さざえ鬼はUターンして鬼太郎めがけて高速回転しながら再び突進する。
「また来るよ!」
「このぉ!」
鬼太郎はリモコン下駄と髪の毛針を放つが、さざえ鬼の硬い頭部によって全て跳ね返されてしまう。
「リモコン下駄と毛針が効かない!」
「こうなったら鬼太郎!熱放射を使うんじゃ!」
「はい父さん!」
目玉おやじの指示を受け、鬼太郎は妖力を高め、真っ赤に発光しながら全身の体温を急上昇させる。
「これでも食らえ!」
そのまま鬼太郎は口から熱線を吐き出し、熱線はさざえ鬼に直撃する。
「えぇーーっ!?く、口からビーム!?」
「ぎゃーーっ!あちちちちちっ!サザエのつぼ焼きにされちまう〜!」
鬼太郎の熱線を見た彩は目を見開きながら驚き、さざえ鬼は熱線を受けたことによりもがき苦しむ。
「このままサザエのつぼ焼きにされたくなかったら人魚たちを解放してもう二度とこんなことをしないと誓うか!」
「誓う!誓う!誓うからやめてくれ〜!」
さざえ鬼は慌てて二度と悪さをしないことを鬼太郎に誓うと鬼太郎は熱線を吐くのをやめる。
「ひ、ひぇ〜!」
完全に戦意を喪失したさざえ鬼は慌てて海に繋がる出入り口の水溜りの中に入り、逃げて行った。
「やったね鬼太郎くん!あんな能力持ってたなんてビックリしたよ〜!」
「熱放射は鬼太郎の妖力を普段よりも使う技じゃから滅多に使うことは出来ないんじゃよ」
「さぁ、人魚たちを早く助けよう」
鬼太郎に駆け寄りながらそう言い放つ彩に対して目玉おやじは鬼太郎の頭の上に飛び乗りながらそう説明すると鬼太郎たちは人魚たちを水槽の中から解放することにした。
それから数分後、人魚たちを解放し、海岸に戻ってきた鬼太郎たちは千聖たちと合流していた。
「みんな!」
「彩ちゃん!みんな無事だったのね!」
千聖が真っ先に彩に駆け寄ると、人魚の子供が声をかける。
「ありがとうございます!皆さんのおかげで仲間たちはみんな救われました!これはお礼の金です!」
そう言って人魚の子供は大きな金塊を取り出す。
「あらま〜♪それじゃあ遠慮なく…」
「やめろねずみ男。僕たちはそんなものはいらないよ。それよりももうさざえ鬼は悪さをしないと思うから安心するといいよ」
「はい!さようなら!」
金塊を受け取ろうとしたねずみ男を鬼太郎が止めると、人魚の子供は礼を言いながら海に潜っていった。
「ばいばーい!」
「はぁ〜、せっかく金持ちになれると思ったのによ〜…」
「ねずみ男ちゃんはお金のことばっかり〜」
金塊を貰えなかったことでがっかりするねずみ男に対して日菜が笑いながらそう言うと、辺りから笑い声が上がったのだった。
続く
次回、第七話「白うねり」
鬼太郎シリーズでは男性的な妖怪として扱われているさざえ鬼だが、伝承では女性的な妖怪として扱われている。